Pablo Sarasate: Obras Completas


ICCMUから出版されたサラサーテの作品全集を入手。これは「Música Hispana」というシリーズの「Serie B Música Instrumental」の一部で、ピアノ伴奏の巻は「36」、管弦楽伴奏の巻には「39」という番号が振られている。巻末の出版リストを見ると40巻と41巻が空白になっていたので、それぞれ続編がこの番号で出版される予定なのかもしれない。収録曲は、以下の通り:
【I. Violín y Piano】
幻想的奇想曲(1862)
ヴェルディの歌劇「運命の力」による演奏会用幻想曲 Op. 1
ファウストの思い出
アレヴィの歌劇「ユダヤの女」による協奏的大二重奏曲
ロッシーニへのオマージュ Op. 2
夢 Op. 4
ボイエルデューの歌劇「白衣の婦人」による幻想曲 Op. 3
グノーの歌劇「ミレーユ」によるカプリース Op. 6
コンフィデンス Op. 7
ドモンの思い出 Op. 8
別れ Op. 9
アンダルシア・セレナード Op. 10
眠り Op. 11
モスクワの女 Op. 12
フロートの歌劇「マルタ」による演奏会用幻想曲 Op. 19
グノーの歌劇「ロメオとジュリエット」による演奏会用幻想曲 Op. 5
エロールの歌劇「ザンパ」によるモザイク Op. 15
トマの歌劇「ミニョン」のガヴォット Op. 16
祈りと子守歌 Op. 17
チリの鳥たち(1871)
グノーの歌劇「ファウスト」による新しい幻想曲 Op. 13
ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」による演奏会用幻想曲 Op. 14
スペイン風アリア Op. 18
ツィゴイネルワイゼン Op. 20
スペイン舞曲集第1番「マラゲーニャ」Op. 21/1
スペイン舞曲集第2番「ハバネラ」 Op. 21/2
スペイン舞曲集第3番「アンダルシアのロマンス」 Op. 22/1
スペイン舞曲集第4番「ホタ・ナバーラ」 Op. 22/2
スペイン舞曲集第5番「祈り」 Op. 23/1
スペイン舞曲集第6番「サパテアード」 Op. 23/2
バスク奇想曲 Op. 24
カルメン幻想曲 Op. 25
スペイン舞曲集第7番「ヴィト」 Op. 26/1
スペイン舞曲集第8番「ハバネラ」 Op.26/2
ホタ・アラゴネーサ Op. 27
アンダルシア・セレナード Op. 28
ナイチンゲールの歌 Op. 29
ボレロ Op. 30
バラード Op. 31
ムイニエラ Op. 32
【II. Violín y Orquesta (I)】
ボイエルデューの歌劇「白衣の婦人」による幻想曲 Op. 3
グノーの歌劇「ファウスト」による新しい幻想曲Op. 13
ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」による演奏会用幻想曲 Op. 14
スペイン風アリア Op. 18
ツィゴイネルワイゼン Op. 20
サパテアード Op. 23/2
カルメン幻想曲 Op. 25
ナイチンゲールの歌 Op. 29
ムイニエラ Op. 32
ピアノ伴奏版は516ページ、管弦楽伴奏版は424ページと大部であり、そもそもヴァイオリン独奏のパート譜もないので、ペーパーバックとはいえ実際の演奏に使うことを想定した作りにはなっていない。

世の中、ありとあらゆるマニアがいるので、“サラサーテ・マニア”も少なからずいるに違いないが、僕自身は有名ヴァイオリニストが弾く「小品集」の類に収録されている有名曲以外に関心を寄せたことはなく、ましてや、全集に手を出そうとは考えてもみなかった。この種のヴィルトゥオーゾ的小品の学術的な原典版が、慣習的に演奏されている版と比べてどのような意味を持つのか、まだ考えをまとめるに至ってはいないが、いずれにせよ、整理された形で(ほぼ)全ての作品がまとめられていることには、それだけで大きな意義がある。巻頭の解説も、現時点で素人が容易に入手できる文献の中では最も詳しいものではないだろうか。少なくとも、楽曲解説などを書く上で必携の文献ということは言えるだろう。

とはいえ、やはり楽譜だけでは物足りない。サラサーテのヴァイオリン曲全集を謳ったCDセットにはミケル・オルテガ(Miquel Ortega)の独奏によるもの(RTVE Classics)があったが、これは技術的に相当の問題がある、いわゆる“トンデモ盤”である。痛々し過ぎる崩れ方には次第に笑いを禁じ得なくなり、終いにはその崩れっぷりが一種の節回しであるかのように思えてきてクセにすらなってしまう。既に入手困難であるようだが、よほど財力に余裕があっても、わざわざ手を出すような代物ではない。

この他にも、ある程度まとまった全集(を意図した)CDはいくつか存在している。とりあえずは価格重視で、Naxosのシリーズを揃えてみた。現時点で管弦楽版とピアノ伴奏版がそれぞれ3巻ずつリリースされているが、今回入手した楽譜に掲載されている作品の中には、これら計6枚の中に収録されていないものもあり、もしかしたらシリーズの続編がリリースされることもあるのかもしれない。

楊天堝(ヤン・ティエンワ)の演奏は、音色に乏しいのが気になるが、技術的には十分清潔に仕上げており、楽曲を知るという観点において申し分のないもの。個々の曲については、好みのヴァイオリニストで聴けばよい。たとえば僕だったら、レオニード・コーガン辺りを選ぶ。

HMVジャパン
HMVジャパン
HMVジャパン

HMVジャパン
HMVジャパン
スポンサーサイト

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Sarasate,P.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

カレンダー
02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
カテゴリ
タグツリー
★ トップ(最新記事)
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
人気記事ランキング
RSSリンクの表示
リンク
音盤検索
HMV検索
検索する

音楽関係のブログ(リンク・更新状況)
PopUp WikipediaⅡ
記事中の気になるキーワードをマウスで選択してください。Wikipediaからの検索結果がポップアップ表示されます。
Wikipedia
developed by 遊ぶブログ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター