ハチャトゥリャーンのDVD

  • ワーグナー:ジークフリート牧歌 クナッパーツブッシュ/ウィーンPO (TDKコア TDBA-0063 [DVD])
  • ポポフ:交響曲第1番、ショスタコーヴィチ:主題と変奏 ボッツスタイン/ロンドンSO (Telarc SACD-60642)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 M. ヤンソンス/バイエルン放送SO (EMI 7243 5 57824 2 7)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番、ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第3幕への前奏曲 A. ヤンソンス/レニングラードPO (Altus ALT094)
  • ハチャトゥリャーン (VAI 4298 [DVD])
公開されてから1週間以上経ってしまったが、今年もまた、中古音盤堂奥座敷同人の2004年の5盤がアップされた。諸賢のチョイスとコメントには、毎年大いに刺激を受けている。是非、ご一読を。

さて、今日はTower Records難波店で買った物を。お目当てはA. ヤンソンスの大阪ライヴだったのだが、店頭で目に付いたものを手にとっていたら、結局5点に(^^;。

クナッパーツブッシュ/ウィーンPOの映像は2003年に2種類リリースされ、その優れた内容に感心したのだが、様々な事情(解説に詳しく説明されている)でその時に収録されなかった「ジークフリート牧歌」1曲のみがDVD化された。発売のアナウンスはどこかで見たような気もするが、特に気に留めることもなく、たまたま店頭で発見した次第。2000円弱という値段が安いのか高いのかちょっと微妙だが、演奏は素晴らしい。僕はめったにワーグナーの音楽を聴くことはなく、この曲も1998年に大阪フィルハーモニー交響楽団の第319回定期演奏会(指揮:デ・プリースト)で聴いて以来だが、初めてこの曲の美しさ、魅力がわかったような気がする。画質は先に発売された「ワルキューレ」第1幕などと比べると大分落ちるが、そもそもこのようなDVDを買うのにこの程度の画質で文句を言うのは筋違いだろう。

ガヴリール・ニコラーエヴィチ・ポポフは、ショスタコーヴィチとほぼ同時代の作曲家。ロシア音楽好きの間では、ショスタコーヴィチの第4交響曲と並ぶ怪作としてこの交響曲第1番がよく挙げられていた。ポポフの交響曲は全部で6曲あるが、僕はいずれも聴いたことがなく、カップリングがショスタコーヴィチ作品だったこともあって迷わず購入。感想は…ん~正直なところ、一回聴いただけではよくわからない。爆音であることは確かだが、独特の澄んだ響きに興味を惹かれたものの、作品の全体像がみえてないので何ともコメントしようがない。もっとも、ショスタコーヴィチの第4番だって、最初に聴いた時は何が何だかさっぱりわからなかったんだし(しかも、コンドラーシン盤!)。演奏は立派なものだと思う。カップリングのショスタコーヴィチ作品もロジデーストヴェンスキイ盤しか録音がなかった(他にピアノ編曲版が1種類ある)曲だが、Telarcレーベルの優秀録音で聴けるようになったのは嬉しい。丁寧で落ち着いた演奏で、ショスタコーヴィチ特有の和声やリズムの感覚が違和感なく表現されている。オーケストラの響きも美しい。ちなみに、店頭にはSACDとのハイブリッドディスクしかなかった。3500円近くもする音盤の購入は、さすがに勇気がいりました。高校時代、まだ消費税導入前にお年玉をはたいてCDを買ったことを懐かしく思い出したりして。

2004年はショスタコーヴィチの第4交響曲の新録音が立て続けにリリースされたが、ゲールギエフとM. ヤンソンスの録音は「どうせいつでも買えるだろう」ということで、買いそびれていた。今回は、値段の安い方ということでM. ヤンソンス盤を。バイエルン放送SOの音色は大好きなのだが、そうしたオーケストラの魅力を十分に引き出した演奏ということができるだろう。解釈も奇を衒わない妥当なもので、聴き易さという点で優れた演奏。ただし、このような聴き易さがこの作品の本質に合致するかと言うと、必ずしもそうではないだろう。この作品が持つ切実さは、決して耳に優しいものではない。

で、お目当てだったA. ヤンソンスのショスタコーヴィチの交響曲第5番。intaglio盤の超名演が強く印象に残っている上に、そのわずか1年前のライヴということで、いやがおうにも期待は高まる。が…少々期待はずれだったかな。オーケストラの仕上がりは理想的だし、解釈も誠実極まりない。ただ、緊張感と燃焼度がいまひとつ足りない。それは、直前になってムラヴィーンスキイと交代したせいなのか、それとも慣れない日本での演奏だからなのかはよくわからない。ワーグナーの方が活き活きとしていて、このコンビの長所が発揮されている。

思わぬ拾い物だったのが、ハチャトゥリャーンの伝記(?)映画。ここに商品の概要が記されているが、全編に渡って大変興味深く観ることができた。アメリカで公開された映画のようだが、製作に携わったスタッフの名前から察するに、音楽家達が深く関わっているようだ。1948年のジダーノフ批判やスターリンとの関わりなどの描き方に目新しいものはなかったが、ハチャトゥリャーン自身の演奏映像など、貴重な映像が目白押し。ガヤネやスパルタカスの、典型的なソ連様式の舞台を観ることができるのもたまらない。オーイストラフ独奏のヴァイオリン協奏曲も一部だがカラーで収録されている(ちなみに、最後のクレジットでは指揮者がハチャトゥリャーンということになっていたが、これはどう見てもハチャトゥリャーンではない。たぶんコンドラーシンだと思うが、指揮者が全くの後姿しか映らないのではっきりとは言えない)。一人称で語るナレーションはどうかと思わなくもないが、どうせ英語(字幕なし)。違和感を持つほどわかるわけじゃなし(^^;。

このDVD、特典映像として映画のメイキングと、ピアノ協奏曲の終楽章のプロモーション・ヴィデオみたいなのがついているが、まぁこれはさしておもしろいものではない。このDVD最大のみどころは、ロストロポーヴィチ独奏、ハチャトゥリャーン指揮ソヴィエト国立響による「コンチェルト・ラプソディ」の全曲映像。これは凄い。冒頭のホルンの強奏で一気に引き込まれ、最後まで息をつかせぬ凄演が繰り広げられる。オーケストラを見ると、この曲ってトロンボーンなしの二管編成だったことに初めて気付き、ハチャトゥリャーンのオーケストレイション技術に改めて感心。寡聞にしてこのDVDのことは全く知らなかったのだが、この鮮烈な印象、いきなり「2005年の5盤」候補。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Khachaturian,A.I. 作曲家_Wagner,R.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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