ピリオド楽器のベートーヴェン

  • 大井浩明 時代楽器で弾くベートーベン(ベートーヴェン(リスト編):交響曲第3番より第1楽章、ベートーヴェン:選帝侯ソナタ第1番より第1楽章、ピアノ・ソナタ第20番より第2楽章、ピアノ・ソナタ第17番より第1楽章、ピアノ・ソナタ第23番より第1楽章、ベートーヴェン(ウィンクラー編):大フーガ) 大井浩明 (Pf) (2009.6.22 録画 [NHK BS-2 (2009.9.15)])
  • [NHK大阪放送局]
京都大学音楽研究会にいた頃の縁で、今でも大井さんから演奏会などの案内をいただいている。この番組も、大井さんご自身に教えてもらったもの。最初の放送は出張やら帰省やらで自宅にいなかったために録画できず、遅ればせながら2回目の放送を観た。

いわゆる“古楽”的なものに、僕自身は全くといってよいほど興味がない。それは音楽作品の嗜好がロマン派以降に偏っているのが大きな理由で、ピリオド楽器を嫌悪しているとか、バッハは眠たくなるとか、そういうことではない。ただ、モダン楽器を使用しながら、過度にピリオド楽器の奏法を意識した演奏は嫌い。なぜなら、モダン楽器でピリオド奏法を模倣すると、大抵の場合、楽器の操作において多くを抑制しなければならないから。もちろん抑制が必要な音楽もあるが、逆に(当時の)楽器を壊さんばかりの力が迸る音楽もある。モダン楽器を二流以下のピリオド奏法で弾くと、その力が完全に失われてしまう。

だから、ピリオド楽器によるベートーヴェン演奏は、嫌いではないが、モダン楽器の力強さの方により惹かれるので、どうしても関心が薄くなってしまう。だが、この大井さんの番組は、楽曲の様式や性格に応じて楽器を取り替えていくことによって、楽器自体の面白さだけではなく、作品の面白さをも喚起していたという点でとても興味深かった。大井さんの語り口は、相変わらず学生時代そのままだったけど。

エロイカのリスト編曲とか、大フーガの編曲なんかを嬉々として弾いている姿に昔を思い出しつつ、今後のさらなる活躍を祈念したい。

僕自身はピアノを弾かないが、一緒に番組を見ていた奥さんが「8番の編曲を弾いてみたい」と言ったので、早速Amazonで6~9番の方を購入。弾けないながらも9番の3楽章なんかは和声を鳴らすだけで感動してしまう。



追伸:『ショスタコーヴィチの証言』の訳者でもあった水野忠夫氏が亡くなったそうだ。ショスタコーヴィチも今日で103歳。確実に、時は流れている。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Beethoven,L.v. 演奏家_大井浩明

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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