【録画】メタ・フォーQ演奏会

  • メタ・フォー弦楽四重奏団演奏会(バルトーク:弦楽四重奏曲第5番、シベリウス:弦楽四重奏曲「親しい声」より第4&5楽章、アラコティラ:イ・ユスリン) メタ・フォーQ (2010.3.4 録画 [NHK BS-hi(2010.4.14)])
根がマメなタイプではないので、どうしても情報通にはなれない。弦楽四重奏を愛好することにかけては、そんじょそこらの人に負ける気はしないのだが、様々な団体の動向を網羅的にチェックするようなことは、どうにも苦手だ。

そんなわけで、メタ・フォーQという団体も、今回の放送で初めて知った次第。バルトークの第5番を映像で観たことがなかったので、観てすぐに消去すればいいや、といった軽い気分で録画してみた。

メタ・フォーQは2001年に設立され、2004年のショスタコーヴィチ国際弦楽四重奏コンクールに優勝し、ショスタコーヴィチ作品の演奏に対する特別賞を受賞。さらに2007年には、ヨーゼフ・ハイドン国際室内楽コンクールでも優勝したという錚々たるキャリアを誇る。チェロ以外の3人は立ったままで、しかも対向配置をとっている辺りに、彼らのちょっとしたこだわりを感じる。ただ、あくまでも僕の趣味から言えば、オーケストラのような大編成と異なり、弦楽四重奏では対向配置を採る積極的なメリットはあまり感じられない。また、立って演奏するのも、独奏ならともかく3人が熱演するとなると、少々目にうるさい。

こうした視覚面はさておき、演奏そのものは大変立派な内容で感心した。まず、技術水準が非常に高く、終始安心して聴き通すことができる。バルトークの6曲中、最も演奏上の難易度が高いと思われる第5番を、これほどまでに清潔に弾き切っていることは、それだけで特筆すべきだろう。表現意欲も旺盛で、それでいて上品さを失わないのも好ましい。新進気鋭の団体らしく、楽曲の隅々まで徹底的に詰めていることが随所に窺えるが、シベリウスに関しては、色々やろうとし過ぎて逆に何となくいびつになってしまったようにも思えたのが惜しい。

ティモ・アラコティラ(1959~)という作曲家は民俗音楽に軸足を置いている人のようだが、アンコールで演奏された「イ・ユスリン」という曲も、独特の雰囲気があって楽しめた。

60分の放送時間の制約の中で、当日のプログラムから“お国もの”ということでシベリウスを抜粋にしてでも放送しようとしたのだろうが、彼らの経歴を考えるならば、時間的にもショスタコーヴィチの第7番の方が良かったのではないかと思う。機会があれば放送してもらいたいものだ。
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ピアソラ、バルトーク、ショスタコーヴィチ

  • Sérgio & Odair Assad Play Piazzolla (Nonesuch 79632-2)
  • バルトーク:野外にて、コントラスツ、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ R. マン (Vn) ハンブロ (Pf)  S. ドラッカー (Cl) (Bartók Records BR 1916)
  • ビゼー(シェドリーン編):カルメン組曲・ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 キーシン (Pf) カフェルニコフ (Tp) スピヴァコフ/モスクワ・ヴィルトゥオージ他 (Melodiya MEL CD 10 00618)
アサド兄弟のピアソラは、何度聴いても良い。収録曲のいくつかは、他のアルバムからの再録だったりするが、アルバムとしてのまとまりも良く、何度となく繰り返し聴きたくなる一枚だ。特に好きなのは、「トロイロ組曲」。ピアソラ本人によるオリジナル録音よりずっと曲の良さが出ていると思う。

今年に入ってから購入したディスクの中で、特に感銘深いのが、このバルトーク作品集。大学時代、音研の大先輩Nさんが「バルトークの無伴奏はロバート・マンが一番やで」と言ってたのがずっと記憶に残っていたのだが、一度エテルナ・トレーディングの通販カタログで見かけたきり、結局LPで入手することはできなかった。それだけにこのCD化は文字通り待望のものだったが、演奏もその期待を全く裏切らなかった。巧いだけではなく、この曲をこんなにも官能的に弾きこなしているとは!無伴奏ソナタは、ムローヴァ盤さえあれば十分だと思っていたが、あの快刀乱麻を断つ爽快さとは違う次元の音楽が、ここにはある。他の収録曲も、模範的と言って良いだろう仕上がり。

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番のキーシン盤は3種類あるが、その中ではこのライヴ盤が傑出している。この顔合わせで、たとえライヴであろうと演奏の精度に問題があろうはずがなく、加えて迸る熱気の凄さに圧倒される。淀みのない、早口かつ正確な音楽は、まさにショスタコーヴィチ。併録の「カルメン組曲」も、まさに理想的な名演。すっきりと洗練された極上のアンサンブルが、このスコアの持つ多彩な響きを余すところなく再現している。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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