ムラヴィーンスキイ、コンドラーシン…そしてピアソラ

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  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ムラヴィーンスキイ/レニングラードPO (Philips PROA-31)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 シャーリー=カーク (B) コンドラーシン/バイエルン放送SO & Cho (Philips PROA-30)
  • 東京のアストル・ピアソラ(ライヴ1984) (P.J.L MTCW-1015/16)
久しぶりにTower Records梅田店へ。音盤屋に足を運んだのは、一体いつ以来だろう?お目当ては、もちろん『TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION』Vol. 2としてリリースされた2点。ムラヴィーンスキイの第8番、コンドラーシンの第13番、ともに今さらコメントする必要のない超名盤である。ムラヴィーンスキイ盤はPhilips盤、Icone盤、Russian Disc盤のいずれも所有しているが、バックアップとして迷わず購入。コンドラーシン盤はLPでしか所有していなかったので、こちらはどうしても確保しておきたかった。第8番は、Philips盤そのままの復刻なのでピッチの問題は修正されていないが、聴き始めの違和感さえ乗り切れば、少なくとも僕にとっては大きな問題ではない。確かに演奏時間も若干短くなっている(=テンポが速い)のだが、Russian Disc盤と比較しても、演奏の印象が変わってしまうほどの影響はない。両盤とも長らく入手困難だったために各種のオークション等で破格の高値がつけられていたが、今回の再発で広く聴かれるようになるだろうことが何より嬉しい。第8番は、僕にとってはショスタコーヴィチ蒐集の初期に入手して聴き込んだ、いわゆる“刷り込み”演奏なので思い入れが強く、どうしても他の演奏とは一線を画して聴こえてしまう(もちろん、音楽のわずかな弛みや細かな瑕が皆無ではないのだが)だけに、ここでは敢えてコメントを控えさせてもらいます(^^;。第13番の刷り込みは同じコンドラーシン指揮のエイゼン独唱盤なので、今回再発されたライヴ盤はオーケストラの響きの洗練され具合などが好みとちょっと違うのだが、音楽の充実度はやはり傑出している。第5楽章の美しさが印象的。

店に足を運んだついでに、発売されたばかりのアルバムを一点。ピアソラの東京ライヴは1982年のものが2年ほど前にリリースされたが、今回はピアソラ2回目の来日である1984年のライヴ録音。マスターの発掘など随分と苦労があったようだが、貴重な音源が陽の目を浴びたことを喜びたい。演奏内容は、全体にテンポもゆったりとしていて落ち着いたもの。大人の雰囲気はあるものの、熱気という点ではやや物足りないかな。1984年は有名な録音が数多くあるだけに、それらと比較すると印象は薄い。ただ、藤沢嵐子の堂々たる歌唱は1982年盤よりもスケールが大きいし、ラビエの歌は初めて聴いたのだが、独特の雰囲気を持った美声で気持ちがよかった。本アルバム最大のポイントは、後期キンテートのレパートリーにはなかった「ロ・ケ・ベンドラ(来るべきもの)」が収録されていることだろう。高場将美氏による当時のピアソラへのインタビューがライナーに所収されているのだが、その中でこの演奏について「(練習時には終結部付近のテンポを抑えるように自身が指示していたにもかかわらず、本番ではピアソラ自らが走ってしまったという高場氏の指摘を受けて)不思議だね。これがナマのステージの魔力だ。レコードではこうはいかないぜ」と答えているピアソラの開き直りっぷりに笑ってしまいました。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_Kondrashin,K.P. 演奏家_Mravinsky,E.A. Tango_Piazzolla,A.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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