HMV(通販)でお買い物(12月分)

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  • ショスタコーヴィチ:交響曲第15番 K. ザンデルリンク/ベルリンPO (Berliner Philharmoniker BPH 06 11)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第12&2番 カエターニ/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディSO & Cho (Arts 47705-2)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 クヂノフ (B) カエターニ/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディSO & Cho (Arts 47708-2)
  • ショスタコーヴィチ:映画音楽集Vol. 3(組曲「ハムレット」、組曲「忘れがたき1919年」より、組曲「5日5夜」、組曲「若き親衛隊」より) シナイスキー/BBCフィル (Chandos CHAN 10361)
  • ショスタコーヴィチ(バルシャイ編):室内交響曲集 バルシャイ/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディSO (Brilliant 8212)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第2&14番 ソレルQ (Chandos CHAN 10114)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番、3つの小品、子供のノート、ムルズィルカ、5つの前奏曲、バレエ「明るい小川」より シェルバコフ (Pf) (Naxos 8.570092)
  • ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ(ジンマン&プシカレフ編)、ヴィオラ・ソナタ(V. メンデルスゾーン編) クレーメル (Vn) バシメート (Va) クレメラータ・バルティカ (DG 477 6196)
HMVでの今回のオーダーは、2006年の新譜の中でもメジャーなものばかりだが、買いそびれる前に確保してしまおうというチョイス。

ベルリンPOも自主制作盤をリリースを開始したというニュースは、クラシック音楽のCD市場の近況を反映した、一種の象徴的な出来事としてそれなりに注目を集めた。その第一弾にショスタコーヴィチの交響曲が、それもK. ザンデルリンクが得意とする第15番の究極の名演が含まれたことは、何とも嬉しい。既に裏青レーベルで公演二日目の録音は出回っていたが、今回はその前日の演奏。録音の品質も上々で、ザンデルリンクの懐の深い音楽と、ベルリンPOの貫禄の名技を堪能することができる。翌日の演奏と比較すると全体にテンポが若干ながら速く、ライヴならではの緊張感という点ではこちらの方が上のようにも感じられる。一方で、深遠な雰囲気という点では翌日の方がより優れている。いずれにしても、楽曲のあらゆる箇所を意味深く響かせつつも(たとえば第2楽章で第1交響曲の引用がチェレスタに出てくる瞬間など)、端正な形式感を厳然と保ちながら巨大な音楽を形成するザンデルリンクの手腕には脱帽。文句のつけようがない名演である。

カエターニの交響曲録音は単発で出ている時に揃えていたので、いくら全てSACD化されたからとはいえ、残り4枚という状況で今さら全集BOXを購入する気にはなれない。ということで、まず2枚を確保した。第12番は、颯爽とした格好良さを感じさせながらも、スマートな熱さと表現意欲に満ちた秀演。このコンビの魅力が存分に発揮されている。第2楽章でも緊張感が途切れることなく、作品のあるべき姿を再現した演奏と言っても過言ではないだろう。第2番も同様で、洗練された音楽の運びと素直な昂奮とのバランスが心地好い。やや軽いものの合唱も悪くはない。ただ、サイレンの選択には疑問が残る。

第13番は、少し流麗に過ぎる。全体に速めのテンポ(テミルカーノフ盤ほどではない)で推進力のある音楽ではあるが、腰が軽くてこの作品では物足りなさが残る。これは独唱により顕著で、美声ではあるがそれを前面に押し出し過ぎなのか、肺腑を抉るような切実さが感じられない。一方で、弱奏部などで聴かせる繊細なまでの音色への配慮は立派なもの。

シナイスキーによるショスタコーヴィチの映画音楽集3は、前作までと同様の優れた内容である。資料的価値には興味がないのか、組曲の中でもそれほど演奏効果の高くない曲などが省略されているのは少々残念だが。「ハムレット」は、彼らにしては少し地味な仕上がり。端正で流れの良い音楽作りは水準が高いが、それほど柄の大きさが感じられない。晩年の作品とはいえ、もう少し華やかさがあっても良いと思う。第4曲は省略されている。「忘れがたき1919年」からは「クラースナヤ・ゴールカの猛攻」1曲のみ。これは、壮麗な魅力に満ちた秀演である。スケールの大きな力強い歌が、たまらなく素敵。「5日5夜」は、この曲の決定盤と言ってしまっても差し支えないだろう。磨き上げられた輝かしい響きと、緊張感に貫かれた大柄な音楽の流れが、作品の完成度の高さを余すところなく伝えてくれる。録音の少ない「若き親衛隊」は、残念ながら3曲のみの抜粋である。活き活きとした華麗な音楽は、この時期のショスタコーヴィチの作風をよく捉えている。

バルシャイが弦楽合奏用に編曲したショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は全部で5曲になるが、それらをまとめて新たに録音したアルバムが出た。ブリリアント・レーベルにバルシャイが録音したショスタコーヴィチ作品を全て収録した限定盤の大物セットにもこれが収録されていて、そこにはバルシャイのインタビューが収められた特典DVDが付いているとのことだったので、本当はそちらで購入することを検討していたのだが、さすがに無駄な買い物かなぁと思い直し、おとなしく最小限の買い物。まぁ、置き場所にも困るし。さてこのアルバム、まず、どうにもぼやけた録音に不満が残る。そして、そのぼやけた印象は演奏そのものにも当てはまる。バルシャイによる同曲の録音は、いずれも室内オーケストラを率いてのものだったが、今回は普通のオーケストラということで、響きのベクトルが全く逆向きなように感じられる。そこには、アンサンブルの精度がいまひとつであることも少なからず影響している。バルシャイの音楽作り自体は、ショスタコーヴィチ作品の劇性と響きをよく理解した模範的なもの。それだけに、物足りなさが残る。

ソレルQの弦楽四重奏曲全集はVol. 3までは架蔵済みなのだが、その後すっかり放置していた。今回は、Vol. 4を注文。第2番は、わりと良い演奏。伸びやかな歌と洗練されたアンサンブルが心地好い。…が、終楽章だけは退屈。なぜか、他の楽章ほどロシア情緒が感じられない。変奏の弾き分けもあまり冴えない。第14番は、全体に表現意欲に満ちている一方で、それが逆に勢い一辺倒の直線的な音楽になっているのが残念。この作品では、もっと透明かつ甘美な響きを楽しみたいところ。

シェルバコフのピアノ曲集は、意欲的なプログラミングもさることながら、優れた演奏内容が際立つ秀逸なアルバムである。特にソナタ第2番は、颯爽とした推進力を持った、良い意味で聴きやすい音楽に仕上がっている。一方で様式的には端正に作られているので、作品の魅力を幅広い聴き手に伝え得る演奏と言えるだろう。「3つの小品」は、ちょっと元気が良過ぎるようにも思えるが、もちろん破綻などはなく、楽しく聴くことができる。「子供のノート」は、さらに弾き飛ばしているような印象。悪くはないのだが、もう少し穏やかな抒情を感じさせてくれる演奏の方が、個人的には好みである。「ムルズィルカ」も同様なのだが、こちらは勢いの良さが作品の性格と相まって好結果につながっている。「5つの前奏曲」では、溌剌とした音楽の運びで各曲の性格を丁寧に描き出していて、これはなかなかの秀演。アルバム中、最も面白かったのが「明るい小川」。選曲も洒落ているし、演奏もツボを押さえていて実に楽しい。ショスタコーヴィチのバレエ音楽の魅力を素直に描き出した演奏である。

最後に、クレーメル他の編曲アルバム。2曲の器楽ソナタのピアノ・パートを小規模の管弦楽に編曲したものだが、ピアノという単一の楽器が醸し出す多彩な響きを多彩な楽器に置き換えたことで、音楽の凝縮力が損なわれてしまった感が否めない。特にヴァイオリン・ソナタは、作品の持つ内的な高揚感や強靭な精神を即物的に大編成の壮麗な響きで表現しているところが納得できない。オーケストラが様々な奏法で多様な音色を出しているのも、クレーメル個人がするのとは異なり、妙にあざとい印象しか残らない。クレーメルは相変わらず達者な技術を駆使して旺盛な表現意欲を聴かせるし、クレメラータ・バルティカも健闘しているが、個人的には積極的に評価する気にはならない。ヴィオラ・ソナタの方は、響きの表面的な美しさをなぞっただけのような編曲で、実演でその響きに包まれるのならばともかく、録音で聴いても空虚なだけ。バシメートは貫禄の演奏だが、鬼気迫る張り詰めた雰囲気は薄い。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_Sanderling,K.

ポータル&ガリアーノのBlow up

  • Blow up ポータル (Cl他)、ガリアーノ (Accordion) (Dreyfus VACR-2023)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 マズア/ニューヨークPO (Teldec 3984-21467-2)
  • Kurt Sanderling The Soviet Years 1947-1956 (HDN C 0013)
一昨日帰宅してみると、オーディオラックの上にレ・ミュジシャンによるモーツァルトのクラリネット五重奏曲&ケーゲルシュタット・トリオのCDが乗っていた。反抗期にさしかかった娘の気分を鎮めようと奥さんが適当に選んでかけていたらしい。で、ポータルと言えば…ということで、このジャズ・アルバムを取り出した。バンドネオンまで弾く芸達者ぶりにも驚くが、なんといってもシングルリード楽器の性能を全部引き出したかのような多彩な表現力が凄い。これでは、娘の気分は鎮まらないだろうが。

マズアの「レニングラード」は、一度聴いたきりお蔵入りになっていたが、改めて聴くとそんなに悪くもないような気がしてきた。とりあえず、響きはなかなかのもの。少々無機質に過ぎるが。ただ、意味のないスマートさがどうにも評価できない。実際に演奏する立場としては、参考になる部分もあるんだけどね。

ザンデルリンクのセットは、今日はザークのピアノがメインの2枚目と3枚目を聴いた。プロコーフィエフが素晴らしい。いかにもソ連メソッドの音色ではあるが、暗い抒情性が何とも魅力的。ブラームスは若干細かい瑕が気になるかな。ドヴォルザークのスラヴ舞曲もオーソドックスで、なかなかの出来。

theme : クラシック
genre : 音楽

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ムラヴィンスキーとレニングラード・フィル50年の歴史

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 宇宿允人/オリエンタルバイオフィルハーモニー (日本教育音工 MUCD008)
  • ムラヴィンスキーとレニングラード・フィル50年の歴史 (Dreamlife DLVC-1110 [DVD])
  • ブラームス:交響曲全集 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scribendum SC 023)
  • Kurt Sanderling The Soviet Years 1947-1956 (HDN C 0013)
宇宿允人(語り)「救曲のタクト」(東京経済)を読了。宗教書のような胡散臭さと、興味ある部分の少なさとに購入を躊躇していたが、結局買ってしまった。通勤二往復で読み終えてしまったが、それなりに面白かった。で、僕が持っている唯一の演奏を聴いてみた。決して個性的な演奏ではないが、地に足のついた音楽には好感が持てる。しかしながら、このオーケストラのレベルで全てを評価するのは危険だろう。実演で独特の雰囲気があるとすれば、それに酔うこともできるのだろうが、少なくとも録音で聴く限りにおいてはなぜ一部であれほどまで絶賛されているのか分からない。もっとも、宇宿氏本人もそれで結構と言うのだろうが。可能であるならば、常設のきちんとしたオーケストラで存分にリハーサルを積んだ演奏を聴いてみたいものだ。

心待ちにしていたムラヴィーンスキイのドキュメンタリーがようやく発売。買ってきて続けざまに2回見た。素晴らしいとしか言い様がない。ブラームスの第2番終楽章のリハーサルは、まぁそれでも想像の範疇だったが、ベートーヴェンの第4番のリハーサルの凄さと言ったら。文字通り隅々まで磨き上げている様を見てとることができる。「楽譜に忠実かどうかには意味はなく、音楽に説得力があるかどうかが大事なのだ」という趣旨の発言も心に残った。あとは、ショスタコーヴィチとの思い出話も印象的だったな。今年最大の収穫と言っても良いだろう。

ブラームスついでに、スヴェトラーノフのブラームス全集を。第1番はやはり良いが、第4番は前に聴いたときほど感心はしなかった。まぁ、面白い全集に違いはないのだが。

K. ザンデルリンクのソ連時代の録音集成がようやく店頭に並びだしたようだ。僕が入手したのは、Tower Records難波店。とりあえず今日は第1枚目のみを聴く。「ダンバートン・オークス」が収録されていて、これがこのセットのお目当ての一つだったからだ。ジャケットの表記からだけではいわゆるレニングラードPOなのかレニングラードSOなのかよくわからないが、これがなかなか良い演奏。軽味はあまりないものの、丁寧な作りと颯爽とした勢いの良さに、初めてこの作品を聴いて楽しいと思うことができた。ラフマニノフの交響曲第1番も立派な内容。このセット、ザークやユーディナの協奏曲も収録されていて聴き所がいっぱい。続きを聴くのが楽しみだ。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Mravinsky,E.A. 演奏家_Sanderling,K.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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