DSCH社の楽譜など

  • 映画音楽「リア王」 作品137より第58曲「ゴネリルとの食事」, DSCH, 2009.
  • 24の前奏曲とフーガ 作品87, DSCH, 2012.
  • 子供のノート 作品69, DSCH, 2005.
  • 人形たちの踊り Sans op. S(i), DSCH, 2013.
  • Дворниченко, О. И., Москва Кремль Шостаковичу, Текст, 2011.
いつも使っている業者が送料無料キャンペーンをやっていたので、未入手のままになっていた楽譜など数点を注文した。面白そうな楽譜も1点だけあるのだが、それは後日、別にエントリーしたい。

最近の円安ユーロ高もあって、DSCH社の新全集にはなかなか手は出ないが、ペーパーバックの普及版はそもそもの価格が安いので、こういう機会に買い揃えておきたいところ。「宮廷音楽」と題された、映画音楽「リア王」からの1曲は、2本のフルートとハープという編成。編曲物ではなく、全曲スコアからの抜粋である。演奏家からの需要がそれほど高いとも思えないのだが、それだけに一度絶版になったら入手困難になるかもしれない。その他の3冊は、いずれもピアノ独奏の有名曲。作品87は随分前に出版されていたが、中表紙のクレジットは“2012年”となっていた。刷りを重ねるに際して、細かな修正がなされているのかもしれない。

『モスクワ・クレムリン・ショスタコーヴィチ』というタイトルに惹かれて、本も一冊購入。還暦以降の公的(?)な書簡集みたいな構成で、写真ともども興味深そうな内容。当分の間は書棚の肥やしになってしまいそうなのが、我ながら慙愧に堪えないところ。


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シチェドリーンのピアノ曲、ヴェルストーフスキイのオペラ、R. シュトラウスの「カプリッチョ」全曲

  • シチェドリーン:ポリフォニーの手帳 シチェドリーン (Pf) (Melodiya C04685-6 [LP])
  • ヴェルストーフスキイ:歌劇「アスコーリドの墓」(抜粋) スミルノフ/モスクワ放送SO & cho.他 (Melodiya M10 47219 001 [LP])
  • R. シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」 ヤノヴィッツ (S) フィッシャー=ディースカウ (Br) シュライアー (T) プライ (T) ベーム/バイエルン放送O & Cho 他 (DG 445 347-2)
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの10月到着分は、2枚。今年に入って在庫リストの更新が2ヶ月に一度のペースになってからというもの、めっきり掘り出し物が減ってしまった感が否めないMikrokosmosだが、品揃えの傾向を考えると、私にとっては依然としてチェックを怠るわけにはいかない業者の一つである。

シチェドリーンの自作自演は、彼の代表作の一つに数えられる「ポリフォニーの手帳」全曲。表題通り多彩な対位法的手法に貫かれた25曲は、おそらくは相互に関連づけられた構造があるのだろうが、LPで漫然と聴いている限りでは、正直なところ、そこまで分からない。ショスタコーヴィチの作品87に通ずる雰囲気もあるが、響きの質やジャズ風な要素など、シチェドリーン以外の何者でもない美しさと面白さに満ちている。J. S. バッハなどの楽曲が引用されたり下敷きにされたりしているようだが、その辺りは不得手ゆえ、作品の面白さを味わい尽くしていない悔しさは残る。


ヴェルストーフスキイは、グリーンカ以前のロシア音楽を語る上で欠かすことのできない存在だが、彼の5作を数えるというオペラは、どれも聴く機会に恵まれないままだった。今回入手できた「アスコーリドの墓」は彼の代表作であると同時に、アメリカで上演された初のロシア歌劇でもあるらしい。

アスコーリドとはリューリクの家来でキエフを支配し、後に初代キエフ大公オレーグに殺害された人物で、その墓(と伝えられる場所)の上には現在、聖ニコラーイの教会が建てられている。と言っても、アスコーリドがこのオペラの題材となっているわけではなく、10世紀のキエフを舞台にした、王に誘拐・監禁されたヒロイン、ナデージダを若者が救出する冒険活劇とのこと。

抜粋版ということもあって、あまり楽曲の内容は気にせずに聴いたが、古典的なイタリア・オペラの書法に準じた佇まいは、いかにもグリーンカ以前のロシア・オペラだが、妙に哀愁のある旋律や和声進行など、後のロシア音楽を予感させるところは、たとえばパシケーヴィチやフォミーンとは一線を画している。後世の私達がロシア的だと感じる要素を、当時のアメリカ人がどのように感じたのか、興味のあるところだ。


話は変わるが、知人に誘われて、R. シュトラウスの歌劇「カプリッチョ」の前奏曲を演奏することになった。前奏曲単独では数枚の音盤を架蔵しているが、全曲は聴いたこともなかったので、この機会に入手してみた。

R. シュトラウス最後の歌劇に相応しく、全編通してとにかく美しい。中でも「月光の曲」は、私がこの世で最も美しい音楽だと思う曲だ。何が語られているのかが分からなくても、ただ音楽に身を委ねているだけで十分に満足できる。

とはいえ、「音楽が先か、詩が先か」という議論がこの歌劇の内容である以上、そうとばかりも言っていられない。歌詞や台詞もきちんと把握しておきたいところ。シュトラウスがクレメンス・クラウスと共同執筆したこの歌劇の台本は、しかし、言葉の量が多い。価格優先で輸入盤を選んだのを後悔している。地道に英語とドイツ語を読み解くより、DVDを入手して字幕に頼る方が早いかも。

前奏曲や月光の曲を単独で評価するならば、もちろんそれぞれに気に入っている演奏もあるが、このベーム盤は、ひとまず全曲盤として大きな不満を抱くようなことのない、水準の高い演奏である。まだ登場人物の性格を個別に把握していないので、歌手陣のそれぞれが適役かどうかは判断できないが、巧拙だけで言うならば、皆とても巧い。オーケストラも、楽曲の室内楽的テクスチャをよく整ったアンサンブルで見事に描き出している。

ただ、これは指揮者あるいは演奏者の個性なのかもしれないが、艶やかさに欠けるのが惜しい。あの戦争中に、しかも晩年を迎えていた老人が書いたとはとても思えないこの耽美的とすら言ってよい音楽は、いたずらに“枯淡の境地”で演奏されるべきではないと思う。

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今さらですが、9月の買い物(その2)

  • アウアー, L.・馬場二郎(訳):ヴアイオリン奏法, アルス, 1922.
  • Песни Нашего Кино 30-60е Годы, Композитор・Санкт-Петербург, 2003.
  • Рахманова, М. П. (сост.), Шостакович - Urtext, Дека-BC, Москва, 2006.
12月11日のエントリーの続き。といっても前日のことになるが、仕事を終えて夜に人と会うまでの小一時間、神保町で申し訳程度の買い物をした。

まずは古賀書店。大正11年発行の音楽書が目についたので、帰りの新幹線で読もうと確保。「オイジェヌ・エザア-エ」「ヴヰオートーン」って誰や?みたいな面白さもあるが、内容は現代においても普遍的な意義を持つ読み応えのあるもの。簡潔ながら、自分の悪癖を気付かせてくれる含蓄のある記述が少なくない。左手と右手の技術について一通りの解説がなされているが、それ自体はごく一般的な記述に留まっていると言ってよいだろう(もちろん、傾聴すべき指摘に満ちていることは言うまでもない)。

しかし、この本の真骨頂は、アウアー自身の楽歴を通して醸成された音楽感に関する記述である。確固たるそれがあってこそ、あれほどまでに個性豊かな弟子達を育てることができたのだと納得させられる。時代を感じさせるところもあるが、次の一節などは特に印象に残った。長くなるが、引用しておく:「傅説は、過去の死んだ形式主義を以て現在の生きた魂を壓倒いたします。實際、古典樂派の作品に對する解釋―其既定速度、其明暗法、其表現法等―に關するさうした固定的な觀念は總て形式的になつてしまひました。自分の個性を以つて生々した意味をそれ等の諸點へ與へた人達は、もう此世から消え去つて居るのです。今日の提琴家は、恰度一人の個人です。各々は、過去の人達と同じやうに、自分自身の途を持つて居ます。それ故、彼等は自分達が奏かなくてはならないと眞實と感じるやうに奏き、彼等が―そして私達が―理解する、通りの美を私達に與へてくれませう。私達は先づ、彼等をして、彼等自身を表はせませう。そして、決して、その意味を失つた規則に、その人達の演奏を拘束させないようにしてやらうではありませんか?彼れ等をして、藝術家が持つあの最もい個人の資質―彼自身の様式―を、過ぎ去つた日から傅へられて來た、既に薼に歸つて居る戒律で妨げなくてもすむように、自由にさせて置うではありませんか?美は、私達が是非共持たなければならない寶です。傅説は私達が必要なしとしなければならないものです。今假りに、一提琴家自身の音樂本能―彼の樂想の自由―が、『此樂曲は、二百年前には、かう云ふ風に演奏されたのであるから、今日も、斯様然々な形式では演奏されなければならないのである』と云ふ宣告書で困惑させられた場合、彼がこれから練習乃至は研究しようとする古い樂曲の意味に對して、何うして自分自身の解釋を下す事が出來ませう!」(pp.241~242)。

調べてみると、この本は同じく大正11年に荒川金之助訳(洋楽研究社)でも出版された後、阿部謙太郎訳で『新版 ヴァイオリン奏法』(平原社, 昭和15年)が出版されている。戦前においてもわが国でヴァイオリンが盛んに学ばれていたことを窺わせるが、平成10年にも内田智雄訳(シンフォニア)で復刊されていることからも分かるように、今なお多くの示唆に富む名著である。



次は、ナウカ・ジャパンへ。音楽書の棚に限定してチェックしたのだが、これといって目ぼしい物はなく、並んでいた楽譜をパラパラとめくっていると、「30~60年代の映画主題歌集」といった感じの楽譜を発見。大して期待もせずにページをめくると、1ページ目がショスタコーヴィチの「呼応計画の歌」。これは運命に違いないと、そのままレジへ。

収録曲は以下の通り:
  1. 呼応計画の歌/Песня о встречном(映画「呼応計画」より):ショスタコーヴィチ
  2. 陽気な連中の行進曲/Марш весёлых ребят(映画「陽気な連中」より):ドゥナエーフスキイ
  3. 何と多くの素敵な娘たち/Как много девушек хороших(映画「陽気な連中」より):ドゥナエーフスキイ
  4. 風よ歌え/Песня о веселом ветре(映画「グラント船長の子供たち」より):ドゥナエーフスキイ
  5. 船長の歌/Песенка о капитане(映画「グラント船長の子供たち」より):ドゥナエーフスキイ
  6. Спи, мой мальчик(映画「サーカス」より):ドゥナエーフスキイ
  7. Если Волга разольется(映画「Вратарь」より):ドゥナエーフスキイ
  8. 歌よ広がれ、この海原に/Лейся песня на просторе(映画「七人の勇者たち」より):プシコフ
  9. Тайга золотая(映画「Тайга золотая」より):プシコフ
  10. Тучи над городом стали(映画「銃をとる人」より):アルマン
  11. 三人の戦車兵/Три танкиста(映画「トラクター仲間」より):ポクラス兄弟
  12. モスクワの歌/Песня о Москве(映画「豚飼いと羊飼い」より):フレーンニコフ
  13. 愛を呼ばずとも/Звать любовь не надо(映画「わが愛」より):ドゥナエーフスキイ
  14. 抒情歌/Лирическая песенка(映画「四つの心」より):ミリューチン
  15. 暗い夜/Темная ночь(映画「二人の兵士」より):ボゴスローフスキイ
  16. 出発の時/Пора в путь дорогу(映画「空の忍び足」より):ソロヴィヨーフ=セドーイ
  17. 幸せな航海を/Потому что мы пилоты(映画「空の忍び足」より):ソロヴィヨーフ=セドーイ
  18. 昔ながらに/Каким ты был(映画「クバンのコサック」より):ドゥナエーフスキイ
  19. おお、カリーナの花が咲く/Ой, цветет калина(映画「クバンのコサック」より):ドゥナエーフスキイ
  20. 忘れないで/Не забывай(映画「Испытание верности」より):ドゥナエーフスキイ
  21. Молчание(映画「Веселые звезды」より):ドゥナエーフスキイ
  22. 小舟/Лодочка(映画「真実の友人たち」より):フレーンニコフ
  23. なぜ心はかくもかき乱されるのだろう/Что так сердце растревожило(映画「真実の友人たち」より):フレーンニコフ
  24. 主題歌/Песня верных друзей(映画「真実の友人たち」より):フレーンニコフ
  25. モスクワ郊外の夕べ/Подмосковные вечера(映画「スパルタキアードの日々」より):ソロヴィヨーフ=セドーイ
  26. 春はいつ来るのか、それは知らない/Когда весна придет, не знаю(映画「ザレーチノィ通りの春」より):モクロウーソフ
  27. Пять минут(映画「カーニバルの夜」より):レーピン
  28. Песенка о хорошем настроении(映画「カーニバルの夜」より):レーピン
  29. Романс Рощина(映画「Разные судьбы」より):ボゴスローフスキイ
  30. Песня выпускников(映画「Разные судьбы」より):ボゴスローフスキイ
  31. Веселый марш монтажников(映画「Высота」より):シチェドリーン
  32. 心さわぐ青春の歌/Песня о тревожной молодости(映画「遠い彼方へ」より):パフムートヴァ
  33. 白樺/Березы(映画「平和の始めの日」より):フラートキン
  34. Прощайте, голуби(映画「Прощайте, голуби」より):フラートキン
  35. 愛の歌/Песня о любви(映画「Простая история」より):フラートキン
  36. スヴェトラーナの子守歌/Колыбельная Светланы(映画「軽騎兵のバラード」より):フレーンニコフ
  37. Хорошие девчата(映画「娘たち」より):パフムートヴァ
  38. 古い楓/Старый клен(映画「娘たち」より):パフムートヴァ
  39. ヴォルガは流れる/Течет Волга(映画「ヴォルガは流れる」より):フラートキン
  40. 友の歌/Песня о друге(映画「埠頭への道」より):A. ペトローフ
  41. Песня о голубых городах(映画「Два воскресенья」より):A. ペトローフ
  42. モスクワを歩く/Я шагаю по Москве(映画「モスクワを歩く」より):A. ペトローフ
  43. Ты не печалься(映画「Большая руда」より):タリヴェルディエフ
  44. 別れのワルツ/Вальс расставания(映画「女たち」より):フレーンケリ
  45. ロシアの曠野/Поле(映画「予期せぬ出来事」より):フレーンケリ
  46. 主題歌/Главная песня (Обыкновенное чудо)(映画「ありふれた奇跡」より):グラトコフ
  47. 名も無き丘の上で/На безымянной высоте(映画「Тишина」より):バースネル
  48. 祖国は何から始まるか?/С чего начинается Родина?(映画「楯と剣」より):バースネル
  49. ついこの間のこと、ずっと昔のこと/Это было недавно, это было давно(映画「友と歳月」より):バースネル
この一覧では、Googleで検索して簡単にヒットするような日本語訳がある場合のみ、日本語で曲名や映画のタイトルを記しておいた。映画の内容が分からないままに適当な訳をつけることに意味はないと考えるからだが、ここで何より大切なのはロシア語タイトル。これをYouTubeの検索窓にコピペすれば、全ての歌を聴くことができる。私なんかは聴いたことのない曲の方が多かったが、映像を観れば一目瞭然、ロシアはもちろんのこと、日本でも愛唱されてきた歌ばかりであることが分かる。いずれ劣らぬ魅力的な歌ばかり。是非、それぞれにお気に入りの一曲を見つけていただきたい。


この後、久し振りに会う知人と軽く一杯。ご厚意で本を頂いた。いまだに目次と写真をざっと眺めただけ。早く、ロシア語をすらすら読める語学力を身につけたいところ。

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : USSR大衆歌曲.

今さらですが、9月の買い物

  • ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲全集、アポステル:弦楽四重奏曲第1番 ラサールQ (DG POCG-2933/4)
  • ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」、アレーンスキイ:弦楽四重奏曲第1番 アンサンブルSAKURA (EMI PCDZ-1498)
  • ヴィヴァルディ:調和の霊感 Op. 3 ミケルッチ (Vn) イ・ムジチ合奏団 (Philips PHCP-9141~2)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 山田一雄/日本フィルハーモニー交響楽団 (Tower Classical TWCO-1011)
音楽と全く縁遠い日々を送っているわけではないのだが、そもそもメモ書き程度のエントリーしかしていないこのブログにすら、11月はただの1件も書き込むことができなかった。何だか気力の衰えを感じる今日この頃。厄年を過ぎるというのは、こういうことなのか。

さて、いつにも増して今さらな話題。9月の頭に東京に行った際、久し振りにディスクユニオン御茶ノ水店を覗いてみた。時間があまりなかった上に、これといった目当てもなかったので、CD限定で予算5,000円という自主規制をかけて選んだのが、この4枚。

ラサールQのツェムリンスキーは、学生時代の先輩に借りて面白く聴いた記憶があるものの、買いそびれている内に入手しづらい状況になっていた。現時点でも、国内盤はおろか輸入盤でも廃盤状態のような気がする。せっかくなので、日本語で解説が読める国内盤をチョイス。“現代音楽のエキスパート”という印象のわりに、実は暑苦しい情緒過多な演奏をすることも多いラサールQにとって、ツェムリンスキーの音楽は相性が良いのだろう。独特の和声感覚と最後期ロマン派的な雰囲気を堪能した。レーガーやプフィッツナーの四重奏曲と同じく、実演で頻繁に取り上げられることは今後もないだろうが、有名曲のカップリングといった形でもいいので、近年の若い団体の演奏も聴いてみたいところ。



アレーンスキイの弦楽四重奏曲は、食指が動くような音盤に巡り合えなかったこともあり、これまで未聴であった(第2番第2楽章の弦楽合奏版だけは架蔵している)。日本の誇る(録音当時)若手弦楽器奏者達(篠崎史紀、鈴木理恵子、小林秀子、金木博幸、川本嘉子、藤森亮一)を集めたアルバムは、ライナーを読むと(株)あ佳音がアレーンスキイの弦楽四重奏曲を録音するために企画されたもののよう。弦楽四重奏曲のアルバムなのにVaとVcが2人ずついるのは、第2番の編成を想定しているからなのだろう。当然のことながら、アレーンスキイの2曲だけを収録したのでは売れ行きが見込めないので、それぞれ別の有名曲をカップリングして2枚のアルバムが制作されたとのこと(2007年には、結局、アレーンスキイだけを集めた形で再発されている)。真摯で伸びやかな演奏は、技術的に清潔であることもあって、極めて爽やかな印象である。他に競合盤がないこともあるが、アレーンスキイに関しては名盤と言ってもよいだろう。もちろん、ドヴォルザークも悪くない。


お稽古曲の定番、ヴィヴァルディの作品3-6を息子が発表会で弾くことになり、CDを聴かせてやろうと思ったら、ただの1枚も持っていないことに気付いた。お稽古目的なので何のひねりもなく、イ・ムジチ盤を。ミケルッチ独奏を選んだのはこだわりがあったわけではなく、それしか店頭在庫がなかったから。年寄りと馬鹿にされそうだが、改めて聴くと、この(今となっては)古めかしい演奏スタイルには懐かしさ故の安心感と心地よさがある。



言うまでもなく“ショスタコーヴィチ”の棚は真っ先にチェックしたが、大半が既架蔵の古い音盤ばかりで、購入意欲が萎えてしまった。とはいえ、ショスタコーヴィチ作品を1枚も買わないのは気がひけたので、複数枚が並んでいたヤマカズの「革命」を申し訳程度に確保。率直に言って際物的な興味しかなく、さしたる期待もせずに聴いたのだが、これがなかなか面白かった。完全に後期ロマン派の交響曲として解釈された演奏である。旋律は、それがたとえ断片的であっても全力で歌い込まれ、あらゆる和声は万感の想いで掻き鳴らされる。感情的な高ぶりと共にテンポは揺らぎ、スコアの神経質なテクスチャは茫洋としたうねりに置き換えられる。全くもって正当なショスタコーヴィチ解釈とは言えないが、言下に否定するのが憚られる、独特な説得力がこの演奏にはある。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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