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キタエンコのショスタコーヴィチ4

  • ショスタコーヴィチ:交響曲全集 キタエンコ/ケルン・ギュルツェニヒ管他 (Capriccio 71 029 [SACD])
購入してからもう三ヶ月近く経ってしまったが、ようやくキタエンコの全集を完聴する。

第13番は、徹底的に作品の美しさを描き出した異色の演奏と言ってよいだろう。これは、少なからずバスのコチニアンの明るく若々しい声質がもたらした影響だが、決して悪くはない。オーケストラも全体に透明感のある響きが貫かれていて、ともすれば作品の内容が持つ圧倒的な力の影であまり意識せずに聴き過ごしてしまうような、響きの密やかな美しさが十分に引き出されている。もちろん、合唱も含めて音の力に不足することはなく、バランスのとれた秀演である。

一方、第14番は少々印象に乏しい。落ち着いたテンポ設定が、しばしば単なる安全運転に感じられてしまう。速ければ良いわけではないが、この作品にはもう少し鬼気迫るものが欲しい。バスのコチニアンは安定した技術に基づく丁寧な歌唱で健闘しているが、ソプラノのシャグチには物足りなさが残る。

第15番も端正で美しい仕上がりに感心するが、これといった特徴に欠ける印象の薄い演奏。全体を貫く緊張感や弱奏部の表現力に不足するために、個々のモノローグが断片化してしまって作品全体の劇性が必ずしも適切に表出しきれていないことがその理由かもしれない。

全集である以上、作品毎に出来不出来の差があるのは当然だが、全15曲がいずれも非常に高い水準で仕上がっていることに感心した。ショスタコーヴィチの交響曲全集は、NAXOSのスロヴァーク盤を除いてはいずれもそれぞれに存在価値のあるものばかりだが、録音の優秀さも考慮すると、バルシャイやN. ヤルヴィを凌ぎ、ハイティンクに匹敵するのではないかと思う。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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