オイストラフ コンチェルト・コンプリートなど

  • オイストラフ コンチェルト・コンプリート(ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番他) オーイストラフ (Vn) コンドラーシン/モスクワPO他 (Dreamlife DLVC-1112 [DVD])
  • バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント・ヴィヴァルディ:合奏協奏曲 作品3-10、11 バルシャイ/モスクワ室内O (London KIJC-9108 [LP])
  • The Chicago Principal シカゴSOの首席奏者達/シカゴ (DG B0000025-02)
  • スターリン時代の歌曲集(Песни о Сталине)第2巻「Как Вернее Бить Врагов」 (проект“Z” PZS97-02(07))
  • ショスタコーヴィチ:歌曲・映画音楽集 (MK D-5062 [LP])
  • ブラームス:交響曲第4番・チャイコーフスキイ:交響曲第5番、ショスタコーヴィチ:交響曲第5&8番 ムラヴィーンスキイ/レニングラードPO (Dreamlife DLVC-1111 [DVD])
木曜日の帰宅途中で、TOWER RECORDS難波店に寄り、3点ほど購入。お目当ては、オーイストラフのDVDだったのだが、さすがに2枚同時にレジへ持っていく財力はなく、とりあえずショスタコーヴィチ作品の収録された一枚を確保した。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番の映像は、第3楽章のカデンツァ以降の部分だけが「ダヴィッド・オイストラフ 太陽への窓」(Warner WPBS-90093 [DVD])という映像作品の中で既出だったが、この度めでたく全曲を通して観賞することが可能になった。演奏年代は不明だが、限りなく初演に近い時期の収録だと思われる。第1楽章の展開部付近でオーイストラフが走ってアンサンブルが結構大きく乱れる事故などもあるが、作品の凄さや迫力は非常に強く伝わってくる。オーイストラフにしろモスクワPOにしろ、まさにこうでなくてはならないという音を奏でているのが、何とも素晴らしい。これがショスタコーヴィチの音だ。ただ、画質は前述のDVDに収録されたものに比べると大分悪い。ブラーム、シベリウス、チャイコーフスキイ、ベートーヴェンのロマンス第1番および三重協奏曲は、全て1995年に発売された「オイストラッフ・アルヒーフ」(EMI TOLW-3728-29 [LD])に収録されていたが、それは比較にならないほど画質も音質も悪い。マスターが異なるのかもしれないが、DVD化の意味がほとんど感じられない映像には、少々がっかり。演奏自体は素晴らしいのだけれども。ブラームスの二重協奏曲が収録されるEMIクラシカル・アーカイヴシリーズには期待をしたいところだ。ショスタコーヴィチに続くこのDVDの見どころは、オーイストラフ親子とコーガン親子の共演によるヴィヴァルディの4つのヴァイオリンのための協奏曲だ。コーガンの息子パーヴェルはまだ中学生だったということだが、親とはいえ、とんでもない大物との共演を無難にこなしている。まぁ、しかし、キャリアの差は考慮しなければならないにしろ、親2人の巧さが際立つのはいかんともし難い。彼らの奏でる濃厚なロシア情緒漂うバロック音楽には、抗うことのできない魅力がある。

これを聴いて、バルシャイ/モスクワ室内Oによる同曲の録音があったことを思い出した。こちらは、全体のまとまりがずば抜けて凄い。オーイストラフ&コーガン親子の演奏ではソリストの存在感だけで音楽の雰囲気を決定してしまっているところがあるが、バルシャイの演奏には、鉄の規律に縛られた合奏力がロシア情緒を精度高く表出していて、これはこれで実に素晴らしい。ロ短調という調性自体がロシア人演奏家に向いているのかもしれない。

TOWER RECORDS難波店で購入したもう一枚は、昨年末か今年初めにリリースのアナウンスがあったシカゴ響の首席奏者達による協奏曲集。リリースが遅れていたのか、品切れだったのかはわからないが、いずれにせよ首を長くして待っていたので嬉しい限り。それにしても、皆巧すぎる!特に金管陣のハーセス (Tp)、クレヴェンジャー (Hr)、ジェイコブス (Tub)らの圧倒的な技術と、それに裏打ちされた伸びやかな音楽性にはただただ感服。

ショスタコーヴィチのWWWページ中に、作品名 日露英対照表をアップした。その準備のために、旧選集の第34巻なんかを引っぱり出したついでに、ショスタコーヴィチの書いた“大衆歌曲”を聴く。改めてきちんと楽譜と歌詞を見てみると、「コミッサールへの誓約」は選集に収録されている楽譜と同じ歌詞だった。ということは、改訂後の歌詞である可能性が高いわけだが、録音状態からするとスターリン存命中の録音のような気もする。その辺りの詳細は、少なくとも現在手持ちの資料だけでは判断のしようがない。

ショスタコーヴィチの歌曲・映画音楽集は、相当レアな音源ばかりを集めた編集盤。いずれも楽しくきれいな歌ばかりで、メロディストとしてのショスタコーヴィチを再認識するのに絶好の一枚。録音は悪いが、その悪さ自体が独特の雰囲気を持っているようにも聴こえてしまう。思わず、3回ほど繰り返して聴いてしまった。

土日と、10月4日 に本番を控えた芦屋交響楽団の練習に参加。の予定だったが、娘がちょっと怪我をしたために土曜日は欠席。日曜日は、「レニングラード」を全曲通した。全体を通して見ると、改めてこの作品が論理的にも情緒的にも非常によく構成されていることを感じることができた。本当に素晴らしい曲。第3楽章から第4楽章という流れは、まさに圧巻。弾きながら興奮と涙が押さえられなくなるような感じすらした。本番が楽しみ。

ショスタコーヴィチの誕生日も過ぎたばかりだし、今日の最後はムラヴィーンスキイのショスタコーヴィチにする。既出の映像ではあるが、何度観ても目と耳が釘付けになってしまう。特に第8番。あぁ、幸せ。
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Happy birthday Dear Дмитрий Дмитриевич

  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1&15番 ボロディンQ (Teldec 4509-98417-2)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第3、5、7番 サンクト・ペテルブルグQ (Sony SMK66592)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲集 ボロディンQ (Chandos CHAN10064(4))
  • ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第1&2番、ピアノ協奏曲第1番、タヒチ・トロット シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウO (Decca 433 702-2)
今日は、ショスタコーヴィチ97回目の誕生日。何も特別なことをしようというわけではないが、ここ数日はたまたまショスタコーヴィチ作品ばかり聴いていた。ここのところ、久しぶりにショスタコーヴィチのページを更新しているので、作業ついでに、といったところ。

コペリマン時代最後の録音となったボロディンQの第1&15番は、円熟と枯淡との絶妙なバランスが胸を打つ。完成された音楽。一方、サンクト・ペテルブルグQ盤は、まさに若々しい白熱した勢いに満ちている。特に第5番が素晴らしい。

第5番といえば、いや、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲といえば、やはりドゥビンスキイ時代のボロディンQのセットに手が伸びる。ほとんど完璧といって良いレベルのセットだ。とにかく音楽的な説得力の次元が違う。このような音楽の息遣いは、まさに四重奏の理想形と言っても過言ではないだろう。ドゥビンスキイの亡命がもう少しだけ後だったら、第14番と第15番も録音していただろうと思うと、それだけが残念。

全音楽譜出版社、今月の新刊はなんと「ジャズ組曲第2番」のスコア。どうしてこの曲が“本物の”ジャズ組曲第2番と入れ替わってしまったのかとか、各曲のオーケストレイションが本当にショスタコーヴィチ自身によるものなのかとかについて、何のコメントもない解説には不満が残るものの、2800円というそれほど高くない価格でこの曲のスコアが手に入るようになったことは嬉しい。さっそく、シャイー盤を聴きながら、スコアを読む。金管の歌いまわしなどに物足りなさはあるものの、コンセルトヘボウOは本当に綺麗な音を出している。それにしても、旋律美に満ちた楽しい作品。

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パスキエ・トリオのモーツァルト

  • ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集 メロスQ (DG 415 676-2)
  • ブラームス:交響曲第4番、チャイコーフスキイ:交響曲第5番、ショスタコーヴィチ:交響曲第5&8番 ムラヴィーンスキイ/レニングラードPO (Dreamlife DLVC-1111[DVD])
  • スヴィリードフ:吹雪、プーシキンの花束 フェドセーエフ/モスクワ放送SO、ミーニン/モスクワ室内合唱団 (Melodiya MEL CD 1000214)
  • モーツァルト:弦楽三重奏のためのディヴェルティメント パスキエ・トリオ (Erato WPCS-22082)
ccd MLの室内楽談義は、ひょんなことから録音の良し悪しの話にシフトしてしまった。ここは、誰かが「悪い」とか「気に入らない」「どこが良いのかわからない」というと、全体が徹底的にその音盤を叩きまくる傾向がある。買った音盤がはずれなのは確かに不愉快だろうが、そんなことを議論してもあまり実りがないと思うんだけどね。「世評の高い演奏ですが…」という枕詞は、自分の鑑賞能力を暗に自慢しているのかもしれないが、もっと素直に「これは良いですよ」「こういうのがお好きでしたら、こんなディスクも良いのでは?」なんて話ができないものだろうかと思う。

そんなことはともかく、MLの話の過程でメロスQのベートーヴェン全集が話題になっていたので、久しぶりに棚から出してみた。ある時期、フィッツウィリアムQが解散する前にDeccaレーベルに録音した第13番と第15番と並んで、“新時代のベートーヴェン演奏”などともてはやされていた記憶がある。まぁ、確かに演奏の様式が時代とともに移り変わっていっていることはわかるが、これがそれほどまでにエポックメイキングな演奏だとは思えない。とはいえ、これはなかなか良い演奏だ。10年ほど前に第2、11、15番というオール・ベートーヴェン・プログラムでメロスQを聴いたことがあるが(いずみホール)、技術的な切れ味はそれほどではないものの、実に良く溶け合ったまろやかな音色と、おおらかな歌心が魅力的な団体だという印象を持った。その印象は、このセットを聴いても変わらない。現在入手難らしいが、一聴の価値あるセットだと言えるだろう。

先月の末に購入していらい、なかなか観る時間がとれなかったムラヴィーンスキイのDVD、まずはブラームスとチャイコーフスキイが収録されている1枚目だけをようやく視聴する。ブラームスは、大分前に日本ムラヴィンスキー協会が会員にのみ配布したヴィデオに収録されていたが、リハーサル部分に字幕がついていることと、インタビュー部分がなかったこともあり、改めて興味深く観た。「音楽解釈に正しいとか間違っているとかいうことはない。どれだけ説得力があるかどうかだ」というムラヴィーンスキイの言葉は、別のDVDの中でも同じようなことを言っていたが、まさに至言だと思う。密度の高いリハーサルを経た本番の演奏は、言うまでもなく説得力に満ちている。

昨晩、帰宅途中でTOWER RECORDS梅田店に寄った。改装したという話は聞いていたが、なかなか立ち寄ることができなかった。クラシックの売り場面積が激減したという話だったが、確かにその通り。でも、思っていたよりは品数もあって一安心。売り場の配列に慣れずどこを探せばよいのか戸惑ったが、とりあえず3枚購入。今日はその中から2枚を聴いた。

スヴィリードフ作品集には、フェドセーエフ1回目の録音である「吹雪」が収録されている。4回目の録音が素晴らしい出来なのだが、好きな曲なので是非とも入手したかったもの。実は、LP(Melodiya C10 06383 009)で持っているのだが、これはなぜか第8&9曲が欠落している。収録時間の関係で、主題が繰り返し用いられている2曲がカットされたのかもしれないが、これは大きな不満。この度、念願叶ってついに全曲を聴くことができた。表現の幅や深みには欠けるが、若々しいオーケストラの響きはなかなか魅力的。特に威勢の良い金管の輝かしさは、1970年代のモスクワ放送響ならではのもの。併録の「プーシキンの花束」も素敵な曲。ミーニン合唱団の卓越した演奏が楽しめる。

「エラート・アニヴァーサリー50」は、僕にとっては興味のあるラインナップではなかったが、唯一パスキエ・トリオによるモーツァルトのディヴェルティメントだけは逃すわけにいかない。僕にとってパスキエといえば、やはりレジスとブルーノになるわけだが、大学3回生の時にフォーレのピアノ三重奏曲を演奏する際、エラート盤LPで初めて聴いた彼らの親世代のパスキエ兄弟の素晴らしさを知って以来、この演奏だけは是非聴きたいと思っていた。中古LPも全くといって良いほど見かけることがなく、あっても高価であるために、今日まで耳にすることができなかった。演奏は、まさに期待通り。音色のブレンド具合、自然な音楽の息遣い、いずれも大変素晴らしい。音楽的なバランスの良さは理想的。まさに、名曲の名演。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Mravinsky,E.A. 作曲家_Sviridov,G.V. 作曲家_Mozart,W.A.

一週間のご無沙汰でした・・・

  • モーツァルト:交響曲第25番、ベルリオーズ:ウェイヴァリー、リヤ王、海賊、ショスタコーヴィチ:映画音楽「ハムレット」 ラビノーヴィチ/レニングラードPO、モスクワ放送SO (Great Musicians of Palmira Du Nord 2003-005)
  • ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 スタリク (Vn) A. デイヴィス/トロントSO (CBC SM5037 [LP])
  • Terence Judd in Moscow(チャイコーフスキイ:変奏曲Op.19-6、バラキレフ:イスラメイ、スクリャーヴィン:練習曲Op.42-5、ラフマニノフ:「音の絵」Op.39-9、ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガOp.87-15、カジャエヴァ:前奏曲とインベンション) ジャッド (Pf) (Melodiya C10-14493-4 [LP])
  • レーガー:クラリネット五重奏曲、モーツァルト:クラリネット五重奏曲断章 ライスター (Cl) フィルハーモニア・クヮルテット・ベルリン (Camerata 32CM-124)
  • シューベルト:弦楽五重奏曲、弦楽四重奏曲第12番 ヴェラーQ グルトラー (Vc) (London KICC 2037)
  • シマノフスキ:演奏会用序曲、ヴァイオリン協奏曲第1&2番 ダンチョフスカ (Vn) コルト/ワルシャワ国立PO (accord DICA-24001)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番、マーラー:交響曲第4番 ロジェストヴェンスカヤ (S) エリアスベルグ/レニングラードPO、ソヴィエト国立SO (Great Musicians of Palmira Du Nord 2003-003/004)
  • ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲・シューマン:ピアノ五重奏曲 パネンカ(Pf) スメタナQ (Denon 33CO-1329)
  • プロコーフィエフ:弦楽四重奏曲第1&2番、2つのヴァイオリンのためのソナタ エマーソンQ (DG POCG-1446)
かぶとやま交響楽団の定期演奏会が終わってからというもの、バタバタしていたせいもあるが、あまり集中して音楽を聴こうという気分にならなかった。ここのところ、ケーブルTVのCARTOON NETWORKキッズステーションでチェコ・アニメが短時間放映されるのが目につき、何となく人形アニメを子供と一緒に見ようと「パットとマット」を買ってきた。「それでいいのか」という副題のついた初期作品集だが、これがなかなか面白い。ついでに「ウォレスとグルミット」の最新作「ウォレスとグルミットのおすすめ生活」も購入。気が利いた短編集だが、やっぱりこのシリーズでは最初の「チーズ・ホリデー」があらゆる意味で一番出来が良いかも。

そんなこんなで週末は断片的にしか音楽を聴くことができなかった。上記リストは、週末から今日にかけて聴いたものを順番に並べている。

木曜日の晩にARIA CDから「サンクト=ペテルブルク建都300年記念CDシリーズ」の内、ショスタコーヴィチ作品が収められた2枚が届く。ラビノーヴィチの「ハムレット」はLPで所有していたので演奏は知っていたが、エリアスベルグの交響曲第7番はようやく入手。ただ残念ながら、音質は相当酷い。盤起こしではないだろうか。ライヴということもあるのだろうが、大変威勢の良い音楽。魅力的なロシアン・サウンドの雰囲気が漂っているが、それを十分に堪能できるような音質ではないのが惜しまれる。エリアスベルグの解釈は、地に足のついた正統的なもの。オーケストラからは爆発的な熱気が放射されているが、その割にはきっちりと音楽が構成されているところに好感がもてる。併録のマーラーは、音質の悪さが致命的。ロジデーストヴェンスキイの母親が歌っているのが目を引くが、妙に劇的な歌唱スタイルは、この作品には不釣合いかも。

先月の下旬に届いて以来、なかなか聴くことのできなかったLPもようやく聴いた。悪くはないけれども、ごく平凡な出来。予想していたよりは硬派な仕上がりで雰囲気はいいのだが、数ある同曲の録音の中で敢えてこの一枚と言わせるようなインパクトには欠ける。

澤先生の奥様が「イスラメイ」の楽譜を探しているとのことで、京都大学音楽研究会の先輩で、こういった技巧的なピアノ作品マニアのFさんにアクセスしてみたところ、即座にPDFファイルが送られてきた。せっかくなので、一回聴いておくかと思い、色々棚を漁ってみたら、ジャッドのLPに収録されていた。ライヴだが、非常に立派な仕上がり。東洋風のアイディアで構成された曲だが、完全にロシアン・ピアニズムの手法で書かれているところが、五人組たる所以か。

たまには落ち着いた曲でも、ということで、レーガーとシューベルトの室内楽を続けて聴く。レーガーのこの作品は、本当に名作だ。冒頭の第一音から完全にレーガーの世界。ライスターを初めとするベルリン・フィルの名手達は完全に横綱相撲。奇を衒うことなく、ごく自然な音楽の流れが、じわっと心に染みてくる。シューベルトの五重奏曲には名演が少なくないが、ヴェラーQの演奏もなかなかのもの。音色の美しさは真のウィーン流儀だし、特に第3楽章と第4楽章の節回しとリズム感は傑出している。ただ、全体にあっさりとスマートすぎるかな、とも思う。アルバン・ベルクQのあざといまでに劇的な演奏に慣れすぎたかな。

日曜日と月曜日(祝日)は、エキストラ出演する芦屋交響楽団の練習。シマノフスキの演奏会用序曲は、Tuttiに参加するのは初めて。泥縄で予習したものの、今ひとつテンポの動きがつかめず。次の練習ではなんとか雪辱を果たしたい。「レニングラード」はおなか一杯になるまで弾くことができたのでそれは満足だったのだが、臨時記号を落としたり、入り損なったり飛び出たり、注意不足というレベルのミスが多くて迷惑をかけたという以上に自己嫌悪。こちらも是非次回の練習で雪辱を。

発足当初から参加はしているものの、もう何年もROM専門となっているccd MLで、ドヴォルザークの室内楽から室内楽ピアニストとは?みたいな話が盛り上がっている。私見では、室内楽の弾き方みたいなことよりは、いかに一つの呼吸を生み出すか、といった部分に室内楽奏者としての適性があるように思う。別に華やかな芸風だから室内楽に向かない、といったことはないと思う。また、大きな音量は室内楽向きではないという意見も多いが、それもどうだろうか。無理のある汚い音は室内楽だけではなくソリストでだって歓迎されないだろうし、きちんと楽器の鳴り切った響きはソリストだけではなく室内楽でだって必要なはずだ。結局のところ、アンサンブルというのは全員でどういう呼吸を作り上げていくかということに尽きるのではないだろうか。まぁ、極めて大雑把な言い方だけど。スメタナQのドヴォルザークは、かつて名盤中の名盤とされていたもの。音色も技術も全盛期を過ぎているが、それと反比例して前面に出てきた彼らのクセ(たとえば、ノヴァークのずりあげるような節回しや、シュカンパの枯れた音色)が結構ツボにはまっていて、なかなか素敵。あまり聴くことはなかったが、シューマンでは全員が熱い音楽を奏でていて、これも病みつきになりそう。

現代の名四重奏団と言われるエマーソンQも取り出してみたが、やっぱり感心しない。演奏曲目自体が好きじゃないせいもあるのだろうが、そもそも技術的に上手だと思わないのだが、僕の耳がおかしいのかな?自分達が弾けるようにしか弾いていない印象。四重奏としての詰めも甘く、完成度が低い。

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genre : 音楽

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かぶとやま交響楽団第29回定期演奏会 終了

  • 「協奏曲の愉しみ」(モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番、メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番、モーツァルト:演奏会用アリアK369、歌劇「フィガロの結婚」よりスザンナのアリア(第4幕)、ショパン:ピアノ協奏曲第1番) 佐々木宏/かぶとやま響 (Private Recording)
  • ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ、3つの間奏曲 作品117、6つの小品 作品118 A. ヴェデルニコフ (Pf) (Denon COCQ-83657)
  • ストラヴィーンスキイ:ヴァイオリン協奏曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 シュナイダーハン (Vn) アンチェル/ベルリンPO、チェコPO (DG 463 666-2)
  • シューマン:ピアノ協奏曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第15番 ブレンデル (Pf) K. ザンデルリンク/ベルリンPO (‘Fachmann für Klassischer Musik’ Society FKM-CDR-60/1)
土曜日は、かぶとやま交響楽団の第29回定期演奏会だった。指揮は澤寿男先生。先生といっても、同じ年なんだけど。プログラムは以下の通り:
  • シベリウス:交響曲第7番
  • ストラヴィーンスキイ:協奏曲「ダンバートン・オークス」
  • リームスキイ=コールサコフ:交響組曲「シェヘラザード」
結論から言えば、非常に良い演奏会だったと思う。練習を通して澤先生が積み上げようとしたことを全員が理解し、一定の集中力をもってそれを本番でも再現しようとした意志の力を感じたからだ。ただ、これは澤先生とかぶ響との相性の良さというのもあるのかもしれない。もちろん全員が無条件に澤先生を信奉しているわけではないが、やろうとしている音楽そのものが、かぶ響のスタイルによく馴染んだような気がする。とはいえ、エキストラ頼みの団状況ゆえに、細部に粗さが残ったのは残念。特にシベリウスはもう少し練り上げたかった。もちろん、本番の白熱した音楽自体は悪くないと思うけど。ストラヴィーンスキイは、さすがに技術面の許容範囲を逸脱していた感が拭えない。音楽的な仕掛けは、ほとんどできなかった。それなりに曲の雰囲気は出ていたと思うけど。個人的には、「シェエラザード」が一番良い演奏ではなかったかと思う。終演後、楽屋で澤先生も十分満足されていたし。初練習前からきっとこうなるだろうと思った音楽に仕上がったという感じ。Vnソロについては、うーん、不満はたくさんありますがね。結局技術が足りなくてできないんだから仕方ない。アンケート等では好意的な評ばかりいただいたので、それで良しとしましょう。それにしても疲れた。ネット上で公開されている演奏会評は「安田の部屋へようこそ」と「斉諧生音盤志」(音盤狂日録9月6日分)の2つ。どちらも好意的な評で嬉しい限り。それにしても、素晴らしい指揮者とつながりを持つことができて幸せ。次の共演は当分先になりそうだけど、今から楽しみだ。ちなみに、澤先生の応援サイトというのもありました。

去る8月2日の演奏会のライヴ録音ができあがってきた。冒頭モーツァルトの出だしには吃愕。めちゃくちゃ上手い。正直言って、練習も充実していたとは言えないし、一体何が起こったのかという感じ。まぁ、時間とともにボロが出てくるんですがね。マグレだとしても、こういう演奏ができるようになってくると、次につながるような気がする。

さすがにオーケストラ続きで疲れたので、ヴェデルニコフのブラームスを聴いて、心を鎮める。こういう音楽に身を浸すのは、文字通り至福。

といいつつも、落ち着いてきたら、やはりショスタコーヴィチが聴きたくなる。アンチェルの背筋が凍るような音楽、ザンデルリンクの暗闇に吸い込まれていくような音楽。こんな唯一無二の芸術を好きな時に何度でも聴くことができるとは、何という贅沢。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏活動_かぶとやま交響楽団

まとめて…

  • ビゼー(シェドリーン編):カルメン組曲、ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 キーシン (Pf) カフェルニコフ (Tp) スピヴァコフ/モスクワ・ヴィルトゥオージ他 (Melodiya MEL CD 10 00618)
  • レーガー:ヒラーの主題による変奏曲とフーガ、モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ、管弦楽のためのバレエ組曲 カイルベルト/バンベルグSO、ハンブルグ州立PO (Teldec 3984-28175-2)
  • ブラームス(シェーンベルグ編):ピアノ四重奏曲第1番、アルヴェーン:歌劇「山の王」から「牛飼いの娘の踊り」、シベリウス:交響曲第5番、ショスタコーヴィチ:組曲「ボルト」より ロジデーストヴェンスキイ/ストックホルムPO (Melodiya C 10-13297-300[LP])
  • Kurt Sanderling The Soviet Years 1947-1956 (HDN C 0013)
  • リームスキイ=コールサコフ:交響組曲「シェエラザード」、グリーグ:「ペール・ギュント」組曲第1&2番 クリヴィヌ/フィルハーモニアO、スメターチェク/プラハSO (Denon COCO-70322)
  • リームスキイ=コールサコフ:歌劇「ムラダ」より「貴族たちの行列」、交響組曲「シェエラザード」、スクリャービン:法悦の詩 スヴェトラーノフ/ロンドンSO、ソヴィエト国立SO (BBC Legends BBCL4121-2)
  • リームスキイ=コールサコフ:交響組曲「シェエラザード」、ボロディン:中央アジアの草原にて、バラキレフ(リャプノフ編):イスラメイ ゲールギエフ/キーロフO (Philips 470 840-2)
  • シベリウス:交響曲第5&7番 カラヤン/ベルリンPO (DG POCG-2090
  • R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」、交響詩「ドン・ファン」 カラヤン/ベルリンPO (DG 429 717-2)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番(1978年ライヴ) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scribendum SC 027)
いよいよ、かぶとやま交響楽団の第29回定期演奏会が今週末に迫ってきた。週末はその練習で、週が明けてからは本業でバタバタしていたため、断片的にしか音楽を聴く時間がとれなかった。今日列記した音盤は、週末から今日にかけて聴いたものを並べている。

本番直前ではあるが、来年5月に予定している第30回定期の選曲も進めなくてはならない。メインがドヴォルザークのチェロ協奏曲に決定しているので、前半の曲目は単に有名なだけではない、洒落たものにしたいのだが、何せ団員数が少ないので選曲の幅が狭くて苦労する。シェドリーンのカルメン組曲は、一度機会があったらやりたいと思っているので今回スコアを見ながら検討してみる。弦楽器は18型の指定があるものの、小編成で無理があるわけではないし、技術的にも十分可能な範囲。ただ、この曲は打楽器の負担が大きいので、打楽器が完全にトラ頼みの当団では無理だろうな。スピヴァコフの演奏は、スコアをよく見るとカスタネットのリズムがえぇ加減だったりするのに気付くが、基本的に精緻な演奏で模範になる。編成的な問題を考えると、レーガーのモーツァルトの主題による変奏曲とフーガは、まさにかぶ響向き。譜面づらはそんなに恐れるほどのものではなかった。が、レーガーの弦楽四重奏曲などを遊びで弾いた経験からすると、この和声感覚は相当難物だろうと想像される。弦楽器がDivだらけなのも、当団にはきついか。でも、素晴らしい曲。フーガ直前の第8変奏なんか、完全にレーガーの世界で恍惚としてしまう。やりたいなぁ。でも、やったら後悔するかな。

先日1枚目のブラームス=シェーンベルグのみを聴いたロジデーストヴェンスキイのライヴ録音の2枚目を聴く。シベリウスの第5番は、モスクワ放送響とのスタジオ録音に比べるとオーケストラの響きが落ち着いていて、ある意味シベリウスらしい。全体的には比較的つつがない演奏で、モスクワ放送響との全集みたいな個性的なものを期待すると拍子抜けする。「ボルト」組曲は、チェコ・フィルとクレジットされているPraga盤がほぼ同じ収録曲なのでひょっとしたら同じ演奏ではないかと思ったのだが、ざっと聴き比べた感じではよく似た演奏ではあるが、どうやら違う音源のようだ。ただ、楽器のバランスや、終演後の拍手が違うからといって、絶対に演奏が違うとまでは言えないのがPragaレーベルの罪なところ。まぁ、こういうあら探しみたいな作業はつまらないので、あまり深くこだわらないことにする。

今週末の演奏会に向けて、少し勉強をする。「ダンバートン・オークス」は、最近購入したザンデルリンクのソ連時代のライヴ録音で。きちんと仕上げられた丁寧な仕事だが、アクセントの効かせ方が今ひとつで、ストラヴィーンスキイならではのエキセントリックなリズム感があまり出ていない。これはザンデルリンクの趣味なのかもしれないが、あまり納得できない。アンサンブルはよく整っているが、それでもあちこちで走ったりしているのを聴くと、プロも同じやんけ、と安心したりするのは志が低いでしょうかね?

「シェエラザード」は、結局それほど音盤を集めたりしなかったのだが、何となく気に入っている3枚を立て続けに聴いた。クリヴィヌ盤は、非常に水準の高い演奏。常に廉価盤で出ているためにどうしても軽く扱ってしまいそうになるが、ここまできれいな響きで磨き上げた演奏もないような気がする。譜面に盛り込まれた効果が、余裕をもって引き出されていることで、多くの聴き手がこの曲に求めていることが余すところなく実際の音になっている。カントロフのVnソロは完璧。こう弾けたらなぁ。ま、無理なので今さら夢は見ないけどね。一方、スヴェトラーノフ盤は、まさにこれぞロシアといった演奏。濃厚な表情がたまらないが、これは大編成じゃないとね。自分の演奏の参考にはならない。でも、イギリスのオーケストラをこれだけ自分の色に染めてしまうというのは、やはり偉大な個性と言うべきだろう。洗練されながらもロシア臭を失っていないという点では、ゲールギエフ盤が随一。中央アジア風の民族色も感じさせる周到な表情付けは、聴けば聴くほどその綿密な仕上げに感心する。もちろん、こうした音楽作りはオーケストラの高度な機能にその多くを負っていることも間違いない。勉強、という意味では、この演奏が一番勉強になる。

続いて、シベリウスの第7番。練習番号Aの後にある弦楽器のコラールがとてもきれい。ここの部分がどうしてもうまくいかないんだよな。曲全体のまとめ方もうまいし、ミリタリックな金管の響きも僕は嫌いじゃない。それにしても、何と素晴らしい曲なんだろう。本番が待ち遠しいけれども、それでもう当分は弾く機会がないのかと思うと寂しい。

カラヤンついでに、大編成の管弦楽曲で契機付けを。なんだかんだ言っても、やはりこういう曲がオーケストラの醍醐味であることは否定しようがない。もっとも、聴くのも弾くのもこういう曲ばっかりだと、ものすごくつまらないんだけど。どうせ大編成ならってことで、シメはスヴェトラーノフの「レニングラード」ライブ。最高!

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shchedrin,R.K. 作曲家_Reger,M. 作曲家_Rimsky-Korsakov,N.A. 作曲家_Sibelius,J. 作曲家_Shostakovich,D.D.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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