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チェコ・フィルハーモニー木管アンサンブルのモーツァルト他

  • ショスタコーヴィチ:映画音楽「ミチューリン」、映画音楽「生涯のような一年」 M. ショスタコーヴィチ/モスクワ放送SO & Cho (Angel/Melodiya SR-40181 [LP])
  • J. S. バッハ:イギリス組曲第3番、ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガより第2番、スクリャービン:練習曲 Op. 8より第2、4、7、11、12番、ラフマニノフ:絵画的練習曲集「音の絵」よりOp. 39-2、33-3 ルガーンスキイ(Pf) (Melodiya C10 25787 002 [LP])
  • モーツァルト:ホルンのための12の二重奏曲、ホルン五重奏曲、オーボエ四重奏曲、5つのディヴェルティメント K.Anh.229より第1番(B-dur)、ディヴェルティメント第5番 チェコ・フィルハーモニー木管アンサンブル、チェコPO団員 (Supraphon 1 11 1671/2 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの6月到着分。

息子マクシームによるショスタコーヴィチの映画音楽は、定評のある名演。両曲共に既架蔵の録音だが、手元のLPには「生涯のような一年」の1箇所に針飛びのする傷があるため、他にめぼしい出品もなかったこともあってオーダーしたもの。見境なく昂奮するに任せたようなマクシームの音楽には、生理的な快感がある。


ルガーンスキイのアルバムは、14歳の誕生日を迎えて間もなくの演奏会のライヴ録音。彼が1994年のチャイコーフスキイ国際コンクールで第2位(最高位)を受賞する8年前である。A面は、バッハとショスタコーヴィチという選曲に師のニコラーエヴァの影が見えたり、颯爽と弾き飛ばす快楽に押し流されてしまう若々しさを感じなくもないが、B面のスクリャービンとラフマニノフは年齢を意識させない、文句無しに成熟した音楽である。


2006年2月10日のエントリーで紹介した、チェコ・フィルハーモニー木管アンサンブルによるモーツァルトのセレナード第10~12番を収録した2枚組CD(Supraphon COCQ-84088/9)の続編として制作された録音があったので、迷わずオーダー。同じく2枚組だが、こちらはマイナー曲が中心であり、弦楽器を交えた作品も収録されている。技術的には現代の奏者に及ばない箇所も少なくないが、ローカル色豊かな音は、残念ながら今では失われてしまったもの。明晰ではないが馥郁たる響きで端正に奏でられるモーツァルトは、隅々まで愉悦に満ちた音楽である。ホルン二重奏曲や2本のクラリネットとファゴットの三重奏曲のように演奏機会が少ない作品を、この音楽的水準で聴くことができるだけでもありがたい。また、現在では父レオポルドの作品と確定され、偽作としてケッヘル第6版からは除外されているディベルティメント第5番も、名奏者ケイマルをはじめとするチェコ・フィルのトランペット・セクションの魅力が存分に発揮された佳演。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Mozart,W.A.

NHK交響楽団第1751回定期公演/ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団ベートーヴェン交響曲セレクション

  • ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、ラフマニノフ:交響曲第2番 ムローヴァ (Vn) ウンジャン(指揮) (2013.4.13 録画 [NHK ETV(2013.6.9)])
  • ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番より第3楽章 ムローヴァ (Vn) エイブラモヴィック(Pf) (1994 録画 [NHK ETV(2013.6.9)])
  • ベートーヴェン:交響曲第3、4、5番 M. ヤンソンス/バイエルン放送SO(指揮) (2012.11.26 & 27 録画 [NHK ETV(2013.6.16)])
NHK Eテレの「クラシック音楽館」で6月に放送された2回分の録画を、ようやく視聴した。

ムローヴァのショスタコーヴィチといえば、プレヴィンの伴奏で録音したPhilips盤は、僕がショスタコーヴィチを本格的に聴き始めた当初の愛聴盤であったし、僕らの世代にとって東京Qの1st Vnは既に原田幸一郎ではなく、ピーター・ウンジャンであった。最も多感だった頃に聴き込んだ演奏家の姿を映像で観るのは、彼らがいまだに現役バリバリであるにも関わらず、どこか懐かしい感じがする。

ムローヴァは、90年代に古楽演奏から影響を受けた世代ならではのボウイングであるものの、ショスタコーヴィチということもあってか、かつての録音とそれほど大きな違いは感じない。音楽に柔和な表情が感じられる部分も増えたとはいえ、骨太のよく鳴る音を武器に、全体にクールな佇まいを崩さない彼女の演奏スタイルも、基本的に変わりない。過度の思い入れが排されていることが“新時代の”ショスタコーヴィチ解釈だった時代を想起させてくれるという点でも、どこか懐かしい感じのする演奏であった。技術的には申し分のない仕上がりで、カデンツァでの底鳴りのするような響きは、ソ連楽派最後の世代を代表する奏者ならではのもの。今では演奏頻度の高い人気曲だけに、オーケストラも手慣れたアンサンブルを披露していたが、ファゴットは不調だったようで気になった。

N響が演奏したラフマニノフの第2交響曲といえば、スヴェトラーノフによる2000年の名演を思い出すが、あれは団員の敬愛する老巨匠がお国物、しかも特別に愛情を抱いている作品を演奏するという特別な機会だったので、あの特別な高揚を同曲の全ての演奏に求める訳にいかないのは当然のこと。折り目正しくアンサンブルを整えながら、音楽の自然な流れを作り出し、品の良い歌を聴かせてくれるウンジャンの指揮は、いささか表面的な美感に傾倒しているようにも思えるが、それはそれで紛れもなくラフマニノフの特質であろう。こういうスマートであっさりした肌触りの演奏は、細部に緻密な工夫を施すことの多い近年では、むしろ懐かしさを感じさせる。もっとも、整っているものの燃焼度の低い弦楽器や、溶け合う素振りすら感じられない管楽器など、オーケストラ側の問題も少なくないとは思うが。

番組の最後に、20年前のムローヴァの来日公演の映像が流された。亡命直後のストイックな女流ヴァイオリニストといった印象から脱却し、幾分、女性としての奔放さも感じさせるようになった時期だったと記憶しているが、ボウイングに試行錯誤の過程らしき様子が窺えるものの、音楽表現自体は、良く言えばストイック、悪く言えば無表情なものに終始している。技巧的な切れ味は卓越しているだけに、曲目によっては美点にも変わり得る特徴ではあるが、ブラームスには不似合いだと感じた。

こうした、良くも悪くも懐かしさを感じさせてくれる演奏の後で聴いたM. ヤンソンス指揮のベートーヴェンは、必ずしも僕の好みではなかったが、それでも実に刺激的で愉しい音楽であった。なぜなら「モダン楽器のベートーヴェン」に対する一つの回答が、確立されているように感じられたからだ。それは、指揮者だけの成果ではなく、オーケストラが習得している現代的奏法があってこその成果であろう。たとえば「英雄」なんかは、もっとテンポが遅くて、もっとおどろおどろしく盛り上がるような古臭い演奏を求めたくなる気持ちは抑えられないのだが、ここに聴かれるM. ヤンソンスらの演奏の説得力ある清新な魅力を否定することはできない。

これら2つの番組を続けてみたことで、期せずして、演奏様式の明らかな転換期に居合わせていることを痛感させられた。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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