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ショスタコーヴィチ三題

  • ムーソルグスキイ:歌劇「ホヴァーンシチナ」より前奏曲(リームスキイ=コールサコフ編)、死の歌と踊り(ショスタコーヴィチ編)、展覧会の絵(ラヴェル編) レイフェルカス (Br) テミルカーノフ/ロイヤルPO (RCA 82876-59423-2)
  • ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番、ヴァイオリン協奏曲第1番 ロストロポーヴィチ (Vc) L. コーガン (Vn) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Dreamlife DLVC-1150 [DVD])
  • ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ、ヴィオラ・ソナタ クニャーゼフ (Vc) ヴォスクレセンスキー (Pf) (Exton OVCL-00202)
家人に頼まれてシンデレラのDVDを予約しに、Tower Records梅田店へ。妻がVHSを持っているものの、これがどうやら随分と貴重なものらしく、娘が繰り返し観る度に文字通り身を磨り減らす思いをしていたようだが、これでめでたく何度でも観せてやることができる。…という口実の元に、何の気兼ねをすることもなく堂々とCD屋へ足を運ぶ。

今回の最大の収穫は、長らく探していたが廃盤で見つからなかったレイフェルカス&テミルカーノフの「死の歌と踊り」を見つけたこと。RCAの“Classic Library”というシリーズの一枚として復刻された模様。一聴して、とにかくレイフェルカスの張りのある美声に惹きつけられる。もちろん表面的な美観に終始せず、ムーソルグスキイ独特のロシア魂が力強く歌い上げられていることは言うまでもない。しなやかでありながら厳しい響きを奏でているオーケストラも立派。極めて完成度の高い名演である。それにしても、本当に素晴らしい曲だ。カップリングの2曲もなかなか秀逸。特に「展覧会の絵」はスケールが大きく、それでいて流麗な流れに貫かれた格調高い美演。ロシア情緒やエグさのある咆哮にも不足することなく、この曲の一二を争う名盤だと思う。

Dreamlifeのスヴェトラーノフ・シリーズ、9月発売分は2曲の協奏曲である。特にチェロ協奏曲第2番は初演ライヴの演奏であり、第3楽章のクライマックスの一部だけショスタコーヴィチの伝記映画などで目にしていただけに、まさに待望のお宝映像である。残念ながら、たとえば第2楽章冒頭の数小節分が欠落しているなどのキズは少なくないのだが、この映像の持つ歴史的な価値と演奏自体の素晴らしさの前では、細かにそうした指摘をするのは無粋というものだろう。リズム構造が複雑な作品だけにスヴェトラーノフもいつも以上にかっちりとした棒を振っているが、第3楽章の頂点などでは全身で音楽の強さを表現し、オーケストラから莫大なエネルギーを引き出しているのに感心した。これは、ヴァイオリン協奏曲第1番でも同じ。こちらは先月発売の交響曲第5番(8月31日付本欄)と同じショスタコーヴィチ生誕70年記念演奏会のライヴ。スネギリョーフのティンパニを初めとして、ソヴィエト国立響の魅力全開といった趣の演奏が繰り広げられている。スヴェトラーノフが第3楽章などで非常に細かく音楽の表情に関する指示を出している様もしっかりと捉えられていて、とても興味深い。二人のソリストについては、改めて述べることは何もない。両者ともに異様なまでのテンションの高さで聴き手を圧倒する。曲良し、演奏良し、画質・音質のみ悪し。

クニャーゼフというチェリストの名は知っていたし、ショスタコーヴィチ作品の録音も二つあることもチェックしていたのだが、国内盤でリリースされているとなるとどうしても後回しになってしまい(入手しやすさと価格の高さゆえ)、今回ようやく遅ればせながらチェロ・ソナタとヴィオラ・ソナタとをカップリングしたアルバムを確保した。男臭く、時に軋むチェロの音色が素敵。技術的には彼より巧い奏者は少なからずいるだろうが、この音の魅力はなかなかのもの。ヴォスクレセンスキイの重いピアノともども、手応えのあるロシアン・サウンドを堪能することができる。チェロ・ソナタは、ゆったりとしたテンポが心地よく、伸びやかな抒情が素敵。偶数楽章ではさらなるキレが欲しい気もするが、これは好みの問題だろう。ヴィオラ・ソナタは、チェロで演奏したものの中では最も優れた部類に入る内容。遅めのテンポが表面的な重々しさに留まることなく、複雑怪奇な内容に対する真正面からの取組みの結果であることがよく伝わってくる。ヴォスクレセンスキイのサポートも見事。確かに旋律線の変更などに伴う違和感がないわけではないが、それを超えて聴き手に訴えかける何かがある演奏である。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Mussorgsky,M.P. 演奏家_Svetlanov,E.F. 演奏家_Kogan,L.B. 演奏家_Rostropovich,M.L.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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