ダネルQのショスタコーヴィチ(その2)

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  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 ダネルQ (Fuga Libera FUG512)
ダネルQの四重奏曲全集の続き。今日はDisc-2とDisc-3。

第6番は、この団体の魅力が存分に発揮された秀演である。高揚感に満ちた伸びやかな歌心が心地好く、この作品の魅力が適切に引き出されている。全曲のスケール大きな統一感も素晴らしい。

一方、第3番は消化不良の感が否めない。野生的なまでの表現意欲が、この録音の時点(2003年)ではまだ空回りしていて、むしろ粗雑にすら聴こえてしまうのが惜しい。解釈の意図自体は正統的なもの。

第13番は、堂々たる好演。簡素なスコアから多彩な表現を引き出す力量は賞賛に値する。ただ、重厚な表現のあまり、逆に作品の凝縮性が損なわれているのが残念。もっとも、一種の歌謡性を持った演奏なので、聴きやすいことは確かだろう。

個性的なのが、第14番。これほどまでに熱狂的な高揚感を持った演奏は、他にない。薄いスコアにもどかしさすら感じているかのような表現には、好みが分かれるかもしれない。僕は嫌いではないが、抒情的な部分でもう少し官能的な響きが欲しいところだ。

第8番は、正統的な秀演といえるだろう。際立った特徴があるわけではないが、全ての表現がツボにはまっているとともに、若々しい気力が漲っているのが素晴らしい。

ここまで聴いてきた中で、第5、6番と並んで感銘を受けたのが第12番。無骨で逞しい響きと、大柄で力強い音楽作りが傑出した名演である。長大な全曲を貫く緊張感が、作品の持つ独自の統一感を見事に描き出している。

実に優れた内容を持った全集である。残り2枚も楽しみ。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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