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ボロディンQ後遺症

  • ブラームス:クラリネット五重奏曲、モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番 モズゴベンコ (Cl) ボロディンQ (Chandos CHAN H10151)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1&15番 ボロディンQ (Teldec WPCS-6433)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第7&8&15番 ベートーヴェンQ (Consonance 81-3006)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 タネーエフQ (Victor VICC-40104/9)
先に記したボロディンQの演奏会。終了後のサイン会は、会場でCDを購入した人に限るということだったので、とりあえず持っていなかったものを適当に一枚買った。これがまたなかなかの内容。ブラームスの冒頭から、ドゥビンスキイ時代特有の骨太な抒情が全開。これぞロシアのブラームス、ロマンチックの極みだ。クラリネットの音色がややきつめだが、音楽の重心が四重奏寄りなので、さほど気にはならない。第4楽章の冒頭など、最初の音を聴いただけで泣けてしまう。一方のモーツァルトは古典的な造形が立派。ただ、ブラームスほどの印象の強さはない。録音も古臭く、音質はあまり優れないが、この団体ならではの太く澄んだ音色は十分に楽しめる。

で、どうしても演奏会の強烈な印象から逃れることができず、立て続けにショスタコーヴィチの第15番を聴いてしまった。本当はこんな繰り返し聴いたりできるような曲ではないのだが…

まずはコペリマン&シェバリーン時代末期のボロディンQのCDから。音盤で聴くことができるものの中で、この演奏を越えるものはないだろう。美しくない音楽の美しさというか、とにかく常識の範疇では全く捉えることのできない作品を、その作品世界の中に入り込んで演奏できているところが凄い。この境地に達している演奏を、少なくとも僕は知らない。

続いて、ショスタコーヴィチゆかりのベートーヴェンQ。本来ならば彼らが初演するはずだったこの曲。チェリストのS. シリーンスキイの急逝によって初演はできなかったものの、新チェリストとしてアルトマンを迎えて録音したもの。これも雰囲気は抜群。ツィガーノフにやや衰えが感じられるものの、ドルジーニンの音色は最高。ただ、上記ボロディンQに比べるとまだ生ぬるさが感じられるのは否めない。

最後に初演者タネーエフQ。ボロディンQが“あの世”の音楽なら、こちらは“現世”の音楽といった趣。ショスタコーヴィチ独特の劇性が見事に引き出されている。若くして初演の大役を任された責任と緊張感、そして自信が感じられる名演である。聴きやすさ(こういう表現はこの曲にあまりにも似つかわしくないが)という点では随一だろう。残念なのは、第3楽章と第4楽章との間が切れていること。これはLP時代の名残だろうが、原盤自体に切れ目が入っているのだろうか?最近出たAulosレーベルの復刻CDではどうなっているか、興味がある(わざわざそれだけのために買い直す気もしないが…)

それにしても何という作品だろう。形容の言葉が全く浮かばない。もう当分、この曲は聴かなくていい。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_BorodinQuartet

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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