ボリース・チャイコーフスキイの映画音楽集

  • B. チャイコーフスキイ:映画音楽「アイボリート-66」、映画音楽「バリザミーノフの結婚」 A. ハチャトゥリャーン/ソヴィエト国立映画省O他 (boheme CDBMR 907085)
家族で買い物をしている途中で、中古レコード市に遭遇。5分だけ時間をもらったが、掘り出し物を探し出す余裕は当然なく、目についたこの一枚だけを購入した。

演奏者としてオーケストラ名がクレジットされているが、両曲とも基本的に小編成のアンサンブルである。「アイボリート」というのは、ロシア版「ドリトル先生」のこと。ビッグバンド風の響きは、ウチョーソフのロシアン・ジャズそのもので、とにかく楽しい。屈託のない旋律は、ややクラシカルな「バリザミーノフの結婚」でも同様。この編成で指揮者の寄与が如何ほどのものかは分からないが、雰囲気たっぷりの演奏は素晴らしい。

この種の作品とシリアスな作品群を一緒くたにしてB. チャイコーフスキイの創作を語るわけにはいかないだろうが、ショスタコーヴィチの次の世代の音楽的な感覚を窺い知ることのできる、興味深いアルバムである。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Tchaikovsky,B.A.

ヤグリングのプロコーフィエフ&ボリース・チャイコーフスキイ

  • プロコーフィエフ:無伴奏チェロ・ソナタ、B. チャイコーフスキイ:無伴奏チェロ組曲、チェロ・ソナタ ヤグリング (Vc) グシャンスカヤ (Pf) (Melodiya 33 C 10-07669-70 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの5月到着分。今回は、1枚のみ。送料がちょっともったいない。

ヤグリングは、第4回チャイコーフスキイ国際コンクール(1970年)のチェロ部門第2位の実力者(この時の第1位はゲリンガス)。テンポが微妙に乱れたりするところもあったりして、必ずしも精確無比といった印象ではないが、技術的にも音楽的にも十分にコントロールの利いた好演である。

プロコーフィエフが最晩年に着手して未完のまま遺された作品に始まり、次の世代の人気作曲家ボリース・チャイコーフスキイの初期作品を並べた構成は、優れて統一感のある秀逸なもの。澄み切った抒情を湛えた平易な旋律が醸し出す幽玄の世界は、プロコーフィエフが到達した境地であると同時に、B. チャイコーフスキイの個性そのものでもある。ヤグリングの幾分泥臭い演奏は、B. チャイコーフスキイの若々しい情熱を等身大に描き出していて、作品の魅力を直截的に伝えてくれる。

いずれも演奏頻度の低い曲ばかりだが、単に曲の姿を知るという以上の音楽的な満足度の高い一枚である。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Prokofiev,S.S. 作曲家_Tchaikovsky,B.A.

ボリース・チャイコーフスキイ:ヴァイオリン協奏曲/アルヒーポヴァのスヴィリードフ

  • B. チャイコーフスキイ:ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリン・ソナタ ピカイゼン (Vn) コンドラーシン/モスクワPO B. チャイコーフスキイ (Pf) (Melodiya CM 04175-6 [LP])
  • スヴィリードフ:「父の国」より第2、8曲、イサーキアンの詩による3つの歌、劇音楽「オセロ」より「デズデモーナの柳の歌」、プーシキンの詩による6つのロマンスより「予感」「冬の道」、レールモントフの詩による8つのロマンスより「シルエット」「3曲」、ブロークの詩による9のロマンスより「Brought by the wind from afar」、劇音楽「白くまの子ウームカ」より「シベリアの歌」 アルヒーポヴァ (MS) スヴィリードフ (Pf) (Melodiya 33 C10-11981-2 [LP])
12月4日の記事の続き。ソ連時代を代表する作曲家のアルバムを2枚聴く。

ボリース・チャイコーフスキイは、園部四郎著『ロシア・ソビエト音楽史話』(創芸社, 1976)で「人気のある作曲家」と形容されていたり、実際に今も多くはないがコアなファンがいる作曲家である。避けていた訳ではないが、なかなか聴く機会に恵まれなかった、代表作の一つとも言われるヴァイオリン協奏曲の音盤をリストに見つけたので、喜び勇んで注文したもの。

一聴してたちまち心奪われて……とはならなかったが、不思議とそのまま放っておく気にはなれず、何度も繰り返し聴いてみた。結局、現時点で作品を咀嚼できたとはとても言えないが、現代風の苦みはあるものの平明な抒情と、息の長い劇的な構成に、非常な魅力を感じるに至っている。それは、とりわけコンドラーシンの名サポートによってもたらされる印象なのかもしれない。もちろん、独奏のピカイゼンもテンションの高い、鬼気迫る凄演を繰り広げている。

ソナタのゆったりとした雰囲気豊かな演奏は、作品の真価を余すところなく表出した素晴らしいもの。この曲はI. オーイストラフの音盤(2008年11月27日の記事)で聴いたことがあったが、本盤とは曲そのものが異なるかのように、味わい深さに雲泥の差がある。作曲者自身がピアノを弾いているということを抜きにしても、決定盤と言ってよいだろう。



基本的に歌曲は好きなジャンルでないのだが、スヴィリードフの歌曲には無条件に好きな作品が少なくない。さらに、アルヒーポヴァとスヴィリードフのデュオとくれば、注文している時点で期待に胸が膨らむというものだ。そして実際、その期待は存分に満たされた。

特に、「デズデモーナの柳の歌」、ブロークの詩によるロマンス、「シベリアの歌」といった初めて聴いた曲が、いずれも珠玉の作品であったことが嬉しい。仄暗い憂愁に覆われた簡潔ながらも訴求力の強い、まさにこれぞスヴィリードフの真骨頂と言ってよい。

ちなみに、アニメ映画「白くまの子ウームカ」は、YouTubeなどで観ることができるが、そのタイトルクレジットには、作曲家としてスヴィリードフの名はない。実際のところ、この音盤に収録された「シベリアの歌」が流れるシーンもない。おそらく、このアニメ映画とは別に実際の舞台で上演されたプロダクションがあり、「シベリアの歌」はその際に作曲されたのではないかと推測する。



このような佳品が少なくないにも関わらず、スヴィリードフについて我が国で知ることのできる情報が非常に限られているのは、とても残念である。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Tchaikovsky,B.A. 作曲家_Sviridov,G.V.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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