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アファナーシエフのムーソルグスキイ/カルミナQの新ウィーン楽派

  • ムーソルグスキイ:組曲「展覧会の絵」、間奏曲、情熱的な即興曲、お針子、瞑想、夢 アファナーシエフ (Pf) (Denon COCO-70530)
  • ヴォルフ:イタリアのセレナード、ベルク:弦楽四重奏曲、シェーンベルク:浄夜 カルミナQ チャステイン (Va) グロッセンバッハー (Vc) (Denon COCO-70971)
11月24日の記事で紹介した買い物の続き。同じく“ついでに”注文した音盤から。

アファナーシエフによるムーソルグスキイ作品集は、「展覧会の絵」がたいそうな怪演であるという評判の音盤だが、ムーソルグスキイのピアノ小品の中で唯一未聴であった「夢」が収録されていることが今回の購入動機であった。目当ての小品集は、病的なまでの繊細さと柄の大きな表現力との対比が絶妙で、単なる心地よさに終始することのない、意味深い音楽に仕上げられている。さすが、と言うべきだろう。

メインの「展覧会の絵」は、予想をはるかに上回る特異な演奏である。徹底的にデフォルメされた音楽は、もはや原型をとどめていない。それでいて、その不思議な音楽世界には、ムーソルグスキイとは全く異質でありながらも、抗い難い妖しい魅力がある。よほどのマニアでもない限りは「展覧会の絵」を楽しむことはできないだろうが、そこは割り切ってアファナーシエフの奇才を満喫するべき音盤なのだろう。

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後期ロマン派末期から新ウィーン楽派最初期にかけての3曲を集めたカルミナQのアルバムは、ヴォルフの「イタリアのセレナード」目当てで注文したもの。ブラームスの四重奏曲全集の余白に収録されていたプラハQの録音しか持っていなかったので、おっとりとした野暮ったさが魅力のそれとは異なる、現代風の颯爽とした格好良さに耳を奪われた。細身で切れ味の鋭い響きは複雑な和声が醸し出す微妙な色合いを鮮やかに描き出し、豊かな表現力は楽曲中に盛り込まれた様々な情景を喚起する。見事な演奏である。

ベルクとシェーンベルクにおいても、カルミナQのスタンスに違いはない。作曲家の初期作品ということを意識したのか、時に攻撃的に過ぎると思えるほどの表現意欲に満ちた演奏である。ただし、これらの2曲については、もっと後期ロマン派寄りの甘美な表現の方が僕の好み。もちろん、水準以上の演奏ではある。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Mussorgsky,M.P. 作曲家_Wolf,H.

「サンクト・ペテルブルグ・リサイタル」/アリャービエフの室内楽曲集

  • ボルトニャーンスキイ:チェンバロ協奏曲 ニ長調、V. マンフレディーニ:チェンバロ・ソナタ第3番、ボルトニャーンスキイ:チェンバロ・ソナタ ヘ長調、チェンバロ・ソナタ 変ロ長調、パイジエッロ:前奏曲とロンド、歌劇「岐路に立つアルチーデ」よりシンフォニア、グリリョーフ:前奏曲 変ホ長調、コズローフスキイ:「奥様、よろしいですか」によるポロネーズとトリオ、グリリョーフ:前奏曲 ニ長調、作者不詳:「カーチェンカは村一番のべっぴんさん」による7つの変奏曲、グリリョーフ:前奏曲 ハ短調、カラウーロフ:「みなしごのおまえよ」による10の変奏曲 ボーモン (Cemb) (Erato 2564 68967-6)
  • アリャービエフ:ピアノ三重奏曲、弦楽四重奏曲第3番、モスクワの思い出 アンバルプミャン (Vn) クニャーゼフ (Vc) ヴォスクレセンスキイ (Pf) モスクワ室内管弦楽団Q グラーフ (Vn) ヴェルビツキイ/ソヴィエト国立SO (Venezia CDVE 04369)
目当ての音盤があったので、久し振りにHMV ONLINEで買い物をした。まずは、ついでに購入した音盤2枚を聴いてみた。

「サンクト・ペテルブルグ・リサイタル」と題されたボーモンのアルバムは、18世紀後半のロシアを彩った鍵盤音楽をまとめた、なかなか興味深い一枚である。使用楽器は1770年製とのことで、まさに当時鳴り響いた音が再現されているのだろう。この時代の音楽様式や、いわゆる古楽器の演奏技術については、何かを語るほどの知識を持ち合わせていないので、演奏内容については、とても楽しんだ、とだけ記しておく。

ただ、エカテリーナ2世時代の宮廷楽長も務めたパイジエッロに始まり、ロシアにおける職業作曲家の祖とも言うべきボルトニャーンスキイからグリーンカ登場前夜を彩ったグリリョーフに至るまで、怒濤の西欧化圧力を受けた18世紀ロシア音楽の発展過程が手に取るように分かる選曲の妙に唸らされたことだけは、特記しておきたい。

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歌曲の作曲家として高名なアリャービエフの室内楽曲集は、芸術音楽の世界では後進国であった18世紀ロシアにおいて、それまでの初期古典派の様式から一気に初期ロマン派の様式にまでロシア音楽を押し進めた、アリャービエフの歴史的な役割を再認識させるような音盤である。アリャービエフがシューベルトやメンデルスゾーンよりも年長であったことも考えると、収録された作品を聴くだけでも、その天分がいかに傑出したものであるかが理解されるだろう。

演奏はいずれも高水準のものだが、ヴァイオリン独奏の「モスクワの思い出」だけは、残念ながらとても聴き辛い録音である。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Alyabyev,A.A.

【ニコニコ動画】ボロディーンQ/ストラディバリウス・コンサート

最近は専ら国会中継の録画を見るためにニコニコ動画へアクセスするのだが、ふと気の赴くままに音楽関係の動画を検索してみたところ、いくつか琴線に触れる映像に辿り着いた。

まずは、ボロディーンQによるショスタコーヴィチの第8番。1st Vnがアハロニアンの第5期メンバーによる演奏である。幾多のメンバー交代を経ても変わることのない確固たる演奏解釈はさすがで、まさに貫禄の名演である。ただし、カメラの切り替えが鬱陶しく、せっかくの音楽に集中することを妨げられてしまうのは残念極まりない。



同じくショスタコーヴィチの第15番は、まさに極め付きと言うべき内容である。チェロのベルリーンスキイだけでなく、2nd Vnのアブラメンコフにも衰えが感じられるものの、劇的かつ深遠な表現力は、なお他の追随を許さない。第8番と同様に映像の演出には必ずしも納得できないが、目をつぶってでも聴いておきたい、素晴らしい音楽である。



同じ機会に収録されたと思われるボロディーンの第2番では、いささか自由過ぎるほどの歌い回しに、ベルリーンスキイの白鳥の歌を聴く思いがする。スチール弦による強く透き通った独特の魅力的な響きは、いかにもボロディーンQらしい。



日本音楽財団が主催しているストラディバリウス・コンサートからの映像は、ガラ・コンサート風の祝祭的な雰囲気と、若手実力派の奏者が揃った質の高さが印象的である。ヴィヴァルディの4つのヴァイオリンのための協奏曲は大好きな曲なので、こうした上質の演奏で視聴できるのがとても嬉しい。



ここで紹介した3つの動画は、全て同一の方が投稿されている。貴重な動画を無償で提供される好意に感謝したい。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_BorodinQuartet

バルビエのサティ/カラヤンのバロック/ラカトシュ

  • サティ:3つのジムノペディ、3つのグノシェンヌ、冷たい小品集、おまえが欲しい、うつろな空想、不愉快な概要、ぶよぶよした前奏曲(犬のための)、乾からびた胎児、古い金貨と古い甲冑、世紀ごとの時間と瞬間の時間、最後から2番目の思想 バルビエ、ウイエネ (Pf) (Victor VDPY-25020)
  • アルビノーニ(ジャゾット編):アダージョ、コレッリ:クリスマス協奏曲、ヴィヴァルディ:弦楽と通奏低音のための協奏曲「アラ・ルスティカ」、ヴァイオリン協奏曲「恋人」、パッヘルベル:カノンとジーグ、F. マンフレディーニ:クリスマス協奏曲 ブランディス (Vn) カラヤン/ベルリンPO (DG 419 046-2)
  • ラカトシュII ~ライヴ・フロム・ブダペスト ラカトシュ&アンサンブル (DG POCG-10203)
ちょっとした時間潰しに、BOOKOFF西宮北口店をのぞいてみた。目当ての品があった訳ではないので、文庫本、コミック、CD、DVDといった辺りを漫然と眺めただけだったせいもあり、触手が伸びるような商品を見つけ出すことはできなかった。

しかし、それではあまりに寂しい気がしたので、250円セールの棚からサティのピアノ作品集を選んで購入してみた。サティは、興味がなくはないものの、完全に僕の守備範囲外の作曲家。バルビエというピアニストのことも、ましてや彼がサティ演奏の権威として広く知られていることも、何も知らぬままの買い物である。早速聴いてみたところ、どこか素朴な音の運びが心地よく、さりげなくも意味あり気な、それでいて流麗で洒落た雰囲気を失わない、見事な演奏だと感心した。早めのテンポであっさりと紡がれる音楽には嫌みがなく、素直にサティの音楽世界を楽しむことができる。

知っている人にとっては“何をいまさら…”といったところなのだろうが、僕にとっては極めてコストパフォーマンスの良い、素敵な巡り合わせであった。



これに味をしめて、帰宅途中で寄り道をし、BOOKOFF大阪難波中店に足を運んでみた。二匹目の泥鰌は、やはりそう滅多に見つかるものではなく、収穫は2枚のみ。

まずは、カラヤンのバロック名曲集である。かつて一大ブームとなった「アダージョ・カラヤン」は結局聴かず仕舞いだったので、たまにはアルビノーニのアダージョなども悪くはないと思って購入。収録曲中ヴィヴァルディの2曲は、既に架蔵している音源と同一であった。

チェンバロや鐘の響きが心をかき乱すケーゲルの演奏に慣れているせいか、ひたすら心地よい和声に耽溺しているようなアルビノーニ、シュヴァルベの甘いソロと壮麗な弦楽合奏の対比が効果的なコレッリ、甘美な節回しが心に残るヴィヴァルディ、快速テンポで流麗に押し切るパッヘルベル、美しい旋律線を愛でるようなマンフレディーニ、いずれも徹頭徹尾カラヤン流である。

今時、こういう演奏を“バロック音楽”だと思って聴く人はいないだろうが、バロックという概念が本来持つ奇妙なグロテスクさ、あるいは古典から逸脱した華美さ、荘重さ、繊細さといった様式上の特徴は、カラヤンの演奏の特徴そのものであるようにも思える。もっとも、それをしてこの演奏をバロックの真髄などと評価するのは、民主党的詭弁でしかないが。



もう一枚のラカトシュのライヴ録音は、発売当初にボーナス・トラックの「だんご3兄弟」に興味を惹かれた記憶はあったが、入手するには至らなかった音盤。他にめぼしい音盤もなかったので、それほど安くはなかったものの、この機会に購入することにした。

技術的な冴えももちろん素晴らしいが、ちょっとしたフレーズから楽曲全体の構成に至るまで多彩に表現される緊張と緩和の対比が、何よりも絶妙である。繰り返し聴く毎にラカトシュが奏でる表情の豊かさと、絶妙の技とアンサンブルでそれを盛り立てるバックの凄みに圧倒される。

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中古店で掘り出し物を探し出すには、日頃から足繁く店に通ってまめにチェックする姿勢が不可欠だが、こうやって何の当てもなく行き当たりばったりの出会いを楽しむのも、悪くない。

theme : クラシック
genre : 音楽

【録画】ハーゲンQ/エマーソンQ

  • シューベルト:弦楽四重奏曲第15番 ハーゲンQ (2010.10.3 録画 [NHK ETV(2010.11.12)])
  • ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第10、13番、バーバー:弦楽四重奏曲第1番より第2楽章 エマーソンQ (2010.6.9 録画 [NHK ETV(2010.11.12)])
11月12日に放送されたNHK教育テレビの芸術劇場で、弦楽四重奏が特集された。

前半は、ハーゲンQによるシューベルトの第15番。この曲の実演は、プロ・アマ問わず聴いたことがないので、興味深く視聴した。1st Vnの心許なさは相変わらずだが、総じて緊密なアンサンブルが、それでいて硬直した堅苦しさを感じさせずに繰り広げられる様に、今やベテランとなったハーゲンQの貫禄を感じた。唯一、第4楽章のやや作意的な表情が気になったものの、全体に流れの良い音楽の運びはシューベルトに相応しく、細部まで丁寧に紡がれた響きは作品の深奥に達していた。

後半のエマーソンQは、9月16日の記事で取り上げた映像と同じ夜の演奏会を収録したものである。ドヴォルザークの第13番は全く同一の映像だったので、放送時間の都合で第1~2楽章しか放送されなかったヤナーチェクの第2番を流して欲しかったところではある。ドヴォルザークの第10番はドラッカーが1st Vnであったが、全体の印象はセッツァーが1st Vnを務めた第13番と大差ない。無味無臭のドヴォルザーク。アンコールで演奏されたバーバーのアダージョは、熱のこもった透明な静けさが秀逸で、なかなかの聴き物であった。

弦楽四重奏が好きで、実際に演奏して遊んでいる者にとっては、実は番組冒頭の「情報コーナー」での原田幸一郎の話が、この番組最大の見物だったかもしれない。「映像の見所は?」と振られて「指使いなんかも……」と答えたところでは、全国のカルテット愛好家の歓声が聞こえたような気がした。

theme : クラシック
genre : 音楽

シチェドリーン:交響曲第1番/ティーシチェンコ:ハープ協奏曲

  • シチェドリーン:交響曲第1番 アノーソフ/モスクワPO (Melodiya D 9185-86 [10"mono])
  • ティーシチェンコ:ハープ協奏曲 ドンスカヤ (HP) メレンチエヴァ (S) セローフ/レニングラードCO (Melodiya 33C 1355-58 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.から荷物が届いた。欲しかったショスタコーヴィチ作品の音盤はどれも確保できず、ついでに注文した2枚のみなのは寂しい限り。

シチェドリーンの交響曲第1番は、ショスタコーヴィチ風の鋭い暗さを持った、いかにも当時の現代ソ連音楽といった雰囲気を持っている。ただし、前衛色は薄い。全体にそつのない仕上がりで、シチェドリーンが創作活動の最初期から第一級の作曲家であったことの証左とでも言うべき作品である。ロシア情緒が強く押し出された終楽章が、鋭利で繊細な透明さを持った、いかにもシチェドリーンらしい抒情に満ちていて、とても魅力的である。録音はさすがに古めかしさが気にはなるが、作品を味わう上でそれほどの障害ではない。



ティーシチェンコのハープ協奏曲は、40分を超える大作。ハープの名技を前面に押し出した協奏曲というよりは、ハープをフィーチャーした室内オーケストラのための交響曲とでもいった風情の作品である。第4楽章ではソプラノ独唱まで加わり、響きの組み合わせを心ゆくまで愉しんでいるようにも思える。時に意味深だったり、滑稽だったり、抒情的だったり、感動的だったり、次々と様々な表情が繰り広げられるという点で、聴き手を飽きさせることはない。大作ではあるのだが、各楽章の佇まいはむしろ慎ましやかで、それでいて全体に一貫性も感じられる、ちょっと不思議な作品である。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shchedrin,R.K. 作曲家_Tishchenko,B.I.

【録画】大阪交響楽団定期演奏会/バーンスタインのマーラー(第5&9番)

  • バーバー:管弦楽のためのエッセイ第1番、バイオリン協奏曲、タネーエフ:交響曲第4番 竹澤恭子 (Vn) 児玉宏/大阪SO (2010.6.18 録画 [NHK BS-hi(2010.11.7)])
  • マーラー:交響曲第5、9番 バーンスタイン/ウィーンPO (録画 [NHK BS-2(2010.11.8)])
大阪シンフォニカー改め大阪交響楽団の第146回定期演奏会が、NHKで放送された。タネーエフの交響曲の実演に興味がありながらも、都合がつかずに行くことができなかった公演を収録したものだったので、とても有り難く、そして嬉しく視聴した。

毎日の通勤に大阪市営地下鉄を使っていることもあって、この団体の公演ポスターを目にする機会は少なくないし、今回放送された定期演奏会についてもポスターを見かけて気に留めていた。とはいえ、正直なところ、団体名が変わっていたことにもこの放送を観るまで気付かず、児玉宏という指揮者についても予備知識が皆無であった。要するに何の先入観もない状態で視聴したのだが、それでも期待していた以上に高水準の演奏であったことに驚いた。

団の紹介映像の中では、マイナー曲を積極的に取り上げる姿勢が強調されていたが、そのこと自体はアマチュアの演奏活動が盛んな昨今ではそれほど珍しくない。しかし、そういう作品に対して真摯な共感を示しつつ、プロの名に恥じない水準の演奏を披露することは、そう容易なことではない。さらに、個々の技量はそれほど高くはないものの、若い奏者が多いせいか、音楽に対して真面目に没頭している姿が素晴らしい。タネーエフでは、もう少し“ええ加減な”あざとさがあった方が作品の限界を補えると思うが、端正で律儀な抒情も、それはそれで悪くない。一地方オケとして看過する訳にはいかない、とても充実した演奏会の記録と言ってよいだろう。

竹澤恭子は、磨き上げられた技術と、丹念に掘り下げた解釈のバランスが抜群で、極めて優れた演奏であった。

バーンスタイン/ウィーンPOのマーラーは、第5、7、9番だけをLDで持っている。今ではDVDで、しかも比較的廉価に全曲を揃えられるようになっているが、そもそもマーラーにはそれほど熱心でないので、DVDで買い直すことも、他の曲を買い揃えることもしていないままである。それでも、手元にある3曲は学生時代に何度も繰り返し視聴したので、バーンスタインだけでなく、オーケストラの各奏者の表情や仕草などもわりと克明に記憶に残っている。

だから、NHKの放送予定をチェックした時は、最初はわざわざ観る必要を、ましてや録画までする必要を感じなかった。しかし、番組内容をよく見てみると、リハーサル映像もあるということで、急遽番組予約した次第。

リハーサルというよりは、バーンスタインによる楽曲解説のような趣が強く(特に第9番は、リハーサル時の演奏にバーンスタインのナレーションが重ねられているだけ)、プロの仕事現場を覗き見るような臨場感には欠けるが、コンサートマスターのヘッツェルやホルンのR. ベルガーなど、1970年代のウィーンPOを支えた花形奏者達の姿を観ているだけで、十分に愉しい。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Taneyev,S.I.

【YouTube】ショスタコーヴィチの伝記映像

YouTubeに、ショスタコーヴィチの生涯を辿ったドキュメンタリー風の映像がアップされていた。動画のタイトルには「Film on his life and music」とあるが、動画の最初の部分では「A Career」「The Public & Private Voice of Dmitri Shostakovich」という文字がタイトルのように表示されるので、結局どれが映像のタイトルなのかよく分からない。冒頭に「Shostakovich Festival」のロゴが入ることから、何らかの音楽祭で上映されたもののようにも思えるが、エンドロールがないために、誰がいつ制作したものかも分からない。このように素性のよくわからない動画ではあるのだが、マクシームをはじめとする数名のインタビューや貴重な映像が散りばめられた、見所が少なくない内容となっている。

構成そのものは、1時間強の時間の中でショスタコーヴィチの生涯を順に追う、ごく一般的な伝記映画といった風情である。マクシームらが語っている内容も、特に目新しいショスタコーヴィチ像を提示している訳ではなく、彼の生涯を一通り知っている人にとっては、ごく当たり前の話が当たり前のように展開されていくだけである。

しかし、いくつかの映像は、少なくとも僕は初めて見たものであり、いずれも短い断片とはいえ、非常に興味をそそられた。ショスタコーヴィチのカラー映像、「我が祖国に太陽は輝く」の演奏風景、バルシャーイ指揮の交響曲第14番(一つはネステレーンコ独唱、もう一つはミロシニコヴァとヴラジミロフか?)の映像などは、特に印象に残った。

折しも、バルシャーイが11月2日に逝去された。交響曲第14番はバルシャーイの経歴の白眉でもあるし、もし全曲の映像が残されているのであれば、何らかの形でリリースしてもらいたいものだ。

Part 1Part 2
Part 3Part 4
Part 5Part 6
Part 7
The Public & Private Voice of Dmitri Shostakovich

この動画には、全編を通じて歌曲の演奏が数多く挿入されている。しかし、室内楽曲が全く収められていないのはちょっと残念。やはりショスタコーヴィチの生涯を締めくくるのに、ヴィオラ・ソナタ以外の作品は考えられない。補遺という訳でもないが、YouTubeからヴィオラ・ソナタの映像を。「リクエストによる埋め込み無効」となっているので、以下のリンクからどうぞ。
ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ(ラフリン (Va)、ゴラン (Pf))

theme : クラシック
genre : 音楽

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フラグスタートのワーグナー/スヴェトラーノフのタネーエフ

  • フラグスタート・リサイタルVol.3(ワーグナー:オペラ・アリア集、ヴェーゼンドンク歌曲集、マーラー:歌曲集) フラグスタート (S) スヴァンホルム (T) クナッパーツブッシュ、ショルティ、ボールト/ウィーンPO フィエルスタート/ノルウェー国立放送O (Decca 480 1796)
  • タネーエフ:交響曲第4番、歌劇「オレステーヤ」より「デルファイのアポロ寺院」 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Waner 2564 69899-3)
  • タネーエフ:カンタータ第2番「詩篇の朗読」 コズローヴァ (S) コトーヴァ (A) アントーノフ (T) ベロークリンキン (B) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO、ユルローフ記念アカデミー・ロシア共和国cho (WCR 2564 69442-9)
かぶとやま交響楽団の第42回定期演奏会に、エキストラ出演することになった。プログラム中、ワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集は全く聴いたことがなかったので、音盤を物色しにTower Records難波店へ。目的の曲が決まっている場合は、ネットで検索して発注するのが楽なのだが、演奏者の名前だけで良さそうな音盤を選択できるほどワーグナーには親しみがないので、店頭在庫の中からという制約条件を付けて選んでみようかという、いわば消極的な動機である。1年近く店に足を運んでいなかったので、ポイントカードが期限切れ寸前だったことは会計時に気づいた。ほんの少しだけ得した気分。

店頭にあった数種類の内、ルートヴィヒ&クレンペラー盤とフラグスタート&クナッパーツブッシュ盤の2枚が目に留まった。どちらもワーグナーを得意とした演奏家であることくらいは知っていたので迷ったが、フラグスタートは一度も聴いたことがなかったことと、オーケストラがウィーンPOであることから後者に決めた。収録曲は、以下の通り:
【CD 1】
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「館の男たちがすべてこの部屋に集まっていました」(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「寒い冬の日々に私が憧れていた春こそあなたです」(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」より「ジークムントは私の名」(スヴァンホルム (T)、ショルティ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「ローエングリン」より「ひとり曇りし日に」(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「パルジファル」より「私はあの子が母の胸にすがるのを見た」(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」より「魂の昇華を願い炎に身を投げる壮大な鎮魂歌」(フィエルスタート/ノルウェー国立放送O)
【CD 2】
ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集(クナッパーツブッシュ/ウィーンPO)
マーラー:亡き児をしのぶ歌(ボールト/ウィーンPO)
マーラー:さすらう若人の歌(ボールト/ウィーンPO)
結論から言えば、大満足。技術的な安定感もさることながら、楽曲の隅々まで知り尽くした自信と余裕が全て音楽に対してプラスに作用した、まさしく名演である。原曲のピアノ版を知らないのでモットルによるオーケストレイション(第5曲「夢」だけはワーグナー自身の手による)の是非を論じることはできないが、編曲自体は何の変哲もない平凡なものであるにも関わらず、全曲通してありとあらゆる音に玄妙な陰影が施され、繊細かつ息の長い甘美な歌心には抗う術もなく惹き込まれてしまう。歌手とオーケストラの双方が極めて高い次元で寄り添って紡ぎ出す音楽は、ただひたすら美しい。

マーラーの歌曲集も名唱だが、やはり1枚目に収録されているワーグナーの楽劇からの抜粋が見事である。フラグスタートの気高い貫禄は、ワーグナーという名が持つ独特のイメージそのものと言ってよいだろう。それにしても、これが還暦過ぎの歌手による歌唱とは、俄かには信じ難い。

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せっかく店に入って、目的の1枚だけでわき目もふらずに帰るのはもったいない。スヴェトラーノフのオフィシャル・コレクションがワゴンに並んでいたので、何となくタネーエフの2枚を選んでみた。

知る人ぞ知る交響曲第4番は、ハ短調という調性とも相まって人工的な仰々しさが気にならなくもないが、陳腐すれすれの情感がそれを補って余りある佳品である。とりわけ緩徐楽章の美しさは、ラフマニノフの第2番、グラズノーフの第5番、ミャスコーフスキイの第17番などのそれと同じく傑出している。こういう曲をやらせたら、スヴェトラーノフの右に出る者はないだろう。第2楽章の綿々たる抒情は言うまでもなく、両端楽章の颯爽たる轟音の格好良さには惚れ惚れとする。

「デルファイのアポロ寺院」は、タネーエフの代表作である歌劇「オレステーヤ」の間奏曲。ワーグナーの「タンホイザー」序曲を彷彿とさせる、ロシア臭の薄い作品である。ロシアの野生味に満ちたオーケストラの威力がもの凄く、良くも悪くも楽曲そのものより演奏に対する興味の方が上回る。

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もう1枚は、カンタータである。「詩篇の朗読」という副題からも、多分に宗教的要素を意識した作品だろうことは推測できるが、器楽を用いていることから、実際にロシアの教会で奉神礼などの際に演奏されることを想定してはいないだろう。恐らくは、対位法を駆使した西ヨーロッパの宗教曲に倣って作曲されたのだろうと思われる。

甘美な旋律美は感じられるものの、ロシア色はそれほど強くなく、対位法の扱いなどにもタネーエフらしさが表れている。ただ、宗教曲という性格上、仕方のないことではあろうが、劇的な変化に富んだ構成……とは言い難く、魅力的な箇所が少なくないにもかかわらず、冗長さは否めない。

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tag : 作曲家_Wagner,R. 作曲家_Taneyev,S.I.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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