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河島みどり著「ムラヴィンスキーと私」

  • 河島みどり:ムラヴィンスキーと私,草思社,2005.
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ロストロポーヴィチ/ロンドンSO (LSO Live LSO0060)
ムラヴィーンスキイの通訳を務めた河島氏によるムラヴィーンスキイの本は、非常に面白い。ファミーンの評伝に比べると情報の詳細度や確度に劣るといえなくもないが、ムラヴィーンスキイ夫妻と親しく付き合ってきた筆者でなければ書くことのできないエピソードや視点が満載の名著である。同じ共産党でも、レニングラードとモスクワとで態度が違ったりすることなど、同時代をソ連で生きた人々には当たり前のことだったのかもしれないが、まさに目から鱗。ショスタコーヴィチとの書簡や日記など、日本ムラヴィンスキー協会の会報で目にしていた資料も少なくないが、意味深く選択かつ整理されていて、人間ムラヴィーンスキイを見事に描き出している。いくつかのDVDなどで見ることのできるムラヴィーンスキイ自身へのインタビューのような高度な芸術論はないが、むしろそこにこそこの本の意義があるとも言うことができるだろう。ショスタコーヴィチの息子マクシームの亡命裏話も面白かった。

ロンドン響の自主制作レーベルから、ロストロポーヴィチ指揮のショスタコーヴィチが相次いでリリースされている。Teldecレーベルでまとめられた全集は、主としてナショナル響とロンドン響の2つのオーケストラによって演奏されているが、そこでナショナル響が担当していた分をロンドン響で再録音しているのだろうか。あるいは、ロンドン響単独で全集を作ろうという企画でもあるのだろうか?

さて、肝心の演奏内容だが、妙に細部をいじりすぎて失敗した演奏の典型。全体的にはなかなかの緊張感が貫かれているものの、節の歌わせ方や動機の強調、パウゼの入れ方など、音楽の流れを阻害するとしか思えない味付けが多すぎる。結果として散漫な印象しか残らず、作品の持つ迫真性が十分に表出されているとは言えない。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_Mravinsky,E.A.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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