【演奏会のお知らせ】シュペーテ弦楽四重奏団 第4回公演

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私が参加している弦楽四重奏団が、下記の要領で第4回公演を行います。本番まで一ヶ月を切り、直前のご案内となってしまいましたことをお詫び申し上げます。

 
シュペーテ弦楽四重奏団 第4回公演
Das Späte Quartett
 
2014年4月12日(土):開場13時30分・開演14時
  日本福音ルーテル西宮教会 (西宮市宮西町4-19)
  ※阪神本線「香枦園」下車 夙川東土手北へ30m 徒歩1分
  ※阪急神戸線「夙川」下車 夙川東土手南へ700m 徒歩7分
  ※JR神戸線「さくら夙川」下車 夙川東土手南へ500m 徒歩5分
後援:西宮市・西宮市文化振興財団・京大音研同窓会
 
2014年4月26日(土):開場13時30分・開演14時
  聖アグネス教会 (京都府京都市上京区烏丸下立売角)
  ※京都市営地下鉄烏丸線「丸太町」下車 徒歩3分
後援:京大音研同窓会
 
石金 知佳(Tomoyoshi Ishikane):Violine
工藤 庸介(Yosuke Kudo):Violine
森住 憲一(Ken 1. Morizumi):Viola
金山 秀行(Hideyuki Kanayama):Violoncello
 
プログラム
 F. J. ハイドン:弦楽四重奏曲第72番 ハ長調 作品74-1(Hob.III-72)
 L. v. ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 作品133
 W. A. モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番 ト長調 KV 387
 
入場無料

シュペーテ弦楽四重奏団は、2009年8月に結成し、2011年9月に第1回、2012年4月に第2回、2013年4月に第3回の公演を行いました。シュペーテ(späte)とは、ドイツ語で「後期の、晩年の」といった意味の形容詞です。弦楽四重奏団としては邪道でしょうが、チェロ以外の3人はパートを固定していません。

今回は、ハイドンが「工藤 (Vn 1)-石金 (Vn 2)-森住 (Va)-金山 (Vc)」、ベートーヴェンとモーツァルトが「石金 (Vn 1)-工藤 (Vn 2)-森住 (Va)-金山 (Vc)」というパート割りで演奏します。

入場は無料で、整理券等はありません。両会場ともに最大150席程度の座席数です。

イースターの日程の関係で、両公演の間隔が若干空きますが、ご都合のよろしい日に足をお運びいただけると幸甚に存じます。

今年は寒い日が続いていますが、西宮公演の時には、会場に至る夙川沿いの土手の桜がちょうど綺麗に咲き誇っていることと思います。また、京都公演の会場は京都御所のすぐ横です。年度初めの週末でお忙しいとは思いますが、花見の散歩がてら、万障お繰り合わせの上、皆様お誘い合わせて足をお運びいただけましたら幸いでございます。
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NHK交響楽団第1768回定期公演

  • リャードフ:魔法にかけられた湖、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番、チャイコーフスキイ:交響曲第5番 諏訪内晶子 (Vn) ソヒエフ(指揮) (2013.11.20 録画 [NHK ETV(2014.2.2)])
  • モーツァルト:レクイエム(バイヤー版&レヴィン版)より「アニュス・デイ」「ルックス・エテルナ」 アバド/ルツェルン音楽祭管弦楽団 バイエルン放送合唱団 スウェーデン放送合唱団 (2012.8.10 録画 [NHK ETV(2014.2.2)])
NHK Eテレの「クラシック音楽館」で2月頭に放送されたN響定期公演を、ようやく視聴した。録画したことで満足してそのまま放置してしまうのは、悪い癖だ。保存するにしても、できるだけリアルタイムで視聴するようにしないといけない。放送後、このブログへのアクセスが若干増えていたようだが、せっかく気にしていただいた方には大変申し訳なく思っております。

さて、若手の注目株の一人、ソヒエフの演奏を聴くのは、これが初めて。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番の映像が地上波で流れるというだけの理由で観てみたので、演奏はおろか、実はソヒエフという名前を聞いたのも初めて。

冒頭のリャードフから、透明感のある静かな響きに耳を奪われる。ただ単に弱音に耽溺しているだけではなく、低弦の動きには生々しい情感が感じられ、静謐な音楽ながらもロシア音楽らしい濃口の抒情にも不足しない。味わいのある複雑な表情が、全体としては端正な佇まいの中に収められており、とても立派で素晴らしい演奏であった。

ショスタコーヴィチも、同様の印象。ただし、こちらは少々、安全運転だったのが惜しいところ。諏訪内も楽譜を見ながらの演奏だったが、確かにアンサンブルに罠の多い曲なのでソロもオケも心のどこかに不安を抱きながらの演奏だったのかもしれない。とはいえ、諏訪内の鋭さを伴った澄んだ響きはソヒエフが引き出すオーケストラの響きとよく合っており、自然な一体感のある聴き応え十分な出来であった。ただ、特に第2楽章で内的な燃焼度に欠けるように感じられたのは残念。表面的にクールであることは悪くないが、張り詰めたテンションの高さが最晩年のショスタコーヴィチ作品には必要であるだけに、いささかの不満は残った。もちろん、実演で音楽的にも技術的にもこの水準に達した演奏というのは、そうめったに接することはできないだろうが。

チャイコーフスキイの第5番は、指揮者もオーケストラも自家薬篭中のレパートリーと言ってよいのだろう。テンポはより自在に伸縮しつつも、全曲を通して一本筋の通った緊張感は見事。知情意のバランスが優れているのだろう。スマートな全体像はいかにも現代的だが、コントロールされつつも柄の大きな情感も十分で、節度を保った音楽作りにもかかわらず、非常な熱気に溢れた音楽に仕上がっていたのが面白い。

演奏会全体を通して、惰性で流すことの少なくないN響の隅々までが、明確な意思を持って演奏に参加していたように見え、最近聴いた中では断トツで綺麗な音を出していたことは、特筆に値するだろう。ソヒエフという指揮者の統率能力の高さが存分に示されていたことに感心した。今後の活躍にも注目していきたい。

放送時間の残りは、本年1月20日に逝去されたアバドの追悼映像。私が音楽を熱心に聴き始めた頃はいつまでも若手の雰囲気を持つ才能のある中堅といった感じだったアバドが、紛れもない巨匠として天寿を全うされたことに、時の流れの速さを痛感する。痛々しいほどに老いたアバドの指揮姿は、しかし不思議と往年の若々しさを感じさせ、その音楽は老成という形容は相応しくない溌剌とした生命力に満ちている。合掌。

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ピアノによるマーラー交響曲集


大井浩明、法貴彩子 (Pf)
  • マーラー(ヴェス編):交響曲第4番 G-dur
  • マーラー(ツェムリンスキー編):交響曲第6番 a-moll
  • ショスタコーヴィチ(アトヴミャーン編):交響曲第5番 d-moll Op.47 より第4楽章【アンコール】
  • 大野雄二(神内敏之編):ルパン三世のテーマ'79【アンコール】
2014年3月2日(日) 山村サロン
自宅の近所であるにもかかわらず、今まで足を運べずにいた山村サロンでの大井氏の演奏会に、今回初めて聴きに行くことができました。既にネット上でもいくつかの評が出ていますし、学生時代の縁で個人的に少々存じ上げている演奏家なので、太鼓持ちのようなエントリーにならないよう、聴きながら思ったことを簡単に箇条書きで列記するに留めておくことにします(私なんかに太鼓を持たれても、嬉しくもなんともないでしょうが)。
  • ピアノによるマーラーの交響曲の演奏、ということで、ピアノ・リダクションの意義やピアノという楽器の持つ可能性などが議論の焦点となるべきかもしれないが、ピアノ音楽にもマーラーにも明るくない私にとっては、純粋に2曲の交響曲を聴いたという印象。
  • 具体的な技術論は全くできないが、明らかに実際の楽器配置を念頭に置いた響きの処理の見事さが、この印象に大きく寄与しているのだろう。
  • 編曲の良し悪しもあるのかもしれないが、第4番の鷹揚な歌よりは明らかに第6番の振幅の大きな慟哭の方が演奏者のキャラクターにも合っていたようで、聴き応えは断然後半の第6番に軍配が上がる。
  • リダクションだと曲の構造がよく分かる、といった類の意見には必ずしも同意しない(多様な楽器による多彩な響きが曲の理解を助けることだってあるだろう)が、演奏者が少ないことによる意思の徹底や緊張感の持続といった点で、オーケストラに勝ると感じられる瞬間も少なからずあった。たとえば、第6番の第1楽章が終わって、そのテンションのまま第2楽章が始まったところなど。
  • アンコールのショスタコーヴィチは、さすがにオーケストラでは実現が困難なべらぼうに速いテンポが秀逸。ショスタコーヴィチの作品の大半は、速ければ速いほど良いと考えている(少々乱暴な言い方ではあるが)私にとっては、イメージ通り。また、メトロノームの数字で指示されるテンポの変わり目の前後にアッチェレランドやリタルダンドの指示があまりないこともショスタコーヴィチの特徴だが、オーケストラでは滑らかにテンポを変化させる、あるいは変化せざるを得ないことが多いのに対し、階段関数のように不連続にテンポが上がっていくのも痛快で刺激的だった。
  • もう一つのアンコールは、「1970年代後半の日本の現代作曲家の作品」という紹介で「ルパン三世のテーマ'79」(このフレーズは学生時代にサークルの例会で「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌を大井さんが弾いた時にも言っていたのを記憶しています)。この編曲の楽譜はネット通販で入手可能で、YouTubeなどで実際に演奏されたものを聴くこともできるが、この日の演奏は、それら凡百の演奏とはあらゆる点で異次元の出来。まだまだ弾き足りないと言わんばかりの演奏者の姿は、なるほどこれだけの技術とバイタリティがなければ、長大な交響曲を並はずれた説得力で弾き通せないのだということを納得させるに足るもの。

演奏会全体を通じて、「楽しかった」というのが偽らざる感想。やや気取った雰囲気の会場ながら、ヲタク臭を隠そうともしないやや高めの年齢層の聴衆が放つ熱気というのも、なかなかのものでした。

ただ、しまいには聴衆があからさまに苦笑いするほどの顔芸を披露しつつ、悉く譜めくりに失敗しまくっていた譜めくりの方には、いくらお綺麗な若い女性とはいえ、苦言を呈しておきたい。演奏者が密かに不満に思う程度ならばいざ知らず、あれは演奏会そのものをぶち壊しにするレベル。今後、二度と譜めくりの仕事はお受けにならない方がいい。

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父ヤーンソンスのショスタコーヴィチ8番、ゴールドベルク&ヒンデミットのモーツァルト

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 A. ヤーンソンス/ベルリン放送SO (Weitblick SSS0147-2)
  • ベートーヴェン:セレナード、モーツァルト:二重奏曲第1&2番 ゴールドベルク (Vn) リドル、ヒンデミット (Va) フォイアマン (Vc) (グリーンドア音楽出版 GDFS-0015)
久し振りにHMV ONLINEで買い物。

まずは、アルヴィド・ヤーンソンスという大物指揮者によるショスタコーヴィチの交響曲、それも第8番という大作の初出音源ということで、リリース時にはそれなりに話題になった一枚。ロシア系指揮者となれば八方破れの爆演を期待してしまうところだが、アルヴィドは元来、奇を衒うことのない端正な音楽作りにその美質がある。この演奏は、ドイツのオーケストラということもあってか、その側面が強く意識される格調の高い立派な演奏。ショスタコーヴィチ特有の息の長い劇的構成を適正に把握したアルヴィドの手綱捌きは、巨大でありながらも長大とは感じさせない密度の濃い音楽の運びを実現している一方で、堅実な解釈の積み重ねによって細部の説得力も決してないがしろにされていない。第4楽章以降の静謐の中に強い意志を持った感情の大きなうねりが心を打つ。ただ、オーケストラの響き故にロシア色が後退しているせいか、全体に地味な印象は否めない。この辺りが、リリース後にほとんど話題にならなかった理由なのだろう。

HMVジャパン


かつての恩師から「ゴールドベルクとヒンデミットが弾いたモーツァルトのデュオを、もう一度聴きたい」と頼まれたのが、今回の買い物のきっかけであった。歴史的名盤として知られているにもかかわらず、そういえば今日に至るまで一度も聴いたことがなかったので、この機会に入手しておこうと検索をかけたのだが、すぐには現役盤が見つからなかった。ヴァイオリンかヴィオラを嗜んでいてアンサンブルに多少なりとも関心を抱く者ならば、真っ先に出会うはずの作品だが、一般的には秘曲の域を出ないということなのだろうか。少し調べて、グリーンドア音楽出版からリリースされているSP盤起こしの復刻盤を見つけた。

馥郁とした雰囲気には時代を感じなくもないが、それはサーフェイスノイズの奥から聴こえてくる音質故の印象のような気もする。現代の奏法とは明らかに異なるが、フレーズの処理などの基本的な解釈は現代においても模範的な折り目の正しい演奏である。生真面目ではあるが格調の高い高貴な音楽は、今なおこの名品の最高の演奏と言ってよいだろう。第2番におけるヒンデミットの存在感も素晴らしいが、第1番で聴かれるリドルの美音も極めて印象的である。

ベートーヴェンの作品8は復刻の機会に恵まれた録音であり、既に架蔵済みであるが、これもまた録音の古ささえ気にしなければ真っ先に挙げられるべき名演。

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前線のための歌

  • 27のロマンスと歌 Sans op. J(ii), Композитор・Санкт-Петербург, 2005.
  • ショスタコーヴィチ:「前線のための歌」(27のロマンスと歌) Russkaya Conservatoria Chamber Capella (Toccata Classics TOCC 0121)
よく利用する楽譜の通販サイトで、「前線のための歌」という表題がつけられたショスタコーヴィチ名義の楽譜を見つけた。商品説明を読むと、大衆歌曲などの編曲が収録されているような雰囲気だったので、おそらくはその内の数曲がショスタコーヴィチによるのだろうと、さほど期待もせずに注文してみた。

届いた楽譜を見ると、全27曲がショスタコーヴィチが編曲したヴァイオリンとチェロの二重奏による伴奏で歌われる歌であった。もちろん「前線のための歌」という表題で知られる歌曲集はないし、いかにも大祖国戦争時の慰安用の音楽だと思われたので、半ば書き捨てられたような譜面を発掘して出版したものだろうとロクに調べもせずに、漫然と譜面や解説に目を通してみた。

その後、何気なくヒュームのカタログを見てみたら、「27のロマンスと歌」としてSans op. J(ii)という番号まで振られている曲集(?)であることを確認。すぐに思いが至らなかったのは不覚の致すところ。録音もないだろうと思っていたら、この出版譜に基づく録音が既にリリースされていた。実はこのアルバム、存在は知っていたのだが、タイトルやジャケットの雰囲気から勝手に「8つのイギリスとアメリカの民謡」Sans op. M辺りを中心にした内容だろうと思い込んで、きちんとチェックしていなかった。色々と大失態である。



慌ててCDも入手して、27曲の内容を整理してみた。ストーリー性を持った連作歌曲ではないので、楽曲の順番にさして意味はない。以下は、出版譜の順番に並べ、【】内にヒュームのカタログに記載されている順番を「H○」、CDの収録順を「Track ○」として示す:
  1. 【H26-Track 24】ポクラス:別れ
  2. 【H25-Track 25】ポクラス兄弟:嵐の雲ではない(映画「労働者の息子たち」より)
  3. 【H19-Track 27】ブラーンテル:シチョールスの歌
  4. 【H24-Track 26】ミリューチン:私たちに触れるな(映画「Митька-Лелюк」より)
  5. 【H27-Track 19】プリッツカー:少女の歌
  6. 【H23-Track 21】ドゥナエーフスキイ:なんと偉大な!(映画「ベートーヴェン・コンサート」より)
  7. 【H22-Track 22】ドゥナエーフスキイ:風よ歌え(映画「グラント船長の子供たち」より)
  8. 【H20-Track 23】ドゥナエーフスキイ:海の歌
  9. 【H21-Track 20】ドゥナエーフスキイ:アニュタの歌(映画「陽気な連中」より)
  10. 【H3-Track 4】ヴェッケルラン:ママ、愛って何?
  11. 【H1-Track 2】ベートーヴェン:満たせ杯を、わが友よ(25のスコットランドの歌より)
  12. 【H5-Track 1】ロッシーニ:アルプスの羊飼いの娘(「ソワレ・ミュジカル」より)
  13. 【H2-Track 3】ビゼー:ハバネラ(歌劇「カルメン」より)
  14. 【H4-Track 5】レオンカヴァッロ:アルレッキーノのセレナード(歌劇「仮面舞踏会」より)
  15. 【H6-Track 18】ヴェルストーフスキイ:ジプシーの歌
  16. 【H9-Track 11】グリリョーフ:小さなサラファン
  17. 【H8-Track 10】グリリョーフ:おかあさんに話しましょう
  18. 【H13-Track 14】ダルゴムィーシスキイ:熱病
  19. 【H12-Track 15】ダルゴムィーシスキイ:グラナダは霧に包まれ
  20. 【H10-Track 16】ダルゴムィーシスキイ:私たちの通りのように(歌劇「ルサールカ」より)
  21. 【H11-Track 17】ダルゴムィーシスキイ:コミック・ソング(歌劇「ログダーナ」より)
  22. 【H14-Track 6】ムーソルグスキイ:ゴパーク
  23. 【H16-Track 7】ムーソルグスキイ:ヒーヴリャの歌(歌劇「ソローチンツィの定期市」より)
  24. 【H15-Track 8】ムーソルグスキイ:パラーシャのドゥムカ(歌劇「ソローチンツィの定期市」より)
  25. 【H17-Track 9】リームスキイ=コールサコフ:ノルマンの商人の歌(歌劇「サドコー」より)
  26. 【H18-Track 12】イッポーリトフ・イヴァーノフ:岩の上に座る
  27. 【H7-Track 13】グラク=アルテモヴシクィイ:カラースとオダールカの二重唱(歌劇「ドナウ川のコサック」より)
まだきちんと精読した訳ではないが、楽譜の解説はロシア語のみだが、CDの英語解説は基本的に楽譜のそれに基づいている。楽曲の情報としては、CDを入手すれば十分であろう。

前線の兵士の慰安用という用途を考えても、これらの楽曲の選択が「よく知られている」という基準によることは言うまでもない。ただ、オペラのアリアなどは、必ずしも高級将校ではない一般の兵士に膾炙していたとは思えないが、少なくとも著しく難解で退屈するような歌は皆無である。ピッツィカートを多用した伴奏は、ギター風の響きを模したものだろうが、ギター一本の方がその目的のためには身軽で移動しやすいはずなのに、わざわざヴァイオリンとチェロの二重奏としたのは、おそらく具体的な音楽家のグループが想定されていたということなのだろう。

弦楽器二本という少ない編成にもかかわらず、それなりに広がりのある響きが生み出されているのは、ショスタコーヴィチの職人的な手腕を示すもの。ただし、演奏の難易度は決して低くはない。相応の技量を有した一流の演奏家が演奏したに違いない。

Russkaya Conservatoria Chamber Capella(適切な日本語訳が分からなかった)の演奏は、雰囲気も技術面も十分に満足できる水準である。繰り返しの一部が省略されているが、全く同じものを3回以上も繰り返して聴く必要はないので、妥当な処理だろう。とても楽しい音楽であることは確かだが、ショスタコーヴィチの作品として重要な位置を占めるものでないことも確か。本作品の録音が今後も定期的になされるとは考え辛い。場合によっては唯一の資料となる可能性もあるので、興味のある方は入手可能な内に確保されることをお勧めする。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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