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DVD2題&第8交響曲2題

  • サンクト・ペテルブルグ・ガラ2003 テミルカーノフ、アレクセーエフ/サンクト・ペテルブルグPO トレチャコフ (Vn) ヴィルサラーゼ (Pf) マイスキー (Vc) ネトレプコ (S) フヴォロストーフスキイ (Br) (TDK TDBA-0072 [DVD])
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 バルシャイ/ボーンマスSO (EMI 7243 5 87034 2 9)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 コフマン/ボン・ベートーヴェンO (MDG 337 1204-2)
  • ショスタコーヴィチ:歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」 セクンデ、ヴェントリス他 アニシモフ/バルセロナ・リセウ歌劇場O &合唱団 (EMI DVB 5 99730 9 [DVD])
特に目当ての音盤があったわけではないのだが、ふらっとTower Records梅田店へ。それでもそれなりに収穫があった。

サンクト・ペテルブルグ建都300年を記念するガラコンサートのDVDは、ショスタコーヴィチの祝典序曲が収録されていること以外にも、トレチャコフの演奏を是非とも観たかったので、迷わず購入。収録曲は以下の通り:
  1. ショスタコーヴィチ:祝典序曲 テミルカーノフ(指揮)
  2. サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ トレチャコフ (Vn) アレクセーエフ (指揮)
  3. ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ヴィルサラーゼ (Pf) アレクセーエフ (指揮)
  4. チャイコーフスキイ:歌劇「エヴゲーニイ・オネーギン」よりポロネーズ アレクセーエフ (指揮)
  5. ドニゼッティ:歌劇「ランメルモールのルチア」より「あたりは静けさに包まれ」 ネトレプコ (S) テミルカーノフ (指揮)
  6. プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」より「私が街を歩くと」 ネトレプコ (S) テミルカーノフ (指揮)
  7. チャイコーフスキイ:歌劇「スペードの女王」より「いとしい人…あなたを愛しています」 フヴォロストーフスキイ (Br) テミルカーノフ (指揮)
  8. ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」より「おおカルロ様、お聞きください」 フヴォロストーフスキイ (Br) テミルカーノフ (指揮)
  9. レスピーギ:アダージョと変奏 マイスキー (Vc) テミルカーノフ (指揮)
  10. ブルッフ:コル・ニドライ マイスキー (Vc) テミルカーノフ (指揮)
  11. レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」より「ネッダ!…シルヴィオ!こんな時間に」 ネトレプコ (S) フヴォロストーフスキイ (Br) テミルカーノフ (指揮)
  12. ラフマニノフ:交響曲第1番第4楽章よりファンファーレ テミルカーノフ (指揮)
こういうリラックスした演奏会だし、さぞかし爆裂した演奏が繰り広げられるだろうと期待した祝典序曲は、残念ながら満足のいく内容ではなかった。冒頭のトランペットからして、どこか腑抜けたような音。金管楽器の音程も今ひとつ良くない。練習不足なのか、主部に入ってからも雑然とした演奏が続き、コーダ前の部分では管楽器と弦楽器で完全にずれてしまう。致命的なのは、バンダがいないこと。せっかくのお祭りなんだから、そんなところでケチらなくても…

と、すっかり意気消沈したところでトレチャコフの登場。彼の演奏は、確か中学時代に札幌の厚生年金会館で円光寺雅彦指揮の札幌交響楽団とシベリウスのヴァイオリン協奏曲というのを聴いたことがあるが、第1楽章の第2主題の濃厚なロマンティシズムが強く印象に残っているものの、さすがに弾き姿の記憶までは残っていない。それにしても、実に達者な演奏。すべてが合理的で、全部の音が完璧に輝かしく響ききっている。時に泥臭さを感じさせる歌い口も魅力的。せめてもう一曲くらい聴きたかった。続くヴィルサラーゼも立派な演奏。ガラコンサートにラベルの左手という選択も凄いが、媚びのない峻厳とした音楽も素晴らしい。旧ソ連のこの世代の演奏家の底力を再確認させてくれる二人の演奏である。

アレクセーエフ指揮のポロネーズで前半が終わり、続く後半からはテミルカーノフの指揮となる。ネトレプコもフヴォロストーフスキイも巧い。大編成のオーケストラをバックに一歩も退かないどころか、スケールの大きな音楽で全体をリードしていく貫禄に圧倒される。テミルカーノフの伴奏も的確で見事なもの。マイスキーは随分大物扱いされているようだが、いつも通りの軟弱でか細い、見た目通りの演奏。ただし、ここでの選曲は彼の特質によく合っているのでそれほど不満は感じない。でも、マイスキーが2曲弾くのだったら、トレチャコフに3曲弾かせて欲しかったというのが率直な気持ち。ネトレプコとフヴォロストーフスキの艶やかな二重唱(最後のキスは見てて恥ずかしくなったが(^^;)でプログラムが終了すると、最後はラフマニノフの交響曲から抜き出したファンファーレでお開き。なかなか充実した内容でした。

バルシャイとボーンマス響によるショスタコーヴィチの第8番は、かなり以前にCD化されていたものの、ボーンマス響創立100周年記念CDに収録された第3楽章以外は長らく入手困難な状況が続いていた。廉価盤で復活したとの情報を知り、店頭で見つけて即購入。全体的には決して悪くない雰囲気で、特に切実な弦楽器の歌には心動かされる瞬間も少なくない。ただ、オーケストラのパワー不足は否めず、ダイナミックレンジの狭さが作品のスケール感を表現する上での制約になってしまっている。

交響曲第8番をもう一枚。7月15日付の本欄で第7番の秀演を取り上げたコフマンとボン・ベートーヴェン管による演奏。端正で丁寧な音作りと、楽曲に対する真摯な取り組みは立派なもの。テンポ設定や息の長い盛り上げなど、全体的に的確で模範的な解釈がなされていると言って構わないだろう。ただ、この作品では特にオーケストラの力不足が気になる。弦楽器の厚みが決定的に不足している。逆に、こういう音のまとめ方であれば、金管楽器にはさして不満はない。

「ムツェンスク郡のマクベス夫人」のDVDは、もう随分前にリリースされていたもの。いい加減、なくなる前に買っておこうということで購入。とりあえず一気に通して鑑賞してみたが、オーケストラがなかなか健闘している。これは、オケがしっかりと捉えられた録音のせいかもしれない。弦楽器が少々非力なのは否めないが、管楽器や打楽器が十分に雰囲気を醸し出していて、実演でこの水準ならば満足すべき出来だろう。声楽陣も悪くはないのだが、さすがにロシア語の発音には難がある。老囚人役のネステレーンコはさすがに圧倒的な存在感。歌劇場の雰囲気をよく伝えてくれる映像構成や画質・音質も立派なもの。演出もごく常識的なもので、違和感なく作品を楽しむことができる。もっとも、少なくともR15指定くらいはしたいところだが(^^;。ただ、第3幕の終わりでカテリーナとセルゲーイが逮捕された後に、交響曲第6番の第1楽章が挿入されたのはどうかと思う。第1幕と第2幕、休憩をはさんで第3幕と第4幕の連結部分で演出者の独自性を発揮したようだが、前者はともかく、このように違う音楽を(いくら同じ作曲家の作品とはいえ)突然挿入するのには賛成し難い。とはいえ、歌劇場の公演を収録した映像は他にないので、ファンならば必ず手元に置いておきたい一枚。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_Tretyakov,V.V.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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