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エネスク:ヴァイオリン・ソナタ第3番


  • ショーソン:詩曲、コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ「ラ・フォリア」、プニャーニ:ラルゴ(ソナタ第3番)、クライスラー:テンポ・ディ・メヌエット、ヘンデル:ヴァイオリン・ソナタ第4番、エネスク:ヴァイオリン・ソナタ第3番 エネスク (Vn) シュルッセル、シャイエ=リシェ (Pf) (オーパス蔵 OPK 2086)
9月20日の記事でもちょっと触れたが、最近、久し振りに弦楽四重奏をやり始めた。せいぜい数か月に一度のペースではあるが、ここ数年は年に数えるほど(それもエキストラ出演のオーケストラでのみ)しか、楽器をケースから出していなかったことを考えると、相当に健全で幸せな状況である。こうなると、必要に迫られて楽器を触るだけではなく、少しは真面目に楽器の練習をしたくなる。特に用事がなければ1~2時間程度、それこそ30年近く前にレッスンを受けたバッハやらモーツァルトやらを軽くさらうのが、ここ最近の週末の過ごし方になっている。この程度の練習ですっかり衰えたものが復活するとも思えないし、ましてや上達などするはずもなく、自分に失望することしかないのだが、それでも楽器を弾くという行為は無条件に楽しい。

基本的には自分の技量に応じた楽曲を選んでさらっているのだが、どうせ他人に聴かせるわけでなし、さしあたってはレッスンを受けるわけでもなし、ちょっと無謀な作品にもチャレンジしたところで誰に怒られることもない。やる気に火がつくような曲はないかと楽譜棚を漁っていたら、エネスクのヴァイオリン・ソナタ第3番が出てきた。これは以前、京都大学音楽研究会の後輩から「今度いつかやりましょう」と言ってもらったものだ。2005年の第100回定期演奏会以来、なかなか立ち寄る機会もないために、結局今に至るまで楽譜を音にしたことはない。後輩にはイダ・ヘンデル&アシケナージの自由自在な名演を聴かせてもらったが、どうしたらこの楽譜がこんな音楽になるのか感覚的に理解することができず、そもそも音符をなぞることすら全く歯が立たないように思え、譜読みすらしないまま棚の中で埃をかぶっていたのだった。

まずは曲の全体像から勉強しようと、自作自演の音盤を購入すべくTower Records難波店へ。自作自演は2種類(もう一つはリパッティとの共演盤)あるが、店頭にあったのはシャイエ=リシェとの共演盤のみ。聴き比べは後のお楽しみということで、まずはこの1枚を入手。この、心の奥底で青白い炎が燃えているような、熱く、それでいて深く渋い味わいに満ちた音楽は、とてつもなく魅力的で、一聴してすぐにその虜になってしまった。民族的な雰囲気はイダ・ヘンデルの方が強く、エネスクの演奏はむしろ古典的で、楽譜に書き込まれた細かな指示も極端に強調されてはいない。しかし、音楽そのものはエネスクの方が泥臭く、イダ・ヘンデルは見事に洗練されているのが面白い。どちらも素晴らしい演奏であることに違いはないのだが、イダ・ヘンデル盤に打ちのめされた“やる気”は、このエネスク盤によって強烈に火をつけられた。

さっそく譜読みを始めてみたものの、リズムを正しく読み取るのは相当やっかい。ただ、左手の方は思っていたよりも随分と合理的で弾きやすく、しばらくはこの曲とじっくり付き合ってみたい。

ちなみに、今回入手した音盤の他の収録曲も、いずれ劣らぬ名演奏揃い。ここのところ音研時代の思い出話が多いが、とても親しくさせてもらった先輩の一人に、ヴァイオリニストのヒストリカル録音に極端に傾倒していた人がいた。当の本人はピアノしか弾かないのだが、サラサーテやカール・フレッシュにはじまり、1930年代くらいまでの録音を喜んで聴いていた。CD棚は、PearlBiddulphSymposiumといったレーベルばかり。エネスクの録音も、その先輩に聴かせてもらったことがある。普段使っていたCDラジカセではなく、ちょっとマシなオーディオ装置で再生した時、「まともな装置で聴くと、針音のノイズがきれいだなぁ」と真面目な顔で言っていたことを、ふと思い出した。


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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Enescu,G. 演奏家_Enescu,G.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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