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ショスタコーヴィチの新曲(!)

  • ショスタコーヴィチ:即興曲, DSCH, 2018.


新たに発見されたショスタコーヴィチの作品は、ヴィオラとピアノのための「即興曲」という小品。旋律線にはショスタコーヴィチらしい歪みがあるものの、基本的にはロシア歌謡のような暗く甘い情感に満ちた曲である。弦楽四重奏曲第1番の第2楽章や、バレエ音楽や映画音楽の抒情的なナンバーを思い起こしてもらえれば、大体の雰囲気が分かるだろう。一応緩-急の2部構成だが、1分半程度のごく短い作品である。ベートーヴェンQのヴィオラ奏者ヴァディム・ボリソーフスキイの個人コレクションの中から発見されたとのこと。

ディゴーンスカヤの解説によると、この作品は1931年5月2日にグラズノーフQのヴィオラ奏者アレクサーンドル・ミハーイロヴィチ・リフキンに献呈された。自筆譜には「作品33」と記されている他、裏面にはベートーヴェンのトルコ行進曲(創作主題による6つの変奏曲 Op. 76の主題/劇付随音楽「アテネの廃墟」Op. 113の第4曲)の弦楽四重奏用編曲という表題のみが書かれている(この編曲が着手されなかったのか、それとも破棄されたのかは不明)。

確定している事実はこれだけである。ディゴーンスカヤの解説では、作品番号についてショスタコーヴィチの備忘録から詳細な検討がなされているが、ここでは作品の成り立ちに関して非研究者でも興味がありそうな事柄のみを列記するに留める:
  • ショスタコーヴィチとリフキンの親交がいつから始まり、どの程度のものだったかは不明だが、1931年5月2日に2人は会い、その場でこの小品が作曲され、リフキンに献呈されたと思われる。
  • 会談に際してショスタコーヴィチはトルコ行進曲の編曲の草稿(ヴィオラ・パート譜のみ?)を持参し、その表紙の裏に書き記したようだ。
  • リフキンとボリソーフスキイはそれなりに親しい間柄だったようだ(病気のリフキンの代理でグラズノーフQの演奏会に出演したこともある)が、この自筆譜がなぜボリソーフスキイの手元に渡り、その後なぜボリソーフスキイがこれを死蔵していたのかは不明。
率直に言って、その規模からも内容からも、今後この作品が演奏会で取り上げられる機会は決して多くないだろう。この作品の旋律が他の作品に引用されているわけでもない(未完や未発表の作品に流用されている可能性はなくもないだろうが)ので、恐らくはCDのフィルアップくらいの位置付けに留まるものと思われる。

だが、結果として共同作業は「2つの小品」と弦楽四重奏曲第1番だけに終わったとはいえ、著名な演奏団体であったグラズノーフQと知己を得、将来の構想について語り合い、意気投合してその場で1曲プレゼント、といった情景を想像すると、何とも微笑ましい気持ちになる。

手元にあるグラズノーフQによる弦楽四重奏曲第1番のSP盤からは、古めかしいおっとりとした音楽が聴こえてくるが、ボリソーフスキイと同種の深く太いヴィオラの音色を堪能しながら、こんな妄想に耽るのも悪くない。
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リヴォーフ・プラーチの民謡集、他

  • Русские народные песни, собранные Николаем Львовым, положенные на музыку Иваном Прачем и опубликованные в 1790-1806 гг., Композитор・Санкт-Петербург, 2012.
  • バクスト, J.・森田 稔(訳):ロシア・ソヴィエト音楽史, 音楽之友社, 1971.
  • ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲全集 ラテンアメリカQ (Brilliant 6634)
「リヴォーフ・プラーチのロシア民謡集」は、18世紀末から19世紀にかけて編纂・出版されたロシア民謡集の中でも最も有名な物。1987年にはファクシミリが出版されているものの、とても素人が手を出せるような値段ではなく、一度その内容を見てみたいと思いつつも全く機会がなかった。ところが先日、ふと思い立って色々と調べてみたところ、2012年に出版された入手容易な物があることを発見。ついに入手することができた。

第5版まであるようだが、今回入手したものは第2版のリプリントである。各版の違いだけでなく、このロシア民謡集の持つ意義については、下記の文献に詳しい(大学のリポジトリからPDFファイルをダウンロードできる)。
  • 安原雅之:19世紀のロシアで編纂されたロシア民謡集について, 愛知県立芸術大学音楽学部音楽学コース紀要, 12, pp.62-65, 2017.
  • 安原雅之:ロシア民謡集の研究 (1) : 18世紀末から19世紀にかけてロシアで刊行された民謡集について, 愛知県立芸術大学紀要, 45, pp.127-135, 2015.
ロシア民謡の形式や分類について詳しいことはわからないが、この民謡集では以下の章立てがなされている。
  1. Протяжные:延べ歌
  2. Плясовые:踊り(プリャースカ)
  3. Свадебные:婚礼歌
  4. Хороводные:輪舞
  5. Святочные:スヴャートキ
  6. Малороссийские:小ロシア

様々な作曲家がこの民謡集から題材を採ったようだが、中でも有名なのはベートーヴェンの「ラズモフスキー四重奏曲」である。
  • 【9番】Ах! талан ли мой(ああ私の運命は)=ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番の第4楽章第1主題
  • 【132番】Уж как слава Тебе Боже на небеси, слава!(いと高きところには栄光、神にあれ)=ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番の第3楽章中間部主題
ショスタコーヴィチの楽曲で直接関係するのは、「10のロシア民謡 Sans op. Q」の第7~9曲。
  • 【97番】Ельник, мой ельник(私のモミの林よ)=第7曲
  • 【5番】Как у батюшки в зеленом саду(お父様の緑の庭で)=第8曲
  • 【14番】Говорила я другу милому(愛しい人に私は言いました)=第9曲
Музыка社の旧選集の解説(全音出版社の楽譜には、この邦訳が掲載されている)では、この民謡集の出版年が「1896年」と記されているが、これは第4版の出版年(初版:1790年、第2版:1806年、第3版:1815年)である。ショスタコーヴィチが参照したのが第4版だったのか、単に解説者が最新版の出版年を記したのか、その辺りは不明。

“元ネタ”探しの資料として重宝するのはもちろんだが、旋律線だけでなく、その歌詞も参照できることが何よりありがたい。もっとも、民謡の歌詞を理解するのは決して容易なことではないが。


1月9日のエントリーの最後で言及した、ディスクユニオン お茶の水クラシック館で入手した書籍は、ロシア=ソ連の音楽史。ショスタコーヴィチ存命中(晩年ではあるが)の出版のため、ソ連の代表的な作曲家として取り上げられているのはミャスコーフスキイ、プロコーフィエフ、カバレーフスキイ、ハチャトゥリャーン、そしてショスタコーヴィチだけである。

日本語で読めるロシア音楽の通史は、そう多くはなく、私が読んだのはマースの『ロシア音楽史 《カマーリンスカヤ》から《バービイ・ヤール》まで』(春秋社, 2006)の他に、園部四郎の『ロシア・ソビエト音楽史話』(創芸社, 1976)くらいしかないのだが、このバクストの本は、古代ルーシ国家の成立まで遡ってソ連時代の途中まで一通り触れられているという点で、個々の記述には古臭さがあるものの、ロシア音楽史の概要を手軽に知ることのできる一冊である。社会主義リアリズムの思想についても紙数を割いて論じられている。ただ、著者がどの程度ソ連共産党の理論を理解し、共感しているかはよくわからない。というのも、この本の記述を読んでも、私には何をもって“理論”と言っているのかがさっぱり理解できなかったから。それより、ソ連のオペラについて論じられた最終章は、聴いたことのない作品や作曲家の名前が目白押しで、非常に興味を惹かれた。



アリアCDのセールで、ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲全集を購入。学生時代、ベスレル=レイスQによる国内盤(テイクオフ)で全集がリリースされたのだが、私は初回発売の3枚を入手したのみで、その後、残りがリリースされたのかどうかも知らない。中古音盤屋で同団の全集(輸入盤)を見かけることはあるが、何となく買いそびれたまま今に至る。今回、ラテンアメリカQの演奏で初めて全17曲を聴いたが、ミヨーの17曲と似たような多彩さを有する創作群と感じた。耳を惹く面白さや、シリアスな説得力など、興味深く聴くことができたが、連続して聴き通す中で退屈な瞬間がなかったとまでは言い難い。第5番のように民謡素材を活用した作品は特に気に入ったが、演奏会で取り上げるには、どの曲も全楽章通しての完成度に物足りなさが否めない。

ラテンアメリカQの演奏は、技術的には野暮ったさが残るものの、決して弾きやすいとは言えないスコアを手堅くまとめあげており、この膨大な曲集のリファレンスとして十分な水準に達している。個々の楽曲の雰囲気においてはベスレル=レイスQの方が相応しいと思えるが、演奏技量の差が大きく、一般的にはラテンアメリカQ盤を採るべきだろう。

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ショスタコーヴィチの“Op.1”

  • ショスタコーヴィチ:バガテル/前奏曲集(Op. 1), Композитор・Санкт-Петербург, 2016.


ショスタコーヴィチの生誕110年だった2016年に出版された、ショスタコーヴィチ最初期(13歳)の楽譜を、遅ればせながら入手した。

これまでに出版されていた最も早い時期の作品は、ショスタコーヴィチが当時ピアノを師事していたローザノヴァ教授が保管していた「3つの小品 Sans op. A」である。これには録音が複数あり、第3曲は未完ながらも、ペトログラード音楽院入学前のショスタコーヴィチの姿を実際の音で聴いて想像することができる。

さて、ディゴーンスカヤの作品便覧(第1巻)によると、ショスタコーヴィチ最初期の創作は彼がピアノを学び始めて間もなく(8~9歳)始められているようだが、本格的に作品が仕上げられるようになったのは音楽院入学前の12~3歳の頃で、先の「3つの小品」もこの時期の作品である。

今回出版されたバガテルと前奏曲集も同時期のものと類推されるが、まず興味深いのは前奏曲集に「Op. 1」と記されていることである。上述の作品便覧には「Op. 5」と記された小品集(作曲は前奏曲集の前)もあり、どのタイミングでナンバリングされたのかは不明だが、明らかに習作以上の作品と自負していたことが窺える。

もう1点、序文でディゴーンスカヤ女史が言及しているが、音楽院の入学試験においてグラズノーフの前で演奏したのがこの「Op. 1」である可能性が高いということにも注目したい。

「Op. 1」の第1曲g-mollは完成しており、後に「8つの前奏曲 作品2」の第1曲とされる。第2曲G-durは未完(といっても、それほど長くないコーダを仕上げれば形になるので、単に楽譜に書き記していなかっただけかもしれない)であるが、最後まで完成している「バガテル」と同一の主題が用いられており、中間部(≒展開部)は前奏曲の方が大規模だが、全曲の雰囲気や終結のイメージなどを「バガテル」から類推することは容易であろう。

「バガテル」はグリャッセルの音楽学校の同級生の女子に献呈されているが、その女子との関係を知るに足る記録等は残っていないようだ。それよりも「ДШостакович」という署名や献辞など、作品としての体裁がきちんと整えられていることが面白い。

これらの作品の音楽的内容を、音楽院入学以降の作品と比較するわけにはいかないが、音の進行の中に、既にショスタコーヴィチらしい歪みが現れていることは注目に値する。

このように「バガテル/Op. 1」は、“作曲家”を自覚し始めた幼きショスタコーヴィチの貴重で興味深い第一級の資料である。1926年に多数の習作等を自ら焼却したショスタコーヴィチは、芸術的な観点ではなく、自身の思い出あるいは記念のために、あえてこの楽譜を焼かずに残したのかもしれない。

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ショスタコーヴィチ:未完のヴァイオリン・ソナタ(DSCH社)


  • ショスタコーヴィチ:未完のヴァイオリン・ソナタ(1945), DSCH, 2012.
7月4日のエントリーで触れたショスタコーヴィチの未完のヴァイオリン・ソナタについて、出版譜を米Amazonにて購入。日本国内の楽譜屋の店頭に並んでいないことはさして不思議ではないが、ネット通販ショップの類でもほとんど検索にヒットせず、手軽かつ迅速に入手できそうな手段が米Amazonのみだったのは少々意外。

楽譜の巻頭にはヤクーボフの解説が掲載されている。その要点は、以下の通り:
  • ソナタの作曲に着手したのは、1945年6月26日。
  • ソナタの第1楽章として書き始められた。
  • ソナタは提示部の終わりまで完成(自筆の清書が存在)、展開部の始め(22小節、ただし大きくバツ印が書かれている)のスケッチが残っている。
  • 作曲の動機、および途中で放棄された理由についての記述はない。
  • ソナタの2つの主題は、ほぼそのままの形で交響曲第10番の第1楽章に流用されている。
  • 第1主題の中には、交響曲第9番の第2楽章の冒頭主題に類似した部分がある。
  • 主題ならびに旋律の構成には、多声音楽の技法が駆使されている。
  • 多声音楽に対する関心は、「森の歌」の終楽章のフーガや、24の前奏曲とフーガへとつながる。
  • ソナタ冒頭のピアノの音型は、ベートーヴェンの月光ソナタと類似している。
残念ながら、最も期待していた楽曲成立の背景に関する新情報はなかった。交響曲第10番(と第9番)との類似については、少なくとも現時点では聴き手が自由に妄想を膨らませる余地が少なからず残されているということになる。第9番も第10番も人気のある交響曲だけに、ショスタコーヴィチ好きにとっては、新たな話のネタができたというところか。

バロック以前のポリフォニー音楽の作曲技法が駆使されているのは、大変に面白い観点である。ジダーノフ批判期に非現代的な技法に回帰したかのように言われることもあるが(24の前奏曲とフーガなど)、そうした古い時代の音楽や技法に対する興味が批判とは無関係のものであったことが、ヤクーボフ氏の指摘によって示唆される。

もう一点。作品134のヴァイオリン・ソナタの冒頭とこの未完のソナタの冒頭とは、訥々としたピアノの動きとヴァイオリンの息の長い旋律的な流れという点で類似している。また、作品134の第1楽章はト長調とされているものの教会旋法が用いられており、バロック以前の技法という点でも未完のソナタに共通するように思われる。オイストラフ(の誕生日)に献呈された作品134であるが、1945年時点でオイストラフとショスタコーヴィチとの関係はさして深いものではなかったので、これらの類似性は時代に対する思い出というよりは、純粋にヴァイオリンとピアノとの響き=高音楽器の純正律と平均律とが織り成す響きに内在する問題の、ショスタコーヴィチなりの解決策だったりするのかもしれない。

率直に言って、未完のソナタ自体はそれほど面白い音楽ではない(たとえば弦楽四重奏曲第4番の第1楽章の一部分だけ聴いているような感じ)。しかし、楽曲の背景を巡って広がるファンタジーは、熱心なショスタコーヴィチ・ファンの胸を熱くするに違いない。

なお、巻末には自筆譜(清書と下書きの両方!)のファクシミリが掲載されている。

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前線のための歌

  • 27のロマンスと歌 Sans op. J(ii), Композитор・Санкт-Петербург, 2005.
  • ショスタコーヴィチ:「前線のための歌」(27のロマンスと歌) Russkaya Conservatoria Chamber Capella (Toccata Classics TOCC 0121)
よく利用する楽譜の通販サイトで、「前線のための歌」という表題がつけられたショスタコーヴィチ名義の楽譜を見つけた。商品説明を読むと、大衆歌曲などの編曲が収録されているような雰囲気だったので、おそらくはその内の数曲がショスタコーヴィチによるのだろうと、さほど期待もせずに注文してみた。

届いた楽譜を見ると、全27曲がショスタコーヴィチが編曲したヴァイオリンとチェロの二重奏による伴奏で歌われる歌であった。もちろん「前線のための歌」という表題で知られる歌曲集はないし、いかにも大祖国戦争時の慰安用の音楽だと思われたので、半ば書き捨てられたような譜面を発掘して出版したものだろうとロクに調べもせずに、漫然と譜面や解説に目を通してみた。

その後、何気なくヒュームのカタログを見てみたら、「27のロマンスと歌」としてSans op. J(ii)という番号まで振られている曲集(?)であることを確認。すぐに思いが至らなかったのは不覚の致すところ。録音もないだろうと思っていたら、この出版譜に基づく録音が既にリリースされていた。実はこのアルバム、存在は知っていたのだが、タイトルやジャケットの雰囲気から勝手に「8つのイギリスとアメリカの民謡」Sans op. M辺りを中心にした内容だろうと思い込んで、きちんとチェックしていなかった。色々と大失態である。



慌ててCDも入手して、27曲の内容を整理してみた。ストーリー性を持った連作歌曲ではないので、楽曲の順番にさして意味はない。以下は、出版譜の順番に並べ、【】内にヒュームのカタログに記載されている順番を「H○」、CDの収録順を「Track ○」として示す:
  1. 【H26-Track 24】ポクラス:別れ
  2. 【H25-Track 25】ポクラス兄弟:嵐の雲ではない(映画「労働者の息子たち」より)
  3. 【H19-Track 27】ブラーンテル:シチョールスの歌
  4. 【H24-Track 26】ミリューチン:私たちに触れるな(映画「Митька-Лелюк」より)
  5. 【H27-Track 19】プリッツカー:少女の歌
  6. 【H23-Track 21】ドゥナエーフスキイ:なんと偉大な!(映画「ベートーヴェン・コンサート」より)
  7. 【H22-Track 22】ドゥナエーフスキイ:風よ歌え(映画「グラント船長の子供たち」より)
  8. 【H20-Track 23】ドゥナエーフスキイ:海の歌
  9. 【H21-Track 20】ドゥナエーフスキイ:アニュタの歌(映画「陽気な連中」より)
  10. 【H3-Track 4】ヴェッケルラン:ママ、愛って何?
  11. 【H1-Track 2】ベートーヴェン:満たせ杯を、わが友よ(25のスコットランドの歌より)
  12. 【H5-Track 1】ロッシーニ:アルプスの羊飼いの娘(「ソワレ・ミュジカル」より)
  13. 【H2-Track 3】ビゼー:ハバネラ(歌劇「カルメン」より)
  14. 【H4-Track 5】レオンカヴァッロ:アルレッキーノのセレナード(歌劇「仮面舞踏会」より)
  15. 【H6-Track 18】ヴェルストーフスキイ:ジプシーの歌
  16. 【H9-Track 11】グリリョーフ:小さなサラファン
  17. 【H8-Track 10】グリリョーフ:おかあさんに話しましょう
  18. 【H13-Track 14】ダルゴムィーシスキイ:熱病
  19. 【H12-Track 15】ダルゴムィーシスキイ:グラナダは霧に包まれ
  20. 【H10-Track 16】ダルゴムィーシスキイ:私たちの通りのように(歌劇「ルサールカ」より)
  21. 【H11-Track 17】ダルゴムィーシスキイ:コミック・ソング(歌劇「ログダーナ」より)
  22. 【H14-Track 6】ムーソルグスキイ:ゴパーク
  23. 【H16-Track 7】ムーソルグスキイ:ヒーヴリャの歌(歌劇「ソローチンツィの定期市」より)
  24. 【H15-Track 8】ムーソルグスキイ:パラーシャのドゥムカ(歌劇「ソローチンツィの定期市」より)
  25. 【H17-Track 9】リームスキイ=コールサコフ:ノルマンの商人の歌(歌劇「サドコー」より)
  26. 【H18-Track 12】イッポーリトフ・イヴァーノフ:岩の上に座る
  27. 【H7-Track 13】グラク=アルテモヴシクィイ:カラースとオダールカの二重唱(歌劇「ドナウ川のコサック」より)
まだきちんと精読した訳ではないが、楽譜の解説はロシア語のみだが、CDの英語解説は基本的に楽譜のそれに基づいている。楽曲の情報としては、CDを入手すれば十分であろう。

前線の兵士の慰安用という用途を考えても、これらの楽曲の選択が「よく知られている」という基準によることは言うまでもない。ただ、オペラのアリアなどは、必ずしも高級将校ではない一般の兵士に膾炙していたとは思えないが、少なくとも著しく難解で退屈するような歌は皆無である。ピッツィカートを多用した伴奏は、ギター風の響きを模したものだろうが、ギター一本の方がその目的のためには身軽で移動しやすいはずなのに、わざわざヴァイオリンとチェロの二重奏としたのは、おそらく具体的な音楽家のグループが想定されていたということなのだろう。

弦楽器二本という少ない編成にもかかわらず、それなりに広がりのある響きが生み出されているのは、ショスタコーヴィチの職人的な手腕を示すもの。ただし、演奏の難易度は決して低くはない。相応の技量を有した一流の演奏家が演奏したに違いない。

Russkaya Conservatoria Chamber Capella(適切な日本語訳が分からなかった)の演奏は、雰囲気も技術面も十分に満足できる水準である。繰り返しの一部が省略されているが、全く同じものを3回以上も繰り返して聴く必要はないので、妥当な処理だろう。とても楽しい音楽であることは確かだが、ショスタコーヴィチの作品として重要な位置を占めるものでないことも確か。本作品の録音が今後も定期的になされるとは考え辛い。場合によっては唯一の資料となる可能性もあるので、興味のある方は入手可能な内に確保されることをお勧めする。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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