クレーメルの小品集(Yedang)

  • ラヴェル:バレエ「ダフニスとクロエ」全曲  ロジデーストヴェンスキイ/モスクワ放送SO&合唱団 (Yedang YCC-0165)
  • レスピーギ:交響詩「ローマの松」、アダージョと変奏、ラヴェル:スペイン狂詩曲 ロストロポーヴィチ (Vc) ガウク/モスクワ放送SO、コンドラーシン/モスクワPO、ロジデーストヴェンスキイ/モスクワPO (Yedang YCC-0152)
  • メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調、チャイコーフスキイ:ヴァイオリン協奏曲 クレーメル (Vn) バシメート/モスクワPO、マンスーロフ/モスクワ放送SO (Yedang YCC-0029)
  • ウェーベルン:4つの小品、ベートーヴェン:6つのドイツ舞曲、ディニーク:ホラ・スタッカート、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番より第4楽章、ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタより第2楽章、ボッケリーニ:弦楽五重奏曲ホ短調 作品13-5より メヌエット、ブラームス:ハンガリー舞曲第8番、J. S. バッハ:シャコンヌ クレーメル (Vn) マイセンベルク (Pf) (Yedang YCC-0118)
今日もまた、Yedang Classicsのクリスマス・ボックスから。

ロジデーストヴェンスキイのフランス音楽…となると、イロモノか輝かしい演奏か、その両極端だろうと予想するが、この「ダフニスとクロエ」は嬉しいことに色彩感豊かな輝かしい秀演。ロジデーストヴェンスキイはモスクワ放送響時代が一番良かった、というのが僕の意見だが、「ダフニスとクロエ」はその良い証拠の一つとなるだろう。

「ローマの松」みたいにお馬鹿な曲に、ガウクはぴったり。録音は悪いが、細かいところまで鮮明に聴こえないので逆に安心して聴き流すことができる。同じレスピーギの「アダージョと変奏」はチェロとオーケストラのための作品。これが何とも美しい佳曲。ラヴェルでのロジデーストヴェンスキイは、「ダフニスとクロエ」と同様に見事な演奏を聴かせてくれる。

クレーメルのアルバム2枚は、非常に優れた内容。メンデルゾーンのニ短調協奏曲における彫りの深さは、絶頂期のクレーメルならではのもの。バシメートの伴奏も意欲的で、攻撃的であったり、不健康な甘さが漂ったりしながらも、単なる若書の作品に片付けてしまわないクレーメルの自在な芸を見事に支えている。チャイコーフスキイは、クレーメルが23歳の時の演奏。クレーメルの特異な個性は、もう既に確立されている。

面白さという点では、小品集の方が抜きん出ている。奇妙な選曲だが、それぞれがクレーメルにお似合いで、また不思議とアルバムとしてのまとまりすら感じさせるのは、演奏内容の素晴らしさによるものだろうか。特にベートーヴェンのソナタが、クレーメル特有の弱音を駆使した異形の名演で感銘を受けた。
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theme : クラシック
genre : 音楽

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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