アシケナージ/N響演奏会

  • モーツァルト:交響曲第35&41番 バルシャイ/モスクワ室内O (Yedang YCC-0126)
  • シューベルト:シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調、弦楽三重奏曲 変ロ長調 リヒテル(Pf) カガン(Vn) バシメート(Va) グートマン(Vc) (Yedang YCC-0148)
1月23日は、アシケナージ/NHK交響楽団の演奏会に行ってきた(神戸文化ホール)。「阪神・淡路大震災10年追悼 N響神戸特別演奏会」と題されたこの演奏会は、オール・モーツァルトのプログラム。第1533回定期演奏会と同じ交響曲第29番とレクイエムだったが、定期では演奏された「フリーメーソンのための葬送の音楽」がなかったのはちょっと残念。当日の演奏はNHK-FMで生中継されていたようだが、放送時間等の関係もあったのだろうか?レクイエムのソリストは定期と同じだったが、合唱は地元の神戸市混声合唱団。

前半の交響曲では、エレガントでしなやかな流れを持った音楽を作り出そうとするアシケナージの意図ははっきりわかった。が、オーケストラが全体に散漫で、中途半端な仕上がりになってしまったことは否めないだろう。全楽章で繰り返しは全て行なっていたが、正直なところ、飽きたかな。後半のレクイエムでもアシケナージの姿勢は一貫していた。ただ、作品の充実度も影響しているのだろうが、オーケストラの集中力は明らかに前半とは違っていたため、燃焼度の高いなかなかの演奏だった。ただ、トロンボーンは音程からして精度が悪かった。声楽陣はソプラノの森麻季がチャーミングで伸びやかな歌声で素敵だったが、他はあまりぱっとしない。

ということで、全体的にはそれほど満足感のない演奏会だったのだが、アンコールに演奏された「アヴェ・ヴェルム・コルプス」がそうした不満を全て吹き飛ばすような名演。こんなに美しく透明な弦楽器の音色は、そうめったに聴けるものではないだろう。この演奏に、アシケナージのモーツァルト観が色濃く投影されていた。

さて、またまたYedang Classicsのクリスマス・ボックスから。

バルシャイ指揮のモスクワ室内Oは僕の大好きなコンビだが、彼らのモーツァルトは第40&41番を小さい頃によく聴いた懐かしいレパートリー。「ハフナー」の冒頭から、僕が思い描く音色とフレージングに満ちている。刷り込みというのは恐ろしいものですね(^^;。で、引き続いて第41番が始まると、今度はとても落胆することに。ピッチが半音近く低いのだ。一体どういう事情でこんなミスが生じたのかはわからないが。ひょっとして、製作者が普段は古楽器演奏しか聴いていないとか?んなことはないか(^^;。

リヒテル・ファミリーのシュベールト・アルバム、ジャケットには「BASHMET・RICHTER・GUTMAN」となっているが、2曲ともに参加しているのはカガンなのにこの扱いは一体何なんだろう?「二重奏曲」は1月19日の本欄でオーイストラフ盤を取り上げたばかり。ピアノは同じリヒテル。オーイストラフとカガンは師弟関係。だが、演奏から受ける印象は大分異なる。華やかで美しいオーイストラフに対して、病的な繊細さをもったカガンといった感じ。どちらも素晴らしい。弦楽三重奏曲も同様に繊細で静かな美しさが印象的。バシメートとグートマンによる中低域の響きも太く充実していながら、透明さを失っていないのがさすが。
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genre : 音楽

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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