【YouTube】ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番(レーピン独奏/諏訪内晶子独奏)

YouTubeに、同世代のヴァイオリニスト2人によるショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲がアップされていた。両者共にこの曲を得意なレパートリーとしていることもあって楽しみにしつつも、まとめて視聴する時間を取りそびれていたのだが、ようやく聴き通すことができた。

まずは、レーピンである。2009年1月20日の記事で紹介した動画と同じP. ヤルヴィとの顔合わせで、第4楽章の冒頭がヴァイオリン独奏で始まる「原典版」を演奏している。

技術的な水準の高さもさることながら、舞台上の全奏者に君臨しているかのような存在感とスケールの大きな音楽は、文字通り王者の風格である。テンポも適切で、特に第2楽章は弾きとばすことなく、楽曲のグロテスクな佇まいが見事に表現されている。全体を通してクライマックスの設計が巧妙で、全く退屈することのない第1楽章や、聴き手を圧倒的に追い詰めていくかのようなカデンツァ、全てが際限のない狂気の渦に巻き込まれていく第4楽章コーダなど、その解釈に異論を挟む余地が皆無であるとすら思えるほど。

最上級の楽器がとにかくよく鳴る、レーピンの技術もまた驚嘆に値する。僕にとっては、ヴァイオリンの理想の音そのものだ。最高の傑作を、最高の音と演奏で聴く、最高の贅沢と言ってよい。

第1楽章第2楽章
第3楽章(1)第3楽章(2)~第4楽章
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
レーピン (Vn)、P. ヤルヴィ/パリO(2010年10月13日)


まだ桐朋学園大学に在学中だった頃の諏訪内晶子の演奏は、さすがに現在のレーピンの演奏と比べると音楽的な内容に格段の差がある。速いテンポで弾ききっただけにしか聴こえない第2楽章や、感傷的に過ぎる第3楽章などは、現在ではそういうアプローチも少なくないとはいえ、僕の好みではない。しかし、技術面での完成度は非常に高く、その点においてはレーピンよりも精度の高い箇所もあったりする。また、最上級の楽器から奏でられる最高の音は、諏訪内からも聴くことができる。なにより、彼女が最も輝いていた時期の初々しくも迷いのない演奏姿には、有無を言わさぬ魅力がある。

第1楽章第2楽章
第3楽章第4楽章
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
諏訪内晶子 (Vn)、十束尚宏/不詳
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

【録画】NHK交響楽団 第1690回定期公演/ブラームス ピアノ四重奏演奏会

  • ラヴェル:ピアノ協奏曲、リゲティ:ムジカ・リチェルカータより第1曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 エマール (Pf) デュトワ(指揮) (2010.12.15 録画 [NHK BS-hi(2010.1.30)])
  • ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番より第2楽章、ピアノ四重奏曲第1番 樫本大進 (Vn) 川本嘉子 (Va) 趙静 (Vc) 小菅優 (Pf) (2010.6.10 録画 [NHK BS-hi(2011.1.17)])
夜、子供に頼まれたガンプラを作りながら、撮りためていた録画を観た。

1年ほど前は、N響定期でショスタコーヴィチ作品が取り上げられる機会が多く、結構な頻度で録画した記憶があるが、今回は少し間隔が空いての登場、それも大好きな第8番とあって楽しみに視聴した。

流れが良く、いたずらに深刻ぶらない軽やかさを感じさせながらも多彩な表情やニュアンスが意味深さを感じさせる音楽、といった辺りがデュトワの目指した解釈であったように感じた。それは、デュトワのショスタコーヴィチ演奏に共通する姿勢でもある。N響は、技術的な困難をほとんど感じさせず、むしろ軽々と楽曲を演奏していたと言ってもよく、デュトワならではの流れの良さや軽やかさは十分に表出できていた。しかし問題は、多彩な表情やニュアンスといった要素に欠けていたことである。とりわけ管楽器は、とても達者に譜面を吹きこなしているにも関わらず、肝心の音が無味無臭。もちろん、録音による不利はあるにせよ、悪い意味でN響らしい演奏になってしまった。2005年にアシケナージの指揮でこの曲を演奏した時は、技術的にボロボロだったパートがあったりして、それと比較するならば文句無しに上質な演奏ではあったのだが、N響の能力に期待すればこそ、少々の物足りなさを感じた。エマールのラヴェルは、素晴らしかった。

樫本大進らによるブラームスのピアノ四重奏曲全曲演奏会から、2010年10月24日の記事で紹介した第2番に続き、第1番も放送されていたので録画して視聴してみた。有名曲でもあるし、全員がよくノった快演だった、と言いたいところであるが、時折、音楽の中に作為的な表情が聴こえるのが気になる上、全体に仕上げが粗いように感じられた。第3番は第2楽章のみだったが、こちらもやはり荒っぽい演奏。地上波で放送した第2番が、演奏会の白眉だったということなのだろう。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Brahms,J.

【YouTube】スクリャービン:交響曲第5番「プロメテウス」(スヴェトラーノフ指揮)

YouTubeで、絶頂期のスヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SOによるスクリャービンの動画を見つけた。エフゲニー・スヴェトラーノフのページをチェックしてみると、掲示板にこの動画の情報が投稿されていた。ピアノはリヒテルで、Russian Discなどからリリースされていた演奏と同一の可能性があるとのこと。僕は当該音盤を架蔵していないので、残念ながら確認はできない。

当時60歳のスヴェトラーノフに気取ったような身振りはなく、音楽同様の力強さを放出しながらも、むしろ淡々とした貫禄を感じさせる指揮姿である。もちろん、鳴り響く音楽はこのコンビならではのアクの強いもので、スクリャービンの醍醐味を本能的なレベルで愉しむことができる。オーケストラの中で弾くリヒテルの姿も興味深い。

スクリャービン:交響曲第5番「プロメテウス(火の詩)」
リヒテル (Pf)、スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO(1988年4月12日)

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Scriabin,A.N. 演奏家_Svetlanov,E.F.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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