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カラヤンのワーグナー・ライヴinザルツブルグ

  • ヘントヴァ,S.・吉田知子訳:ロストロポーヴィチ チェロを抱えた平和の闘士,新読書社, 2005.
  • ワーグナー・ライヴinザルツブルク(歌劇「タンホイザー」序曲、ジークフリート牧歌、楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死 ノーマン (S) カラヤン/ウィーンPO(DG POCG-20031)
ふらっと書店に入ったら、ロストロポーヴィチの評伝が目に入った。「ショスタコーヴィチとともに」という章もあったので、即購入。ロストロポーヴィチの華々しい経歴や、ソヴィエト市民権剥奪前後の事情、ペレストロイカで1990年に帰国した際の出来事などについては、多数の本や映像で知ることができるが、ソ連時代の細かな生い立ち等について第三者が客観的に記した文献は(少なくとも日本語では)なかったため、大変興味深い内容となっている。ロストロポーヴィチ夫妻が存命中であることから、彼らにとって不利な記述はほとんど見当たらないものの、ロストロポーヴィチのファンにとっては必読書といえるだろう。もっとも、1990年の歴史的な帰国については、かつてLDでリリースされていたドキュメンタリー(Sony SRLM 972 [LD])をなぞっているようにしか思えないので、主としてソ連にいた頃までの内容が中心だと言えるだろう。ただ、一つだけ残念なのは、日本語訳が悪いこと。訳者がクラシック音楽に詳しくないのだろうが、とにかく人名表記がひどい。これは、きちんとチェックを行わなかった編集者の責任だろう。また、音楽的な内容に関して、何を言わんとしているのか意味をつかみきれないような訳も少なくない。なお、原著の出版時期(1993年)からすると当然だが、最近の活動についての記述はないものの、あとがき代わりにロストロポーヴィチと日本との関わりについて若干記されている(この部分はヘーントヴァによるものではない)。ロストロポーヴィチが大相撲のファンで、テレビに映った春日野理事長(当時)を見て、「オォ!トチニシキ!」と言ったエピソードには大笑い。

さて、5月18日付の本欄でクレンペラーのワーグナーに大感激した話を書いたが、当初の目的であった「ジークフリート牧歌」については素晴らしい演奏だとは思ったものの、弦楽器の人数が絞り込まれていたために、大編成による演奏をどうしても聴いてみたかった(実は、何年か前にデプリースト/大阪フィルの定期演奏会で聴いているのだが、全く印象に残っていない…)。ネットを検索して評判の良さそうな音盤の中から、最晩年のカラヤンによるライヴ録音を選択。早速、Tower Records梅田店で確保した。

これは美しい。とにかく美しい。ワーグナーとかどうとかそんな次元ではなく、音楽としか形容できない世界が終始展開される。カラヤンにしても、ウィーン・フィルにしても、ここまでの演奏というのはめったにあり得なかったに違いない。あらゆる音が優しく豊かに響き、隅々まで磨き抜かれている。ノーマンの「愛の死」は完璧。これ以外に聴く気がしない。言葉を連ねるのはむなしいだけだ。もう一回聴こう。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Rostropovich,M.L. 作曲家_Wagner,R. 演奏家_Karajan,H.v.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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