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フラグスタートのワーグナー/スヴェトラーノフのタネーエフ

  • フラグスタート・リサイタルVol.3(ワーグナー:オペラ・アリア集、ヴェーゼンドンク歌曲集、マーラー:歌曲集) フラグスタート (S) スヴァンホルム (T) クナッパーツブッシュ、ショルティ、ボールト/ウィーンPO フィエルスタート/ノルウェー国立放送O (Decca 480 1796)
  • タネーエフ:交響曲第4番、歌劇「オレステーヤ」より「デルファイのアポロ寺院」 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Waner 2564 69899-3)
  • タネーエフ:カンタータ第2番「詩篇の朗読」 コズローヴァ (S) コトーヴァ (A) アントーノフ (T) ベロークリンキン (B) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO、ユルローフ記念アカデミー・ロシア共和国cho (WCR 2564 69442-9)
かぶとやま交響楽団の第42回定期演奏会に、エキストラ出演することになった。プログラム中、ワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集は全く聴いたことがなかったので、音盤を物色しにTower Records難波店へ。目的の曲が決まっている場合は、ネットで検索して発注するのが楽なのだが、演奏者の名前だけで良さそうな音盤を選択できるほどワーグナーには親しみがないので、店頭在庫の中からという制約条件を付けて選んでみようかという、いわば消極的な動機である。1年近く店に足を運んでいなかったので、ポイントカードが期限切れ寸前だったことは会計時に気づいた。ほんの少しだけ得した気分。

店頭にあった数種類の内、ルートヴィヒ&クレンペラー盤とフラグスタート&クナッパーツブッシュ盤の2枚が目に留まった。どちらもワーグナーを得意とした演奏家であることくらいは知っていたので迷ったが、フラグスタートは一度も聴いたことがなかったことと、オーケストラがウィーンPOであることから後者に決めた。収録曲は、以下の通り:
【CD 1】
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「館の男たちがすべてこの部屋に集まっていました」(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「寒い冬の日々に私が憧れていた春こそあなたです」(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「ジークムントは私の名」(スヴァンホルム (T)、ショルティ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「ローエングリン」より「ひとり曇りし日に」(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「パルジファル」より「私はあの子が母の胸にすがるのを見た」(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」より「魂の昇華を願い炎に身を投げる壮大な鎮魂歌」(フィエルスタート/ノルウェー国立放送O)
【CD 2】
ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
マーラー:亡き児をしのぶ歌(ボールト/ウィーンPO)
マーラー:さすらう若人の歌(ボールト/ウィーンPO)
結論から言えば、大満足。技術的な安定感もさることながら、楽曲の隅々まで知り尽くした自信と余裕が全て音楽に対してプラスに作用した、まさしく名演である。原曲のピアノ版を知らないのでモットルによるオーケストレイション(第5曲「夢」だけはワーグナー自身の手による)の是非を論じることはできないが、編曲自体は何の変哲もない平凡なものであるにも関わらず、全曲通してありとあらゆる音に玄妙な陰影が施され、繊細かつ息の長い甘美な歌心には抗う術もなく惹き込まれてしまう。歌手とオーケストラの双方が極めて高い次元で寄り添って紡ぎ出す音楽は、ただひたすら美しい。

マーラーの歌曲集も名唱だが、やはり1枚目に収録されているワーグナーの楽劇からの抜粋が見事である。フラグスタートの気高い貫禄は、ワーグナーという名が持つ独特のイメージそのものと言ってよいだろう。それにしても、これが還暦過ぎの歌手による歌唱とは、俄かには信じ難い。

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せっかく店に入って、目的の1枚だけでわき目もふらずに帰るのはもったいない。スヴェトラーノフのオフィシャル・コレクションがワゴンに並んでいたので、何となくタネーエフの2枚を選んでみた。

知る人ぞ知る交響曲第4番は、ハ短調という調性とも相まって人工的な仰々しさが気にならなくもないが、陳腐すれすれの情感がそれを補って余りある佳品である。とりわけ緩徐楽章の美しさは、ラフマニノフの第2番、グラズノーフの第5番、ミャスコーフスキイの第17番などのそれと同じく傑出している。こういう曲をやらせたら、スヴェトラーノフの右に出る者はないだろう。第2楽章の綿々たる抒情は言うまでもなく、両端楽章の颯爽たる轟音の格好良さには惚れ惚れとする。

「デルファイのアポロ寺院」は、タネーエフの代表作である歌劇「オレステーヤ」の間奏曲。ワーグナーの「タンホイザー」序曲を彷彿とさせる、ロシア臭の薄い作品である。ロシアの野生味に満ちたオーケストラの威力がもの凄く、良くも悪くも楽曲そのものより演奏に対する興味の方が上回る。

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もう1枚は、カンタータである。「詩篇の朗読」という副題からも、多分に宗教的要素を意識した作品だろうことは推測できるが、器楽を用いていることから、実際にロシアの教会で奉神礼などの際に演奏されることを想定してはいないだろう。恐らくは、対位法を駆使した西ヨーロッパの宗教曲に倣って作曲されたのだろうと思われる。

甘美な旋律美は感じられるものの、ロシア色はそれほど強くなく、対位法の扱いなどにもタネーエフらしさが表れている。ただ、宗教曲という性格上、仕方のないことではあろうが、劇的な変化に富んだ構成……とは言い難く、魅力的な箇所が少なくないにもかかわらず、冗長さは否めない。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Wagner,R. 作曲家_Taneyev,S.I.

HMV(通販)でお買い物(未入荷分)

altara-alt1019.jpg
  • プロコーフィエフ:チェロ・ソナタ、ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ、ラフマニノフ:ヴォカリーズ カーシュバウム (Vc) P. ヤブロンスキ (Pf) (Altara ALT1019)
  • アルゼンチン音楽のパノラマ(ヒナステラ:バレエ「エスタンシア」より「マランボ」、ピアノ・ソナタ第3番より「Impetuosamente」、アレマン:2つのクラリネットのためのソナチナ、ピアソラ:アディオス・ノニーノ、Koc:Fantasia Sobre Poemas de Borqes、Franze:Lamento Quechua、Picchi:Invierno en el Tropico、マシャード:トッカータとフーガ、Grau:Entradas de la Andante Caballeria 、Schemper:ソナチナ、ピント:Dos Canciones) VA (Cosentino IRCO 306)
HMVへの4月注文分の残り(一部)が届いた。

カーシュバウムというチェリストは初めて聴いたのだが、調べてみると、わりと有名かつ評価の高い奏者のよう。清潔な音程と節回し、そして柄の大きな歌心。実に素晴らしい演奏である。ショスタコーヴィチでは少々派手なようにも感じられるが、プロコーフィエフはこの奏者の美質が存分に発揮された秀演と言えるだろう。P. ヤブロンスキのピアノも素直な音楽を奏でていて、リズム感の良さ、音のきれいさ共に文句なし。

ピアソラ自身が演奏しているCDは、そのほとんどを蒐集したが、まだ7枚(超レアなものを除く)入手し損なっている音盤がある。その内の一枚が、この「アルゼンチン音楽のパノラマ」。オーケストラ伴奏版の「アディオス・ノニーノ」(8分弱)だけのために、3,228円(てっきり、2枚組かと思った)を払うのも躊躇したのだが、コレクションとはそういうものだし、思い切って購入した次第。わりとおとなしい感じの端正な演奏だが、何といっても全体の雰囲気が豊かで、しみじみとした味わいが素敵。他の収録曲には、あまり惹かれるものはなかったが、さすがヒナステラだけは格が違う。ただ、マランボなんかはもっと爆裂した演奏で聴きたいような気がする。このくらい洗練されていた方が、アルゼンチンらしいと言えるのかもしれないが。

r>今度の日曜日(17日)は、宝塚市交響楽団の第42回定期演奏会にエキストラ出演する。メインのブラームス(交響曲第4番)は、1999年3月、かぶとやま交響楽団の第21回定期演奏会でウィーンPOのホルン奏者ストランスキー氏の指揮で演奏して以来だが、残る2曲(ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲、ベートーヴェン:交響曲第4番)はどちらも初めて。特に「タンホイザー」序曲の最後3ページちょっとは、拷問のよう。カラヤン/ベルリンPOの映像でテンションを上げて、何とか本番を乗り切りたい。


Part IPart II
歌劇「タンホイザー」序曲(カラヤン/ベルリンPO:1975年)

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カラヤンのワーグナー・ライヴinザルツブルグ

  • ヘントヴァ,S.・吉田知子訳:ロストロポーヴィチ チェロを抱えた平和の闘士,新読書社, 2005.
  • ワーグナー・ライヴinザルツブルク(歌劇「タンホイザー」序曲、ジークフリート牧歌、楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死 ノーマン (S) カラヤン/ウィーンPO(DG POCG-20031)
ふらっと書店に入ったら、ロストロポーヴィチの評伝が目に入った。「ショスタコーヴィチとともに」という章もあったので、即購入。ロストロポーヴィチの華々しい経歴や、ソヴィエト市民権剥奪前後の事情、ペレストロイカで1990年に帰国した際の出来事などについては、多数の本や映像で知ることができるが、ソ連時代の細かな生い立ち等について第三者が客観的に記した文献は(少なくとも日本語では)なかったため、大変興味深い内容となっている。ロストロポーヴィチ夫妻が存命中であることから、彼らにとって不利な記述はほとんど見当たらないものの、ロストロポーヴィチのファンにとっては必読書といえるだろう。もっとも、1990年の歴史的な帰国については、かつてLDでリリースされていたドキュメンタリー(Sony SRLM 972 [LD])をなぞっているようにしか思えないので、主としてソ連にいた頃までの内容が中心だと言えるだろう。ただ、一つだけ残念なのは、日本語訳が悪いこと。訳者がクラシック音楽に詳しくないのだろうが、とにかく人名表記がひどい。これは、きちんとチェックを行わなかった編集者の責任だろう。また、音楽的な内容に関して、何を言わんとしているのか意味をつかみきれないような訳も少なくない。なお、原著の出版時期(1993年)からすると当然だが、最近の活動についての記述はないものの、あとがき代わりにロストロポーヴィチと日本との関わりについて若干記されている(この部分はヘーントヴァによるものではない)。ロストロポーヴィチが大相撲のファンで、テレビに映った春日野理事長(当時)を見て、「オォ!トチニシキ!」と言ったエピソードには大笑い。

さて、5月18日付の本欄でクレンペラーのワーグナーに大感激した話を書いたが、当初の目的であった「ジークフリート牧歌」については素晴らしい演奏だとは思ったものの、弦楽器の人数が絞り込まれていたために、大編成による演奏をどうしても聴いてみたかった(実は、何年か前にデプリースト/大阪フィルの定期演奏会で聴いているのだが、全く印象に残っていない…)。ネットを検索して評判の良さそうな音盤の中から、最晩年のカラヤンによるライヴ録音を選択。早速、Tower Records梅田店で確保した。

これは美しい。とにかく美しい。ワーグナーとかどうとかそんな次元ではなく、音楽としか形容できない世界が終始展開される。カラヤンにしても、ウィーン・フィルにしても、ここまでの演奏というのはめったにあり得なかったに違いない。あらゆる音が優しく豊かに響き、隅々まで磨き抜かれている。ノーマンの「愛の死」は完璧。これ以外に聴く気がしない。言葉を連ねるのはむなしいだけだ。もう一回聴こう。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Rostropovich,M.L. 作曲家_Wagner,R. 演奏家_Karajan,H.v.

クレンペラーのワーグナー管弦楽曲集

  • メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」、「真夏の夜の夢」の音楽、交響曲第4番 セル/クリーヴランドO (CBS/SONY CSCR 8193)
  • シューベルト:交響曲第3&8番 K. クライバー/ウィーンPO (DG POCG-1188)
  • ワーグナー:管弦楽作品集 クレンペラー/フィルハーモニアO (EMI 7243 5 67896 2 3)
7月9日(土)に伊丹アイフォニックホールにて行われる、かぶとやま交響楽団の第32回定期演奏会に、エキストラ(?)出演することになった。プログラムは以下の通り:
  • メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26
  • シューベルト:交響曲第3番 ニ長調 D200
  • イベール:モーツァルトへのオマージュ
  • ワーグナー:ジークフリート牧歌 WWV103
  • ヘンデル(ハーティ編):水上の音楽 HWV348-350
なんかとりとめのない曲目で、演奏会の力点がどこに置かれるのか、演奏会全体がどんな雰囲気になるのかよくわからない。どれも馴染みのない曲ばかりなので、まずはスコアを見ながらざっと予習。

セルのメンデルスゾーンは、実は僕が買った音盤ではなく、妻が結婚した時に持ってきたもの。こういう“いつでも買えそう”な音盤は、いかにも僕の物であろうはずがない。演奏は透明感溢れる明晰なもので、スコアの仕組みが手に取るようにわかる。3曲中では「真夏の夜の夢」が、どことなく洒落ていて気に入った。「イタリア」は、もうちょっと狂気を感じさせる演奏が僕の好み(たとえばテンシュテット/ベルリンPO盤)。で、肝心の「フィンガル」だが、曲自体が僕にとっては少々退屈か。変化に乏しいというよりは、変化に要する時間がゆったりと流れているような曲を理解するには、もう少ししっかりとスコアを読まなくてはならない。

続いてシューベルトの第3番。所有しているのは、クライバー盤一枚のみ。このアルバム、「未完成」はよく知っている曲のよく知らなかった劇性を余すところなく暴き出す一種の怪演で強く印象に残っていたが、併録の第3番は曲自体からして全く印象がなかった。スコアを見ながら聴いたことで、初めて曲も演奏も把握した次第。曲はまぁ、いかにもシューベルトといったところでさして感じるものはなかったが、演奏の凄さには感服した。全ての音に解釈し尽くされた濃密なニュアンスがつけられている。アンサンブルは意外にアバウトな部分も少なくないが、全曲に渡ってリズムが活き活きとしていることに驚かされる。一体どんなリハーサルを積んだらこんなことが可能になるのだろう。後半の二つの楽章なんかは「シューベルトじゃない!」と言う人もいるかもしれないが、こんなに楽しくてワクワクするような音楽はそうあるものじゃない。でも、このテンポで弾くのは大変だなぁ。

残りの3曲(イベール、ワーグナー、ヘンデル)はCDを持っていなかったので、Tower Records難波店へ。残念ながらイベールは在庫がなかった。「水上の音楽」は興味を惹かれる演奏が複数あったので、4枚選んで聴き比べすることに。この感想はまた後日(^^;。

さて、クレンペラーのワーグナー集。

まいりました。イってしまいました。こんな凄い音楽、久しぶりに体験しました。ワーグナーの作品はどれも長いし、そもそも響き自体に魅力を感じない…こんな感じで、ワーグナーはむしろ嫌いな作曲家の範疇だった。先日もケーゲルが指揮した「パルジファル」のCDを聴いたが、声楽の美しさは楽しんだものの、音楽そのものにはさしたる魅力を感じられぬまま。今回も、店頭に並んでいたCDの中で「ジークフリート牧歌」が収録されていて、指揮者とオーケストラがそこそこ有名で、録音がそんなに悪くなくて、あまり値段が高くないといった、どちらかと言えば消極的な条件をクリアしたのがたまたまこのクレンペラー盤だっただけである。

とまぁこんなめぐり合わせだったわけで、こんな凄い名盤だとは全く予想もしていなかった。収録曲は以下の通り:
【CD1】
歌劇「リエンツィ」序曲
歌劇「タンホイザー」序曲
歌劇「タンホイザー」より第3幕への前奏曲
歌劇「ローエングリン」より第1幕への前奏曲
歌劇「ローエングリン」より第3幕への前奏曲
楽劇「マイスタージンガー」より第1幕への前奏曲
楽劇「マイスタージンガー」より「徒弟たちの踊りと親方たちの入場」
舞台神聖祝典劇「パルジファル」より第1幕への前奏曲
【CD2】
歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
楽劇「ラインの黄金」より「神々のワルハラへの入城」
楽劇「ワルキューレ」より「ワルキューレの騎行」
ジークフリート牧歌
楽劇「ジークフリート」より「森のささやき」
楽劇「神々の黄昏」より「ジークフリートのラインへの旅」
楽劇「神々の黄昏」より「ジークフリートの葬送行進曲」
楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死
1曲目の「リエンツィ」から、これはただごとではないと瞬時にわかる。とにかく、全ての音に漲るエネルギーが尋常ではない。何の心構えもなく聴き始めたが、聴き終えた時には文字通り放心状態。次に他の音楽を聴く気にはなれなかった。

迫力満点で極限的なスケールが終始維持されている上に、透明で深い静謐感を持った弱音も意味深く、ここで繰り広げられている音楽世界に陶然とすることしかできない。あえて一曲だけ取り上げるとするならば「マイスタージンガー」前奏曲か。完璧な演奏内容に加えて本能的に揺さぶられる巨大なクライマックスには、ノックアウト。これで僕もワグネリアン…とはならないだろうが(^^;、音楽を聴き続ける限りこのアルバムを手放すことはあり得ないだろう。

聴いた後で本盤についてざっとネットを検索してみたところ、“皆さんよくご存知の超名盤”といったような評価ばかりだった。すみません。全くご存知じゃありませんでした…

さて、肝心の「ジークフリート牧歌」だが、オリジナル(?)の16人編成による演奏のようで、室内楽と管弦楽との間を彷徨うような響きが美しい。きりっと引き締まった音楽の流れが心地よく、冗長さを感じさせない。このアルバムの中でも一服の清涼剤的な雰囲気を醸し出している。

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genre : 音楽

tag : 作曲家_Wagner,R. 演奏活動_かぶとやま交響楽団

ハチャトゥリャーンのDVD

  • ワーグナー:ジークフリート牧歌 クナッパーツブッシュ/ウィーンPO (TDKコア TDBA-0063 [DVD])
  • ポポフ:交響曲第1番、ショスタコーヴィチ:主題と変奏 ボッツスタイン/ロンドンSO (Telarc SACD-60642)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 M. ヤンソンス/バイエルン放送SO (EMI 7243 5 57824 2 7)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番、ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第3幕への前奏曲 A. ヤンソンス/レニングラードPO (Altus ALT094)
  • ハチャトゥリャーン (VAI 4298 [DVD])
公開されてから1週間以上経ってしまったが、今年もまた、中古音盤堂奥座敷同人の2004年の5盤がアップされた。諸賢のチョイスとコメントには、毎年大いに刺激を受けている。是非、ご一読を。

さて、今日はTower Records難波店で買った物を。お目当てはA. ヤンソンスの大阪ライヴだったのだが、店頭で目に付いたものを手にとっていたら、結局5点に(^^;。

クナッパーツブッシュ/ウィーンPOの映像は2003年に2種類リリースされ、その優れた内容に感心したのだが、様々な事情(解説に詳しく説明されている)でその時に収録されなかった「ジークフリート牧歌」1曲のみがDVD化された。発売のアナウンスはどこかで見たような気もするが、特に気に留めることもなく、たまたま店頭で発見した次第。2000円弱という値段が安いのか高いのかちょっと微妙だが、演奏は素晴らしい。僕はめったにワーグナーの音楽を聴くことはなく、この曲も1998年に大阪フィルハーモニー交響楽団の第319回定期演奏会(指揮:デ・プリースト)で聴いて以来だが、初めてこの曲の美しさ、魅力がわかったような気がする。画質は先に発売された「ワルキューレ」第1幕などと比べると大分落ちるが、そもそもこのようなDVDを買うのにこの程度の画質で文句を言うのは筋違いだろう。

ガヴリール・ニコラーエヴィチ・ポポフは、ショスタコーヴィチとほぼ同時代の作曲家。ロシア音楽好きの間では、ショスタコーヴィチの第4交響曲と並ぶ怪作としてこの交響曲第1番がよく挙げられていた。ポポフの交響曲は全部で6曲あるが、僕はいずれも聴いたことがなく、カップリングがショスタコーヴィチ作品だったこともあって迷わず購入。感想は…ん~正直なところ、一回聴いただけではよくわからない。爆音であることは確かだが、独特の澄んだ響きに興味を惹かれたものの、作品の全体像がみえてないので何ともコメントしようがない。もっとも、ショスタコーヴィチの第4番だって、最初に聴いた時は何が何だかさっぱりわからなかったんだし(しかも、コンドラーシン盤!)。演奏は立派なものだと思う。カップリングのショスタコーヴィチ作品もロジデーストヴェンスキイ盤しか録音がなかった(他にピアノ編曲版が1種類ある)曲だが、Telarcレーベルの優秀録音で聴けるようになったのは嬉しい。丁寧で落ち着いた演奏で、ショスタコーヴィチ特有の和声やリズムの感覚が違和感なく表現されている。オーケストラの響きも美しい。ちなみに、店頭にはSACDとのハイブリッドディスクしかなかった。3500円近くもする音盤の購入は、さすがに勇気がいりました。高校時代、まだ消費税導入前にお年玉をはたいてCDを買ったことを懐かしく思い出したりして。

2004年はショスタコーヴィチの第4交響曲の新録音が立て続けにリリースされたが、ゲールギエフとM. ヤンソンスの録音は「どうせいつでも買えるだろう」ということで、買いそびれていた。今回は、値段の安い方ということでM. ヤンソンス盤を。バイエルン放送SOの音色は大好きなのだが、そうしたオーケストラの魅力を十分に引き出した演奏ということができるだろう。解釈も奇を衒わない妥当なもので、聴き易さという点で優れた演奏。ただし、このような聴き易さがこの作品の本質に合致するかと言うと、必ずしもそうではないだろう。この作品が持つ切実さは、決して耳に優しいものではない。

で、お目当てだったA. ヤンソンスのショスタコーヴィチの交響曲第5番。intaglio盤の超名演が強く印象に残っている上に、そのわずか1年前のライヴということで、いやがおうにも期待は高まる。が…少々期待はずれだったかな。オーケストラの仕上がりは理想的だし、解釈も誠実極まりない。ただ、緊張感と燃焼度がいまひとつ足りない。それは、直前になってムラヴィーンスキイと交代したせいなのか、それとも慣れない日本での演奏だからなのかはよくわからない。ワーグナーの方が活き活きとしていて、このコンビの長所が発揮されている。

思わぬ拾い物だったのが、ハチャトゥリャーンの伝記(?)映画。ここに商品の概要が記されているが、全編に渡って大変興味深く観ることができた。アメリカで公開された映画のようだが、製作に携わったスタッフの名前から察するに、音楽家達が深く関わっているようだ。1948年のジダーノフ批判やスターリンとの関わりなどの描き方に目新しいものはなかったが、ハチャトゥリャーン自身の演奏映像など、貴重な映像が目白押し。ガヤネやスパルタカスの、典型的なソ連様式の舞台を観ることができるのもたまらない。オーイストラフ独奏のヴァイオリン協奏曲も一部だがカラーで収録されている(ちなみに、最後のクレジットでは指揮者がハチャトゥリャーンということになっていたが、これはどう見てもハチャトゥリャーンではない。たぶんコンドラーシンだと思うが、指揮者が全くの後姿しか映らないのではっきりとは言えない)。一人称で語るナレーションはどうかと思わなくもないが、どうせ英語(字幕なし)。違和感を持つほどわかるわけじゃなし(^^;。

このDVD、特典映像として映画のメイキングと、ピアノ協奏曲の終楽章のプロモーション・ヴィデオみたいなのがついているが、まぁこれはさしておもしろいものではない。このDVD最大のみどころは、ロストロポーヴィチ独奏、ハチャトゥリャーン指揮ソヴィエト国立響による「コンチェルト・ラプソディ」の全曲映像。これは凄い。冒頭のホルンの強奏で一気に引き込まれ、最後まで息をつかせぬ凄演が繰り広げられる。オーケストラを見ると、この曲ってトロンボーンなしの二管編成だったことに初めて気付き、ハチャトゥリャーンのオーケストレイション技術に改めて感心。寡聞にしてこのDVDのことは全く知らなかったのだが、この鮮烈な印象、いきなり「2005年の5盤」候補。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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