ヨッフムのブラームス交響曲全集他

  • ブラームス:交響曲全集 ヨッフム/ベルリンPO (DG 449 715-2)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番(2台ピアノ用編曲) ハイルディノフ、ストーン(Pf) (Chandos CHAN 10296)
4月15日の本欄でちょっと書いた“お目当ての音盤”とは、ここで紹介する2枚と「ロイヤル・コンセルトヘボウ・アンソロジー1960-1970」、それにミトロプーロスのアテネ・ライヴである。ミトロプーロスは難波店に在庫がなく、その場で梅田店に在庫があることを確認してもらった上で取り置きをお願いした。店員の方の対応も丁寧で感謝。

ヨッフムのブラームス全集は、◎銀璧亭◎というブログの4月6日の記事で絶賛されていたので気になっていた。ふらっとブラームスの棚を見たらあったので、迷わず購入。熱心な聴き手ではないものの、何枚か持っているヨッフムの録音は、いずれも僕の愛聴盤である。ベートーヴェンの第7&8番、ハイドンの第103 & 104番、ブルックナーの第8番と第9番、そしてギレリスと共演したブラームスのピアノ協奏曲第1番(全てDG)。いずれも同曲中、屈指の名盤である。ヨッフムの演奏は、乱暴な言い方をすると“熱いおっさん魂”を感じさせるところに最大の魅力がある。職場で野球大会をすると、普段の強面とは打って変わり、妙に張り切って見事な身体のキレを見せる上司(このタイプは、なぜか三塁を守ることが多い)の姿を彷彿とさせる。

で、このブラームス全集もヨッフムの魅力が十二分に発揮された名盤。弛むことなく終始一貫した速めのテンポは瑞々しくも迫力十分で、晦渋さとは無縁の重厚さを持っているのが凄い。フルトヴェングラー時代のベルリンPOの音色も、とても素敵。また、やんちゃな盛り上がりも有無を言わさず聴き手を興奮させる。第1番の終楽章コーダとか、第3番の両端楽章などは、そうした魅力が全開している。第4番の終楽章は毅然とした王道を行く演奏。もちろん、ここで挙げた楽章以外も極めて高い水準の演奏が繰り広げられている。録音も、うるさいことを言わなければ全く問題ない。僕にとって、全集としては現時点でこの演奏が決定盤。

ショスタコーヴィチの第4交響曲の2台ピアノ版編曲は、リリース予告が出た途端にマニアの間で話題沸騰となった一枚。コンドラーシンが初演にあたって勉強したと語っているものと同じ編曲ではないかと推測され、資料的な価値は抜群。もちろん世界初録音で、おそらくはDSCH社の新全集発刊に伴う録音だろう。演奏は手堅く、単なる資料音源の域を超えた音楽が表出されている。オーケストラでは響きに埋もれてしまってわからない和声の仕掛けや、対位法的な絡みが明快に聴き取れるのもおもしろい。とはいえ、ショスタコーヴィチの音楽は各楽器の音色を抜きにしては成立しない部分もあるので、あくまでもオリジナルを聴き込んだリスナー向けだと思われる。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Brahms,J. 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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