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久しぶりの音盤屋

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  • J. S. バッハ(ベルナー版):音楽の捧げ物 ケーゲル/ライプツィヒ放送SO (Weitblick SSS0060-2)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 スヴェトラーノフ/ロンドンSO (BBC BBCL 4189-2)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第1&9番 マタチッチ/NHK SO (Altus ALT129)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 アレクサーシキン (B) テミルカーノフ/サンクト・ペテルブルグPO、サンクト・ペテルブルグ放送男声Cho、サンクト・ペテルブルグ連合男声Cho (RCA BVCC-34144)
少し早く職場を出ることができたので、久しぶりにTower Records難波店へ。この「覚え書き」を辿ってみると、どうやら2~3月以来になる。音盤屋自体にも7月以降、足を運んでいない。いくら通販が便利だからといって、こんなことではいけないなぁ…と思う。

今回のお目当ては、ケーゲルの「音楽の捧げ物」。新譜として出てから若干時間は経ってしまったが、あちこちで高評価を目にしていただけに、兎にも角にも入手しておきたかった。この作品には楽曲の順番や楽器編成などをどうするかという問題があるようだが、このアルバムで採用されているのは、原曲とデッサウ、ウェーベルンの編曲を組み合わせて、ベルナーが配列した版である。「ヘルマン・ベルナーによる新版」とクレジットされているが、おそらくはほとんど知られていない版だと思う。楽曲の順番は以下の通り:
3声のリチェルカーレ
王の主題による各種のカノン
ヴァイオリンのための2声のカノン:同度で
2声のカノン(蟹のカノン)
2声の反行カノン
上方5度のフーガ・カノニカ
王の主題による無限カノン
トリオ・ソナタ
王の主題による各種のカノン(デッサウ編)
2声の反行の拡大カノン
無限カノン(デッサウ編)
王の主題による各種のカノン(デッサウ編)
2声の1全音上昇カノン(螺旋カノン)
尋ねよ、さらば見いださん(謎のカノン)(デッサウ編)
2声のカノン
4声のカノン
6声のリチェルカーレ(ウェーベルン編)
ケーゲルが、管弦楽編曲分以外の楽曲に対して、どの程度関与しているのかはよく分からない。冒頭の「3声のリチェルカーレ」では、バッハがフリードリヒ大王の前で実際に演奏したジルバーマン作のフォルテピアノを復元して用いているが、これがケーゲルのアイディアなのか、あるいは録音の企画側の発案なのかも分からない。さらには、なぜこの録音が長らくお蔵入りしていたのかも分からない。

このように謎だらけのアルバムではあるが、内容はとんでもなく素晴らしい。現在の古楽研究を踏まえたものとは異なる“オールド・スタイル”だが、奇を衒うことのない真摯な演奏は、技術的な問題を越えて、感覚的にしっくりとくる。デッサウ編曲の5曲も違和感は全くなく、むしろ現代人にとっては馴染みのある音といえるだろう。ウェーベルンの編曲も拍子抜けするほど淡々とした演奏だが、逆にこれぞ王道とでもいうような荘厳な音楽になっている。実に良い演奏である。

スヴェトラーノフには、交響曲第8番のMelodiya録音はない。主兵のソヴィエト国立SOではないものの、BBCレーベルから初出のライブ録音(1979年)がリリースされたので、買わない訳にはいかない。ということで、わりと期待して聴き始めたのだが、正直なところ肩透かしを食らった気分。オーケストラの精度は低く、録音状態も優れないということもあるが、それ以上にスヴェトラーノフの解釈がしっくりとこない。端的に言えば、抒情的に過ぎる。この作品には、“形式主義者”ショスタコーヴィチの面目躍如たる荘厳な造形美があるが、この演奏ではそれを感じることができない。緊張感や音楽的な意志の力強さは十分に伝わってくるが、にもかかわらず音楽のあちこちに隙間が空いているように聴こえてならない。中では、第4楽章の雰囲気と訴求力が印象的であった。

マタチッチのショスタコーヴィチというのは、想像したこともなかった。これがなかなか正統的でありながらも剛毅な男らしさに満ちたなかなかの佳演。適切なテンポで、節度のある調和のとれた響きが繰り広げられる。第1番の第4楽章などの弱奏部では絶妙の響きも引き出していて、マタチッチの凄さを再認識させられる。第9番終楽章コーダの追い込みも格好良い。ただ、オーケストラには技術的に苦しい部分も少なくない(特に第9番)。

テミルカーノフの「バービイ・ヤール」は、新譜とは言っても10年前(1996年)のライヴ録音。音楽がどうにも上滑りしている感が強く、聴き手に訴えかける切実さに欠ける。ライヴゆえの瑕はともかくとして、音響自体はそれなりに壮麗なだけに、一層空虚な印象が強い。不自然に速いテンポ設定にも大いに疑問が残る。ちなみに国内盤を購入したのだが、一柳氏の対訳が秀逸で、これは思わぬ収穫。とはいえ、この演奏内容では対訳だけに2520円を払うことになり、コストパフォーマンスが良いとは言えないのだが。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Kegel,H. 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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