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かぶとやま交響楽団第30回定期演奏会

  • モーツァルト:交響曲第32番、レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ、ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 林 裕 (Vc) 中村晃之/かぶとやま響 (Private Recording)
  • チマローザ:「秘密の結婚」序曲、ストラヴィーンスキイ:「プルチネッラ」組曲、ドヴォルザーク:交響曲第7番 澤寿男/かぶとやま響 (Private Recording)
去る5月16日(日曜日)は、かぶとやま交響楽団第30回定期演奏会だった。録音が届いたので早速聴いてみたが、思ったよりはまとまりのある演奏会になっていたのが意外。嬉しい誤算と言うべきか、結果オーライと言うべきか(^^;。

1曲目のモーツァルト:交響曲第32番は、流すだけの練習が続き、テンポも直前まで落ち着かなかったことを考えると、本番の出来はなかなかのもの。とはいえ、モーツァルトは難しい。かぶ響では今まで第27番と第35番をやったが、いずれも大満足とは言い難い。今回も、それを打破することはできなかった。曲の短さに救われたというのが、実際のところかもしれない。

最大の難物であった2曲目のレーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガは、ん~…… まぁ、演奏前に危惧していたのよりはよくまとまったと言えるのかも。エキストラ頼みの小編成アマオケの辛さで、ゲネまできちんと全奏者が揃わない状況では、変奏毎の描き分けとかフーガの交通整理なんかはできない。こういう曲を侃侃諤諤しながら練習を積み上げていくのが、おそらくかぶ響のコンセプトなんだろうけど。なかなか、そううまくはいきませんね。でも、こうやって聴くと、個々の技術水準は決して低いわけでもないので本当にもったいないと思う。

で、メインのドヴォルザークのチェロ協奏曲だが、わりと良い演奏だったと思う。もっとも、これはひとえに独奏の林先生のおかげとしか言いようがないのだが。前で繰り広げられる確信に満ちた音楽は、好悪を超えた説得力でオーケストラを引っ張っていった。舞台上で一聴衆になったり、アンサンブルの楽しみを味わせてもらったり… 楽しい時間でした。アンコールはブリッジのスケルツェット(管弦楽編曲は林先生)だったが、これはもう最悪。ちゃんと練習しなかったから当然だが、こういうことをやっていては、いつまで経ってもいいオーケストラにはなれないと思う。

2年前、澤先生と初共演(第27回)した時の録音を取り出してみる。このドヴォルザークの交響曲第7番は、何かがとり憑いたとしか思えないような異様なテンションに貫かれたイケイケの音楽だが、明らかに全員が同じ方向を向いて音楽に没入している。これを、単に指揮者の違いで片付けてしまうようでは何の進歩もないだろう。

などと反省は山のようにあるのだが、思うところあって今回でかぶ響は一旦お休み。7年間は長いようで短いようで。ちょっとばかし感傷的になってみたりもして。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏活動_かぶとやま交響楽団

未聴盤整理

  • カリンニコフ:組曲、交響的絵画「杉と棕櫚」、序曲「ブイリーナ」、グラズノーフ:交響詩「ステンカ・ラージン」、抒情的な詩、性格的組曲 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Arioso 701)
  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番、交響曲第40番、ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 リヒテル (Pf) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Scora scoracd010)
  • ショスタコーヴィチ:24の前奏曲、格言集、ピアノ・ソナタ第1番、3つの幻想的な舞曲 シチェルバコフ (Pf) (Naxos 8.555781)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ヤブロンスキイ/ロシアPO (Naxos 8.557256)
  • サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガより第5番 ギレリス (Pf) クリュイタンス/フランス音楽院SO (Testament SBT 1029)
  • サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集 ロジェ (Pf) デュトワ/フィルハーモニアO、ロイヤルPO、ロンドンPO (London POCL-3717/8)
それほど頻繁に買い物に行っているわけではないのに、未聴盤がたまりがちになってきている。よくない傾向だ。結婚する時に「聴くものだけ買う。どこに何があるのかわからなくなったらもう買わない」なんて約束をしたわけだが、このままでは音盤道からの引退も迫ってる?

税込みで1000円もしない(2枚組)激安価格に惹かれて、カリンニコフとグラズノーフの管弦楽曲集を購入。交響曲第1番しか聴いたことのないカリンニコフの作品に期待したが、いまいち。音楽的にはグラズノーフの作品には及ばない。もちろん素敵な部分も少なくないが。もっとも、グラズノーフの作品も名曲とまで言えるものはないように感じた。スヴェトラーノフの演奏は作品の魅力を十分に引き出しているが、総じて資料的価値にとどまるアルバムと言えるだろう。

Scoraレーベルからは注目すべき新譜が続々とリリースされているが、このスヴェトラーノフの未発表ライヴ録音は非常に充実した内容を持っている。今となってはロマンティックに過ぎるという批判もあるだろうが、モーツァルトの2曲が実に魅力的。ピアノ協奏曲はリヒテルの独壇場といった感もあるが、交響曲第40番の男臭さ、野暮ったさは、このコンビの真骨頂。癖のある演奏だからこそ、作品の素晴らしさが一層際立つ。ショスタコーヴィチの交響曲第10番は、同時期のスタジオ録音に比べると格段に優れている。テンポ設定や楽曲解釈はほとんど同一なのだが、音楽全体に漲る強靭な意志の力が比べ物にならない。しかしながら、表面的な表情付けはともかく、音楽の掘り下げ方に若干の違和感というか物足りなさが残る。スヴェトラーノフとこの作品の相性はあまり良くないのだろう。

シチェルバコフのショスタコーヴィチ・ピアノ作品集は、全くのノーチェックでいつリリースされていたのかも知らなかった。同じNaxosレーベルから以前リリースされた24の前奏曲とフーガはなかなかの美演だっただけに、このアルバムにも大いに期待した。感想は… う~ん微妙… いずれの作品も磨き上げられた美しさには感心したが、音楽が静謐な抒情一辺倒なのが惜しい。これは、先のアシケナージのショスタコーヴィチ作品集からも同様の印象を受けたが、最近の流行なのだろうか?収録曲が初期作品ばかりなので、やはりとり憑かれたような暴力性も欲しいところ。まぁ、趣味の問題かもしれませんが。

Naxosの新譜、ヤブロンスキイ指揮の「レニングラード」は、なかなかの演奏。両端楽章は考えすぎた結果、力不足を露呈してしまった部分もなきにしもあらずだが、中間楽章の熱い共感に満ちた音楽は立派なもの。全体としては落ち着いた交響曲の佇まいを持った佳演に仕上がっている。

8月7日に、J&Jコンサート・エージェンシー主催「協奏曲の愉しみ」という演奏会へのかぶとやま交響楽団の出演が予定されている(いずみホール)。今度の曲目は次の通り:
  • J. S. バッハ:ピアノ協奏曲第3番 BWV1054
  • チコルニク:子供のための初めてのピアノ・コンチェルト~母に捧ぐ
  • 加藤 豊:子供のためのコンチェルト「ロマンティコ」
  • サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番
  • シューマン:ピアノ協奏曲
恥ずかしながら、バッハのピアノ協奏曲は一曲もまともに聴いたことがない。近い内に買いに行かなければ。チコルニクと加藤の2曲は、ピアノ初学者の子供の学習目的の協奏曲らしい。東京アイエムシーから楽譜(おそらく独奏譜)とCDのセットが発売されている。買うべきかどうか、悩み中。

ということで、まずはサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番を棚の中から発掘。ギレリス盤は、このピアニストには珍しいくらいミスタッチのない整った演奏。節度を持ちながらもピアニスティックな魅力が全開の秀演。ただ、録音がお世辞にも良いとは言えないため、オーケストラを聴くには無理がある。ということで、ロジェ盤全集を。スコアを見て薄々感じてはいたが、この曲ではただの伴奏以下の扱いなんですね、オーケストラは。こりゃ、おちないように相当曲を勉強していかなくちゃ。それはともかく、ロジェのピアノは、ギレリスと比較すると随分地味だが、十分に立派なもの。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_Svetlanov,E.F. 演奏活動_かぶとやま交響楽団

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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