再生不能になった音盤と10数年ぶりの再会

  • ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ、ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 ホマ (Vc) エティカー (Pf) (Centaur CRC 3100)
  • RIAS録音集第II集(シューベルト:弦楽四重奏曲第14、10、9、13、15番) アマデウスQ (audite 21.428)
  • ブラームス:五重奏・六重奏曲集 アマデウスQ アロノヴィツ (Va) プリース (Vc) エッシェンバッハ (Pf) ライスター (Cl) (DG 419 875-2)
またまた、当てもなくふらっとディスクユニオン 大阪クラシック館へ。

シャホフスカヤの弟子であるホマのチェロ・ソナタ集は、ロストロポーヴィチ~シャホフスカヤの系譜から想像されるような野太い力強さよりも、渋みのある伸びやかさが印象に残る。ショスタコーヴィチは考え過ぎたのか、いささか瞑想的に過ぎるようにも感じたが、ブラームスはロマンの香り漂う自然な歌が好ましい。


auditeレーベルのアマデウスQ初出放送録音集は、2016年7月19日のエントリーで現代曲集(第IV集)を紹介したところだが、第III集であるシューベルト選集を見かけたので、確保。この時期のアマデウスQは、まだブレイニンの奔放なプレイスタイルが確立しておらず、全体として(当時としては)現代的な洗練されたアンサンブルが際立つ。こういう颯爽としたシューベルトは、さぞかし人気があっただろうと推察する。これで、第12番「断章」と第8番なども収録されていたらなおよかったが、あまり贅沢を言うものでもないだろう。


アマデウスQといえば、何と言ってもブラームスの五重奏・六重奏集である。ピアノ五重奏曲とクラリネット五重奏曲は他により好む音盤もあったが、弦楽五重奏曲と弦楽六重奏曲に関しては、学生時代、問答無用のヘヴィーローテーション。CDだから擦り減りはしなかったものの、脳裏にはっきりと刷り込まれる程度には聴き込んだがゆえに、21世紀に入ってからは実際にスピーカーで鳴らす機会が激減し、棚の中で埃を被っていた。ある時、iTunesにリッピングしようと久し振りにケースを開けてみると、ウレタンのクッション材が劣化してCD自体が再生不能な状態に……(写真)。この音盤に関しては名盤中の名盤だけに、いつでも容易に入手することができたのだが、気分的に元々持っていた2枚組の輸入盤の形で買い直したく、今まで巡り会えずにいたところ、ついに発見。高校生の時にLPで初めて聴いた作品18を、久し振りに鳴らすことができた。至福の時である。

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スヴェトラーノフとアマデウスQのDVD

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5&6番 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Dreamlife DLVC-1149 [DVD])
  • ブリテン:弦楽四重奏曲第3番、シューベルト:弦楽五重奏曲 プリース (Vc) アマデウスQ (Testament SBDVD 100 2[DVD])
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第2&14番 ドビュッシーQ (Arion ARN 68674)
  • 鈴木淳史:わたしの嫌いなクラシック,新書y,139,洋泉社,2005.
Dreamlifeから、恐らく今年下半期最大の注目商品の第1弾がリリースされた。1970年代のソヴィエト国立SOの映像が、それもショスタコーヴィチの交響曲で観ることができるとは!両曲とも、同じコンビによるスタジオ録音は今一つの出来なのだが、だからといってこのDVDを見逃すわけにはいかない。久しぶりにうきうきした気分でTower Records難波店へと足を運ぶ。

まだ一回通して観ただけだが、ギクシャクしたフレージングや知情意のバランスの悪さなど、やはりスヴェトラーノフはこれらの曲が得意ではなかったことが窺えるが、ライヴゆえの熱気のせいか、あるいはもやもやした音質のせいか、さすがに名演とは言えないもののそれほど不満は感じなかった。どちらかと言えば第6番の方が良い出来か。それにしても、冒頭でいきなりカメラが微妙に斜めになっていたり、センスのないカメラワークといい、ソ連クォリティを堪能させてくれる映像だ。若々しいスヴェトラーノフの溌剌とした、そしてどこかナルシスティックな棒さばきも見ていて楽しいが、何と言っても注目は数々の爆演を生み出してきたオーケストラの奏者達。第5番第4楽章でのティンパニのスネギリョーフの暴れっぷりや、第6番第3楽章での金管セクションの恥じらいが全く感じられないベルアップなど、こちらの期待を全て満たしてくれて痛快。凶暴な音色でリズムを強靭に叩きつける一方、泥臭さを濃厚に漂わせながら徹底的に甘く旋律を歌い込む彼らの特質が余すところなく発揮されている。もっともこういうスタイルでは、ショスタコーヴィチには不向きなのも当然なんだけど。

さて、音盤屋に行ってこの一枚だけで済まないのは、いまさら改めて言うまでもない(^^;。新譜コーナーとショスタコーヴィチの棚をざっと眺めて、さらに2枚を購入。

TestamentレーベルがDVDもリリースし始めたことは、完全にノーチェックだった。しかも、その第1弾がアマデウスQのライヴ映像!これは、今年の4月10日に亡くなったブレイニンの追悼盤とのこと。1977年、イギリス・スネイプのモールディングス・ホールで行われた秋期音楽祭での公演を収録したもの。主催者がブリテンとピアーズの協力を得るために、ブリテンとシューベルトだけをフィーチャーしたらしい。今回購入したDVDの他に、ブリテンの第2番とシューベルトの第12番&「鱒」という一枚も同時リリース。財布の中身が心許なかったので、とりあえず弦楽五重奏曲が収録された方を選んだ次第。画質・音質ともに大きな不満なく鑑賞することができる。

それにしても、何とも魅力的な音楽だ。脂っこいブレイニンのヴァイオリンの自在な美しさと、雄弁かつ堅実に音楽を形作る残りの三人とのバランスが絶妙。単なる1stヴァイオリン主導のスタイルでないことは、ブリテンの第3番を聴くだけでも疑う余地はない。シューベルトの弦楽五重奏曲は、先日アルバン・ベルクQの映像を見たばかりだが、はるかにゆったりしたテンポでしっかりと歌いこんでいくアマデウスQの演奏には、そこはかとない懐かしさを感じる。プリースのチェロも完全に四重奏団に同化していて、これぞ室内楽の真髄という素晴らしさ。立て続けに二回通して聴き惚れてしまいました。

ドビュッシーQのショスタコーヴィチは、最近の録音の中では優れた内容の演奏で、全集完結が待ち遠しい。第2番と第14番を収めた新譜が棚に鎮座していたので迷わず確保。が…あれ?“Vol. 5”って書いてある?僕が持っているのはVol. 3まで。いつの間にVol. 4が出ていたのだろう… ジャケットのカタログを見ると、残るは第15番のみ。ピアノ五重奏曲とのカップリングで全6枚の全集になるのだろうか。

さて、まずは第2番。細身の美しい音色はいわゆるロシア臭とは無縁だが、端正に整えられた音楽の流れが好ましい。丹念に細部を辿りながらも、作品の全体を貫く劇性を肩肘張らずに再現しているところが立派。聴きやすさという点では傑出した演奏だろう。第14番も、基本的には同じ傾向の演奏。しかし、この作品については少々音が軽すぎるように感じられるのが惜しい。全体にテクスチャの薄さばかりが気になってしまい、モノローグの切実さに欠ける。

ふらっと本屋に立ち寄って音楽書のコーナーをうろうろしていると、鈴木淳史氏の新刊を発見。「わたしの嫌いなクラシック」というタイトルは、いかにもこの著者らしい。色んな切り口があるんだなぁ、と思いつつも、結局何を主張したいのかはよくわからなかった。

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出張先で買い歩き

  • モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番、弦楽五重奏曲第4番、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4&6番、ブラームス:クラリネット五重奏曲(第3楽章)、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番(第3楽章)、シューベルト:弦楽四重奏曲第14番(第4楽章)、バルトーク:弦楽四重奏曲第4番(第4楽章) アマデウスQ (EMI DVB 5996849 [DVD])
  • Yevgeny Mravinsky:Soviet Conductor,Russian Aristocrat、ウェーバー:「オベロン」序曲、チャイコーフスキイ:フランチェスカ・ダ・リミニ、交響曲第4番 ムラヴィーンスキイ、ロジデーストヴェンスキイ/レニングラードPO (EMI DVB 5996909 [DVD])
  • フランケ:Chagall-Musik für Orchester、ショスタコーヴィチ:交響曲第1番 ボレイコ/Bundes Jugend O (Ars Musici AMP 5116-2)
  • ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ、ペンデレツキ:独奏ヴィオラのためのカデンツァ、クルターク:R. シューマンへのオマージュ、独奏ヴィオラのための「Jelek」 Myrup (Va) Toftemark (Vc) Kruse (Cl) (Classico ClassCd 420)
  • State Russian Choir(Tatar captivity(リームスキイ=コールサコフ)、'Tis not the white birch-tree、Down the river、On the Neva River、Bells pealed、Don't sew a dress for me,mother(Varlamov)、アムール河(Rumiantsev)、Snow everywhere、From a distant land、A little pear-tree、Yesterday evening) スヴェシニコフ/国立アカデミー・ロシア合唱団 (Melodiya CM 01961-2 [LP])
  • フレンニコフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、ピアノ協奏曲第1番 L. コーガン (Vn)、フレンニコフ (Pf) コンドラーシン/モスクワPO (Le Chant du Monde LDX-A 8339 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:A.ブロークの詩による7つの歌曲、メシアン:ミのための詩、ペルガメント:今宵、音楽を奏でるのは誰だ? 、マルタン:3つのクリスマスの歌、ヘッド:笛吹き デルマン (S)他 (BIS LP-37 [LP])
  • ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 エドリーナ (Pf)、ボロディンQ団員 (Melodiya CM 03729-30 [LP])
  • ルビンシテイン:木管五重奏曲、バラキレフ:八重奏曲 ナセドキン (Pf)他 (Melodiya 33 C 10-08775-6 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番、ティペット:弦楽四重奏曲第3番 デュークQ (Factory Fact246 [LP])
10月19日、東京に日帰り出張の用事があったので、帰りがけにTower Records渋谷店とディスク・ユニオンお茶の水クラシック館をのぞく。Tower Records渋谷店は何年かぶりに立ち寄ったのだが、結構買いたい音盤が多かった。ショスタコーヴィチ関係もたくさんあったものの、カタログの穴埋めとして買いたいものばかりだったので、まとめて聴いてもどうせ退屈なのはわかっていたし、最近の緊縮財政下では全てをレジに持っていくわけにはいかない。ということで、結局は何も渋谷でなくたって…という買い物になってしまった。

まずは、アマデウスQのDVD。ここのところ忙しくてCDショップものぞいていなかったため、こういう映像がリリースされていたことは全く知らなかった。大好きな四重奏団だけに、迷わず購入。ほとんどが白黒映像だが、いずれも彼らの本領を伝える名演揃い。モーツァルトの「狩」の第3楽章が欠落しているのだけが非常に残念。この楽章こそ、ブレイニンのヴァイオリンで聴きたいのに。このことがパッケージにきちんと記載されていないのはいかがなものか。ついでに言えば、モーツァルトの弦楽五重奏曲が第3番と記されているのも迷惑。調性とケッヘル番号は正しいのだが、第4番より第3番の方が好きな僕はそんなところまで詳細にチェックすることもなく、わくわくしながら頭出しをしたのだが、いきなりト短調の旋律が流れ出してずっこけました。それはともかく、ベートーヴェンの第6番などでは、おっとりとしたオールドスタイルを強く感じるものの、全体には颯爽と、それでいてコクのある音楽に魅了される。ヴィオラのアーロノヴィツの姿を見ることができるのも嬉しい。この5人のボウイングを見ると、全員が完全に同化しているといっても過言ではないことがわかる。ブラームスのクラリネット五重奏曲も、もし全曲の映像があるなら是非見たい。バルトークは、ちょっと彼らのスタイルには合わないかな。あぁ、またカルテットがしたくなってきた。

同じくEMIのClassic Archiveシリーズからリリースされたムラヴィーンスキイの映像は、2003年にBBCで放送されたドキュメンタリー番組。全ての英語をきちんと聞き取れたわけではないが、ムラヴィーンスキイの描き方としてはごくオーソドックスなものだと思われた。収録されている映像も、特別珍しいものはほとんどなく、全曲が収録されている「オベロン」と「フランチェスカ・ダ・リミニ」も別レーベルからリリースされた映像と同じ物。でも、何度同じ映像・場面を見ようとも、ムラヴィーンスキイの放つオーラの凄まじさには感服する。立ち姿だけで余人が及ぶことのできない音楽を醸し出している。ボーナス映像は、ロジデーストヴェンスキイ指揮のチャイコーフスキイの第4交響曲。完璧にボウイングの揃った弦パートを見るだけでも壮観だが、集団でトランス状態に陥っているイギリスの観客が異様。ムラヴィーンスキイの映像を見た後では、あまりにも華麗で、あまりにも脳天気な音楽。こういう演奏自体は嫌いではないが(曲は嫌いです)、このカップリングはどうか…と思わなくもない。楽しみましたけどね(^^)。

ショスタコーヴィチ絡みは、いずれも義務感がなければ触手の伸びないものばかりで、ちょっとがっかり。結局財布と相談して2枚を購入。ところが、この2枚がなかなかの掘り出し物。ボレイコ指揮のアルバムは、ユースオーケストラとはいえ、技術的には申し分のない出来。使用楽器の問題か、全体に痩せた音色がするのは残念。颯爽とした音楽はショスタコーヴィチのみならず、フランケにもふさわしい。

Claus Myrupのヴィオラ・アルバムは非常に素晴らしい内容。難所も清潔に弾ききる確かな技術にも感心するが、何よりヴィオラの美質を凝縮したような音色の見事さに惚れ惚れとする。ショスタコーヴィチ目当てで購入したディスクだが、他の現代作品も完璧な出来。

ディスク・ユニオンお茶の水クラシック館は、東京で時間がある時にはできる限り寄るようにしているのだが、今回は比較的時間はあったものの、どうも気力が沸かなくておざなりな探索しかできなかった。何も買わないのも寂しいし…といった程度の買い物。

セーロフ指揮のショスタコーヴィチ劇音楽集は、全てかつてOLYMPIAレーベルからリリースされたショスタコーヴィチ交響曲全集(ロジデーストヴェンスキイ指揮)にフィルアップされていたもの。当然いずれもCDで所有していたが、オリジナルの形で持っておくのも悪くないと購入。改めて耳を傾けると、活力に満ちた勢いの良い音楽が、ショスタコーヴィチ初期の作風によく合っている。垢抜けてはいないが、実に魅力的な一枚。

スヴェシニコフ指揮の合唱曲集は、これぞロシアの合唱という鋭い女声と深い男声とが織り成す響きが素敵なものの、選曲が僕の好みと合わず、アルバムとしては退屈した。それにしても、収録されているのは知らない曲ばかり。合唱筋では有名な曲が集められているのだろうか?それとも、その筋でも珍しい曲ばかりなのだろうか?

フレンニコフも、ソ連音楽好きなら必須アイテムなのだろうが、こういう機会でもないと購入することはなかっただろう。音楽としては(若書きということもあるが)さして深みは感じられないものの、独奏者であるL. コーガンやフレンニコフの名技が実に楽しい。録音のせいか、コンドラーシンの伴奏にいまひとつ存在感がないのは残念。それにしても、コーガンの技術の冴えはただ事ではない。

出張から帰宅すると、Mikrokosmos Mail Order Co.から荷物が届いていた。

デルマンのアルバムは、ショスタコーヴィチの「ブロークのロマンス」をはじめとする全曲がCD化されているが、全て別のアルバムに分散して収録されているので、ショスタコーヴィチ作品は既にCDで所有しているものの、オリジナルの形で聴いてみようと発注したもの。選曲の面白さと堅実な演奏内容で、多彩な響きに満ちた優れたアルバムである。

ブラームスのピアノ四重奏曲第1番は、シェーンベルクの管弦楽編曲も含めると聴く機会が多い作品だが、今回はドゥビンスキイ時代のボロディンQ団員とエドリーナという組み合わせのLPが出ていたので、思わず発注。少々感傷に溺れ過ぎる部分もあるが、シェバリーンのヴィオラとベルリンスキイのチェロの太く深い美音の魅力には抗うことができない。ソ連勢による同曲の録音としてはギレリス&ベートーヴェンQというLPも持っているが、全体の音楽づくりではベートーヴェンQ盤、弦楽器の音色はボロディンQ盤といったところか。

ルビンシテインの木管五重奏曲、バラキレフの八重奏曲という珍しい曲目のアルバムは、残念ながら資料的価値しか感じられなかった。いくらなんでも、作品そのものが凡庸で退屈すぎる。

デュークQのアルバムは、カセットで所有していたもの。CDかLPで探していたところ、ようやく見つかった。ティペットの方がこの団体に合っているような気がする。少々勢い余る感もあるが、懐の深い音楽が心地よい。

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カーゾンのモーツァルト(BBC Legends)

  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番、アダージョとフーガK546、協奏交響曲 リヒテル (Pf) ブレイニン (Vn) シドロフ (Va) ブリテン/イギリス室内O (BBC BBCB 8010-2)
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第10番、ピアノ協奏曲第27番、2台ピアノのためのソナタ カーゾン (Pf) ブリテン (Pf)、バレンボイム (Pf&指揮) イギリス室内O (BBC Legends BBCL 4037-2)
明日は、かぶとやま交響楽団の演奏会(いずみホール)。プログラムは、
  1. モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
  2. メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番
  3. モーツァルト:演奏会用アリアK369、歌劇「フィガロの結婚」よりスザンナのアリア(第4幕)
  4. ショパン:ピアノ協奏曲第1番
というもの。ソリストとの呼吸という意味で神経を使うのも確かだが、オーケストラの技術的な仕上がりに不安が残る。リズムも良いとは言えないが、それよりも音程がかなり悪いのを何とかしないと。

とりあえず、気分をモーツァルト・モードにしようと、BBCレーベルの気に入っているアルバムを2枚取り出した。リヒテルの第22番は、変ホ長調の華やかさが自然に出ていて、とても好き。ブリテンの伴奏も実に音楽的。アマデウスQの二人が独奏した協奏交響曲も、陳腐な表現だが室内楽的まとまりに満ちていて僕の好み。何とも懐かしくロマンテイィックなブレイニンと、堅実ながらも存在感十分のシドロフとのソロが秀逸。

カーゾンがメインのもう一枚は、これぞモーツァルトという音。バレンボイムとの2台ピアノでは、バレンボイムが暑苦しく汚い音で雑に弾き散らかしているだけに、カーゾンの高貴さが際立つ。その点、ブリテンとのソナタは安心して身を委ねることができる。第27番は、バレンボイムの伴奏にブリテンほどの品を感じないものの、磨きぬかれたカーゾンの織り成す響きにただただ魅了される。

さぁ、明日に向けて集中力を高めなければ。

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ハイドンの弦楽四重奏曲─アマデウス四重奏団編

僕は室内楽が大好きだ。特に弦楽四重奏。聴いていても楽しいし、実際に弾いてみるとさらに楽しい。その理由を小人数のための親密さとか、交響曲等と比べると私的な性格が強いことなどに求めることもできようが、とりあえずややこしい理屈は抜きにして好きなのだ。しかも、古典派以降の作曲家ならほとんどの人が書いている。その作曲家の良し悪し(有名であるかどうかではない)を計るには、弦楽四重奏曲を聴いてみれば良い。いかにチャイコフスキーが二流以下の作曲家であるかがわかるだろう(ファンの方、ごめんなさい)。

そこでハイドンの登場である。勿論文句無しの大作曲家だが、何より弦楽四重奏をたくさん作っていることが素晴らしい。「鳥」、「ひばり」、「皇帝」、「日の出」といったニックネーム付きの名作だけではなく、滅多に実演では聴くことのできないような曲も佳品揃いである。全集を完成させているのは恐らく3団体ほどであろう。それらについてはまたの機会にコメントすることとして、今日はアマデウス四重奏団のDGへの録音について述べてみようと思う。

彼らは、作品51「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」以降の全作品を録音している。演奏は、良くも悪くも強烈なアマデウス節である。1st Vnのブレイニンの汗臭い弾き方が、演奏の印象を決定してしまう。受け付けない人も多いだろう。でも、僕は大好き。ハイドンの弦楽四重奏曲では1st Vnにソリスティックな節が頻繁に出てくる。当然技巧的に問題があっては楽しさも半減するのだが(だって、それじゃ自分で弾いているのと何にも変わらないもん)、かといってひたすら清潔に弾いてしまうだけではちょっと物足りない。その点アマデウス四重奏団はバッチリ。あの愛嬌のある顔そのままの、ひしゃげたようなフレージングが技巧的なパッセージに絶妙の彩りを添える。

そんな彼らだから、やはり泥臭いロマンティシズムに満ちた、暑苦しい曲が絶品。作品64は特にそういう色合いの強い曲集だけに、どの曲も良い演奏。どれか一つと言われたら6番の2楽章か。あとは、作品71の2とか作品74の1なんかも曲の良さと相まって秀逸。そして特筆したいのは作品77の2曲。最近ではタカーチやアルバン・ベルクが録音したということで知名度もアップしたようだが、これこそまさに隠れた名曲と呼ぶのにふさわしい。規模は大きく、それでいて枯れた味わいにも不足してい
ない。ベートーヴェンの作品18とほぼ同時期で、モーツァルトはとうの昔に亡くなっていた、という時代背景を思い起こすと、ハイドンの個性と彼が到達した世界を知ることができるはずだ。この2曲を初めて弾いた時の感激と興奮は未だに忘れることができない。そしてその気持ちは弾く度にますます強くなっていく。

アマデウス四重奏団の演奏は、そんなアマチュアの感動を、まさにプロフェッショナルの技で味わせてくれる。「良い曲だなぁ、こんな風に弾いてみたいなぁ」と思わせてくれるのだ。もっとも、実際に弾いてみるとガッカリするだけなんだけどね(^^)。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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