未聴LP(5月分)
- バシュメット・小賀明子訳:バシュメット/夢の駅,アルファベータ,2005.
- ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番、チャイコーフスキイ:ロココの主題による変奏曲、ヘンデル:ラルゲット、ショパン:序奏と華麗なポロネーズ ロストロポーヴィチ (Vc) コンドラーシン/モスクワPO (Period Showcase SHO 337 [LP])
- ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 P. コーガン/スロヴェーヌPO (JUGOTON LSY-66272 [LP])
- ショスタコーヴィチ:交響曲第1&9番 ユージン/ソヴィエト国立SO (Melodiya C10 30485 002 [LP])
- アレクサンドロフ:ソヴィエト社会主義共和国連邦国歌、ショスタコーヴィチ:映画音楽「呼応計画」より「呼応計画の歌」 ロブソン (B) リヒター/キーノートO他 (Keynote K 1200 [10" 78rpm])
Mikrokosmos Mail Order Co.から5月中旬に届いていた荷物。この週末でようやく全てに針を通すことができた。実を言うと、溜め込んでしまう前にとりあえず一回は聴いてしまおうとロストロポーヴィチ盤はターンテーブルの上に載せていたのだが、B面の「ロココ」からかけたために、何度チャレンジしても途中で寝てしまい、そうこうしている内に聴く時間がとれなくなって今日に至ったもの。
さて、そのロストロポーヴィチ盤。これでロストロポーヴィチ独奏のショスタコーヴィチのチェロ協奏曲の音盤は全て集まったはず。今回入手したのはモノラル盤だが、擬似ステレオ盤もあるようだ。ライヴ録音のようだが、確かにホルンの独奏をはじめとして細かい瑕は少なくないものの、異様な興奮状態の中で展開していく音楽の凄みは格別。第1楽章の引き締まった音楽はコンドラーシンの独壇場だし、第2楽章の深い音楽は、ロストロポーヴィチとコンドラーシンによる最良の共同作業の一つといえるだろう。第4楽章はアンサンブルに危なっかしさがあるものの、全体を通してその造形の見事さが際立つ秀演に仕上がっている。録音があまり良くないのが残念。B面の「ロココ」も堂に入った演奏。屈託のない伸びやかな歌が、いかにもソ連時代のロストロポーヴィチ。ヘンデルとショパンはピアノ伴奏だが、なぜかジャケット等にはピアニスト名のクレジットがない。演奏は、もちろん悪くない。ただ、これらの作品の内容を考えると、ロストロポーヴィチの演奏は少々スケールが大き過ぎるか。
P. コーガンの交響曲第5番は、流れの良いスマートな音楽作りに好感が持てる。ただ、オーケストラがそれに応えるだけの能力を持っているとは言いがたい。スロヴェーヌPOというオーケストラは(恐らく)初めて聴いたが、弦楽器の音程のバラツキは結構気になるし、管楽器の音色にもそれほど魅力が感じられない。
ユージン(ピアニストのユージナの甥とのこと)のライヴ盤は、なかなか良い演奏だという評判を目にしたこともあり、期待して針を下ろした。が…う~ん…ちょっと微妙。第1番は、どこか野暮ったい節回しと推進力のあるテンポとのバランスが良く、魅力的な音楽に仕上がっている。ただ、オーケストラの技術的な精度が、ライヴ録音であることを考慮してもなお、満足できるような水準に達していない(もちろんこれは、1980年代のソヴィエト国立SOであることを前提とした話である)。弦楽器に厚みの感じられない録音の影響もあるだろうが、アンサンブルが不揃いである上に音程がどうにも落ち着かない。これは、第9番により顕著である。どちらかといえばどっしりとしたテンポで始められる第1楽章は、にもかかわらずアンサンブルがバラバラであることに拍子抜けする。第4楽章のファゴットの名技と深い音楽など素晴らしい箇所もあるだけにもったいない。
最後の一枚はSP盤。僕の身近にはSPの再生環境がないため、いつか聴く機会があることを祈りつつ確保したもの。2曲とも歌詞は英訳されている模様。
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