KGB愛唱歌集

  • Hommage a Piazzolla クレーメル (Vn)他  (Nonesuch 7559-79407-2)
  • ソビエト赤軍思い出の名唱集 (Melodiya MEL-615)
  • 《ソヴィエト諜報大作戦》KGB愛唱歌集
クレーメルのピアソラ・アルバムは、いわゆるピアソラ・ブームの火付け役となったという以上の価値はないと思う。買って以来聴くこともなかったが、今日これを取り出したのは「疲れた太陽」が収録されているのを思い出したから。デジャトニコフの編曲はタンゴとは全く異質なもので、その意味ではこのアルバム中最も成功している一曲と言えるだろう。『話の話』にしろ『太陽に灼かれて』にしろ、使われているアレンジは完全にコンチネンタル・タンゴのスタイルであるのであまりこだわる意味はないのだろうが、一度アルゼンチン・タンゴのスタイルでこの曲を聴いてみたいものだと思う。メロディ自体はそのスタイルによく合うと思うし。

大祖国戦争前後の大衆歌曲を集めたアルバムは何枚か持っているが、オリジナル(?)の音源を集成したこの「ソビエト赤軍思い出の名唱集」は、全編を貫く時代の雰囲気がたまらない。シュリジェンコが歌う「青いプラトーク」は僕の大好きな曲。これが「疲れた太陽」と同じペテルブルグスキイが作曲したものだということは、昨日まで知らなかった。

僕が持っているCDの中でも最高級に胡散臭いタイトルなのが、この「KGB愛唱歌集」。新世界レコード社の通販カタログで見つけて出張で東京に行った時に購入したもの。レーベル名は明記されおらず、ディスク番号もない。自主制作なのか?でも、それにしては音も良い。ブックレットもお好きな方にはたまらない写真が満載。実にしっかりとした作りのアルバムである。佐々木功のようなバスが紡ぐ郷愁に満ちたメロディの数々は、たまらなく魅力的。でも、もっと凄いのは収録曲の曲名。それを眺めるだけでも面白い。
  1. 祖国はどこから始まるか
  2. つらい任務
  3. 楯と剣
  4. 初代非常委員会議長ジェルジンスキー讃歌
  5. ソヴィエト・チェキスト(非常委員)讃歌
  6. ジェルジンスキー主義者の歌
  7. 白樺の樹液
  8. この日は何処に
  9. 同志ゾルゲ
  10. チェキストの歌
  11. 諜報部員ゾルゲ
  12. ひととき
  13. 遠い祖国の歌
  14. わが運命はいかに
  15. ジェイムズ・ボンドの歌
  16. 鉄の懲役
  17. 思い出
  18. スラヴ娘の別れ
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : Tango_etc. USSR大衆歌曲. 演奏家_Kremer,G.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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