京都大学交響楽団第180回定期演奏会

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  • 京都大学交響楽団第180回定期演奏会 創立90周年記念特別公演(大阪公演)
  • ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1&2番 D. コーガン (Vn) M. ショスタコーヴィチ/チャイコーフスキイSO (Delos DE 3363)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1&2番、ブロークの詩による7つの歌曲 バークミン (S) チューリヒ・ピアノ三重奏団 (Claves 50-2605)
京都大学音楽研究会の大先輩に誘われて、京都大学交響楽団の定期演奏会に足を運んだ(先輩は、京大オケのOBでもある)。プログラムは、以下の通り:
  1. ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
  2. フォーレ 組曲「ペレアスとメリザンド」
  3. R. シュトラウス アルプス交響曲
     指揮:山下一史  2007年1月15日(月) ザ・シンフォニーホール
仕事の都合で、残念ながらアルプス交響曲しか聴くことができなかった。巧いとか、その反対に技術的なアラを探すような聴き方を学生オケに対してするつもりはない。時間と情熱を存分に注ぎ込んで曲を徹底的に磨き上げようとする、ある種体育会系的なひたむきさが演奏に表れていて、何よりもそれに感心した。弦楽器のボウイング一つとっても、こういう風に揃えることは社会人オケではまず無理で、学生ならではの特権が懐かしくもあり羨ましくもあり。終演後は、先輩に連れられて山下氏の楽屋へ。当日の演奏について良かったところと反省点とを一気呵成にまくしたてている姿に、今度はプロの情熱を見ることができて、大いに刺激を受けた。

2月号が発売になったので、『レコード芸術』誌1月号の「海外盤試聴記」に寄稿したものを以下に掲載しておく(一部改)。

ヴァイオリン協奏曲は、作曲家D. ショスタコーヴィチの息子と、大ヴァイオリニストL. コーガンの孫との顔合わせという話題盤。チャイコフスキーSO(旧モスクワ放送SO)はソ連時代にマクシームが首席指揮者を務めていた団体でもあり、当時の彼らが残した名盤さながらのどこか節操のないオーケストラの存在感が際立つ演奏となっている。第1番冒頭の弱奏部からしっかりと音が鳴らされ、終始マクシーム独特の生理的な快感に満ちた響きが繰り広げられる。時に独奏を霞めてしまう瞬間もあるが(たとえば第1番第2楽章)、作品が要求している管弦楽部の比重を考えると、下手にバランスを優先するのよりは好ましい。情緒に流されがちではあるが、スケール感にも不足していない。ただ、第2番の第2楽章などでは一層の官能性を求めたいところ。作品への真摯な姿勢が光るコーガンのヴァイオリンは高水準であるものの、快刀乱麻を断つとは言い難く、残念ながら速い楽章では音楽がもたつく。

チューリヒ・ピアノ三重奏団のショスタコーヴィチ・アルバムは、技術的にも音楽的にも高い水準でバランスのとれた演奏。音色はまさしくドイツ流儀のものだが、伸びやかな歌心と素直な高揚感が印象的な第1番が、作品と演奏者双方の魅力が存分に発揮された秀演である。一方第2番は、端正な楽曲構成と丹念な演奏にもかかわらず、律儀なフレージングゆえに、ショスタコーヴィチに特有な息の長いクライマックスの表出に今一つの物足りなさが残る。もっとも、この整然とした佇まいを好ましく思う聴き手も少なくはないだろう。歌曲でも彼らのスタイルは同じで、凝縮への志向が強いこの作品の特徴をしっかりと捉えている。しかし、バークミンの歌が外面的で、室内楽的な観点からは散漫な仕上がりになってしまったのが惜しい。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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