HMV(通販)でお買い物(1月分)

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  • ショスタコーヴィチ:交響曲第1&15番 カエターニ/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディSO (Arts 47706-8 [SACD])
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ベリルンド/ロシア・ナショナルO (PentaTone PTC 5186 084 [SACD])
  • ショスタコーヴィチ:バレエ「黄金時代」 セレブリエール/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO (Naxos 8.570217-18)
  • ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、プロコーフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 サラ・チャン (Vn) ラトル/ベルリンPO (EMI 0946 3 46053 2 8)
  • ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番、ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 フォークト (Pf) テツラフ、ヴァイトハース (Vn) ペルガメンシチコフ (Vc) (EMI 7243 5 57553 2 2)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第3、14、15番、ピアノ五重奏曲 ブロンフマン (Pf) ジュリアードQ (Sony 82876-79018-2)
新年早々、HMVにオーダー。いつもは入荷に多少時間がかかる音盤があるため、概ねオーダーから一ヶ月弱かかるのだが、今回は2週間ほどで全部揃った。有名レーベルばかりだったので当然かもしれないが、意図して選択したわけではなかったので意表をつかれた。もっとも、早く手元に届いたものの、結局全部に耳を通すのに一ヶ月以上かかっているのだから、全く仕方のないことである(^^;

カエターニによる交響曲全集も、ようやく最後の一枚となった。第1番は、颯爽としたテンポの若々しい演奏。明るめの音色で華やかに盛り上がる……が、ロシア情緒が希薄なせいか、あっさりとしていてあまり印象に残らない。第15番も同様で、淡々と表面的に音楽が流れていく。音色の磨き上げも今一つで、カエターニの他の演奏と比べて不出来な部類に入るだろう。第1楽章冒頭のトライアングルのシケた音色は、ちょっと許し難い。

ベリルンドによる交響曲第8番は、1月20日付の本欄で取り上げたライヴCD-Rに比べると、スタジオ録音ということも影響しているのか、随分とおとなしい演奏である。ゆったりとした抒情的な音楽作りは好ましいものの、全体に弛緩した感じが否めない。緊張感や迫力だけではなく、表情や音楽の彫りの深さという点でも、ベルリンPO盤に劣る。

ナクソスの新譜に「黄金時代」の名を見かけた時は、リンドン=ギー盤があるのになぜ?と思ったが、なんと全曲盤だったとは!セレブリエールは手堅い音楽作りだが、ギラついたロイヤル・スコティッシュ・ナショナルOの音色が音楽に華を添え、楽曲の魅力を余すところなく伝えてくれる。随所に心躍る響きが顔を出し、ファンには堪らない仕上がりである。ナクソスのことだから、たぶん「ボルト」も「明るい小川」も全曲盤を出してくれるのだろう。楽しみ。

サラ・チャンの協奏曲は、どうにも食指が伸びずにいたもの。ヴィヴラートの癖や音色に対する好き嫌いはあるにせよ、独奏に技術的な不満はほとんどない。だが、音楽的な踏み込みは全く感じられず、技術的な切れ味と相反して音楽の流れ自体はむしろ鈍重ですらある。ベルリンPOは豪奢で立派な響きで存在感を示しているが、それに拮抗するには独奏の音楽が貧弱過ぎる。

2曲のピアノ三重奏曲を収録したアルバムは、ピアニストのラルス・フォークトが主催する、ケルン近郊の丘陵地帯にあるハイムバッハでのシュパヌンゲン室内楽音楽祭でのライヴ録音である。演奏会は、ハイムバッハの水力発電所(1904年築造のアール・ヌーヴォー様式の建物)で行われているらしい。テツラフがヴァイオリンを弾いているドヴォルザークが、高血圧的に青臭さを噴出しているような作品の雰囲気をよく捉えた佳演。これに比べると、ヴァイオリンがヴァイトハースになったショスタコーヴィチは少々おとなしい印象である。それでも、ヴァイトハースとペルガメンシチコフが組んだ他の録音(IPPNW-Concerts CD 44)と比較すれば、輝かしさとスケール感に勝る。悪くない。

ロバート・マンの引退(1997年)から10年近くが経ち、Vaのローズ(1969年~)やVcのクロスニック(1974年~)が伝統を継承しているとはいえ、やはりかつての団体とは別物になった感が否めないジュリアードQであるが、ショスタコーヴィチの生誕100年ではなく、ジュリアードQの結成60周年を記念した録音として、ショスタコーヴィチの3曲(ピアノ五重奏曲は以前にリリースされたもの)がリリースされた。第3番は、きびきびとしたアンサンブルと交響的な広がりを持った表現意欲がなかなか魅力的で、充実した演奏に仕上がっている。しかし、最晩年の2曲については、彼らの芸風と相性が良くないとしか言いようがない。作品の持つ神経質な繊細さは大柄で華美な響きに塗りつぶされ、モノローグの意味深さはトゥッティに蹂躙されている。晦渋さは後退しているので聴きやすいと言えるかもしれないが、少なくとも僕の聴きたい音楽とは違う。大物によるメジャー・レーベルの新譜にもかかわらず、さして話題にならなかったが、それも致し方のないところか。
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マクシームの交響曲全集

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  • ショスタコーヴィチ:交響曲全集 M. ショスタコーヴィチ/プラハSO他 (Supraphon SU 3890-2)
3月号が発売になったので、『レコード芸術』誌2月号の「海外盤試聴記」に寄稿した音盤について、記しておく。

毀誉褒貶の激しいこの全集、雑誌の記事では微妙な言い回しをしたものの、率直に言ってファースト・チョイスとしてはお薦めできない。編集ミスが多いことは、僕にとってそれほどの減点理由ではない。とにかく、オーケストラの技量が低すぎることに尽きる。マクシームの魅力であるギラギラとした単発的な爆発力は、良くも悪くもオーケストラの機能にその大部分を依存している。その点で、この全集はマクシームの本領を発揮しているとは言い難い。

以下、2月号の月評でカエターニの全集を評した宇野功芳氏に倣って、各曲の印象を簡単にまとめる(あれほど抱腹絶倒な文章は書けませんが):
第1番:
第1楽章の推進力は認めるが、特に第2楽章などではオーケストラが技術的についていってない。第3楽章の息の長いロマンティックな歌はなかなかだが、一方でリズムや音色の仕掛けは後退している。
第2番:
アンサンブルに難があり、全体に締りがない。サイレンの音色自体は良いが、音程は作曲者の指示通り(F♯)ではなく、変化するのがいただけない。
第3番:
感覚的な格好良さに満ちた秀演。猛烈なテンションの高さで、作品の冗長さを感じさせずに一気に聴かせる。合唱が入る後半は、映画音楽のような壮麗さすら感じさせる。
第4番:
スマートな音楽の作りは悪くない。ただし、オーケストラに不満が残る。
第5番:
本全集中、第13番と並んで優れた演奏。スケールの大きな風格が漂っている。第4楽章の351小節が編集ミスで重複している。
第6番:
音楽の作りは悪くないが、第2楽章以降はマクシームのリズム感の悪さが気になる。
第7番:
バンダの非力さに苦笑。第1楽章、展開部後半のアンサンブルは特に酷い。第2楽章、第3楽章共に中間部の出来が悪い。第4楽章の249~250小節が編集ミスで重複している。
第8番:
解釈そのものは、時にあざとさを感じさせるものの、重厚で悪くない。論理構成もしっかりしていて、散漫な印象はない。
第9番:
随所で危なっかしい。が、マクシームらしい颯爽とした勢いの良さが好感触。両端楽章が特に格好良い。ただし、第3楽章は鈍重に過ぎる。
第10番:
音楽の焦点が定まらず、どうにも冴えない印象が拭えない。オーケストラ側にも、あまりにも金管が鳴らなさ過ぎてDSCH音型のような重要なパッセージまでもが埋没しているなどの問題が山積している。第4楽章の661小節が編集ミスで重複。
第11番:
音楽は、作品の魅力をしっかりと捉えた立派なもの。しかし、オーケストラが非力すぎて随所で破綻しているのが残念。
第12番:
第1楽章の序奏と主部の対比など、金管が非力すぎて盛り上がらないせいか、抒情性と颯爽とした格好良さのバランスが悪い。ただし第2楽章は、彫りの深い音楽で立派。終楽章のコーダは完全に息切れしている。
第13番:
本全集の白眉。
第14番:
第5楽章でトム=トムやシロフォンが落ちたりするなど、アンサンブルは極めて不安定。第2、3楽章などは、合わせるのに精一杯な様子が手に取るように分かる。この演奏で唯一傾聴に値するのは、シャグチの気高く品のある歌唱。抉るような鋭さはあまりないが、とても美しい。リソフも、ややもっさりしているが安定している。
第15番:
細かいニュアンスは無視されているが、大局的な音楽作りは模範的で、堂に入ったもの。ここでは、完全にオーケストラが指揮者の足を引っ張っている。弱奏部の音の張りが弱くて緊張感が損なわれている他、アンサンブルにも相当の難がある。終楽章クライマックスのトランペットは、それまでの全てをぶち壊しにする酷さ。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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