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アレクサーンドロフ・アンサンブルの地味なアルバム

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  • ノーヴィコフ:ロシア、A. アレクサーンドロフ:ウクライナの詩、ブラーンテル:山の向こうに陽が沈む、ショスタコーヴィチ:平和の歌(映画音楽「エルベ河での出会い」より)、ロシア民謡:Степь да степь кругом、通りは吹雪が吹いている、昇れ赤い太陽よ、七人のお婿さん プチコフ (T) セルゲーエフ (B) コズローフスキイ (T) ディデンコ (T) B. アレクサーンドロフ/アレクサーンドロフ歌と踊りのアンサンブル (Melodiya D 6161-2 [10"mono])
  • チャイコーフスキイ:「なつかしい土地の思い出」より「メロディ」、「スケルツォ」、ショスタコーヴィチ(ツィガーノフ編):4つの前奏曲、ヴィエニャフスキ:伝説曲、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ ジューク (Vn) フークス (Pf) (MK D-4292-3 [10"mono])
  • ボワモルティエ:ファゴット協奏曲、マリピエロ:セレナータ(ファゴットと10の楽器のための)、グバイドゥーリナ:ファゴット協奏曲 ポポーフ (Fg) ロジデーストヴェンスキイ、メシャニノフ/ソヴィエト国立SOソリスト・アンサンブル (Melodiya 33 C 10-12749-50 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの8月到着分。

アレクサーンドロフ・アンサンブルのアルバムは、わりと地味な作品ばかりが収録されている。僕にとっては、ブラーンテルとショスタコーヴィチの作品以外は全て初めて聴くものばかり。お目当てだったショスタコーヴィチ作品は、既に所有しているものと同じ音源だと思われるので、初耳の作品を純粋に楽しんだ。「ロシア」の泥臭い叙情、「ウクライナの詩」の無駄に劇的な盛り上がりなど、このアンサンブルの魅力が全編通じて余すところなく発揮されている。

ジューク(Zhuk)のヴァイオリンは、精確で切れ味の鋭い典型的なロシア流儀のもの。この手の小品集には非常に相応しい。少々生真面目に過ぎるが、真摯で丁寧な演奏には好感が持てる。ただ、ピアノが終始控え目な“伴奏”に徹しているため、全体としてはおとなしい演奏になっているのが惜しい。

ポスト・ショスタコーヴィチの三羽ガラス的な触れ込みで我が国に紹介されたシニートケ、デニーソフ、グバイドゥーリナの3人だが、かろうじてシニートケの作品はいくつか聴いているものの、残る2人の作品は全くと言ってよいほど知らない。代表作が何かとか、名演かどうかといったことにこだわっていては、いつまでも広がらないので、とりあえず何かきっかけがあったら手当たり次第…というアプローチで新規開拓してみることに。今回初めて聴いたファゴット協奏曲は、手元にある数少ないグバイドゥーリナ作品の一つ「魂の時」とほぼ同時期に作曲されたもの。技法や内容における共通点などを見出したりする段階では全くないが、低音楽器にこだわった編成の地味ながらも美しく多彩な響きは、とても魅力的である。グバイドゥーリナ独特の形式感というか、展開のようなものがまだよく分からないので、作品の内容についてはコメントを差し控えたい。演奏は、少なくとも技術的な不満は皆無で、安心して音楽に身を委ねることができる。ボワモルティエとマリピエロは、どちらもファゴットが前面に押し出された、いわゆる協奏曲といった風情。作曲された時代は全く異なる2曲ではあるが、伸びやかで味のある音色に加えて、ロジデーストヴェンスキイの手堅くも自在な伴奏が光る。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : USSR大衆歌曲. 作曲家_Gubaidulina,S.A.

ヴァーインベルグの交響曲にも触手…

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  • ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番、ルーセル:シンフォニエッタ、ゲンツマー:シンフォニエッタ ゾルテル (Pf) シュナッケンベルク (Tp) ゲルミニ/ゲルミニO (RBM 3024 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:バレエ組曲第1番 グール/ベルリン放送SO (Eterna 5 20 305 [7" 45rpm])
  • ミャスコーフスキイ:弦楽四重奏曲第12番 タネーエフQ (Melodiya C10-17551-2 [LP])
  • カバレーフスキイ:歌劇「姉妹」 ヤコヴレフ/国立モスクワ児童ミュージカル劇場SO他 (Melodiya 33 C 50-05839-42 [LP])
  • ヴァーインベルグ:交響曲第6番 コンドラーシン/モスクワPO他 (Melodiya C 01267-8 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの6月到着分。結局、お盆休みに入るまで針を落とすことができなかった。

ゲルミニという女流指揮者をフィーチャーしたと思われるアルバムは、少し洒落た選曲が面白い。が、肝心の演奏は平凡で、率直に言って退屈する。ショスタコーヴィチの協奏曲は、ピアノ独奏が手堅くまとめているので大きな破綻のない仕上がりになっているが、オーケストラの存在感が極めて希薄で物足りない。トランペットにも、主として技術的な危うさに起因する不満が残る。弦楽合奏が主役のルーセルでも印象は同じ。ゲンツマーの作品は、新味はないものの美しく楽しい佳曲。

グール指揮のバレエ組曲は、もしかしたら7月17日付の本欄で紹介したニュース映画のBGMと同一の音源かもしれない。土臭いロシア情緒とは対極の、流麗で上品な音楽の流れが心地よい。上質のイージーリスニングといった雰囲気が、作品に相応しい。

ミャスコーフスキイの弦楽四重奏曲も、この第12番でようやくコンプリート。CDでも容易に全曲揃う現状で敢えてLPで集める必要はなかったのだが、iTunesで整理してしまえばどちらにしても同じということで(PCに取り込む際の手間はかかるが)、最初に買ったのがLPだったというだけの理由で買い進めてしまった。さて第12番だが、いかにも彼の最晩年の作品らしく、第13番などと同じく、清澄な情念が漂う味わい深い音楽である。たとえば第1楽章などには冗長さも感じられなくはないが、ミャスコーフスキイ独特の音楽語法に慣れてしまえば、さして気にならない。第3楽章はミャスコーフスキイの真骨頂で、文句なしに素晴らしい。全15曲通して、いずれの曲にもミャスコーフスキイの音楽、そして響きが深く刻印されている一方で、弦楽四重奏でなければならないという必然性は感じられず、この辺りが演奏家にとっても手掛けづらい一因となっているのかもしれない。

カバレーフスキイの歌劇といえば「コラ・ブリュニオン」を挙げる人が多いだろうし、逆にそれ以外の作品がすらすらと出てくる人は稀だろう。この「姉妹」は、恐らくは彼の最後の歌劇(この後、「コラ・ブリュニオン」の第2版が手がけられている)と思われるが、作曲の背景などの情報が容易には入手できず、ただ音楽を聴くだけになってしまわざるを得ないのが残念。あらすじはレコードジャケットに記されているが、辞書を片手に読んでいく気力が全くない。演奏団体を見ると子供向けに企画された作品のようでもあるが、どこか幻想的で仄暗さを感じさせる雰囲気は、特に子供を対象にしているようにも思えない。華やかで騒がしいオーケストレイションはいつものながらの出来だが、旋律そのものの魅力は全曲を通じて後退していて、正直なところ、それほど魅力的な作品だとは思えなかった。

ここのところ、ショスタコーヴィチゆかり(周辺)の作曲家に関心があるのだが、ヴァーインベルグのような多作家は、なんとなく後回しになっている。丁度ミャスコーフスキイの弦楽四重奏曲も一通り聴いたことだし、今度はヴァーインベルグの交響曲(全19曲)でも……といった感じで、たまたまカタログに載っていた一枚を購入。彼の全創作とは言わないまでも、彼の交響曲中でどのような位置にあり、どのように評価されている曲なのか、事前の情報が何もないままで聴いたが、各楽章の性格がはっきりとしていながらも、全体を貫くスケールの大きな気分で全曲が巧みに統一されており、よくできた作品だと感じた。これは、コンドラーシンの音楽性と手腕に負うところも大きいだろう。オーケストレイションはいかにもショスタコーヴィチの絶対的な影響下にあると思われるが、音楽的な雰囲気とよく合致していることもあり、それほど気にはならない。全曲を通じてユダヤ臭が強烈なのは、ソ連はユダヤ関係には意外と寛容だったのかな?と錯覚してしまうほどだが、ちょうどショスタコーヴィチの交響曲第13番と同時期の作品だとわかると、やはり、ショスタコーヴィチの亜流と言われてしまうのも仕方ないかなと思ってしまう。でも、良い曲には違いない。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Myaskovsky,N.Y. 作曲家_Kabalevsky,D.B. 作曲家_Weinberg,M.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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