泥縄で勉強…

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  • メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」、劇付随音楽「真夏の夜の夢」 クレンペラー/フィルハーモニアO 他 (EMI TOCE-13347)
  • アイヴズ:交響曲第1番、答えのない質問、オーケストラ・セット第2番、ロバート・ブラウニング序曲 M. グールド/シカゴSO (RCA TWCL-4004)
  • ベートーヴェン:6つの変奏曲、「トルコ行進曲」の主題による6つの変奏曲、「エロイカ」の主題による15の変奏曲とフーガ S. リヒテル (Pf) (Victor VICC-22007)
かぶとやま交響楽団の第38回定期演奏会に、エキストラ出演することになった。プログラム中、ドヴォルザークの「新世界」はさすがに知っていたが、残りの2曲は事実上未聴。都合が合わず、練習にもあまり参加できないため、付け焼刃な感は否めないが、慌ててCDで予習しようと、久しぶりにTower Records難波店へ。

メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」(演奏会では数曲の抜粋)といえば、いわゆる決定盤として挙げられるのがクレンペラー盤。何種類も聴き比べしている余裕もないので、迷わずこの盤を購入。1曲目の「フィンガルの洞窟」も、同じくかぶとやま交響楽団の第32回定期演奏会で弾いたことがあるのだが、その時には想像もできなかったような悠然とした巨大なスケールと、繊細かつ多彩な表情の素晴らしさに圧倒される。「真夏の夜の夢」も同様。単にテンポが遅いとか、そういう表面的な特徴ではなく、全ての音符に満ちている気品の高さが余人の追随を許さぬ至高の境地とでも言うべきか。長年に渡って名盤と言われ続けるだけのことはある。

アイヴスの管弦楽曲はテレビなどで何気なく耳にしたことはあるが、音盤で聴くのは初めて。今度の演奏会で弾く交響曲第1番の入ったアルバムが、Tower Recordsの企画で廉価で復刻されていたので、迷わずそれを購入。目当ての交響曲は、前衛とアカデミックとが半ば無意識的に混在しているような、混乱した中途半端さに戸惑ってしまう。「答えのない質問」の、たまらなく美しい静寂には強く惹かれたが、ロバート・ブラウニング序曲などはその響きと内的なエネルギーに訳も分からずひきつけられるものの、率直に言ってどこが良いのか分からない。スコアに詰め込まれた雑多な楽想のそれぞれに活き活きとした表情が与えられているので、恐らくM. グールドの指揮は的確なのだろう。う~ん…まだ、今のところは、アイヴスに触手を伸ばすことはないかな。

あまり時間はなかったが、せっかく音盤屋に足を運んで、この2枚だけで帰るのも寂しかったので店内を軽く物色。レジ近くでVictorレーベルのワゴンセールをやっていたのでチェックしたところ、ベートーヴェンの変奏曲集が目に付いたので購入してみた。「エロイカ」変奏曲だけは、大昔に「題名のない音楽会」か「N響アワー」のどちらかで一部を聴いた記憶があり、自作の主題による変奏曲はプレトニョフ盤を架蔵してはいるのだが、正直なところ、これといった印象は残っていない。このアルバムも、半ば資料的な気持で手に取ったのだが、良い意味で期待を裏切られた。さすがリヒテル、驚くほど素晴らしい演奏である。僕が全く知らなかっただけで、ピアノ音楽の愛好家なら誰もが知っている有名な名盤なのかもしれないが、スケールが大きくて多彩で崇高で……なんだか、クレンペラーの「真夏の夢」と同じ感想になってしまったが、とにかく傑出した音楽である。

久し振りの音盤屋、量は少ないながらも収穫には大満足。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Klemperer,O. 演奏家_Richter,S.T.

リヒテルのショパン(Yedang)

  • リスト:2つの演奏会用練習曲より「森のささやき」、3つの演奏会用練習曲より「ため息」、愛の夢第3番、ハンガリ-狂詩曲第12番、超絶技巧練習曲集第10番、シューマン:交響的練習曲、アベッグ変奏曲、歌曲集「ミルテの花」より第1曲「献呈」(リスト編) キーシン (Pf) (Yedang YCC-0028)
  • ハイドン:交響曲第94番「驚愕」、ピアノ協奏曲第4番 リマ (Pf) バルシャイ/モスクワCO (Yedang YCC-0146)
  • ベートーヴェン:弦楽三重奏のためのセレナーデ、弦楽三重奏曲第3番 カガン (Vn) バシメート (Va) グートマン (Vc) (Yedang YCC-0085)
  • ショパン:スケルツォ第1、2、4番、練習曲第1、3、10、12番、夜想曲第4、5、6番 リヒテル (Pf) (Yedang YCC-0114)
引き続き、Yedang Classicsのクリスマス・ボックス。我ながら根性あるなぁ。

このボックスのおかげで立て続けに聴いているキーシン。こんなに凄いとは思わなかった。ソ連の神童をなめてました。このアルバムも10代後半の録音だが、テクニックだけでなく音楽的にも極めて高度に完成されている。何より感心するのは、演奏している作品が実に魅力的に輝いて聴こえること。シューマンの交響的練習曲はベレゾフスキイの演奏で聴いたばかりだが、音楽の内容は比較にならない。

バルシャイ/モスクワ室内Oのウィーン古典派は結構好き。どこか突き放したような冷たさというか、曲にのめり込むような熱さがないところが、逆にしっくりくる。また、弦楽器の奏法や音色も僕にとってはある意味で原風景。この「びっくり」も同曲のベスト演奏だとは決して思わないが、自分で弾くならこう仕上げたいと思うような演奏。ピアノ協奏曲は初めて聴いた曲だが、リマのピアノも清潔で好印象。

リヒテル・ファミリーとも言われるカガン&グートマン夫婦とバシメートの弦楽三重奏は、期待通りの見事な演奏。カガンのやや細身ながらも多彩なヴァイオリンと、逞しいグートマンのチェロに、主張の強いバシメートのヴィオラというバランスが実に精妙。ソリスティックなぶつかり合いではなく、不思議と一体感のあるアンサンブルに終始するのが面白い。有名なセレナーデもいいが、弦楽四重奏曲第3番が非常に充実している。名演。

で、最後にリヒテルのショパン・アルバム。まいった。やっぱりリヒテルはモノが違うといった感じ。どういうコンセプトなのかは分からないが、録音年が1965~1980年と25年に渡っているため、何となく芸風の違いなども楽しむことができるような気がする。個人的には夜想曲の3曲に打ちのめされた。ショパンって、こんなに深い音楽だったのですね。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Richter,S.T.

「タンゴの歴史」

  • レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ シュタイン/ベルリンPO (WOWWOW [録画])
  • バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ リヒテル、ヴェデルニコフ (Pf)他 (Denon TDCL-91850 [非売品])
  • 華麗なるロシアン・ブラス ソヴィエト国防省吹奏楽団 (Victor VIC-2192 [LP])
  • シェーンベルク:木管五重奏曲 ウィーン・フィルハーモニー管楽ゾリステン (DG MG 1072 [LP])
  • historia del tango フリアン・ヴァット (Fl) カチョ・ティラオ (Gt) (Discmedi Blau DM 769-02)
秋の学会シーズン。出張続きのため、ゆっくり趣味に費やす時間がとれない。とりあえず、レーガーのボウイングだけは決めようと、ビデオとにらめっこ。

ロシア・ピアニズム名盤選の特典盤が、ようやく届いた。まぁ、締め切りに1日遅れて応募しただけに、送ってくれただけでも感謝。実はこの曲、まともに聴くのは初めて。非常に室内楽的なまとまりを感じさせる一方で、多彩な響きの広がりもある。盤起こしみたいな音質にはあまり満足できないが、演奏を楽しむにはそれほどの問題を感じない。大物ピアニストの圧倒的かつ貫禄ある弾きっぷりも素晴らしいが、打楽器陣の表現力にも感心した。

7日は、8日に行われた学会の準備で京都へ。久しぶりに「つだちく」とJEUGIAをのぞく。つだちくの中古LPの安さは相変わらず。目に付いた3枚を購入したが、日曜日はその内2枚を聴いた。ソヴィエト国防省吹奏楽団のアルバムは、リームスキイ=コールサコフのトロンボーン協奏曲をはじめ、吹奏楽のオリジナル曲集。典型的なロシアン・サウンドと、真面目な音楽作りが楽しいなかなかのアルバム。一方、シェーンベルクは名盤中の名盤。評判は聞いていたものの、今まで全く聴く機会がなかった。極めて高度な技術と魅惑的な音色、そして音楽としての完成度の高さ。まだCD化されていないのが不思議。初めてこの曲がわかったような気がする。

JEUGIAでの収穫は、カチョ・ティラオによる「タンゴの歴史」。リリース後、Latina誌で斎藤充正氏が絶賛していたので、かねてから聴きたいと思っていたもの。ようやく入手することができた。フルート(サックス持ち替え)奏者の音色はかさついていて、お世辞にもうまいとは言いかねるのが残念。全体にもたつくような感じもあり、技術的な制約が大きいようだ。ただ、カチョのギターは完璧。音色も切れ味も、そして何よりリズム感も、全てがタンゴ。

theme : ワールド・ミュージック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Richter,S.T. 演奏家_Vedernikov,A.I. Tango_Piazzolla,A.

カーゾンのモーツァルト(BBC Legends)

  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番、アダージョとフーガK546、協奏交響曲 リヒテル (Pf) ブレイニン (Vn) シドロフ (Va) ブリテン/イギリス室内O (BBC BBCB 8010-2)
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第10番、ピアノ協奏曲第27番、2台ピアノのためのソナタ カーゾン (Pf) ブリテン (Pf)、バレンボイム (Pf&指揮) イギリス室内O (BBC Legends BBCL 4037-2)
明日は、かぶとやま交響楽団の演奏会(いずみホール)。プログラムは、
  1. モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
  2. メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番
  3. モーツァルト:演奏会用アリアK369、歌劇「フィガロの結婚」よりスザンナのアリア(第4幕)
  4. ショパン:ピアノ協奏曲第1番
というもの。ソリストとの呼吸という意味で神経を使うのも確かだが、オーケストラの技術的な仕上がりに不安が残る。リズムも良いとは言えないが、それよりも音程がかなり悪いのを何とかしないと。

とりあえず、気分をモーツァルト・モードにしようと、BBCレーベルの気に入っているアルバムを2枚取り出した。リヒテルの第22番は、変ホ長調の華やかさが自然に出ていて、とても好き。ブリテンの伴奏も実に音楽的。アマデウスQの二人が独奏した協奏交響曲も、陳腐な表現だが室内楽的まとまりに満ちていて僕の好み。何とも懐かしくロマンテイィックなブレイニンと、堅実ながらも存在感十分のシドロフとのソロが秀逸。

カーゾンがメインのもう一枚は、これぞモーツァルトという音。バレンボイムとの2台ピアノでは、バレンボイムが暑苦しく汚い音で雑に弾き散らかしているだけに、カーゾンの高貴さが際立つ。その点、ブリテンとのソナタは安心して身を委ねることができる。第27番は、バレンボイムの伴奏にブリテンほどの品を感じないものの、磨きぬかれたカーゾンの織り成す響きにただただ魅了される。

さぁ、明日に向けて集中力を高めなければ。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Mozart,W.A. 演奏家_Curzon,C. 演奏家_Richter,S.T. 演奏家_AmadeusQuartet 演奏活動_かぶとやま交響楽団

リヒテルのキエフ・ライヴ2

  • ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲第1&2番、リスト:詩的で宗教的な調べ(抜粋)、アヴェ・マリア、フランク:前奏曲、コラールとフーガ、ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ、シマノフスキー:ピアノ・ソナタ第2番 リヒテル (Pf) ボロディンQ バシメート (Va) (tnc Recordings CD-H1469-70)
昨日に引き続き、リヒテルのキエフ・ライヴを。こちらは1982年ということで晩年といって差し支えないだろうが、いずれも技術的な不満は全く感じられない。より包容力のある豊かな音楽に圧倒される。どの曲も素晴らしい出来で、個別にコメントしようとしても同じような言葉しか出てこない。あえて気に入ったものを挙げるとすれば、フランクとシマノフスキーかな。どちらの曲もリヒテル自身が高く評価していたもので、その言葉を裏付けるような演奏と言えるだろう。ドヴォルザークも、おおらかで抒情的な雰囲気がなかなか。ショスタコーヴィチは同時期のYedang盤とほとんど同じ印象。名演だと思うが、やっぱりバシメートは粘着質過ぎて好みではない。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Richter,S.T. 作曲家_Shostakovich,D.D.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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