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ダネルQのショスタコーヴィチ(その3)

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  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲全集 ダネルQ (Fuga Libera FUG512)
ようやく、ダネルQの四重奏曲全集を完聴することができた。残るはDisc-4とDisc-5。Disc-4は全集の中でも最も収録が早い(2001年)3曲である。

第4番は、伸びやかな雰囲気が良い。ただ第3楽章や第4楽章では、特に弱奏部で平板な表現もある。第4楽章の高揚感はなかなかのものだが、全体としては今一つの感が否めない。

Disc-4の中で出来が良いのは、第11番。各楽章の性格を適切に把握した、スケールの大きな演奏は立派なもの。ただ、勢いに任せて表現が単調になってしまう部分もあるのが惜しい。技術的にも、少々荒っぽい。

第9番は、全集中でも不出来な部類に入る演奏だろう。解釈自体は正統的だが、それを表現する技術に不足がある。本来ならばこの作品でこそ威力を発揮するであろう、この団体の特徴でもある野生的な高揚感が、実際の音として実現していない。再録音を望みたいところだ。

第1番では、他の曲とは少し違って、どこか大人びた落ち着きを感じさせるところが面白い。透明な静寂感が印象的で、第2楽章などは、少々くどい気もするものの、深みのある充実した音楽となっている。一方で、第4楽章はおさまりすぎで物足りない。

第10番は、第2楽章の暴れっぷりにこの団体の魅力を感じることができるものの、全体としてはやや中途半端な出来。解釈そのものに問題はないが、後期の四重奏曲への過渡的な作風を消化しきれていないようにも思える。

Disc-5の最後である第15番は、全集の締めくくりに相応しい(録音に際して、そういう意図はないようだが)充実した硬派な佳演である。緊張感漂う異様な静謐感だけではなく、随所で爆発する力強い生命力が説得力を持っている。長大な作品を貫く集中力が素晴らしく、聴き手を退屈させることがない。

全体を通して、収録年の早い曲には物足りなさもあるが、2004年末以降に録音されている曲については、ほとんどハズレのない極めて水準の高い全集である。フランスの団体のようだが、ボロディンQ(ベルリンスキイ)やドルジーニンらの薫陶も受けているようで、解釈はもちろんのこと、響きにも不満はない。晦渋な印象もあるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲に、若々しい生命力を吹き込んだ充実のセットといえるだろう。お薦め。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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