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ショスタコーヴィチ三題

  • 千葉 潤:ショスタコーヴィチ(作曲家◎人と作品),音楽之友社,2005.
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ラザレフ/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナルO (LINN CKD 247)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲より第3楽章 アシケナージ (Pf) クレーメル、チョーリャン・リン (Vn) カシュカシャン (Va) マイスキー (Vc) (Orfeo SO 99 844F [LP])
本欄に書き込むのはすっかり遅くなってしまったが、ショスタコーヴィチに関する新しい本が発刊された。シリーズの一冊だが、第一期の刊行分に含まれるとは、ショスタコーヴィチの地位も随分上がってきたものだ。もっとも、これは今年が没後30年であることと関連しているのだろう。来年は生誕100年という記念の年なのだが、思いっきりモーツァルト生誕250年とかぶるのだから、仕方ない。

さてこの本、コンパクトな見た目とは裏腹に、非常に密度の高い内容を持っている。主として評伝と作品解説の二部から構成されているが、評伝部分の方に力が入れられており、読み応えがある。体制との関わりについても、比較的思い切り良く踏み込んで独自の見解を示している。単なる“反体制”ではないショスタコーヴィチの複雑な姿を描こうという意図はよく伝わるが、特に作品解説において“反体制”ぶりが強調されがちな気もする。いずれにしても、現時点の日本でのショスタコーヴィチ受容のあり方を示す内容であり、盛りだくさんであるがゆえに読み辛い部分が無きにしも非ずだが、愛好家ならば手元においておきたい。

ラザレフ指揮の交響曲第11番は、近年のショスタコーヴィチ録音の中でも特に傑出した一枚。まず、作品の隅々まで把握しきったラザレフの解釈が、極めて説得力に満ちている。ともすれば標題性に押し流されて極端なテンポ設定をする指揮者が少なくない中、一つ一つの響きを噛み締めるような両端楽章と幾分あっさりとした中間楽章の対比は、この交響曲の音楽的な魅力と完成度を再認識させるに十分足るものである。次に、地味ながらもじっくりと味わい深く歌い込む彼の特質を最良の形で音化しているオケの健闘ぶりについても、特記しておく必要があるだろう。独特の華やかなキツさを持った音色の魅力はそのままに、より一層の精度を獲得した本盤の演奏は、幅広い聴き手を唸らせることだろう。

ピアノ五重奏曲は、1983年6月のライヴ録音。アシケナージが主宰する音楽祭にクレーメルが出演してくれたことに対して、今度はアシケナージがロッケンハウス音楽祭にお礼出演した時の演奏らしい。アンコールとしてこの曲が演奏された模様。実はこのLP、非常に入手困難で、大学の後輩のご好意で聴かせてもらったもの。演奏は、弦楽器のクレーメル一味が中心となって作っている印象。クレーメル節が炸裂していて楽しい。この頃のクレーメルは本当に素晴らしい。ただ、アシケナージの温かい音楽とは完全に調和することがなく、そうしたぶつかり合いを音楽祭のアンコールならではと楽しめるかどうか。僕は、結構面白く聴きました。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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