久々のショスタコ三昧

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 マズア/フランス国立O (Naïve V 5071)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第10番、グラナート:管弦楽のための歌と舞曲「劇場的動物譜」 ビシュコフ/ケルンWDR SO (Avie AV 2137)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 クライツベルク/モンテカルロPO (OPMC 005)
  • グラズノーフ:ヴァイオリン協奏曲、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 S. ロジデーストヴェンスキイ (Vn) G. ロジデーストヴェンスキイ/ロシア国立シンフォニー・カペラ (Nimbus Alliance NI 6123)
  • ショスタコーヴィチ:コンチェルティーノ、タランテラ、陽気なマーチ、2台のピアノのための組曲、3つの幻想的な舞曲、バレエ「黄金時代」よりポルカ、ピアノ・ソナタ第2番 ラウル、サンドレル (Pf) (Nothern Flowers NF/PMA 9941)
  • ステツェンコ:Mylist Spokoju、ショスタコーヴィチ(バルシャイ編):室内交響曲、スヴィリードフ:?、タネーエフ:カンタータ「聖イオアン・ダマスキン」より アッフォルテル、ブリュックナー(朗読) プリッシュ/ベルリンPO弦楽アンサンブル、クレド室内cho (IPPNW-Concerts 73)
仕事帰りにディスクユニオン 大阪クラシック館へ。今回は、ショスタコーヴィチ限定で探索。買いそびれている音盤が山ほどあるので、買うものがない、なんて心配は無用。

マズアの「レニングラード」は、常任指揮者であった当時のニューヨーク・フィルを振ったライヴ盤があるが、本盤はその約10年後にフランスのオーケストラを振ったライヴ盤である。ニューヨーク・フィル盤に感じた物足りなさや不満が全て解消されているばかりか、流麗でありながらも共感に満ちた高揚感が素晴らしく、ショスタコーヴィチの作品に対する受け止め方が同時代の音楽から古典へと変化しつつあった、時代の過渡期を象徴するような名演。オーケストラの熱気も凄まじい。


ビシュコフとケルン放送響とのショスタコーヴィチ・シリーズは目につけば買っていたのだが、なぜか第10番だけ買いそびれている内にHMV ONLINEでは販売終了してしまった。その容姿のせいか、実力に見合った人気を得ていないようにも思えるが、しかしこの第10番は聴き応えのある充実の秀演である。颯爽とした流麗な音楽ながらも、フレーズの持つ多彩な表情や苦い味わいなどが丹念に表出されている。 上記マズア盤と同時期(生誕100年のアニバーサリーの頃)の録音だが、ビシュコフ盤は現在に通じる新たな演奏様式の先駆けとして位置付けることができるかもしれない。


2011年に51歳の若さで逝去されたクライツベルクは、ビシュコフの弟。本人が会心の出来、と語ったと伝えられるこの演奏は、スマートな音楽の流れと過不足のない盛り上がりが確かに素晴らしい。標題に伴う思い入れの類をことさらに強調することのない、それでいて十分に熱い演奏である。オーケストラがもう少し強力であれば、申し分のない名演となっていたかもしれない。


ロジデーストヴェンスキイ親子によるヴァイオリン協奏曲集は、巨象のダンスを思わせるような父ゲンナーディの音楽を強く反映したような息子サーシャのヴァイオリンが面白い。顔は母ポーストニコヴァ似で、音楽性は父親似、といったところか。これはこれで一つの解釈ではあるが、両曲ともに“快刀乱麻を断つ”側面も楽曲の魅力の内なので、それが損なわれているのは残念。サーシャのヴァイオリンは、時折耳障りな音色がするのが気になるが、この程度の作品であれば演奏上の困難さを一切意識させない程度には技術的に十分。


「2台のピアノのための作品全集」は、そもそも2台ピアノの作品数が少ないために独奏曲も3曲収録されている。いずれも硬質なタッチで勢いを感じさせる楽しい演奏である。ソナタ第2番も含めて、過度に深刻ぶらず、また情緒に溺れ過ぎないバランス感覚が好ましい。録音がそう多くないこれらの作品のリファレンスとして、音楽的にも技術的にも満足な内容である。



核戦争防止国際医師会議(IPPNW)が東日本大震災の直後(2011年4月26日)にベルリンで行った「チェルノブイリ・コンサート 2011」は、2枚のCDとしてリリースされている(演奏会全体の映像もDVDとなっている)が、その1枚目はショスタコーヴィチの室内交響曲(バルシャイ編)を中心にした一種のミサ仕立ての構成となっている。朗読と聖歌(風)の合唱曲の合間に、各楽章が演奏される構成はなかなか秀逸で、全編に渡って敬虔な雰囲気に満ちている。ショスタコーヴィチが意図したのとは異なる楽曲の扱いではあろうが、ベルリンPOのメンバーによる万全の演奏は一聴の価値がある。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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