【楽曲解説】ラヴェル:弦楽四重奏曲

Maurice Ravel
モーリス・ラヴェル(1875~1937)


Quatuor à cordes en fa majeur
弦楽四重奏曲 ヘ長調



 ラヴェル唯一の弦楽四重奏曲は、彼の作曲家としての地位を確立することになった出世作です。最良の意味での職人だったラヴェルの個性が存分に発揮されているだけでなく、精緻な総譜の完成度は極めて高く、クロード・ドビュッシー(1862~1918)が「音楽の神々の名と、そして私の名にかけて、この曲には一音たりとも手を加えないでください」と絶賛したことはよく知られています。ただし、アルペッジョのパターンや表情記号などの細かな点については、後に若干の加筆、改訂が行われました。本日演奏するのは、この改訂版です。

 フランス伝統の循環形式を用いた構成は古典的な4楽章制を踏襲していますが、バスク地方出身の母親の血を強く意識させる繊細かつ物憂げな響きの多彩さは、形式の古典性と計算し尽くされた絶妙の調和を見せています。まさに、不朽の名作です。

シュペーテ弦楽四重奏団 第2回公演(2012年4月14, 21日)

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Ravel,M. 演奏活動_DasSpäteQuartett

カプソン兄弟と児玉 桃のピアノ三重奏

  • ルノー&ゴーティエ・カプソン with 児玉 桃 室内楽演奏会(フォーレ:ピアノ三重奏曲、ショーソン:ピアノ三重奏曲) R. カプソン (Vn) G. カプソン (Vc) 児玉 桃 (Pf) (2008.12.11 録画 [NHK BS-hi (2009.9.28)])
  • ルノー&ゴーティエ・カプソン、児玉 桃 室内楽演奏会(ラヴェル:ピアノ三重奏曲) R. カプソン (Vn) G. カプソン (Vc) 児玉 桃 (Pf) (2008.12.11 録画 [NHK BS-hi (2009.10.16)])
  • ジャン・ギアン・ケラス、エマニュエル・パユ、マリー・ピエール・ラングラメ 室内楽演奏会(ジョリヴェ:クリスマス・パストラル、カーター:エンチャンテッド・プレリュード) ケラス (Vc) パユ (Fl) ラングラメ (Pf) (2008.11.24 録画 [NHK BS-hi (2009.10.16)])
  • ハイビジョン特集 ロシア芸術 自由への道標 ~アシュケナージ“独裁者と芸術家たち”から (録画 [NHK BS-hi (2009.10.9)])
9月は、随分と好みに合う演奏会がテレビで放送されていたのだが、10月に入ってからの放送予定には、とりたてて興味を惹かれるものがほとんど見当たらないのが少し寂しい。

9月末に録画したカプソン兄弟を中心とするピアノ三重奏では2曲が放送されたが、10月に入ってから同日の演奏で残る1曲(アンコールは除く)が放送された。当日はフォーレ→ラヴェル→ショーソンの順で演奏され、アンコールにはショーソンの第2楽章が演奏されたとのこと。このメンバーでの演奏活動も活発に行われているらしく、単なる商業的な顔合わせではないようだ。ただ、少なくとも今回の3曲を聴く限り、カプソン兄弟の大柄で勢いのある音楽と、児玉の端正な音楽との間には微妙な乖離があるように感じた。アンサンブルの完成度ではラヴェルが立派だったが、面白かったのはショーソン。いかにも後期ロマン派といった風情の収拾のつかない音楽だが、カプソン兄弟の時に奔放なまでの演奏は有無を言わさぬ説得力に満ちている。逆に、フォーレは単に弾き飛ばしたようにすら感じられるほどあっさりした演奏で、僕は気に入らなかった。

パユ他の演奏会は、カプソン兄弟のラヴェルと同時に放送されたもの。楽器編成も作品自体にもあまり関心はなかったのだが、たまには守備範囲外の響きも心地好いものだ。名手達の演奏は、これらの作品の美しさを伝えるに十分なもの。

閑話休題。少し前のことになるが、知人とメール交換している中で、5年前に放送されたドキュメンタリー番組が再放送されることを教えてもらった。もちろん、VHSで録画はしてあったのだが、一応DVD-Rにもしておこうかと録画したついでに、久し振りに視聴してみた。5年も経つと僕自身の興味や知識にも若干の広がりがあったとみえて、前に観た時にはほとんど印象に残っていなかったシチェドリーンの作品の美しさにはっとしたり、音楽以外の部分を面白く観たりなど、それなりに楽しんだ。アシケナージの書斎(?)にずらっと並んだ全42巻の旧選集を羨ましく眺めたのは、5年前と同じだったが。こういうドキュメンタリーや新譜が次々と出たショスタコーヴィチ没後30年&生誕100年というのは、ささやかながらも一大イベントだったのだと、今さらながらに改めて思う。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Chausson,E. 作曲家_Ravel,M. 作曲家_Fauré,G.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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