FC2ブログ

「マクベス夫人」のヴォーカル・スコア

lady_reprint.jpg
  • 歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」,ヴォーカル・スコア,1935年版リプリント,DSCH,2003.
目先の雑事や締め切りに追われている内に、気がつけばもう7月。今年の内にやらなければいけない事もやりたい事も、まだまだ山積み。クーラーが壊れて不快極まりない研究室でも、夏バテしている暇はないですね。(^^;

6月17日(日)には、いつもエキストラとしてお邪魔させていただいている宝塚市交響楽団の第42回定期演奏会に出演した。プログラムは以下の通り:
  1. ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲
  2. ベートーヴェン:交響曲第4番
  3. ブラームス:交響曲第4番
     指揮:藏野雅彦   2007年6月17日(日) いたみホール
ブラームスはかぶとやま交響楽団の第21回定期演奏会(1999年3月)で、ウィーンPOのホルン奏者ストランスキー氏の指揮で演奏したことはあったが、それ以外の2曲は全く初めて。ブラームスにしたって、8年以上も前のことなので(当時はまだ独身だった僕も、8年経てば2児の父親…)指先には全く記憶が残っているはずもなく。(^^; しかし、こういう“王道”のプログラムは実に難しいですね。結局のところ、全てにおいて清潔に演奏するしかないのだろう。一年に数えるほどしか楽器のケースを開けなくなった最近では、不潔極まりない演奏しかできず… 反省しきり。

先日、四重奏をして遊んだ大先輩に誘われて、京都大学交響楽団の第181回定期演奏会(西宮公演)にも足を運ぶ。こちらのプログラムは以下の通り:
  1. シベリウス:「カレリア」序曲
  2. ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
  3. ラフマニノフ:交響曲第2番
     指揮:平井秀明 独奏:漆原啓子 (Vn)  2007年6月28日(木) 兵庫県立芸術文化センター
仕事があったので開演時間には間に合わなかったが、急いだ甲斐があって2曲目のブルッフには間に合った……のだが、先輩が受付に預けてくれていたチケットが手違いで「預かってない」と言われて、結局休憩までロビーで待ちぼうけ。僕が高校生の頃、若くて美人で巧い新進のヴァイオリニストとして活躍していたことが印象に残っていることもあり、漆原さんのソロは聴きたかったところだが、まぁ学生オケの演奏会だし、あまり文句を言っても仕方ないでしょうね。唯一聴けたラフマニノフは、なかなかの好演。フレーズの息の長さや、和声進行を踏まえたタメなどには不足していたが、そこまで求めるのは酷と言うものだろう。端正かつしっかりと歌い込んだ演奏は、十分に作品の魅力を表出していた。金管陣はやや不調だったようだが、ホルンは大変上手でした。非常に感心したのは、ティンパニ。もっと炸裂して欲しい箇所もあったが、こんなに音楽的なティンパニは、アマオケ(学生、社会人問わず)ではめったに聴けるものではない。終演後は、駅近くにあるビアカフェへ。Hoegaardenが品薄ということで飲めなかったのは残念だが、美味しいビールを堪能。ちょっと優雅な一時でした。

6月21日付の本欄で紹介したタヒチ・トロットの自筆譜ファクシミリを見つけたことをきっかけに、何となく色々な楽譜商のネット通販サイトを検索していたところ、Ruslania Books OYというフィンランドの業者を発見。DSCH社の楽譜の品揃えもよく、ロシア国内から直接手配しているのか、価格も安い。試しに、「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の1935年版リプリント(ヴォーカル・スコア)を注文してみた。38ユーロという価格設定は、破格と言ってもよいのではないだろうか。ただ、送料が同じくらいかかる(一番安い=遅い配送方法で)のと、最近のユーロ高については十分に覚悟しておかなければいけないが。梱包も丁寧で、10日足らずで届いたことを考えると、良心的で信用できる業者のようだ。

さて、この1935年版は、現在最も容易に入手できる「マクベス夫人」のヴォーカル・スコアであるだけではなく、「カテリーナ・イズマーイロヴァ」への改訂作業の元となった版でもあり、「マクベス夫人」の決定稿とも見なせる版だけに、資料的な価値も高い。全ての歌詞を丹念に調べていくのは、一介のアマチュアの手に余る作業だが、最新の研究成果を勉強する上で、手元に置いておきたい一冊である。もちろん、ピアノを弾きながら歌ってみるのもまた良し。僕はピアノが全然弾けないのだが、セルゲーイに夜這いをかけられる前の有名なカテリーナのアリアや、終幕の「セリョージャ…」くらいなら、何とかなる。何とも美しい和声に恍惚としながら節を呻いていたら(当然、ヴィシネーフスカヤの声に脳内変換されているわけだが)、家人に白い目で見られてしまった。あぁ哀しき中年男。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏活動_宝塚市交響楽団

未聴LP(12月分)

  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番、シマノフスキー:弦楽四重奏曲第2番 ヴァギーQ (CBC SM 312 [LP])
  • ミャスコーフスキイ:交響曲第3番 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Melodiya 33 D 016145-46 [LP])
  • ミャスコーフスキイ:交響曲第27番 ガーウク/モスクワ放送SO (MK 1524 [LP])
  • 日本・ロシア音楽家協会(編):ロシア音楽事典,(株)河合楽器製作所・出版部,2006.
12月は本業に加えて出張やその他の用事が重なり、とても音楽を聴く時間を作り出せる状況ではなかった。音楽に関係するところでは、16日(土)に東京外国語大学亀山郁夫教授が中心となって企画された「ドミートリー・ショスタコーヴィチ生誕100年記念国際シンポジウム『甦るショスタコーヴィチ』」に参加し、翌17日(日)には宝塚市交響楽団の第41回定期演奏会にエキストラ出演。シンポジウムは、ショスタコーヴィチに関心のある人ならその名を一度は目にしたことがあるに違いない、わが国を代表する研究者と海外の大物(ヤクーボフ氏、バートレット女史、ウィルソン女史)が一同に会した華やかなもの。やや不便な場所と、事前の宣伝に不足していたにもかかわらず、100名強の来場者があったというのにも驚いた。個人的には、こうした文系のシンポジウムというは全くの初体験だったので、普段の自分達の流儀との違いに戸惑うことも多く、また同時に刺激も受けることができた。パネリストとしては、全く何の貢献もできなかったけれど。一方、塚響のプログラムは、次の通り:
  1. チャイコーフスキイ:ピアノ協奏曲第1番
  2. ショスタコーヴィチ:交響曲第10番
    ショスタコーヴィチ:ノヴォロシイスクの鐘の音楽 【アンコール】
     指揮:船曳圭一郎、Pf独奏:山畑 誠  いたみホール
「第10番をやるので是非」と声をかけてくださった団の方々に感謝あるのみ。プログラムの楽曲解説とアンコールの選曲で、少しは恩返しできましたかね?

こんな感じで、音楽鑑賞なんて通勤途中のiPodのみ…といった惨憺たる状況下、Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からLPが届く。

ヴァギーQは1965年に結成されたカナダの団体。結成後間もない1966年にショスタコーヴィチの第8番を録音しているので、これは彼らにとって同曲の2回目の録音ということになる。旧盤は未聴なので比較はできないが、安定した技術を持つ、手堅いアンサンブルだという印象。いかにも北米圏の団体らしく音色に華はないが、堅実な楽曲解釈と丁寧な演奏には好感が持てる。どちらかといえばシマノフスキーの方に適性を感じたが、両曲とも水準の高い佳演である。

今回もまた、ミャスコーフスキイの交響曲をオーダー。第3番は、スヴェトラーノフによる全集録音中の1枚。不安と怯えのような感じが支配的な音楽は、極めて晦渋な印象。スクリャービンからの影響なども指摘されているようだが、僕には正直なところピンと来なかった。演奏に関しては、技術的な問題は感じなかったが、現時点では、音楽的な内容を判断できるほど作品を掴めてはいない。

もう一枚は、名曲第27番。ガーウクの破廉恥なまでの歌心は、本能的に聴き手の心を揺さぶる。残念ながら録音は劣悪で、楽曲の細部は潰れてはっきりと聴き取れない部分も少なくないが、それでもなお、この落日の抒情とでもいった美しさは十分に伝わる。

夏に発刊されていたのはチェックしていながらも、何となく買いそびれていた『ロシア音楽事典』をようやく購入。これは、ロシア音楽に関連する事項を網羅的に取り上げた、何かと便利な事典。比較的有名な作品までもが項目となっている充実振り。記述については詳細度や正確さにやや散らばりがある。たとえば、ショスタコーヴィチの映画音楽「馬あぶ」(本書では「あぶ」と表記)の解説は、あら筋の他、有名な「ロマンス」が用いられているシーンにも誤認がある。とはいえ、まずは手元に置いておくべき一冊だろう。

ロシア音楽事典ロシア音楽事典
(2006/08/01)
日本ロシア音楽家協会

商品詳細を見る

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Myaskovsky,N.Y. 演奏活動_宝塚市交響楽団

のだめカンタービレ

  • ドクシツェル・トランペット小品集(クライスラー:愛の悲しみ、愛の喜び、美しきロスマリン、ラヴェル:ハバネラ、ドビュッシー:ワルツ、サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン、ディにー区:ほら・スタッカート、リームスキイ=コールサコフ:熊蜂の飛行、A. ルービンシテイン:ヘ調のメロディ、アレンスキー:演奏会用ワルツ、ラフマニノフ:ヴォカリーズ、ミャスコーフスキイ:黄ばんだページ、ショスタコーヴィチ:3つの幻想的な舞曲、シェドリーン:アルベニス風に) ドクシツェル (Tp)、A. ザーク (Pf) (Melodiya С 04635-6 [LP])
  • ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニの主題による狂詩曲、ヴォカリーズ ルービンシュタイン (Pf) ライナー/シカゴSO、モッフォ (S) ストコフスキー/アメリカンSO(RCA 09026-61851-2)
  • ブラームス:交響曲全集 フェドセーエフ/モスクワ放送SO (Musica 780006-2,780007-2)
11月13日は、宝塚市交響楽団の第38回定期演奏会にエキストラ出演。ドヴォルザークの交響曲第7番は、2年前にかぶとやま交響楽団の第27回定期演奏会で弾いて以来二度目だったが、相変わらず(当たり前だけど)難しかった。他の曲目は全て初めて弾いたものばかりで、エキストラといいながらも、結局は迷惑しかかけられなかったような…

Mikrokosmos Mail Order Co.からLPが1枚届く。ドクシツェルのTp小品集、編曲は(恐らく)全てドクシツェル自身。1曲目の「愛の悲しみ」が始まってすぐに、甘く切なくも輝かしいドクシツェルの世界へと導かれる。まぁ、とにかく巧い。しかも、よく歌う。ドクシツェルならではのやりたい放題だが、不思議と嫌味はない。とても楽しい音盤で、密かに愛聴盤になりそう。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とブラームスの交響曲第1番。この組み合わせでピンと来る人は…読んでますね?(^^) そう、のだめカンタービレ。前から知ってはいたものの、この度ようやく読んでみました。いい年したおっさんが電車の中で読むのもどうかと思いつつ、出てくる音楽を頭の中で鳴らしながら10冊一気読み。ラフマニノフの協奏曲の場面は秀逸で、思わず聴いてしまいたくなってしまいました。実はこの曲、ルービンシュタイン&ライナー盤しか持ってないのだが、オーケストラがちょっと無愛想かな。もっとどんよりヌメヌメした演奏を聴きたい気分。ブラームスの交響曲は、随分聴いていなかったフェドセーエフの全集を聴いてみたが、管楽器と弦楽器のピッチが溶け合っていなくて、最後まで違和感が拭えなかった。解釈も平凡。でも、第3番冒頭の木管楽器の威力は凄い。ちなみに、あなたののだめカンタービレキャラクターチェックというのをやってみたら、僕は「千秋さま」タイプ。ちょっと嬉しい。作者の二ノ宮さんのサイトはこちら

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏活動_宝塚市交響楽団

トンデモ本「小澤征爾 日本人と西洋音楽」

  • 遠藤浩一:小澤征爾 日本人と西洋音楽,PHP新書,317,PHP研究所,2004.
  • パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番、チャイコーフスキイ:ヴァイオリン協奏曲 トレチャコフ (Vn) N. ヤルヴィ/モスクワPO (Melodiya/BMG 74321 40720 2)
  • モーツァルト:交響曲第40・32・38番 クリップス/アムステルダム・コンセルトヘボウO (Philips 422 476-2)
  • アシュケナージ自由へのコンサート (NHK [録画])
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第20 & 24番 ハスキル (Pf) マルケヴィチ/コンセール・ラムルーO (Philips PHCP-9586)
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第6 & 25番 (モーツァルト:ピアノ協奏曲全集) バレンボイム (Pf)/イギリスCO(EMI CZS 7 62825 2)
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番、アダージョとフーガ、協奏交響曲 リヒテル (Pf) ブレイニン (Vn) シドロフ (Va) ブリテン/イギリスCO (BBC BBCB 8010-2)
久しぶりに書店で音楽書の棚をのぞいたが、これといって目ぼしい本は並んでいなかった。そんな中で、何の気なしに手にとった「小澤征爾 日本人と西洋音楽」という本の目次に“ショスタコーヴィチ”の字を見つけたので、即購入。この本、別に著者が「新しい歴史教科書をつくる会」の副会長だから色眼鏡で見るわけではないが(ちなみに、僕は「つくる会」に対しては必ずしも否定的ではない)、やたらと“日本人”というキーワードにこだわり、すべてをそこに収斂しようとする強引さがとんでもない。ここで話題になっているのは主として交響曲第5番だが、『証言』に準拠した記述はまぁ仕方がないとしても、それに基づいてムラヴィンスキーの演奏に対して見当違いの批判をぶつけているのには閉口する。小澤による同曲の演奏は聴いたことがないので何とも言えないが、ムラヴィンスキーの演奏のどこをどう聴いたら「単調な『歓喜の歌』に改作した」などと思うのだろう?“自虐史観”を客観的に批判していこうという人が、安易な“証言史観”に騙されているのは、何とも情けない。

子供を連れてちょっとしたドライブをする機会があったので、BGMとして2枚のCDを持参した。一つは、トレチャコフ独奏のパガニーニの協奏曲第1番。これは、中学時代にLPで何度も聴いた演奏。この技術の冴えは驚異的。すべての音が磨き上げられていて、なおかつ隅々まで歌心が満ちている。あざとさのないところも好感が持てる。文字通り、完璧な演奏。チャイコーフスキイも悪くない。もう一枚は、クリップスのモーツァルト。これもまた何度聴いても素晴らしい演奏。大好きな第38番は、何度もリピート。(^^;

「独裁者と芸術家たち」という副題のアシケナージのドキュメンタリー(NHKスペシャル)は、なかなか面白かった。この番組があることは全然知らず、当日の朝刊のテレビ欄を見ていたら偶然見つけて、とりあえず録画しておいたもの。知人からもさっそくメールが入っていた。常に政治体制との関わりでばかりショスタコーヴィチが取り上げられるのも考え物だが、おかげで興味深い映像も見ることができることは素直に喜びたい。実はつい先日、ひょんなことから「バービィ・ヤール」のことでアシケナージと電話で話す機会があった。趣味で音盤を集めているだけなのに、こんな経験ができるとは!

11月13日に、宝塚市交響楽団の第38回定期演奏会にエキストラ出演することになった。曲目は次の通り:
  • ブラームス:大学祝典序曲
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
  • ドヴォルザーク:交響曲第7番
ドヴォルザークは、かぶとやま交響楽団の第27回定期演奏会で弾いたことがあるが、残りの2曲は初めて。ドヴォルザークは大好きな曲だけに、前よりはもう少しきちんと弾きたいところ。ただ、前回の澤先生の快速テンポが身体に染み付いていて、第4楽章など必要以上に焦ってしまう。早く今回のテンポに馴染まなければ。

さて、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番のスコアを買いにササヤ書店に行った(この時、大阪駅前第二ビルの地下二階で古本市が開催されていたのだが、そこにあった中古LPが掘り出し物揃い。これについては、また改めて)。ついでになんとなく第25番と第6番のスコアも購入。この選曲は単に持ってないものを買っただけで、何の意図もない。第20番は、定番中の定番、ハスキル盤で勉強。実に美しい音。せっかくスコアを買ったので、第25番と第6番はバレンボイムの旧全集で。これもまた、全集はこれしか持っていないから。でも、若干脂っこさはあるものの清潔で楽しい演奏。

勢いあまって、お気に入りの1枚も聴く。リヒテル独奏の第22番は、ブリテンの名サポートもあって華やかで素晴らしい演奏。やっぱりモーツァルトのピアノ協奏曲はいいなぁ。このアルバムの嬉しいところは、アマデウスQのメンバーによる協奏交響曲が収録されていること。アクの強いブレイニンのヴァイオリンと、存在感溢れる大人の音楽を奏でるシドロフのヴィオラのコンビネーションが最高に素敵。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Mozart,W.A. 演奏活動_宝塚市交響楽団

「死の歌と踊り」

  • ショパン:ピアノ協奏曲第1&2番 ツィマーマン (Pf&指揮) ポーランド祝祭O (DG 289 459 684-2)
  • ムーソルグスキイ:「展覧会の絵」(ラヴェル編)、「死の歌と踊り」(ショスタコーヴィチ編)、「ゴリツィン公の出発」(歌劇「ホヴァーンシチナ」より)、荘厳行進曲(「カルスの奪回」) アルヒーポヴァ (MS) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Melodiya SUCD 10-00139)
  • ムーソルグスキイ:「死の歌と踊り」(ショスタコーヴィチ編)、チャイコーフスキイ:交響曲第5番 コチェルガ (B) アバド/ベルリンPO (Sony SRCR 9633)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 バルシャイ/ユンゲ・ドイチェPO&モスクワPO団員 (BIS CD-515)
この週末は、楽器を弾きっ放し。土曜日(26日)は昼過ぎにamazon.co.jpから「きりのなかのはりねずみ」の絵本と高畑勲著の「話の話」の解説本が届いたので、子供と一緒にノルシュテイン作品集を鑑賞。夕方からかぶとやま交響楽団の練習で協奏曲とアリアの伴奏をした後、知人らと午前1時過ぎまで酒宴。帰宅後、レンタルビデオ屋で借りた「太陽に灼かれて」(ミハルコフ監督)を少し見た。タンゴ「疲れた太陽」は実に心に響く曲だ。映像も奇妙なまでの美しさを持っているし、子役(ミハルコフ監督の愛娘らしい)が何ともかわいらしい。

翌日曜日(27日)は、朝から宝塚市交響楽団の第36回定期演奏会に出演。プログラムは、レスピーギの「リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲」(これは団員のみによる演奏ということで降り番)、同じくレスピーギの交響詩「ローマの松」、ムーソルグスキイ(ラヴェル編)の組曲「展覧会の絵」、そしてアンコールにエルガーの「威風堂々第1番」という超重量級のもの。僕の普段の音楽活動ではまず実際に演奏する側に立つことのない曲ばかりなので、今回エキストラとして呼んでいただいたことに感謝したい。精神的のみならず肉体的にも疲労する演奏会の後で、昨日に引き続きかぶとやま交響楽団の練習に直行。こちらは、モーツァルト、メンデルスゾーン、ショパンといった作曲家の曲ばかりなので、違った意味での精神的な疲れが… 最後は文字通り疲労困憊。もう若くないのね。

先週購入して大変気に入ったツィマーマンのショパンを聴く。あらためて、オーケストラパートの雄弁さに感心。一体どれだけ練習したのだろうか。これは、単に音楽的あるいは技術的能力という言葉だけで片付けては失礼な、実に傑出した仕事だと思う。

昨日の演奏会本番で「展覧会の絵」を弾きながら、ラヴェルのオーケストレイションは本当に天才的だと思いつつも、原曲の持っているロシアの響きとは異質な作品に仕上がっていることを、肌で感じることができたのは大きな収穫だった。で、スヴェトラーノフだったらこの編曲でもロシア魂を炸裂させることができるだろうか、ということで1974年のスタジオ録音を。結論を言えば、ロシアン・サウンドには満足したが、やはり原曲の世界には迫り得ていないと思った。それだけ、ラヴェルの個性が凄いということでもあるのだろうが。スヴェトラーノフの演奏は正調ロシア節とでもいった感じで、このコンビに対して多くの聴き手が期待するものは十分に満たされるだろう。ただし、プロムナードをはさみながら、多彩な曲が並ぶこの作品の論理性はあまり感じられない。それよりも、1989年のライヴ録音である残りの曲目が素晴らしい。アルヒーポヴァの深く豊かな暗い声で歌われる「死の歌と踊り」は絶品。オーケストラは、ムーソルグスキイのロシアの響きをごく自然に奏でている。

国内盤フル・プライスで買ったにもかかわらず、ほとんど聴いていないアバド盤の「死の歌と踊り」を思い出して聴いてみた。コチェルガは素晴らしいのだが、意志のないアバドの伴奏には大いに不満が残る。ショスタコーヴィチが丹念にスコア化した響きが引き出されることなく、ピアノ伴奏並みの色彩感のなさ。アバドにとってベルリン・フィル時代とは何だったのだろう?チャイコーフスキイについては、特にコメントするようなことはない。

ここのところショスタコーヴィチの交響曲第7番を色々と聴き直しているが、今日はバルシャイのBIS盤を。オーケストラには若干物足りなさもないわけではないが、何より共感に満ちたテンションの高さが胸を打つ名演。バルシャイの解釈自体は特別個性的なものではないが、単に生真面目なだけではない彫りの深さがある。指揮者バルシャイとしては、ソ連時代も含めて最高の1枚と言って差し支えないように思われる。旧選集の楽譜にある誤植もきちんと修正されている。ただ、終演後に沈黙があってそれから拍手が起こるというのは、録音上の演出なのかもしれないが、この曲にふさわしいとは思わない。『証言』には色々書いてあるが、あのコーダで熱狂しないっていうのは、どう考えたって不自然でしょ。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Mussorgsky,M.P. 演奏活動_かぶとやま交響楽団 演奏活動_宝塚市交響楽団 作曲家_Shostakovich,D.D.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

カレンダー
12 | 2020/01 | 02
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
カテゴリ
タグツリー
★ トップ(最新記事)
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
人気記事ランキング
RSSリンクの表示
リンク
音盤検索
HMV検索
検索する

音楽関係のブログ(リンク・更新状況)
PopUp WikipediaⅡ
記事中の気になるキーワードをマウスで選択してください。Wikipediaからの検索結果がポップアップ表示されます。
Wikipedia
developed by 遊ぶブログ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター