ちょっとミーハーにピアソラ

僕は結構あまのじゃくで、他人には自分の良いと思ったものを聴かせたがるくせに、他の人々が口を揃えて「これは良い」と言っているものは何となく避けてしまうことがある。ピアソラも、そのような理由で、聴こうと思いながらも聴くことのないまま過ごしてきた。それが4月のある日、京都のJEUGIAでウロウロしていると、JAZZコーナーの近くにピアソラ特設コーナーができているのに気付き、1400円のディスクを見つけ出し「まあ安いから試しに聴いてみるか」と軽い気持ちで購入して帰ったのが始まりだった。

これが非常に良かった。購入したディスクは
  • ASTOR PIAZZOLLA and his Tango Quintet, Live at Lugano, 1983.10.13
    (ERMITAGE ERC CD 12007-2)
で、名曲集といった感じのアルバムだった。とあるMLで詳しい方にお伺いしたところ、「1000円以下が相場。1400円はボってる」とのことだったが、全然惜しくなかった(ちょっと悔しかったけど)。“アディオス・ノニーニョ”、“リベルタンゴ”、“天使のミロンガ”など当然のことながら初めて聴いたわけで、久しぶりに夢中になって何度も繰り返し聴いた。

それからというもの、CD屋に行くと必ずタンゴのコーナーを覗くようになった。しかし所詮しがない学生の身、年度始めはCDなぞに使う金もなく(まあ別に年度始めじゃなくても貧乏なのですが…)、ネットニュースに某N氏が投稿された記事などからピアソラ関係の情報を集める毎日が続いた。

そんな中で何となく集まったCDが次の3枚。
  1. Astor PIAZZOLLA y su conjunto nueve
    (PERSONALITY PRS 23193)
  2. CONCIERTO EN EL PHILHARMONIC HALL DE NUEVA YORK, 1965
    (Polydor POCP-1248)
  3. ALTERNATIVE PIAZZOLLA: Sergio & Odair Assad, 1985, 1988
    (NONESUCH WPCS-5082)
この他に、実は
  • Five Tango Sensations, Kronos Quartet with Astor Piazzolla
    (NONESUCH WPCC-4216)
というアルバムを発売当時(1991年頃)買っていたことも分かり、先日購入した小沼純一氏の「ピアソラ」という著作を片手に、ここ数日はピアソラ三味の生活を送っていた。

残念なのは、誰もが口を揃えて名盤だというアメリカン・クラーヴェの3枚がどうしても見つからなかったこと。だから、大声でピアソラのことを語ることはできないような引け目を感じつつこの文章を書いているわけだが、でもピアソラは良い。実に良い。自分の中のセンチメンタルな部分に直接訴えかけてくる。小沼氏の本では「80年以前の古い録音にはあまり見るべきものがない」といった趣旨のことが書かれていたが、どうしてどうして、65年のアルバムなどはその鋭いタッチの演奏が忘れ難い印象を与えてくれる。1曲目の「悪魔のタンゴ」から最後の「ラ・ムーファ」まで息をつく間もなく聴き通してしまった。

アサド兄弟の「タンゴ組曲」も良かった。これは1000円という値段に惹かれて購入したのだが、非常に楽しめた。「トロイロ組曲」の残りも買っちゃおうかな。

ちょっと判断に苦しんでいるのが、1.のディスク。収録されている曲はどれも気に入ったし、「ロコへのバラード」のようなテクスト付きの作品もこのアルバムで最初に聴いたわけでそれなりに満足はしているのだが、どうもアレンジが納得できない。シンセサイザーのような音がするのだが、あれは何の楽器なのだろうか?それからパーカッションも今一つ効果的でないどころか、邪魔にすらなっているような気もする。前述の小沼氏の本にはこの録音についてのコメントは載っておらず、ライナーノーツにも録音年代などの詳しいデータは記載されていない。参考までにジャケットの写真を載せておくので、どなたかこのアルバムについて知っておられる方は、ご一報下さい。
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theme : ワールド・ミュージック
genre : 音楽

tag : Tango_Piazzolla,A.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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