HMV(通販)でお買い物(6月分)

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  • ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番「幽霊」、ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ジュピター・トリオ (Bridge 9147)
  • ハイドン:ピアノ三重奏曲第39番「ハンガリー風」、メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番、ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 Karvay (Vn) Karanovic (Vc) Stroissnig (Pf) (ORF CD 381)
  • プロコーフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ、シェドリーン(ツィガーノフ編):フモレスケ、アルベニス風に エシュケナージ (Vn) アンゲロフ (Pf) (Gega New GD 269)
  • Sviatoslav RICHTER Archives Volume 9(ミャスコーフスキイ:ピアノ・ソナタ第3番、ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガより第19~22番、プロコーフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番 リヒテル (Pf) (Doremi DHR-7806)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽八重奏のための2つの小品、ストラヴィーンスキイ:協奏曲ニ調、ショスタコーヴィチ(D. シトコヴェツキ編):弦楽四重奏曲第3番、ストラヴィーンスキイ(ドゥシキン編):歌劇「マヴラ」より「ロシアの歌」 D. シトコヴェツキ/ニュー・ヨーロピアン・ストリングス (hänssler CD 98.488)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第6、9、11番 ドビュッシー四重奏団 (Arion ARN 68596)
  • ショスタコーヴィチ:ステパーン・ラージンの処刑、交響詩「十月革命」、5つの断章 オースティン (Br) シュウォーツ/シアトルSO & cho (Naxos 8.557812)
5月末にHMVでオーダーしたものが、7月頭に届いたものの、2ヶ月近く未聴のままほったらかしにしてしまった。あまり店頭では見かけないコレクションのための音盤を中心に、最近リリースされていて買いそびれていたものも含めて計7枚。

ジュピター・トリオは、第4回大阪国際室内楽コンクール(2002年)の優勝団体。安定した技術で勢いの良い音楽が魅力的なアルバムである。ただ、ショスタコーヴィチでは若干表現の多彩さに欠けるのが物足りない。ベートーヴェンは溌剌とした雰囲気が悪くない。

ピアノ三重奏曲をもう一枚。このアルバムには「spread your wings」というタイトルがついているので、若手支援の企画なのかもしれない。個々の技術水準は低くないのだが、アンサンブルはやや雑然とした印象。表現も直線的で、音楽的な深みは十分に獲得されていない。3人とも中欧出身ということもあってか、ハイドンが特に爽やかで整った佳演だった。ショスタコーヴィチも、楽曲への真摯な取り組みと自然な熱気が悪くはない。ただ、作品が持っている力を表出するには力量不足の感が否めない。メンデルスゾーンは、有名曲だけに色々考え過ぎてしまったのだろうか。もっと素直に歌って欲しいところ。

ブルガリア出身のエシュケナージというヴァイオリニストは、寡聞にして初めて知った。ショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタの音盤はほとんど蒐集できているので、コレクションの穴埋め的な意識で何気なくオーダーしたのだが、これがなかなか優れた演奏で嬉しい誤算。まず、木の香りがする骨太の音色が美しい。切れ味の良い技術も安定していて水準が高い。落ち着いた音楽の運びが、作品の美しさを丹念に描き出している。第2楽章はもう少し狂気を感じさせて欲しいところだが、両端楽章は実に見事。プロコーフィエフのソナタも良かったが、シェドリーンの2曲がお洒落で素敵。

DOREMIレーベルのリヒテル・シリーズは、存在自体は知っていたが、その内容をきちんとチェックしていなかった。初出かどうかははっきりとわからないが、ショスタコーヴィチ作品は未架蔵のライヴ録音だったので購入。非常にコンディションの良い演奏会だったようで、完璧としか言いようがない。ショスタコーヴィチでは、瞑想的な雰囲気と並々ならぬ覇気が両立していて、これ以外の解釈・演奏は考えられないくらい。ミャスコーフスキイも素晴らしいが、何と言ってもプロコーフィエフが凄い。凄すぎる。

D. シトコヴェツキ/ニュー・ヨーロピアン・ストリングスのアルバムは、何よりも洗練された柔らかさと広がりのある美しい響きが大変魅力的である。ショスタコーヴィチの作品11の第1曲が、彼らの演奏の美質を存分に示している。第2曲では、もう少し鋭さが欲しい部分もあるが、ともあれこの曲からこれだけ流麗で芳醇な響きを引き出した演奏はない。弦楽四重奏曲第3番は、D. シトコヴェツキが弦楽合奏用に編曲したもの。Sikorski社からポケットスコアも出版されているが、録音はたぶんこのCDが初めてだろう。第8番と同様に作品自身が持つスケールが大きいことと、コントラバスの付加とSoloとTuttiの配分が編曲の主たる要点であることもあり、弦楽合奏用に編曲することに違和感は全くない。演奏は、やはりふくよかな美しさが際立つもの。作品の切実な訴えが流麗さに覆われているような印象が若干なくもないが、テンポ設定等の解釈も極めて真っ当で、価値のある仕上がりとなっている。ストラヴィーンスキイの作品も同様だが、明るい響きを持っているこの団体には、こちらの方がより適しているようにも思えた。最後に収録されている「ロシアの歌」がとても素敵な小品で気に入った。

ドビュッシーQによる弦楽四重奏曲全集の第4巻は、どういう事情かはわからないが、少なくとも日本で入手できるようになったのは、第5巻より後だったようだ。この1枚だけなかなか揃わなくて気分が悪かったが、これでめでたくこの全集は完結。そういえば、ソレルQの全集も半分くらいしか揃えてなかった… さて、演奏内容。第6番は、わりと腰の軽い出だしではあるものの、落ち着いた響きのおかげで浮ついた印象は全くない。上品ながらも気持ちの良さそうな歌が、この作品に相応しい。第9番も同様の演奏で、丁寧で真摯な解釈と高いアンサンブル技術は立派なのだが、僕には少々落ち着き過ぎで力強さに不足するように感じられた。楽章毎の性格付けもやや単調。このアルバムの中で最も素晴らしかったのは、第11番。地味ながらも内面の燃焼度は高く、淀みなく流れる洗練された音楽ながらも、コクのある訴求力が全編に貫かれている。しっとりした余韻の残る秀演である。

最後に、今回購入した中で唯一の管弦楽作品を収録したアルバム。「ステパーン・ラージンの処刑」の新録音だが、収録年は1996年。「十月革命」は2000年で「断章」は2005年と、どの時点でアルバムとしての企画がまとまったのかは不明だが、いかにもNaxosらしい選曲である。演奏も、単に珍曲をやりました…という以上の水準なのが嬉しい。「ラージン」は、とてもよく整えられた手堅い演奏。落ち着いたテンポで、丁寧にスコアを音化しているのが好ましい。ただ、独唱をはじめ、全体に響きが細身で力強さや広がりに欠けるのが惜しい。感心したのが「十月革命」。伸び伸びと歌い上げた演奏は、スケール感にも不足していない。地味な響きではあるが、アクが強くない分、聴きやすさも増している。「断章」は、作品への丁寧で真摯な取組みが好ましい。もう少し響きに多彩さが欲しいところではあるが、他の2曲と比べると収録年が新しいこともあってか、随分とマシ。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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