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KGB愛唱歌集

  • Hommage a Piazzolla クレーメル (Vn)他  (Nonesuch 7559-79407-2)
  • ソビエト赤軍思い出の名唱集 (Melodiya MEL-615)
  • 《ソヴィエト諜報大作戦》KGB愛唱歌集
クレーメルのピアソラ・アルバムは、いわゆるピアソラ・ブームの火付け役となったという以上の価値はないと思う。買って以来聴くこともなかったが、今日これを取り出したのは「疲れた太陽」が収録されているのを思い出したから。デジャトニコフの編曲はタンゴとは全く異質なもので、その意味ではこのアルバム中最も成功している一曲と言えるだろう。『話の話』にしろ『太陽に灼かれて』にしろ、使われているアレンジは完全にコンチネンタル・タンゴのスタイルであるのであまりこだわる意味はないのだろうが、一度アルゼンチン・タンゴのスタイルでこの曲を聴いてみたいものだと思う。メロディ自体はそのスタイルによく合うと思うし。

大祖国戦争前後の大衆歌曲を集めたアルバムは何枚か持っているが、オリジナル(?)の音源を集成したこの「ソビエト赤軍思い出の名唱集」は、全編を貫く時代の雰囲気がたまらない。シュリジェンコが歌う「青いプラトーク」は僕の大好きな曲。これが「疲れた太陽」と同じペテルブルグスキイが作曲したものだということは、昨日まで知らなかった。

僕が持っているCDの中でも最高級に胡散臭いタイトルなのが、この「KGB愛唱歌集」。新世界レコード社の通販カタログで見つけて出張で東京に行った時に購入したもの。レーベル名は明記されおらず、ディスク番号もない。自主制作なのか?でも、それにしては音も良い。ブックレットもお好きな方にはたまらない写真が満載。実にしっかりとした作りのアルバムである。佐々木功のようなバスが紡ぐ郷愁に満ちたメロディの数々は、たまらなく魅力的。でも、もっと凄いのは収録曲の曲名。それを眺めるだけでも面白い。
  1. 祖国はどこから始まるか
  2. つらい任務
  3. 楯と剣
  4. 初代非常委員会議長ジェルジンスキー讃歌
  5. ソヴィエト・チェキスト(非常委員)讃歌
  6. ジェルジンスキー主義者の歌
  7. 白樺の樹液
  8. この日は何処に
  9. 同志ゾルゲ
  10. チェキストの歌
  11. 諜報部員ゾルゲ
  12. ひととき
  13. 遠い祖国の歌
  14. わが運命はいかに
  15. ジェイムズ・ボンドの歌
  16. 鉄の懲役
  17. 思い出
  18. スラヴ娘の別れ
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : Tango_etc. USSR大衆歌曲. 演奏家_Kremer,G.

「太陽に灼かれて」

  • ベルリンへの道 第二次世界大戦50周年思い出の名唱集 ウチョーソフ(唄) (Russian Disc RDCD-479)
  • スターリン時代の歌曲集(Песни о Сталине)「Я Другой Такой Страны Не Знаю」 (проект“Z” KIC-R 00010)
  • スターリン時代の歌曲集(Песни о Сталине)第2巻「Как Вернее Бить Врагов」 (проект“Z” PZS97-02(07))
  • スターリン時代の歌曲集(Песни о Сталине)第3巻「Вы Не Суйтесь,Самураи!」 (проект“Z” PZS99-02(12))
昨日は、研究室総出で実験棟周りの草刈り。打ち上げをして帰宅後、映画「太陽に灼かれて」(ミハルコフ監督)をようやく全部見た。感動…とは違うけれども、強烈な印象に打ちのめされた。美しい自然と穏やかな日常の描写。滑稽さすら感じさせる人々の中で、ミーチャとコトフ大佐の際立った異質さが不思議な不安感を駆り立てる。1936年のソ連という時代そのものとも言えるこの2人と、革命前の時間に生きているかのような周囲の人々。無垢なナージャの存在がたまらなく哀しい。全編を貫くタンゴ「疲れた太陽」が、この時代を意味深く象徴している。この映画を一度でも見てしまうと、ここで描かれた時代と独立してこの曲を聴くことはできない。それは、恐らく当時を生きたソ連の人々の感覚とそう違ってはいないのだろう。革命後の価値観を体現しているコトフ大佐が、ミーチャの登場で革命前の上流階級の価値観を持つ家族の中から浮いていくシーンは、スターリン気球の完成とともに訪れる破局を予感させて息苦しささえ感じさせる。そしてそのミーチャこそがこの時代の悪魔性そのものであることの、何という恐ろしさ。どこにでもあるような三角関係のラブストーリーが、ラブストーリーとしての結末を迎えられないことの不条理。しかもここで描かれたドラマは、奇妙なまでに穏やかな一日の出来事なのだ。何の前触れもなく登場人物皆が不幸になる物語なんて、確かにこの時代以外には考えられないし、考えたくもない。ミーチャとコトフ大佐の破局の後、無邪気に野原を駆けて行くナージャの後姿に、革命の英雄コトフ陸軍大佐一家のその後がテロップで流れる。銃殺、収容所で死亡、名誉回復…。しかし何より救いのない気分になるのは、ナージャが今もまだ生きているということ。ロシアは、まだこの時代の傷を引きずっているのだ。恐らく、決して癒されることなく。あまりに強い印象を受けてしまい、立て続けにもう1回見てしまった。マルーシャの存在が、まだ自分の中できちんと整理できない。また時間をおいて見直したい。

寝不足ということもあるが、映画の強烈な印象の中で今日は普通(?)の音楽を聴く気にはなれなかった。今日取り出した4枚は全て、戦前のスターリン時代の音楽を集めたもの。レオニード・ウチョーソフは、ソビエト・ジャズ音楽草創期の音楽家で国立ジャズオーケストラの設立者。そのものズバリのタイトルである「スターリン時代の歌曲集」全3巻は、オリジナル音源のオムニバス。歌詞がさっぱり分からないので、各曲について何かを語ることはできないが、いわゆるソ連大衆歌曲のスタイルの音楽からは、不思議なほど「太陽に灼かれて」の世界に通じる雰囲気が立ち上る。これは、先入観なのか?いや、恐らく、そうではない。

theme : 洋画
genre : 映画

tag : USSR大衆歌曲. その他_Mikhalkov,N.S.

「死の歌と踊り」

  • ショパン:ピアノ協奏曲第1&2番 ツィマーマン (Pf&指揮) ポーランド祝祭O (DG 289 459 684-2)
  • ムーソルグスキイ:「展覧会の絵」(ラヴェル編)、「死の歌と踊り」(ショスタコーヴィチ編)、「ゴリツィン公の出発」(歌劇「ホヴァーンシチナ」より)、荘厳行進曲(「カルスの奪回」) アルヒーポヴァ (MS) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Melodiya SUCD 10-00139)
  • ムーソルグスキイ:「死の歌と踊り」(ショスタコーヴィチ編)、チャイコーフスキイ:交響曲第5番 コチェルガ (B) アバド/ベルリンPO (Sony SRCR 9633)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 バルシャイ/ユンゲ・ドイチェPO&モスクワPO団員 (BIS CD-515)
この週末は、楽器を弾きっ放し。土曜日(26日)は昼過ぎにamazon.co.jpから「きりのなかのはりねずみ」の絵本と高畑勲著の「話の話」の解説本が届いたので、子供と一緒にノルシュテイン作品集を鑑賞。夕方からかぶとやま交響楽団の練習で協奏曲とアリアの伴奏をした後、知人らと午前1時過ぎまで酒宴。帰宅後、レンタルビデオ屋で借りた「太陽に灼かれて」(ミハルコフ監督)を少し見た。タンゴ「疲れた太陽」は実に心に響く曲だ。映像も奇妙なまでの美しさを持っているし、子役(ミハルコフ監督の愛娘らしい)が何ともかわいらしい。

翌日曜日(27日)は、朝から宝塚市交響楽団の第36回定期演奏会に出演。プログラムは、レスピーギの「リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲」(これは団員のみによる演奏ということで降り番)、同じくレスピーギの交響詩「ローマの松」、ムーソルグスキイ(ラヴェル編)の組曲「展覧会の絵」、そしてアンコールにエルガーの「威風堂々第1番」という超重量級のもの。僕の普段の音楽活動ではまず実際に演奏する側に立つことのない曲ばかりなので、今回エキストラとして呼んでいただいたことに感謝したい。精神的のみならず肉体的にも疲労する演奏会の後で、昨日に引き続きかぶとやま交響楽団の練習に直行。こちらは、モーツァルト、メンデルスゾーン、ショパンといった作曲家の曲ばかりなので、違った意味での精神的な疲れが… 最後は文字通り疲労困憊。もう若くないのね。

先週購入して大変気に入ったツィマーマンのショパンを聴く。あらためて、オーケストラパートの雄弁さに感心。一体どれだけ練習したのだろうか。これは、単に音楽的あるいは技術的能力という言葉だけで片付けては失礼な、実に傑出した仕事だと思う。

昨日の演奏会本番で「展覧会の絵」を弾きながら、ラヴェルのオーケストレイションは本当に天才的だと思いつつも、原曲の持っているロシアの響きとは異質な作品に仕上がっていることを、肌で感じることができたのは大きな収穫だった。で、スヴェトラーノフだったらこの編曲でもロシア魂を炸裂させることができるだろうか、ということで1974年のスタジオ録音を。結論を言えば、ロシアン・サウンドには満足したが、やはり原曲の世界には迫り得ていないと思った。それだけ、ラヴェルの個性が凄いということでもあるのだろうが。スヴェトラーノフの演奏は正調ロシア節とでもいった感じで、このコンビに対して多くの聴き手が期待するものは十分に満たされるだろう。ただし、プロムナードをはさみながら、多彩な曲が並ぶこの作品の論理性はあまり感じられない。それよりも、1989年のライヴ録音である残りの曲目が素晴らしい。アルヒーポヴァの深く豊かな暗い声で歌われる「死の歌と踊り」は絶品。オーケストラは、ムーソルグスキイのロシアの響きをごく自然に奏でている。

国内盤フル・プライスで買ったにもかかわらず、ほとんど聴いていないアバド盤の「死の歌と踊り」を思い出して聴いてみた。コチェルガは素晴らしいのだが、意志のないアバドの伴奏には大いに不満が残る。ショスタコーヴィチが丹念にスコア化した響きが引き出されることなく、ピアノ伴奏並みの色彩感のなさ。アバドにとってベルリン・フィル時代とは何だったのだろう?チャイコーフスキイについては、特にコメントするようなことはない。

ここのところショスタコーヴィチの交響曲第7番を色々と聴き直しているが、今日はバルシャイのBIS盤を。オーケストラには若干物足りなさもないわけではないが、何より共感に満ちたテンションの高さが胸を打つ名演。バルシャイの解釈自体は特別個性的なものではないが、単に生真面目なだけではない彫りの深さがある。指揮者バルシャイとしては、ソ連時代も含めて最高の1枚と言って差し支えないように思われる。旧選集の楽譜にある誤植もきちんと修正されている。ただ、終演後に沈黙があってそれから拍手が起こるというのは、録音上の演出なのかもしれないが、この曲にふさわしいとは思わない。『証言』には色々書いてあるが、あのコーダで熱狂しないっていうのは、どう考えたって不自然でしょ。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Mussorgsky,M.P. 演奏活動_かぶとやま交響楽団 演奏活動_宝塚市交響楽団 作曲家_Shostakovich,D.D.

スヴェトラーノフのブラームス交響曲全集

  • Fugue Around The Clock アムステルダム・ルッキ・スターダストQ (Channel Classics CCS19498)
  • Who is afraid of 20th Century Music? Volume 1 メッツマッハー/ハンブルグ州立PO (EMI 7243 5 56970 2 8)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 シーモノフ/スロヴェニアPO (Slovenska Filharmonija SF 997029)
  • ブラームス:交響曲全集 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scribendum SC 023)
昨日タワーレコード梅田店をのぞいたところ、探していた音盤は見つからなかったが、ショスタコーヴィチ絡みで思わぬ収穫があった。

リコーダー四重奏によるフーガ集。この中に「24の前奏曲とフーガ」第22番のフーガが収録されている。Pohlitの「Gurez」というオリジナルの現代曲以外は、全て編曲物。既に名声の確立した団体でもあり、技術的にも音楽的にも高い水準のアルバムに仕上がっている。で、お目当てのショスタコーヴィチは、なかなかの演奏。作品が内包している古風な響きを適切に引き出した、といった感じ。他の曲も是非聴いてみたいが、まぁ無理だろうな。

7月23日の当欄で「どこかの店頭に並んでいないだろうか?」と書いたばかりの「誰が20世紀音楽を恐れるか?」の第1巻。タワーレコード梅田店で捕獲。背ジャケットのタイトルが「The Millennium Concert」となっていたので、すぐにそれとは気付かなかった。もしかしたら、今までも他の店で見過ごしていたのかもしれない。まだ第1巻ということもあってか、比較的穏当なプログラム。面白いのは確かだが。ショスタコーヴィチのポルカは、まぁ平凡な出来。もっと弾けてくれればいいのに。録音の影響もあるのかもしれないが。

スロヴェニア・フィルの自主制作盤があるという情報は、知人のサイトである斉諧生音盤志にて見知っていた。しかし、代金支払い方法等が少々面倒だったので見送っていたところ、タワーレコード梅田店でその中の一枚であるショスタコーヴィチの交響曲第8番を発見。税抜き2800円弱と非常に高価ではあったが、迷わず購入。演奏自体は、あまりぱっとしなかった。実際に生で聴いていればもうちょっと評価も高くなるかもしれないが、オーケストラの技量の限界もあってか表現に幅がない。これでは、録音で繰り返し聴くには辛い。一部の蒐集家のためのコレクターズ・アイテムといった感じか。スロヴェニア・フィルの自主制作盤には、他にもショスタコーヴィチ作品を含んだものがあるので、ディスコグラフィを見て、また店頭を調べてみようと思う。

スヴェトラーノフのブラームス全集は、かねてから評判を聴いていたものの、わざわざ探してまで買って聴きたいというほどの気持ちもなく、今回安価で再発されてようやく入手した。買ってからしばらく経ったが、今日ようやく聴いた。期待していたほどロシア臭が強いというわけではなかった。確かに弦楽器の歌いまわしは濃厚だが、それでも十分ブラームスの範疇に納まっていると思うのは、僕が偏った演奏ばかり聴いているからか?第1番は、概ね想像通り。カロリーが高くて気に入った。ただ、音楽の流れはブラームスのそれではなく、異様に粘度が高い。第2番は、この独特の流れが良い方に働かなかったというパターンだろう。第1楽章などの表情付けにも少々違和感が残る。第3番は、想像したほど濃厚ではなかったものの、大きなフレーズ感がこの曲にふさわしく、全4曲中一番の出来ではないだろうか。第4番は、第1番と似たような印象。総じて前評判の高さに胸を躍らせ過ぎたせいか、多少肩透かしの部分もあったものの、十分満足した。妙な煽り文句を並び立てるより、ロシアの演奏家による立派なブラームス演奏という評が、この録音には相応しいように思える。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Brahms,J. 演奏家_Svetlanov,E.F.

[2003-07-24分]娘の3歳の誕生日にショパン

  • ショパン:ピアノ協奏曲第1&2番 ツィマーマン (Pf&指揮) ポーランド祝祭O (DG 289 459 684-2)
早いもので、娘も3歳の誕生日を迎えた。とはいえ、今日このディスクを聴いたのは特に意図があったわけではなく、単に今度の演奏会の予習としてである。あちこちで良い評判を聞いていたものの、そうしょっちゅう聴くとは思われない曲だけに、この度ようやく入手した次第。

第1番の最初のフレーズから、徹底的に手の入れられたフレージングと、協奏曲の伴奏にあるまじき密度の高いオーケストラの響きに驚愕。丹念なフレージングは明らかにピアノのそれだが、ここまで完成度が高いと全く違和感のない自然な音楽として聴こえる。独奏が入ってからも、独奏と伴奏が一体となって「ピアノ音楽」を奏でていて、ツィマーマンの考えている音楽がはっきりと伝わってくる。遅いテンポ、弱音の美しさを強調するようなデュナーミク等個性的な演奏ではあるが、嫌味な部分は全くなく、本当に素晴らしい。2曲通して聴いても、退屈する部分が皆無。こんなに隅々まで手を抜くことなく作り上げられたショパンの協奏曲は今までなかっただろうし、今後も現れることはないと思われる。

theme : クラシック
genre : 音楽

ケーゲルのベートーヴェンとショスタコーヴィチ

  • Who is afraid of 20th Century Music? Volume 3 メッツマッハー/ハンブルグ州立PO (Sony SXP 130081)
  • ベートーヴェン:「エグモント」序曲、交響曲第6番 ケーゲル/ドレスデンPO (Altus ALT055)
  • ベートーヴェン:交響曲第5番・J. S. バッハ:アリア ケーゲル/ドレスデンPO (Altus ALT056)
  • 「音楽と物語の世界」(プーランク:「ぞうのババール」・シベリウス:組曲「フロレスタン」・シサスク「星の組曲」) 館野泉 (Pf) 岸田今日子 (語り) (Sacrambow ATCO-1025)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ケーゲル/ライプツィヒ放送SO (Weitblick SSS0028-2)
早速ノルシュテインの「話の話」を見たが、静寂の恐ろしいまでの力と、音楽の鮮烈な印象、そして不思議な優しさを感じさせる映像にすっかり引き込まれてしまった。ただ、内容は極めて難解で、さすがに一度見ただけではすぐに理解することは困難。まだ全作品を観たわけではないのだが、最初に収録されている「25日・最初の日」でいきなりショスタコーヴィチの交響曲第12番が流れてきたのは嬉しい誤算。第1楽章の主部に入ってすぐのザワザワした辺りの音楽に合わせて娘が踊りだしたので、「この曲好き?」と聞くと「好き!」と即答した。明日が3歳の誕生日。順調に成長しているようで嬉しい。もっとも、横で妻は不愉快そうな顔をしていたが。

DVD購入のついでにクラシックのフロアをのぞくと、メッツマッハーの「誰が20世紀音楽を恐れるか?」の第3巻が並んでいた。いつもながら気の利いた選曲で楽しい。ショスタコーヴィチの組曲「黄金時代」の第4曲は、平凡な演奏。このシリーズ、まだ第1巻(ショスタコーヴィチの「ポルカ」が収録されている)を入手していないのだが、どこかの店頭に並んでいないだろうか?

昨日に引き続き、ケーゲルのベートーヴェンを聴いてみた。今年一番の収穫となるであろうAltus盤。まずは「エグモント」序曲。ただのF音がこれほどまでに意味深く響くことは、それだけで奇跡と言ってしまって良いのではないだろうか?二度目のF音の痛切さには、もはや形容する言葉も見つからない。などと、宇野功芳氏のように大上段な言葉を使いたくなるほどの名演。「田園」も、全ての音が新鮮で、それでいて確固たる構成感を持ち、決して表面的なものに終始することのないドラマが展開される。この抽象美はただごとではない。「運命」も同様。許氏の扇情的な解説のような聴き方もあるだろうが、アンコールの「アリア」まで、全ての音が磨き上げられ、有機的に構成されつくした美の極致には、ただ黙って心を奪われるのが相応しいような気がする。

一休み、ということで、館野泉と岸田今日子によるピアノと語りのアルバムを聴く。なんとも心地の良い響き。流し聴きなので語りを真剣に追ったわけではないが、明瞭かつ表現力豊かな岸田今日子の語りは、思っていたよりも違和感なく音楽に溶け込んでいる。

さて、今日のメイン。ケーゲルの「レニングラード」。久しぶりにスコアを見ながら聴いたが、息つく間もなかったというのが正直な感想。交響曲としてのまとまりを感じさせる演奏が少ない作品だが、その中でケーゲルのタイトなまでの構成感は傑出している。第2楽章以降の高密度な内容は聴く度に感じていたが、今回スコアを見て感心したのは細部に渡る丁寧な音作り。オーケストラの技術的な限界ギリギリまで引き出した表現の振幅の大きさは比類なく、物量にモノを言わせたゲールギエフ盤などとは次元が違う。文学的な解釈は一切なく、ただスコアに書かれた音を丹念に再現することで、作品が持つ多層的な内容を自ずと聴き手自身に判断させるような音楽は、あらゆるショスタコーヴィチ作品の演奏において規範たるものだろう。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Beethoven,L.v. 演奏家_Kegel,H.

布施明の「オーボエ奏者の特別な一日」

  • 布施 明(歌):ア・カペラ、オーボエ奏者の特別な一日 (zetima EPDE-1092)
  • ベートーヴェン:交響曲第2番(1973年)、交響曲第5番(1986年) ケーゲル/ライプツィヒ放送SO (Weitblick SSS0027-2)
土曜日(19日)に、三谷幸喜のミュージカル「オケピ!」のWOWWOWで放映された東京公演の千秋楽生中継の録画を見た。オーケストラの知人に「オーボエ奏者の特別な一日」がいいよ、と紹介されたのだが、このビデオが妻の実家にあったので見せてもらったもの。劇としてのまとまりよりは、断片的なエピソードの絡み合いの妙を楽しむといった感じか。出演者のキャラクターに依存している部分も大きいが、特に布施明は歌も演技も極めて重要な位置を占めていた。率直に言って、この「オーボエ奏者の特別な一日」も含めて服部隆之の音楽自体はさして素晴らしいとは思わない。もちろん、三谷幸喜の詩が歌にし辛いという側面もあるのだろうが。だが、そうした音楽上の問題を一切感じさせないどころか、何度繰り返し見ても惹きつけられてしまう布施明の歌と演技には、ただただ脱帽。CDでは同じように感動できないが、「世界中の父親が100回唱えるなら…」のくだりは涙なしに聴くことができない。娘なんて持つもんじゃないね(笑)。「ア・カペラ」は、昨年末のNHK紅白歌合戦で全出演者中一番の名唱として印象に残っていた曲。カラオケ用に仕込んでおくとするか。

何気なくCD棚を眺めていて、しばらく聴いていなかったケーゲルのベートーヴェンを取り出した。オーケストラの力量もあってか、ケーゲルのライヴ録音の中で傑出した一枚と言うわけにはいかないが、それでも筋の通った構成感はそれだけで気持ち良い。引き締まった低弦の音色や鋭くも華やかな金管の響きは、いつもながらのケーゲル節。第2番は少し前にかぶとやま交響楽団の第25回定期演奏会で弾いたばかりだが、少々冗長な印象は免れないものの、留まることのない抒情と情熱の奔流が実に魅力的な作品だと、改めて思った。

今朝、京都大学音楽研究会の大先輩であるTさんからメールが届いていた。ユーリ・ノルシュテインのアニメーション映画「話の話」で使われている「疲れた太陽」というタンゴが気に入ったので、MIDIを作ってみたとのこと。この曲、ニキータ・ミハルコフの「太陽に灼かれて」でも使われていた30年代のソ連で大流行したもののようだが、映画のサントラ盤を含めて2種類くらいしかCDが見当たらない。「話の話」はDVDになっているので、早速購入して観てみようと思う。しかしこの曲…クセになるわ…

theme : 心に沁みる曲
genre : 音楽

tag : その他_三谷幸喜 作曲家_Beethoven,L.v. 演奏家_Kegel,H.

3日分まとめて…(7月18~20日)

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ビシュコフ/ケルンWDR SO (Avie AV 0020)
  • スカルラッティ:ソナタ ト長調作品388、シューマン:「森の情景」より第7曲、リャードフ:音楽玉手箱、グランジャニ:子供の時間、エネスコ:演奏会用アレグロ、ショスタコーヴィチ:「人形たちの踊り」より第1曲、シェドリーン:アルベニスの模倣、キャプレ:2つのディヴェルティメント エルデリ (Hp) (Melodiya 33C 04705-06 [LP])
  • ヴィオッティ:2台のヴァイオリンのためのセレナード、オーベル:2台のヴァイオリンのためのアレグロ、バルトーク:44の二重奏曲(抜粋)、サラサーテ:ナヴァラ、ショスタコーヴィチ:3つのヴァイオリン二重奏曲、ヴラディゲロフ:ブルガリアン・ダンス スタンコフ、ラディオノフ (Vn) ネストロヴァ (Pf) (Balkanton BKA 11268 [LP])
  • メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番 シフ (Pf) デュトワ/バイエルン放送SO (Decca 466 425-2)
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番、ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ(抜粋)、グリーグ:ピアノ協奏曲、シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番、3つのピアノ小品より リヒテル (Pf) トゥルチャク/ウクライナ国立SO (tnc Recordings CD-H1469-70)
  • ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ブーニン (Pf) ストゥルガーワ/ワルシャワ国立PO (Victor VIC-28225 [LP])
  • モーツァルト:クラリネット協奏曲、クラリネット五重奏曲 ウラッハ (Cl) ロジンスキー/ウィーン国立歌劇場O ウィーン・コンツェルトハウスQ (Warner-Pioneer/Westminster WPCC-4178)
金曜日(18日)に聴いたのは、ショスタコーヴィチの交響曲第7番のみ。これは、先日芦屋交響楽団の第60回定期演奏会へのエキストラ出演を依頼されたので、予習の一環として。ビシュコフ盤は、この曲の新しい録音の中では出色の出来。バランスのよくとれたオーケストラの響きと、端正で奇を衒うことのないオーソドックスな音楽作り。ただそれだけなのに、この長大な作品を退屈させることなく聴き通させてしまうのが凄い。ビシュコフがかつてベルリンPOとやった第5、8、11番の3曲では、オーケストラの力に依存したり、あざとい表情付けをしたりする部分が気になったりもしたものだが、それから15年近く過ぎて大人の音楽家に成長したというような印象。昨年発売されたケーゲル盤のような高みには達していないものの、十分推薦に値する秀演。

金曜日に帰宅すると、Mikrokosmos Mail Order Co.から5枚のLPが届いていた。土曜日(19日)は、その中から2枚を。エルデリのハープ作品集は、休日の朝に聴くには絶好の優雅さ。さすがにアルバム全体を通すと単調さは否めないが、多彩な選曲はそれだけでも楽しめる。ヴァイオリン・デュオ作品集は、いかにも旧東欧といった感じの落ち着いた趣き。派手さはないが、しっとりとした音色と無難な技巧で内容のあるアルバムに仕上げている。

夕方からはかぶとやま交響楽団の練習。これから4回は第29回定期演奏会の練習ではなく、J&Jコンサート・エージェンシー主催の「協奏曲の愉しみ」という企画演奏会の練習。今回の演奏曲目中、あまり馴染みのなかったメンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番を予習がてら流し聴きする。いかにも若きメンデルスゾーンといったような、たとえば交響曲第1番と同様の青臭い熱情に満ちた作品。シフの独奏もデュトワ率いるバックも丁寧さを失わずに伸び伸びと音楽を展開しており、まずは全く不満のない演奏。ピアノ作品を聴いたついでに、16日に聴いたばかりのリヒテルのキエフ・ライブからシューベルトのピアノ・ソナタ第13番も聴く。やはり素晴らしい演奏。

本日(20日)は、昨日の練習でもやったショパンのピアノ協奏曲第1番を。ふと思い出して、えらく久し振りにブーニンのショパン・コンクール本選でのライヴ録音を聴いてみた。あの当時のブーニン・フィーバーはどうかと思うが、確かにコンクールの演奏としては極めて高い水準に達していると思う。隅々まで弾き込まれた演奏には曖昧さがなく、実際にスコアを見ながら演奏の参考にするのには大変役立つ。オーケストラはさして上手ではないが。

娘の体調が今一つ良くなかったので、“癒し系”ということでウラッハのモーツァルト作品集を。最初にCD化されたディスクなので、音質はあまり優れない。が、曲も演奏も、やはり別格のアルバム。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

リヒテルのキエフ・ライヴ2

  • ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲第1&2番、リスト:詩的で宗教的な調べ(抜粋)、アヴェ・マリア、フランク:前奏曲、コラールとフーガ、ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ、シマノフスキー:ピアノ・ソナタ第2番 リヒテル (Pf) ボロディンQ バシメート (Va) (tnc Recordings CD-H1469-70)
昨日に引き続き、リヒテルのキエフ・ライヴを。こちらは1982年ということで晩年といって差し支えないだろうが、いずれも技術的な不満は全く感じられない。より包容力のある豊かな音楽に圧倒される。どの曲も素晴らしい出来で、個別にコメントしようとしても同じような言葉しか出てこない。あえて気に入ったものを挙げるとすれば、フランクとシマノフスキーかな。どちらの曲もリヒテル自身が高く評価していたもので、その言葉を裏付けるような演奏と言えるだろう。ドヴォルザークも、おおらかで抒情的な雰囲気がなかなか。ショスタコーヴィチは同時期のYedang盤とほとんど同じ印象。名演だと思うが、やっぱりバシメートは粘着質過ぎて好みではない。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Richter,S.T. 作曲家_Shostakovich,D.D.

リヒテルのキエフ・ライヴ

  • リームスキイ=コールサコフ:歌劇「ムラダ」より「貴族たちの行列」、交響組曲「シェエラザード」・スクリャービン:法悦の詩 スヴェトラーノフ/ロンドンSO、ソヴィエト国立SO (BBC Legends BBCL4121-2)
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番、ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ(抜粋)、グリーグ:ピアノ協奏曲、シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番、3つのピアノ小品より リヒテル (Pf) トゥルチャク/ウクライナ国立SO (tnc Recordings CD-H1469-70)
先週は月曜日から木曜日まで、農業土木学会出席のために那覇市まで出張。沖縄は初めてだったが、想像していたよりも食べ物が美味しくて大満足。島らっきょうの天ぷらが忘れられない。金曜日と土曜日も何かとバタバタしてたのと、何となく疲れていて全く音楽どころではなかった。日曜日には、エキストラ出演する宝塚市交響楽団の練習で、レスピーギの「ローマの松」とムーソルグスキイの「展覧会の絵」を弾いてきた。しばらく音楽から遠ざかっていたこともあり、精神的なコンディションは最悪な部類。楽器を行きつけの楽器屋へオーバーホールに出していたのが土曜日にできあがったばかりで、本当はそれも色々と確認したかったのだが、それどころではなかった。とはいえ、引き受けた以上はきちんと弾かないと。特に問題なのは「ローマの松」。曲そのものに、どうしても身体が適応しない感じ。スヴェトラーノフ盤しか聴いたことがないのが原因か?ま、この曲の音盤を聴き比べしようとも思わないが。

さて、出張前に買い込んでいたディスクを聴いた。「シェエラザード」のスヴェトラーノフ盤はEMIからスタジオ録音が出ているが、このライヴ録音はそのきっかけとなったものらしい。「貴族たちの行列」から完全にスヴェトラーノフ節。LSOもその泥臭い音楽を存分に楽しみながら、引き締まった集中力を持って演奏に臨んでいる。いかにも大柄な音楽だが、聴き手がこの作品に期待するものに余すところなく応えてくれている。もっとも、かぶとやま交響楽団の編成では真似できるようなものじゃないけど。それより、凄いのはやはり手兵とやった「法悦の詩」。全然好きな曲ではないが、こういう演奏をナマで聴かされたら、そりゃやみくもに興奮するわな、といった感じ。スヴェトラーノフの魅力が全開。

リヒテルがキエフで行ったライヴの音源がtnc Recordingsというレーベルからまとまって出たのは結構前のことだったようだが、Tower Recordsで、しかも分売で入手できるようなったということで、ショスタコーヴィチ作品が収録されている2セット(Volume9&10とVolume15&16)を購入した。今日はVolume9&10を聴いた。どの曲においても、リヒテルのコンディションは素晴らしかったようだ。1963~1964年ということで、ある意味でリヒテルの絶頂期でもある。ベートーヴェンやグリーグは、(録音のせいもあるかもしれないが)音がきつい印象も残ったが、シューベルトは実に素晴らしい。音楽的には完璧と言って良い部類に入るのではないか。お目当てのショスタコーヴィチも、文句なし。技術的な精度も凄いが、音楽的な完成度もまた驚異的。なるほど、Philips盤の超名演と同じ年のライヴなのね。収録曲も7曲に及び、とりあえずは満腹。大好きな第15番はやはり巨大な演奏で、演奏後に収録されている拍手に合わせて、思わず僕も拍手してしまった。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Svetlanov,E.F. 演奏家_Richter,S.T.

ピアソラ!

  • Romance de Tango マルチェリと彼の五重奏団 (Melopea CDMPV 1161)
  • エル・タンゴ リベーロ (Vo) ピアソラ五重奏団他 (Polydor POCP-2623)
  • ニューヨークのアストル・ピアソラ ピアソラ五重奏団 (Polydor POCP-1248)
無性にピアソラが聴きたくなった。この60年代の名盤2枚を続けて聴くのはエネルギーがいる。先に、マルチェリのソロ・アルバムをさらっと聴いて気分を高めておく。1枚目のソロ・アルバムの方が好きなんだけど、すぐに見つからなかったのでとりあえずこれで。

で、ピアソラの名盤を。ゴーシス最高!「10月の歌」とか「天使の復活」とか、まさに男の音楽。「ハシント・チクラーナ」や「誰かがタンゴに呼びかける」でのリベーロの名唱と、絶妙に渡り合うキンテートとが織り成す音楽の完成度にも感服。

本当は、80年代キンテートの名盤と聴き比べしたいところなのだが、時間もエネルギーもないので、今日はおしまい。

出張続きで、次に音楽を聴くことができるのは来週の金曜日になりそう。この「覚え書き」もお休みします。

theme : ワールド・ミュージック
genre : 音楽

tag : Tango_Piazzolla,A.

ヴァイオリン音楽の夕べ

  • ヴィエニアフスキー:ヴァイオリン協奏曲第1、2番 パールマン (Vn) 小澤征爾/ロンドンPO (EMI TOCE-3216)
  • シネマ・セレナーデ パールマン (Vn) J. ウィリアムズ/ピッツバーグSO (Sony SRCS 8423)
  • パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番・サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 フランチェスカッティ (Vn) オーマンディ/フィラデルフィアO、ミトロプーロス/ニューヨークPO (Sony SRCR 8453)
  • フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1、2番 フェラス (Vn) バルビゼ (Pf) (EMI TOCE-1580)
  • シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1、2番 安永 徹 (Vn) 市野あゆみ (Pf) (Pony Canyon PCCL-00149)
養老孟司著「バカの壁」(新潮新書)を読み終えた。学校教育についての意見がまさに我が意を得たりで、一気に読んでしまった。

バーバラ・L・サンド著(米谷彩子訳)「天才を育てる 名ヴァイオリン教師ドロシー・ディレイの素顔」(音楽之友社)をざっと読み終えた。なんとなく将軍様万歳という感じが鼻につかないでもないが、でもなかなか興味深かった。で、パールマンを久し振りに聴いてみようかと。ヴィエニアフスキーの第1番は、当時のパールマンの魅力が全開といった感じ。切れ味の鋭いテクニックと、甘ったるいポルタメントのバランスが好ましい。第2番は技術的には少し平易なだけに、ポルタメントの頻繁な使用がむしろだらしなく聴こえてしまう。

「シネマ・セレナーデ」の方は最近の演奏ということもあり、一層甘ったるい。きれいで悪くはないと思うけど、このアルバムのどこが聴き所なのか、僕にはさっぱりわからない。

今日は徹底してヴァイオリン路線ということで、普段めったに聴くことのない、フランチェスカッティのアルバムも。華麗な音色を味わうには、少々録音が物足りないかな。パガニーニはトレチャコフの暗く鋭利な演奏が刷り込みなので、違和感がある。って、この刷り込みは普通じゃないんだろうけど。サン=サーンスは、文句なしの名演で十分に楽しめる。

フェラスのフォーレも相当久し振りに聴いたが、なかなか良いね。録音のせいかもしれないが、僕には音色がきつめに感じられるが、第2番ではそれがハマっている感じ。でも、このソナタは本当に素晴らしい曲だと思う。自分で弾いたのは大学2回生の頃だったけど、また機会があったら弾いてみたいな。

安永夫妻のシューマンのソナタは、僕の愛聴盤の一つ。さすがにこの2曲を大傑作とまで言い切るつもりはないが、この作品の魅力を存分に引き出した名演。巷で名盤と言われているクレーメル盤とは何もかもが違う次元に達している。もっと広く取り上げられるべき録音だろう。いや、本当に素晴らしい。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Perlman,I. 演奏家_安永徹

フェドセーエフのショスタコーヴィチ(Relief盤)

  • ブラームス:弦楽四重奏曲第1~3番、クラリネット五重奏曲 ドレイパー (Cl) レナーQ (EMI 7243 5 66422 2 5)
  • グレツキ:弦楽四重奏曲第1~2番 クロノスQ (Elektra Nonesuch WPCC-5454)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第10番、組曲「馬あぶ」よりロマンス フェドセーエフ/モスクワ放送SO (Relief CR 991047)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 フェドセーエフ/モスクワ放送SO (Relief CR 991056)
土日はかぶとやま交響楽団の練習、家族サービスで全く音楽を聴くことができず、月曜日もバタバタしていて何も聴くことができなかった。

先週末、平林直哉著「クラシック中毒」を梅田の紀伊国屋書店で立ち読みしたのだが、この手の名盤ガイドにはさして興味を持つことができず購入を見送った。取り上げられている演奏家の選択もそれほど目新しいものではなく残念に思ったが、その中にレナーQが取り上げられているのに気づき、そこでも紹介されていたブラームスの室内楽曲集を聴いてみた。完全にオールドスタイルの演奏であり、自由な縦の線(必ずしも否定的な意味で言っているわけではない)が独特の甘美な音楽を作り出している。第2番なんかは、このスタイルが比較的ハマった好例だと思う。逆に五重奏曲なんかは、もうちょっとカチッと作られた音楽の方がしっくりくるかな。録音はもちろん古いが、そんなに気にはならない。

適当に棚から一枚取り出したら、グレツキの弦楽四重奏曲全集が出てきた。「悲歌のシンフォニー」が大ヒットしたことがあるが、僕はその曲を(たぶん)聴いたことがない。ミニマルなのかなぁ。とりあえず、退屈。また当分聴くことはないだろうな。

何かぱっとしないので、ショスタコーヴィチの傑作交響曲を立て続けに。フェドセーエフの新盤を。第10番の方は旧盤もいい演奏だったけど、このRelief盤は本当に良い演奏だなぁ。この推進力は実に爽快だし、オーケストラも本当に良い音がしている。実演だと興奮するだろうなと思う。もっとも、音楽のクライマックスまでスマートに流れてしまうのは否めず、そこで眉間に皺を寄せてギリギリしたい僕にとっては、物足りなさが残る部分もあるのは確かだが。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Brahms,J. 演奏家_Fedoseyev,V.I.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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