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ブラームスのピアノ四重奏曲

  • ショスタコーヴィチ:バレエ組曲第1~4番 ヤブロンスキイ/ロシアPO (Naxos 8.557208)
  • ショスタコーヴィチ:バレエ組曲第1~3番、組曲「ボルト」、組曲「黄金時代」、組曲「ゾーヤ」、組曲「ピロゴーフ」 M. ショスタコーヴィチ/ボリショイ劇場O (BMG/Melodiya 74321 66981 2)
  • ドヴォルザーク:スラヴ舞曲全曲 ターリッヒ/チェコPO (Supraphon 25CO-2794)
  • ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 E. ギレリス (Pf)、ベートーヴェンQ団員 (СССР Д-5584 [10"mono])
  • ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番 ユージナ (Pf)、ベートーヴェンQ団員 (Melodiya 33 CM 02259-60 [LP])
  • ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 E. ギレリス (Pf)、アマデウスQ団員 (DG MG 2314 [LP])
ここのところ活発なリリースが続いているヤブロンスキイの新譜は、バレエ組曲全曲。第4番までの全曲録音はN. ヤルヴィ盤しかなかったので、資料的には貴重な1枚。ヤブロンスキイはチェリストとしても活動しており、ショスタコーヴィチ作品ではレーピン他とのピアノ三重奏曲第2番(名演!)やソナタも残している。特に三重奏曲は実演でも聴いたことがあるのだが、その時はレーピンの凄さだけが印象的で、ヤブロンスキイには巨漢のわりに線の細いチェリストだったという記憶しか残っていない。この盤でも第2番第2曲の「アダージョ」でソロを聴かせているが、その記憶とそう異なることはない。まぁ曲が曲なので、十分に美しくて楽しめますが。で、演奏内容だが、ん~ちょっと物足りない。トランペットが随分と不安定で興醒めだし、全体に溌剌とした勢いの良さが感じられない。難しいことを言わなければ楽しめはするのだけれど。

ということで、本家本元M. ショスタコーヴィチ盤でお口直し。これですよ、これ。

ドヴォルザークのスラヴ舞曲は、第8番と第10番を演奏する機会があるので、勉強がてら。1950年の録音だが、さして不満は感じない。安直に“本場”という言葉は使いたくないが、でも確かに本場ならではの自然なノリが素晴らしい。

11月9日付けの本欄で、エドリーナ&ボロディンQによるブラームスのピアノ四重奏曲第1番を取り上げたが、せっかくなので他の演奏も聴いてみた。まずは、ギレリス&ベートーヴェンQ盤。なんといってもヴィオラのボリソーフスキイが凄い。この団体は第一ヴァイオリンのツィガノーフのワンマン四重奏団といった印象もあるが、音楽的な求心力はともかくとして、音色や技術面では案外ツィガノーフは平凡。ボリソーフスキイのチェロを間違えてしまうほどの深みのある音色は、ヴィオリストの最高峰といって差し支えないだろう。演奏そのものは、極めてオールド・ファッション。僕は大好きだが、名盤と称するのは言い過ぎだろう。

同じベートーヴェンQがユージナと組んだ第2番は、ユージナ独特の引き崩しが特徴的。これは好みが分かれるに違いない。僕は、正直あまり好きではない。この盤では、ヴィオラがドルジーニンに交代している。師匠のボリソーフスキイ譲りの音色は、これまた魅力的。

最後は、定盤中の定盤、ギレリス&アマデウスQの第1番。これぞブラームスという、有無を言わさぬ説得力に満ちている。録音状態のことまで考えると、この作品についてはこの演奏1枚あれば十分だと言い切ることができる。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Brahms,J. 演奏家_BeethovenQuartet

盆明け

  • イツァーク・パールマン&ピンカス・ズーカーマン「グランド・デュオ」 (Teldec WPLP-9733 [LD])
  • リヒテル<謎>~甦るロシアの巨人 (Warner WPBS-90104 [DVD])
  • ダヴィッド・オイストラフ 太陽への窓 (Warner WPBS-90093 [DVD])
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scribendum SC 025)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番(1978年ライヴ) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scribendum SC 027)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第7、8,9番 ベートーヴェンQ (meldac MECC-26019)
13日から盆休みだったが、逆に音楽からもネットからも遠ざかった連休となった。まぁ、良い気分転換でもあるし、たまには家族サービスもしなきゃね。などと言いつつも、13日は京都大学音楽研究会の先輩とVn & Vaのデュオを3時間ほど楽しんだ。J.S.バッハのインヴェンションの編曲、プレイエルの作品69、マルティヌーのデュオ第2番、ヘンデルのシャコンヌなどを一気に初見で弾き散らかしたが、メインは、ヘンデル(ハルヴォルセン編)のパッサカリアと、モーツァルトの2曲。モーツァルトはともかく、ヘンデルのパッサカリアは純粋に技術的に難しい。若きパールマンとズッカーマンのLDは、憎らしいまでに軽々と弾きこなしているのだが、これがまた弾き手の意欲を猛烈に駆り立てる。繰り返し鑑賞してからデュオに望んだが、結果は予想通り打ち砕かれて終わり。でも、大変楽しかった。

妻子が友人宅に遊びに行っている間に、モンサンジョン監督のリヒテルとオーイストラフの伝記DVDを一気に観た。これは、何度観ても非常に面白い。演奏シーンは全て抜粋だが、それでも一つ一つに見所が凝縮されていて、鑑賞者の集中力が途切れることがない。オーイストラフの映像の一部は、9月末にDVDで発売される予定があるようで、今から大変楽しみである。

スヴェトラーノフの「レニングラード」、68年スタジオ録音と78年ライヴ録音とが同時にScribendumレーベルから発売された。当初78年ライヴのみの発売予定だったのが、契約時の手違いでMelodiyaから出ていたスタジオ録音も同時に発売に至ったのは嬉しい誤算。ZYXレーベルからCD化はされていたが、第4楽章の頭に編集ミスがあり、今回のきちんとしたCD化は大変喜ばしい。さて演奏だが、初出の78年ライヴは非常に面白い。第1楽章の展開部の作りなどは、このコンビがお互いを知り合い、成熟してきたことを示す良い例だと思う。ライヴならではの大柄な熱気もたまらない。強奏部に力点のある演奏ではあるが、この作品の魅力を素直に伝えてくれると言って良いだろう。中間楽章の共感に満ちた歌も、強く聴き手に訴えかけてくる。ただし、ライヴゆえのミスが盛大に繰り広げられているのは残念。第2楽章中間部のピッコロClなど、おっ、と思わせるような濃い歌いまわしで期待させた直後に、あられもなく崩れていくのはいくらなんでも許容しかねる。まぁ、実演ならば文句は言いませんが。ということで、総合的にはやはり68年ライヴを取るべきだろう。でも、この78年ライヴに捨て難い魅力があるのは事実。結局ファンならどっちも聴き逃すことはできない、という結論になりますかね。

ベートーヴェンQによるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲3曲の世界初演ライヴを収録したCDを、久しぶりに取り出した。「レニングラード」で気分が高揚したせいか、今日は特に第9番が自分の波長にぴったり。ボロディンQの洗練には及ばないが、泥臭い熱気が一種のローカリティを感じさせてくれる。しかし、これらの貴重な記録がレコード会社がクラシックから撤退することで当分再発される見込みが立たないというのは、何とも残念なことだ。ショスタコーヴィチにおいては、これがまさにピリオド楽器によるピリオド解釈ということになるのだから。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Perlman,I. 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_Svetlanov,E.F. 演奏家_BeethovenQuartet

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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