昨年12月の買い物

  • 五重奏のためのコンチェルト ピアソラ五重奏団 (RCA 8287 674266-2)
  • ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ、プロコーフィエフ:チェロ・ソナタ、ストラヴィーンスキイ:イタリア組曲 フカコヴァ (Vc) クランスキー (Pf) (Kontrapunkt 32216)
  • ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ(クヴァツキイ編)、「馬あぶ」からの組曲(ボリソーフスキイ編)、ヴィオラ・ソナタ トムテル (Va) ギムセ (Pf) (Somm SOMMCD 030)
  • ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガより(第1~9、15~17、19、12番) カレファクス・リード五重奏団 (MDG 619 1185-2)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ独奏曲全集第1巻(5つの前奏曲、3つの幻想的な舞曲、格言集、ポルカ、24の前奏曲、人形の踊り) ペトルシャンスキイ (Pf) (stradivarius STR 33727)
  • ショスタコーヴィチ:室内交響曲、クニッテル:マタイ受難曲 ドゥツマル/ポーランド放送・アマデウスCO (Polskie Radio PRCD 095)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1&2番、コンチェルティーノ(I. ディモフ編) ウーリク (Pf) ライナー (Tp) スターレク/SWR放送O (hänssler CD 93.113)
  • ハイドン:交響曲第90番、ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 ウォルフ/フランクフルト放送SO (hr hrmk 011-02)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 エルムクィスト/ルクセンブルクPO (Classico CLASSCD 604)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ドミトリエフ/サンクト・ペテルブルグSO (Water Lily Acoustics WLA-WS-77-CD)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5、9番 コフマン/ボン・ベートーヴェンO (MDG 337 1202-2)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第9、10番 カエターニ/ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディSO (Arts 47675-2)
ショスタコーヴィチ生誕100年の2006年。明けまして…どころか、最初の書き込みが2月になってしまった… まぁ忙しくないというのも困ったことなので、この状況に不満があるわけではないが、未聴盤を積み上げる癖だけはつけないようにしないと。

さて、ようやく昨年12月初旬のTower Records渋谷店で買い物した分を一通り聴くことができた。

まずは5階で、ピアソラの録音で買い逃していたものを一点確保。これはEdición Críticaというシリーズの一枚だが、目的はボーナストラックとして収録されているトロイロとのバンドネオン二重奏。国内盤でこのアルバムが再発された時にこの二重奏がボーナストラックとして復刻されていたのだが、全く気づかずに買い逃してしまっていたただけに嬉しい。左右のチャンネルが逆になっているとの情報もあるが、オリジナルを知らないだけに何とも言えない。内容は…最高。たった2曲、それも合わせて10分にも満たない長さだが、何度も繰り返し聴いてしまった。こういうインティメートで濃密な雰囲気は、タンゴに限らずそうめったに聴くことができない。

あとは6階でショスタコーヴィチ関係の音盤を目に付くままに。

フカコヴァのチェロ・ソナタは、もう10年以上も前にJEUGIA河原町店という、今では1階がマクドナルドになっている建物の2階で見つけていたものの、他に買わなければならないものが多すぎて買いそびれている内にすっかり見かけなくなっていた音盤。去年東京に行った際にこの店舗で在庫を確認したが、その時は予算がなくてまたまた見送ったのだが、今回ついに確保。といっても、そこまで執着するほどの内容ではなかったが。逞しさと形容するほどではないが、十分な力強さを持った弾きっぷりは収録曲に相応しいもの。テンポ設定などの解釈はごくオーソドックスで、技術的にも高い水準で安定している。悪くはないのだが、これといった魅力が感じられないのもまた事実。

トムテル(Lars Anders Tomter)というヴィオリストによるショスタコーヴィチ作品集は、編曲物を含む興味深い選曲のアルバム。チェロ・ソナタの編曲は“西側初録音”との表記がなされているが、MelodiyaからLPが1枚リリースされていただけなので、貴重であることには間違いない。ただ、このご時勢に“西側”なんて区別に意味があるとはあまり思えないが。深い音色は十分に魅力的だが、音域の制約による旋律線の変更などの違和感を払拭するほどの出来ではない。ピアノが控えめなのも物足りない。一方、ベートーヴェンQの初代ヴィオリスト、ボリソーフスキイの編曲による「馬あぶ」組曲はなかなか面白かった。有名なロマンスの他に3曲が選ばれ、それぞれに技巧的な見せ場も盛り込まれた意欲的な編曲。アンコール・ピースとしてもっと取り上げられても良いのではないだろうか。メインのヴィオラ・ソナタは、いまひとつの出来。技術的な精度の甘さも気になるが、音楽的な掘り下げの浅さが何とももどかしい。この演奏では、暗いけど、何となくきれいな感じのする曲…というような印象しか持てない。

オーボエ、クラリネット、バスクラリネット、サクソフォーン、ファゴットというリード楽器ばかりの五重奏による「24の前奏曲とフーガ」は、第1,4,7,8番の4曲は以前に別メンバーによる録音があった。それから10年経って編曲が進んだということなのだろうか。今度は14曲が収録されたアルバムである。印象は旧盤とそう大きく変わらないが、技術的な難易度の高い曲もあるためか、音程の甘さが少々気になる。それにしても、不思議と違和感のない編曲だ。

ペトルシャンスキイによる主として初期のピアノ作品を集めたアルバムは、「ショスタコーヴィチのピアノ作品全集」の第1巻とされている。DSCH社の新全集に準拠した“全集”となるならば非常に価値があるだろうが、今後どのような収録曲でリリースされていくのか、あまり期待せずに注目したい。5つの前奏曲、3つの幻想的な舞曲、格言集といった初期作品と人形の踊りについては、もったいぶった表情付けが楽曲の魅力を損なっているように思われる。もっと素直に弾き飛ばしてしまう方が、むしろ好ましいだろう。「ポルカ」にもその傾向は見られないわけではないが、ここでは勢いの良さが上回っていてさほど不満は感じない。24の前奏曲は、ごく普通の演奏。丁寧に弾き込まれてはいるものの、特に個性は感じられない。

ドゥツマル指揮の室内交響曲は、10年ほど前に同じ団体で録音された旧盤がある。それに比べると、アンサンブルの精度や音楽の振幅は向上している。とはいえ、数多い録音の中で独自の存在感を示すには至っていない。クニッテルの作品は初めて聴いたが、さすがに一聴しただけではよくわからない。囁くような声楽の扱いが印象的。

ウーリクによるピアノ協奏曲は、独奏・オーケストラ共にもう少し美しさを求めたい。特にオーケストラの精度がいまひとつで、音楽の流れが鈍い。第2番の方が第1番よりも出来は良いが、音楽そのものは平凡である。コンチェルティーノの編曲は、どこか交響詩「十月革命」を彷彿とさせる物々しさが面白い。演奏自体は、可もなく不可もなくといったところ。

ウォルフ指揮のアルバムは、ハイドンとショスタコーヴィチの交響曲をカップリングした、ありそうでなかった組み合わせが面白い。オーケストラの透明な響きには現代的な趣きがあり、ショスタコーヴィチとよく合っている。軽量級ではあるが、ごく標準的な解釈といえるだろう。ハイドンも颯爽とした楽しい演奏だが、あっさりと流れ過ぎているようにも思える。

エルムクィスト指揮の交響曲第5番は、Classicoという名の通ったレーベルからリリースされているにもかかわらず、三流アマオケのような演奏技術に思わず耳を疑ってしまう。ここまで酷い演奏を聴いたのは久しぶりだ。

期待はずれだったのは、ドミトリエフ指揮の交響曲第7番。演奏そのものはロシア風でありながらも洗練された音楽で心地よいのだが、録音が奇妙なほどに遠く、音楽の細部が聴き取り辛い。それなりに熱気溢れる盛り上がりも窺えるのだが、扉の向こうで演奏が繰り広げられているような臨場感のなさには不満しか残らない。

コフマン指揮の交響曲集、未入手の第5&9番が棚に並んでいたので確保。第1弾の第10番だけがまだ見つからないが、まぁ、その内どこかで手に入るでしょう。さて、このアルバムに収録された2曲には、コフマンによるショスタコーヴィチ演奏の美質が非常によく現れている。力みのない響きと音楽の流れが、楽曲の持つ、いわゆる純音楽的な魅力を適切に伝えてくれる。演奏とは関係ないが、一つだけ気になったのは、Windows Media Playerで再生したところ、なぜかレヴィ指揮のアルバムが表示されたこと。演奏時間は明らかに違うので、例のイヴァーノフ盤のようなことはないだろうが、妙にナーバスになってしまう。これもPTSDと言えるのでしょうかね?(^^;

カエターニ指揮の交響曲も、未入手の第9&10番を確保。これで現在リリースされている分は揃った。両曲とも素晴らしい出来に感心した。スケールの大きな音楽としなやかな流れがバランスよく両立している上に、整然とした様式感にも不足しない。特に第9番が立派な仕上がり。第10番も全体に熱気が漲っていて魅力的な演奏だが、後半の2つの楽章では音楽が若干弛緩するように感じられるのが惜しい。
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genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. Tango_Piazzolla,A.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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