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ユーリィ・エゴロフの放送録音集

  • 「ルブリンのヤンのタブラチュア」から(クラコヴィエンシス:Alia poznanie、Hayducki、作者不詳:Preambulum)、作者不詳:Przez Twe swiete zmartwychwstanie、Cantio polonica、チェルノホルスキー:トッカータ ハ長調、フーガ ニ長調、フーガ イ短調、リーネク:前奏曲 ハ長調、クハシュ:ファンタジア ト短調、スメタナ:6つの前奏曲より第3&4曲、ドヴォルザーク:前奏曲とフーガより第1曲(前奏曲)、第6曲(フーガ)、ヤナーチェク:グラゴル・ミサより第7曲「オルガン独奏(後奏曲)」、ショスタコーヴィチ:歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」よりパッサカリア(第2幕第4場から第5場への間奏曲)、グバイドゥーリナ:光と闇、キュルチイスキー:オルガンのためのアリア、スパソフ:創造、死と観念、クリステヴァ:復活のいけにえに クリステヴァ (Org) (GEGA NEW GD 225)
  • チャイコーフスキイ:6つの小品より「創作主題と変奏」、「四季」より「秋の歌」、ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガより第3曲、リスト:「パガニーニによる大練習曲」第3番、バルトーク:ピアノのための組曲、ブラームス:3つの間奏曲、プロコーフィエフ:ピアノ・ソナタ第3番、スカルラッティ:ソナタ(8曲)、ラヴェル:鏡 エゴロフ (Pf) (Etcetera KTC 1520)
アリアCDにオーダーしていた物の中から、2枚が届いた。ここのところ、他の通販サイトでも欲しい物を入手しそびれることが多く、今回も、本来欲しかった音盤は悉く抽選漏れだったり完売だったりした。この2枚は、それぞれ1曲ずつショスタコーヴィチ作品が収録されていることからオーダーしてみたもの。

16世紀頃から現代に渡るスラヴ圏のオルガン曲集は、ブルガリアのコンサート・ホールに設置されたパイプオルガンを使用している。全体にこじんまりとした印象で、壮麗な響きとは言い難いが、楽曲の細部がクリアに聴き取れるのは、私のようにオルガン曲に不慣れな聴き手にとってはむしろありがたい。

比較的宗教色の薄い選曲ということもあり、各曲の多彩な雰囲気を楽しむことができる。クリステヴァの演奏は手堅く、音の運びは軽量ながらも、様式の異なる多様な楽曲を巧みに弾き分けている。目当てのショスタコーヴィチについては、基本的に他の収録曲と同様の印象だが、パッサカリアらしい盛り上がりがあまり感じられず、物足りなさは否めない。


ユーリィ・エゴロフは、その若すぎる死によって知る人ぞ知るピアニストといった存在であるが、かつてショスタコーヴィチのピアノ・ソナタ第2番を収録した音盤を聴いた時には、率直に言ってピンと来るものがなかった。チャイコーフスキイ国際コンクールで第3位を獲得した1974年から、死の前年である1987年にかけての放送録音を収録したこの2枚組も、同程度の期待をもって聴き始めた。

しかしそんな先入観は最良の意味において裏切られ、冒頭のチャイコーフスキイから、その清冽に澄み切ったタッチの美しさ、時に旋律が背景に回ってしまうほどの和声に対する繊細な感覚、内省的ながらも陰影に富んだ表情の豊かさ、といった特別な個性に惹き込まれてしまった。とにかく、どの曲も素晴らしい。スカルラッティとラヴェルの自在さがとりわけ印象に残ったものの、完成度という点で優劣はつけられない。敢えて1曲を挙げるなら、最後に収録された1987年の「秋の歌」(本アルバムには、同曲の1974年の演奏も収録されている)になるだろうか。この唯一無二の世界がわずか33歳で断ち切られてしまったことが惜しまれるとともに、一部に熱狂的なファンが存在することも納得させられる、そんなエゴロフの真価が存分に発揮された凄い音盤である。

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【演奏会のお知らせ】シュペーテ弦楽四重奏団 第9回公演

クリックすると、画像が拡大します(JPEG形式・494KB)。

私が参加している弦楽四重奏団が、下記の要領で第9回公演を行います。

 
シュペーテ弦楽四重奏団 第9回公演
Das Späte Quartett
 
2019年4月27日(土):開場13時30分・開演14時
  カトリック芦屋教会 (芦屋市公光町5-15)
  ※阪神本線「芦屋」下車 北へ200m 徒歩3分
  ※阪急神戸線「芦屋川」下車 南へ880m 徒歩12分
  ※JR神戸線「芦屋」下車 南西へ880m 徒歩12分
後援:兵庫県・芦屋市・西宮市・(公財)西宮市文化振興財団・京大音研同窓会
協力:芦屋キワニスクラブ
 
 
2019年4月29日(月・祝):開場13時30分・開演14時
  聖アグネス教会 (京都府京都市上京区烏丸下立売角)
  ※京都市営地下鉄烏丸線「丸太町」下車 徒歩3分
後援:京都府・京都市・京大音研同窓会
協力:京都キワニスクラブ
文化庁「関西元気文化圏」参加事業
 
工藤 庸介(Yosuke Kudo):ioline
森住 憲一(Ken 1. Morizumi):Violine
石金 知佳(Tomoyoshi Ishikane):Viola
金山 秀行(Hideyuki Kanayama):Violoncello
 
プログラム
 W. A. モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 KV 458「狩」
 H. ヴォルフ:イタリアのセレナーデ
 L. v. ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 作品135
 
 
入場無料

シュペーテ弦楽四重奏団は、2009年8月に結成し、2011年9月に第1回、2012年4月に第2回、2013年4月に第3回、2014年4月に第4回、2015年4月に第5回、2016年4月に第6回、2017年4月に第7回、2018年4月に第8回の公演を行った他、2015年11月には元ウィーンPOチェロ奏者のアダルベルト・スコチッチ氏を迎えての特別公演も行いました。2016年10月と2017年10月には京都キワニスクラブ主催のチャリティコンサートにも出演しています。京都御幸町教会の燭火礼拝でも、2017年と2018年に演奏しています。シュペーテ(späte)とは、ドイツ語で「後期の、晩年の」といった意味の形容詞です。弦楽四重奏団としては邪道かもしれませんが、チェロ以外の3人はパートを固定していません。

今回は、モーツァルトとヴォルフが「森住 (Vn 1)-工藤 (Vn 2)-石金 (Va)-金山 (Vc)」、ベートーヴェンが「工藤 (Vn 1)-森住 (Vn 2)-石金 (Va)-金山 (Vc)」というパート割りで演奏します。

入場は無料で、整理券等はありません。座席数は、芦屋会場が最大200席程度、京都会場が最大150席程度です。

なお、芦屋公演はカトリック芦屋教会の「芦屋市景観重要建造物指定記念行事」ならびに「司祭・信徒館完成記念行事」も兼ねて行います。

10連休の初めでお忙しいとは思いますが、平成最後の私達の演奏会に、万障お繰り合わせの上、皆様お誘い合わせて足をお運びいただけましたら幸いでございます。

※会場に、世界の子供たちのための活動を支援するための募金箱を設置させていただきます。いただいた募金は、芦屋キワニスクラブ(4/27)および京都キワニスクラブ(4/29)を通じて全額寄付いたします。

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ショスタコーヴィチの新曲(!)

  • ショスタコーヴィチ:即興曲, DSCH, 2018.


新たに発見されたショスタコーヴィチの作品は、ヴィオラとピアノのための「即興曲」という小品。旋律線にはショスタコーヴィチらしい歪みがあるものの、基本的にはロシア歌謡のような暗く甘い情感に満ちた曲である。弦楽四重奏曲第1番の第2楽章や、バレエ音楽や映画音楽の抒情的なナンバーを思い起こしてもらえれば、大体の雰囲気が分かるだろう。一応緩-急の2部構成だが、1分半程度のごく短い作品である。ベートーヴェンQのヴィオラ奏者ヴァディム・ボリソーフスキイの個人コレクションの中から発見されたとのこと。

ディゴーンスカヤの解説によると、この作品は1931年5月2日にグラズノーフQのヴィオラ奏者アレクサーンドル・ミハーイロヴィチ・リフキンに献呈された。自筆譜には「作品33」と記されている他、裏面にはベートーヴェンのトルコ行進曲(創作主題による6つの変奏曲 Op. 76の主題/劇付随音楽「アテネの廃墟」Op. 113の第4曲)の弦楽四重奏用編曲という表題のみが書かれている(この編曲が着手されなかったのか、それとも破棄されたのかは不明)。

確定している事実はこれだけである。ディゴーンスカヤの解説では、作品番号についてショスタコーヴィチの備忘録から詳細な検討がなされているが、ここでは作品の成り立ちに関して非研究者でも興味がありそうな事柄のみを列記するに留める:
  • ショスタコーヴィチとリフキンの親交がいつから始まり、どの程度のものだったかは不明だが、1931年5月2日に2人は会い、その場でこの小品が作曲され、リフキンに献呈されたと思われる。
  • 会談に際してショスタコーヴィチはトルコ行進曲の編曲の草稿(ヴィオラ・パート譜のみ?)を持参し、その表紙の裏に書き記したようだ。
  • リフキンとボリソーフスキイはそれなりに親しい間柄だったようだ(病気のリフキンの代理でグラズノーフQの演奏会に出演したこともある)が、この自筆譜がなぜボリソーフスキイの手元に渡り、その後なぜボリソーフスキイがこれを死蔵していたのかは不明。
率直に言って、その規模からも内容からも、今後この作品が演奏会で取り上げられる機会は決して多くないだろう。この作品の旋律が他の作品に引用されているわけでもない(未完や未発表の作品に流用されている可能性はなくもないだろうが)ので、恐らくはCDのフィルアップくらいの位置付けに留まるものと思われる。

だが、結果として共同作業は「2つの小品」と弦楽四重奏曲第1番だけに終わったとはいえ、著名な演奏団体であったグラズノーフQと知己を得、将来の構想について語り合い、意気投合してその場で1曲プレゼント、といった情景を想像すると、何とも微笑ましい気持ちになる。

手元にあるグラズノーフQによる弦楽四重奏曲第1番のSP盤からは、古めかしいおっとりとした音楽が聴こえてくるが、ボリソーフスキイと同種の深く太いヴィオラの音色を堪能しながら、こんな妄想に耽るのも悪くない。

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中古LP2題

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 P. コーガン/モスクワ国立SO (Classic Records CR 2001 [LP])
  • 白樺の木、丘の上のセイヨウカンボク、シロートキン:ポルカ、ベルゴロド地方の3つの輪舞、ショスタコーヴィチ:映画音楽「馬あぶ」より「人民の祝日」、シャモー:春、フヴァトフ:ロシアのコンサーティーナ、私のバグパイプを吹いておくれ、緑の草原で、シャラエフ:フットボール、シェドリーン:バレエ「せむしの仔馬」よりロシアン・カドリーユ、ジプシーの踊り、シャッツ:ザポロージエ・コサックの踊り (Melodiya C 01747-8 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.から2枚が届く。欲しかった音盤は、残念ながら悉く入手できなかった。

P. コーガンが指揮したショスタコーヴィチの第5番は、スロヴェニアPOとのJugoton盤があるが、録音年が不詳の本盤も同様の流麗な演奏である。テンポ設定などに奇を衒ったところはなく、ごくオーソドックスな解釈がとられている。オーケストラはコンドラーシンの手兵だったモスクワPOなのかどうかはジャケットの表記からは分からないが、野性味のある金管楽器や打楽器はなかなかに魅力的である。


「ロシアの民族楽器」というタイトルのアルバムは、未聴のショスタコーヴィチ音源が含まれているのではないかという淡い期待を持ってオーダーしたのだが、残念ながら架蔵済みの音源、ヤーコヴレフのドムラ独奏による映画音楽「馬あぶ」の「民衆の祭日」であった。楽器の音色によく合致した選曲および編曲で、演奏自体は満足のいくもの。

様々なアルバムからの編集盤と思われるが、他の収録曲もヴァラエティに富んだ選曲と楽器編成で、ロシア情緒を満喫できる。

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ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番

  • ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、スコットランド幻想曲 チョン・キョンファ (Vn) ケンペ/ロイヤルPO (Decca UCCD-7045)
  • ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 スターン (Vn) メータ/ニューヨークPO、オーマンディ/フィラデルフィアO (Sony SRCR 2049)
  • ハイドン(ホフシュテッター):弦楽四重奏曲 Op. 3-5「セレナーデ」、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16&4番 バリリQ (Omagatoki SCW-5002)
  • ハイドン:弦楽四重奏曲集 Op. 20 タートライQ (Hungaroton HCD 11332-33-2)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ライスキン/ライン州立PO、マインツ州立PO (Avi-music 8553235)
子供がブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を弾くことになった。私自身がかつてレッスンを受けていた頃にも同曲を習ったのだが、その時はLPを買うことはなく、NHK FMでエアチェックしたパールマンの録音を聴いていたのみだった(カセットテープにはパールマンの名しか記していないが、たぶんプレヴェン/ロンドン響との録音だろう)。現在もハイフェッツのCDしか架蔵しておらず、この機会に「名盤」と言われている物を入手しておくのも悪くないと思い、ディスクユニオン 大阪クラシック館へ。

事前に世評の高い音盤を調べてみたのだが、なぜか最新録音が挙げられることはなく、往年の名盤ばかりが目についた。特にハイフェッツ盤がベストに挙げられていることが多かったのには苦笑い。ハイフェッツの比類なき切れ味(単純に精度が高い、というのではなく、まさに「切れ味」としか形容のしようがない)は確かに他の追随を許さないが、「お手本」とするに適当かといえばそうとも言えず、オーケストラにも不満が残る。

ということでハイフェッツ以外を見てみると、これまた異口同音にチョン・キョンファの旧盤が挙げられている。彼女のデビュー2作目だったこの録音は彼女の出世作であり、彼女を一躍スターダムに押し上げた記念碑的な音盤でもある。長らく名盤の地位を守り続けているこの録音を一度は聴いておく必要があろうと、まずはこれを確保。冒頭の「ただ事じゃない感」がとてつもなく、何かに憑りつかれたような第1楽章のインパクトがとにかく凄い。ハイフェッツ的な切れ味とも、現代的な精緻さとも異なるが、当時を席巻したガラミアン門下生の典型的な奏法の魅力が遺憾なく発揮されており、ヴァイオリンという楽器の魅力も十分である。第2楽章は表現の幅に物足りなさもないわけではないが、フィナーレの有無を言わさぬ推進力は才気溢れる若者ならでは。ケンペの指揮も若手演奏家を手堅くフォローするような伴奏の域を超え、このロマンティックな作品の瑞々しい情感を的確に描き出している。併録のスコットランド幻想曲も同様で、なるほどこれは永遠の名盤に相応しい内容である。


ハイフェッツ盤とチョン・キョンファの旧盤以外は、人によって挙げる録音がまちまちである。そんな中、スターンの演奏があるのを知り、ちょうど店頭に在庫もあったので、これも確保。ジャケットには併録のブラームスのタイトルのみが記されており、一見するとブルッフが収録されているとは思わずに見過ごしてしまいそうになる。オリジナルはメンデルスゾーンの協奏曲とカップリングされていたようだが、アメリカの有名演奏家による有名曲の録音ということで、名盤には挙げられ損なってきたのかもしれない。

はたして、このスターン盤は私がこの曲に抱くイメージをそのまま具現化したような、初めて聴いたにも関わらず懐かしい演奏であった。演歌のようにこぶしの効いた歌いまわしで臆面もなく歌い上げる独奏を、ひたすら輝かしく艶やかなオーマンディ/フィラデルフィア管が豪華に煽る。とりわけ第2楽章はドイツ・ロマン派の極致で、たまらない。快刀乱麻を断つ、といった雰囲気ではないが、旧き佳き時代の極めて上質な大人の男の音楽で、私にとってはこれが現時点での決定盤。

併録のブラームスは、悪くはないが、メータ/ニューヨーク・フィルが伴奏の域を出ていないことと、わずか10年程度の違いなのだが、ブルッフには感じられない衰えが、このブラームスには現れている。


「協奏曲」の棚のすぐ横に「室内楽」の棚があるので、やはりいつもの習慣で一通りチェックしてしまった。前回(2月27日のエントリー)のような収穫はなかったが、申し訳程度に2枚だけ購入。

まずは、バリリQの1957年来日時の放送録音。これは最初にリリースされたフォーマットなので、後年に別レーベルから出たものとは異なって山根銀二氏の解説などは収録されていない。

演奏については、Westminsterレーベルの録音と取り立てて異なるところはない。おっとりとしたウィーンの香りを湛えつつも、しなやかで洗練された優美さがバリリならではの魅力である。ベートーヴェンの第16番の第3楽章がとりわけ心に沁みるが、「ハイドンのセレナーデ」の気品ある美しさも素晴らしい。現代ではもうこのような演奏スタイルは取り得ないだろうが、このスタイルでしか気付き得ない美しさもある。


2月27日のエントリーでも紹介したタートライQのハイドンだが、Op. 20があったので確保。2枚組のケースを薄いものに替えたようでジャケットに不備があるため、状態のよい物を見つけたら買い直すかもしれないが、とりあえず聴くには支障ない。タートライQの同シリーズ中では、技術的にも表現意欲的にも状態のよい録音の一つである。それはとりもなおさず、「太陽四重奏曲集」の内容の素晴らしさによるものでもあろう。

これで、残すはOp. 64のセットだけとなった。


帰りがけに申し訳程度に眺めた「交響曲」の棚で、未架蔵のショスタコーヴィチの音盤を廉価で発見。もう7年半ほど前のリリースになるが、当時の有望株だったダニエル・ライスキンによる交響曲第4番である。

まさに現代のショスタコーヴィチ演奏で、輝かしくも精緻で、しかも余裕のある仕上がりである。指揮者だけでなくオーケストラの各奏者が皆全曲の見通しを共有しているような明晰さの一方で、支離滅裂に登場する数々のフレーズの全てに心が通っているのも素晴らしい。合同オーケストラによる演奏のようだが、全体としては冷静な印象だが、終始緊張感に満ちていることで、唐突に暴発するような感情の起伏も俊敏に表出されている。フルートとピッコロの音色が大人し過ぎることを除けば、オーケストラにも不満はない。

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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