ボーナス買い物録(その1)

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 コフマン/ボン・ベートーヴェンO (MDG 937 1203-6 [SACD])
  • プロコーフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1&2番、ショスタコーヴィチ(ツィガーノフ編):4つの前奏曲、10の前奏曲 庄司紗矢香 (Vn) ゴラン (Pf) (DG UCCG-1183)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ゲールギエフ/キーロフO (Philips 470 842-2)
  • スピヴァコフの贈り物 エレガント・クラシック小品集 スピヴァコフ/モスクワ・ヴィルトゥオージ (Geneon GNBC-4031 [DVD])
  • ショスタコーヴィチ:祝典序曲、交響曲第5&10番、組曲「馬あぶ」(抜粋)、室内交響曲、ピアノ五重奏曲、弦楽四重奏曲第2&3番 マッケラス、シップウェイ/ロイヤルPO フランツ/フィルハーモニー・デア・ナツィオネン、エスビェア・アンサンブル、ザポルスキーQ、カイリンQ (Quadromania 222171-444)
年を追うごとに寂しくなり続けるボーナスが出たので、Tower Records難波店で慎ましやかな買い物を(^^;

コフマンとボン・ベートーヴェン管によるショスタコーヴィチの交響曲は、既に10番と5&9番の2枚がリリースされている模様。8番も近々リリースされるみたい。たまたま店頭に7番だけがあったので、評判も悪くないようなので迷わず購入。解釈はビシュコフ盤に似た、標題性に惑わされることのない丁寧で堅実なもの。特に中間楽章が見事。オーケストラに力強さは感じられないが、無理をすることなく端正な音作りをしているところに好感が持てる。第3楽章の中間部が速すぎる演奏に良い演奏はない、というのが僕の持論だが、コフマンは適切なテンポを保ってコラールの切実な美しさを生かしている。ただ、両端楽章には物足りなさを感じるのも事実。これは第7番だからで、たとえば第10番だったらまた違った感想になるだろう。なお、僕はSACDを持っていないので録音の質には言及できない。

庄司紗矢香のアルバムはリリース情報が出た時からチェックしていたのだが、なんとなく買いそびれていたもの。国内盤も出ているようなメジャー・レーベルの新譜はどうしても後回しになってしまう。さて演奏は、プロコーフィエフにしろショスタコーヴィチにしろ、良くも悪くも徹底してヴァイオリニストの音楽といった印象。技術的にも音楽的にも隅々まで磨き抜かれているのだが、それがヴァオリンという楽器の快楽と不可分なものとなっている。華麗で雄弁なのだが、徹頭徹尾彼女の音楽になっている。これは彼女の才能の証である一方で、演奏者よりも楽曲に興味がある聴き手にとっては若干の物足りなさを感じなくもない。

ゲールギエフの交響曲第4番も、激しく買いそびれていた一枚。2004年度のレコード・アカデミー大賞を受賞した話題盤であったが、ゲールギエフのショスタコーヴィチ演奏に感心したことがない僕にとっては、どうにも触手の伸びない音盤であったが、この度意を決してようやく購入。感想は…う~ん…やっぱり、ゲールギエフにショスタコーヴィチは合わないのだろう。心を打つものがないばかりか、純粋に音楽的な観点からも冴えが感じられない。もちろん、オーケストラはうまい。うまいのだが、凄さを感じない。このコンビの他の録音には、好き嫌いは別として感心する部分が必ずといってよいほどある。しかし、この録音にはそれがない。あえて言うならば、第3楽章のまとめ方のうまさだろうか。極端なロシア風味ではなく、技術的に高精度の演奏が繰り広げられているという点で、この演奏が広く受け入れられたのかもしれないが、これが本当に“わかりやすい”演奏なのだろうか?そもそも、この第4交響曲は“わかりやすい”作品なのだろうか?この演奏を高く評価することは、僕にはどうしてもできない。

ゲールギエフによる第4番から第9番までの録音を5枚組BOXにして売り出すようだが(Tower Recordsの情報)、他にいくらでも優れた演奏はある。1万円という価格設定にも魅力はないし、だいたい第6番だけをこのBOXで初出にするという根性が許せない。さすがの僕も抗議の意味で、何かとカップリングで単独発売されるかワゴンセールで3千円くらいになるまでは、この第6番は買わない。

スピヴァコフ/モスクワ・ヴィルトゥオージのDVDは、ドイツ中央部バイエルン州の保養地バード・ブリュッケナウのホールで行ったコンサートの模様を収録したもの。かつて「スピヴァコフのプロムナード・コンサート」というタイトルでパイオニアからDVDもリリースされていたのだが、これもまた買いそびれていたもの。値段も若干安くなっていたので購入。収録曲は次の通り:
  • モーツァルト:交響曲第24番
  • ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」より「夏」
  • シューベルト:メヌエット第3番ニ短調
  • ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第3番より第3楽章
  • チャイコーフスキイ:弦楽のためのセレナーデより「ワルツ」
  • プロコーフィエフ:組曲「3つのオレンジへの恋」より「行進曲」
  • ショスタコーヴィチ:バレエ「黄金時代」より「ポルカ」
  • ガーシュイン:プロムナード
  • ボック:ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」より「もし金持ちなら」
  • エルガー:愛の挨拶
  • バルトーク:ルーマニア民族舞曲より「速い踊り」
  • アルベニス:スペイン組曲より「カディス」
  • ファリャ:歌劇「はかない人生」より「スペイン舞曲」
  • シェツィンスキー:ウィーン、わが夢の街
  • アンダーソン:フィドル・ファドル
映像も演奏風景ばかりではなく、周辺の風景や、スピヴァコフをはじめとする団員らのちょっとした寸劇(?)などが音楽に合わせて展開される、リラックスして音楽を楽しむことのできる内容。ただ、演奏内容はいずれも見事なもの。モーツァルトの鮮やかさ、「夏」で聴かせるスピヴァコフの自在さなど、思わず身を乗り出してしまうほどだ。個人的には「もし金持ちなら」がとても気に入った。単なる名曲集だと思って見逃している人がいたら、是非ともお薦めしておきたい一枚。

新譜コーナーを物色していたら、4枚組で990円という怪しさ満点の音盤を発見。クアドロマニア クラシックというレーベルは初めて目にしたが、一体どういう経路で音源を入手しているのだろうか。この4枚組も1枚目と4枚目はどちらもよく目にする音源(いずれもレーベルは異なる)で僕も既に持っているもの。3枚目のピアノ五重奏曲も持っている。勉強不足で知らないが、恐らく2枚目と3枚目の室内交響曲もどこかのレーベルからの既発音源なのだろう。

ということで、まずは未聴音源であるディスク2から。が、いきなりがっかり。交響曲第10番では、作品の持つ多層的な意味合いを解読するどころか、表面的な音符のみをなぞるのに精一杯といった感じの演奏。オーケストラが下手なわけではないので聴き辛いことはないが、通して聴いてもこれといった印象が何も残らない。「馬あぶ」からの3曲では、明らかにオーケストラが潜在能力以下の演奏しかしていない。技術的にもアラが目立ち、有名なロマンスですらも美しさを感じさせる部分がない。なぜ彼らがこれらの曲を取り上げたのか、さっぱりわからない。

3枚目で演奏しているユストゥス・フランツは、バーンスタイン指揮のシューマンのピアノ協奏曲(DG)の独奏者としてしか知らなかったが、指揮もしていたのですね。フィルハーモニー・デア・ナツィオネンという団体は彼の手兵のようだが、はっきりしたことはわかりません。で、彼らによる室内交響曲。こちらはなかなか優れた内容。徹底して陰気な演奏。音程等の精度は今ひとつな部分もあるが、音楽的な意思はきちんと統一されていて、最後まで緊張感が途切れないのは立派。数々の引用やDSCH音型を劇的に強調するのではなく、終始一貫した暗い雰囲気の中で音楽を展開していく解釈には説得力がある。

2枚目は酷い内容だが、マッケラスの祝典序曲と交響曲第5番はとても立派な演奏だし、2曲の弦楽四重奏、ピアノ五重奏曲ともにそう悪くない演奏なので、値段を考えると損はしないセットだと思う。

まだ何点か購入したのだが、それらはまた後日。(^^;
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_Gergiev,V.A.

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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