「森の歌」のDVD

  • ショスタコーヴィチ:オラトリオ「森の歌」、祝典序曲 マースレンニコフ (T)、ヴェデールニコフ (B) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO他 (Dreamlife DLVC-1152 [DVD])
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 アレクサーシキン (B) M. ヤンソンス/バイエルン放送SO他 (EMI 7243 5 57902 2 4)
待望の「森の歌」DVD。音源は既発のCDと同じものだが、入手困難でネットオークションなどでは異様な高値で取引きされていたこともあり、今回のDVD化を喜んでいるマニアは少なくないだろう。演奏については、今更何も言うことはない。ライヴゆえの瑕はもちろんあるが、この曲のあるべき姿を理想的に描き出した唯一無二の名演である。これを映像で観ることできるなんて、何と贅沢!楽譜の持ち方も姿勢もバラバラな合唱団からあの響きが繰り出させる様、第5曲で狂ったように叩きまくっているスネギリョーフ、最後の和音を猛烈に引き伸ばさせるスヴェトラーノフの棒などなど。いずれもCDを聴いている時から想像していた映像ではあるが、こうして実際に観ると感動が一層増す。

また、字幕で歌詞を見ることができるというのも、映像ならでは。大人数で、しかも真剣にあんな歌詞を朗々と歌うというのは、一体どんな心理なんだろうか。また、ショスタコーヴィチはどんな気持ちでスコアを書いていたのだろうか。色々と考えさせられる。とはいえ、この凄絶でエネルギッシュな音楽の奔流の前では、所詮、時代を共有していない異国の若造の考えなどあっさりと吹き飛ばされてしまうけど。

M. ヤンソンスのショスタコーヴィチ・シリーズも、あともう少しで完結する様子。第2&12番の新譜予告があったので、ちょっと前にリリースされた第13番を購入。よく整えられた響きは、いかにも近年のショスタコーヴィチ演奏といった感じ。だが、随所にあざとさすら感じさせるような思い切った表情付けがなされていて、必ずしも“スマート”な演奏とは言い切れない。洗練された音響と、どこか垢抜けない解釈とのミスマッチを面白いと感じるかどうか。正直なところ、僕には印象が薄い演奏だった。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_Svetlanov,E.F.

AltusとOrfeoのワゴンセール

  • ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第一幕への前奏曲、ブラームス:交響曲第2番 ムラヴィーンスキイ/レニングラードPO (Altus ALT051)
  • ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲、交響曲第7番 塩川悠子(Vn) クベリーク/バイエルン放送SO (Orfeo C 594 031 B)
  • グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、リャードフ:8つのロシア民謡より「哀歌」、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 北原幸男/東京都SO (Altus ALT087)
Tower Records梅田店での買い物の続き。AltusレーベルとOrfeoレーベルのワゴンセールをやっていたので、気にはなっていたが何となく買いそびれていたものを3点購入。

ムラヴィーンスキイの日本ライヴは、音質面での不満もあり、興味ある曲目のアルバムを2枚ほど持っているだけだったが、せっかく目についたので、強烈なティンパニの一撃で始まる「マイスタージンガー」前奏曲が収録されているものを購入。洗練されているとはいえ、歌いまわしも響きもロシアン・スタイルであるが、似非ドイツ流儀の演奏にはない、“本物の”凄みがある。

クベリークのドヴォルザークは、いわゆるお国物ということになるが、実に熱い共感に満ちた演奏。ヴァイオリン協奏曲では、塩川の端正なヴァイオリンと煽り立てるようなオーケストラの組み合わせが、この曲の魅力を再認識させてくれる。交響曲第7番は、大熱演。ベルリンPOとの全集盤よりも、こちらの方が音楽の流れが自然。ただ、やはり難曲ということなのだろうが、アンサンブルは結構粗い。

フルプライスで購入する気にはならず見送っていた、北原のショスタコーヴィチの交響曲第5番ライヴも入手。アルバムとして通して聴くと、どうにもリャードフ作品の居心地が悪いが、演奏自体は丁寧で好感が持てる。金管楽器の音程があまり良くないものの、全体に高水準の演奏に仕上がっている。終楽章のコーダに至るまで終始端正な佇まいを崩すことなく、緻密にオーケストラをコントロールしているところに感心する。もっとも、燃焼度には不足するので好き嫌いは分かれるだろう。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Mravinsky,E.A. 作曲家_Shostakovich,D.D.

DVD三題

  • J. S. バッハ:2つのヴァイオリンの為の協奏曲、ヴァイオリン協奏曲第1番、モーツァルト:オーボエ協奏曲、交響曲 第24番 変ロ長調 KV.182、ディヴェルティメント 変ロ長調より第3楽章 スピヴァコフ/モスクワ・ヴィルトゥオージ (IMPERIAL YSD-D1025 [DVD])
  • 「リーヴィング・ホーム」20世紀の管弦楽曲(ラトルのガイドによる音楽旅行)第4集~暗い景色を通り抜けた3つの旅 ラトル/バーミンガム市SO (ARTHAUS 102 039 [DVD])
  • 音楽ドキュメンタリー「戦争シンフォニー~ショスタコーヴィチの反抗」 ゲルギエフ/オランダ放送PO他 (PHILIPS 074 3117 [DVD])
特に目的もなく立ち寄ったTower Records梅田店で、CDとDVDを各3点ずつ捕獲。今日はDVDについて。

IMPERIALという韓国のレーベルの廉価盤が店頭に並んでいたので、試しに一枚購入。スピヴァコフと彼の手兵モスクワ・ヴィルトゥオージによるスペイン、ホセ・マリア・ロデロでのライヴ(1991年)を収録したものだが、現地で放映されたテレビ番組などをそのままDVD化したような印象。画質も音質もぱっとしない。曲目は彼らお得意のレパートリーで、隅々まで磨き上げられた演奏は立派なもの。バッハでは、少々ウェットに過ぎるかなぁとは思うが、そこは趣味の問題だろう。アンコールのモーツァルトでは、猛烈なテンポで彼らの技巧を披露している(ちょっと粗いが)。

「リーヴィング・ホーム」というのは、ラトルとBBCによる20世紀音楽を俯瞰する一大プロジェクトだそう。日本でもNHK-BSで放送されたらしいが、僕は完全にノーチェックだった。いかにもショスタコーヴィチに関係ありそうなタイトルの巻を手に取ったら、案の定ショスタコーヴィチ作品が3つも(もちろんいずれも抜粋)。このような形で演奏を云々するわけにはいかないが、番組として非常に良くまとまっていて、バルトーク、ショスタコーヴィチ、ルトスワフスキーという選択も極めて妥当なもの。ラトルの解説が秀逸で、とても面白く観ることができた。演奏風景が収録されている作品は以下の通り:
  • バルトーク: 歌劇「青ひげ公の城」より
  • バルトーク: 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽より
  • バルトーク: 管弦楽のための協奏曲より
  • ショスタコーヴィチ: 交響曲第4番より
  • ショスタコーヴィチ: 交響曲第5番より
  • ショスタコーヴィチ: 交響曲第14番より
  • ルトスワフスキー: 管弦楽のための協奏曲
  • ルトスワフスキー: ヴェネツィアの遊び
  • ルトスワフスキー: 交響曲第3番

同じくNHK-BSなどでも放映された音楽ドキュメンタリー「ショスタコーヴィチの反抗」も、DVD化された。内容については、放映直後にまとめた通り。日本語字幕がないのは残念(中国語字幕はあるのに…)だが、ボーナストラックの充実ぶりが半端ではない。ショスタコーヴィチの年譜、交響曲第7番についてのラジオ演説の他、ゲールギエフ指揮の交響曲の抜粋が収録(音声のみ)。どうせなら、交響曲第6番の全曲を収録してくれたらよかったのに。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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