盆明け
- イツァーク・パールマン&ピンカス・ズーカーマン「グランド・デュオ」 (Teldec WPLP-9733 [LD])
- リヒテル<謎>~甦るロシアの巨人 (Warner WPBS-90104 [DVD])
- ダヴィッド・オイストラフ 太陽への窓 (Warner WPBS-90093 [DVD])
- ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scribendum SC 025)
- ショスタコーヴィチ:交響曲第7番(1978年ライヴ) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scribendum SC 027)
- ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第7、8,9番 ベートーヴェンQ (meldac MECC-26019)
妻子が友人宅に遊びに行っている間に、モンサンジョン監督のリヒテルとオーイストラフの伝記DVDを一気に観た。これは、何度観ても非常に面白い。演奏シーンは全て抜粋だが、それでも一つ一つに見所が凝縮されていて、鑑賞者の集中力が途切れることがない。オーイストラフの映像の一部は、9月末にDVDで発売される予定があるようで、今から大変楽しみである。
スヴェトラーノフの「レニングラード」、68年スタジオ録音と78年ライヴ録音とが同時にScribendumレーベルから発売された。当初78年ライヴのみの発売予定だったのが、契約時の手違いでMelodiyaから出ていたスタジオ録音も同時に発売に至ったのは嬉しい誤算。ZYXレーベルからCD化はされていたが、第4楽章の頭に編集ミスがあり、今回のきちんとしたCD化は大変喜ばしい。さて演奏だが、初出の78年ライヴは非常に面白い。第1楽章の展開部の作りなどは、このコンビがお互いを知り合い、成熟してきたことを示す良い例だと思う。ライヴならではの大柄な熱気もたまらない。強奏部に力点のある演奏ではあるが、この作品の魅力を素直に伝えてくれると言って良いだろう。中間楽章の共感に満ちた歌も、強く聴き手に訴えかけてくる。ただし、ライヴゆえのミスが盛大に繰り広げられているのは残念。第2楽章中間部のピッコロClなど、おっ、と思わせるような濃い歌いまわしで期待させた直後に、あられもなく崩れていくのはいくらなんでも許容しかねる。まぁ、実演ならば文句は言いませんが。ということで、総合的にはやはり68年ライヴを取るべきだろう。でも、この78年ライヴに捨て難い魅力があるのは事実。結局ファンならどっちも聴き逃すことはできない、という結論になりますかね。
ベートーヴェンQによるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲3曲の世界初演ライヴを収録したCDを、久しぶりに取り出した。「レニングラード」で気分が高揚したせいか、今日は特に第9番が自分の波長にぴったり。ボロディンQの洗練には及ばないが、泥臭い熱気が一種のローカリティを感じさせてくれる。しかし、これらの貴重な記録がレコード会社がクラシックから撤退することで当分再発される見込みが立たないというのは、何とも残念なことだ。ショスタコーヴィチにおいては、これがまさにピリオド楽器によるピリオド解釈ということになるのだから。
スポンサーサイト
tag : 演奏家_Perlman,I.作曲家_Shostakovich,D.D.演奏家_Svetlanov,E.F.演奏家_BeethovenQuartet
ヴァイオリン音楽の夕べ
- ヴィエニアフスキー:ヴァイオリン協奏曲第1、2番 パールマン (Vn) 小澤征爾/ロンドンPO (EMI TOCE-3216)
- シネマ・セレナーデ パールマン (Vn) J. ウィリアムズ/ピッツバーグSO (Sony SRCS 8423)
- パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番・サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 フランチェスカッティ (Vn) オーマンディ/フィラデルフィアO、ミトロプーロス/ニューヨークPO (Sony SRCR 8453)
- フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1、2番 フェラス (Vn) バルビゼ (Pf) (EMI TOCE-1580)
- シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1、2番 安永 徹 (Vn) 市野あゆみ (Pf) (Pony Canyon PCCL-00149)
バーバラ・L・サンド著(米谷彩子訳)「天才を育てる 名ヴァイオリン教師ドロシー・ディレイの素顔」(音楽之友社)をざっと読み終えた。なんとなく将軍様万歳という感じが鼻につかないでもないが、でもなかなか興味深かった。で、パールマンを久し振りに聴いてみようかと。ヴィエニアフスキーの第1番は、当時のパールマンの魅力が全開といった感じ。切れ味の鋭いテクニックと、甘ったるいポルタメントのバランスが好ましい。第2番は技術的には少し平易なだけに、ポルタメントの頻繁な使用がむしろだらしなく聴こえてしまう。
「シネマ・セレナーデ」の方は最近の演奏ということもあり、一層甘ったるい。きれいで悪くはないと思うけど、このアルバムのどこが聴き所なのか、僕にはさっぱりわからない。
今日は徹底してヴァイオリン路線ということで、普段めったに聴くことのない、フランチェスカッティのアルバムも。華麗な音色を味わうには、少々録音が物足りないかな。パガニーニはトレチャコフの暗く鋭利な演奏が刷り込みなので、違和感がある。って、この刷り込みは普通じゃないんだろうけど。サン=サーンスは、文句なしの名演で十分に楽しめる。
フェラスのフォーレも相当久し振りに聴いたが、なかなか良いね。録音のせいかもしれないが、僕には音色がきつめに感じられるが、第2番ではそれがハマっている感じ。でも、このソナタは本当に素晴らしい曲だと思う。自分で弾いたのは大学2回生の頃だったけど、また機会があったら弾いてみたいな。
安永夫妻のシューマンのソナタは、僕の愛聴盤の一つ。さすがにこの2曲を大傑作とまで言い切るつもりはないが、この作品の魅力を存分に引き出した名演。巷で名盤と言われているクレーメル盤とは何もかもが違う次元に達している。もっと広く取り上げられるべき録音だろう。いや、本当に素晴らしい。
tag : 演奏家_Perlman,I.演奏家_安永徹