HMV(通販)でお買い物(5月分)

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  • ハイドン:交響曲第104番、ブリテン:4つの海の間奏曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第1番 ケンペ/BBC SO (BBC BBCL 4188-2)
  • ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1&2番 S. ハチャトゥリャーン (Vn) マズア/フランス国立O (Naive V 5025)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第15番(2台ピアノ版)、コンチェルティーノ アントルモン、ミッコラ (Pf) (Cascavelle VEL 3102)
  • ショスタコーヴィチ:チェロ・ソナタ、シニートケ:O. カガーン追悼のマドリガル、響く文字、チェロ・ソナタ第1番、ショスタコーヴィチ:8つの小品(「子供のノート」より第6曲、「人形たちの踊り」より第6曲、喜歌劇「モスクワよ、チェリョームシキよ」より「リューシャの憧れの歌」、音楽舞踏劇「勝利の春」より第2曲、組曲「ミチューリン」より第3曲、組曲「馬あぶ」より第10曲、チェロのためのモデラート、劇音楽「ハムレット」(1954年版)より「ジーグ」) S. ゲルハルト (Vc) オズボーン (Pf) (Hyperion CDA67534)
  • シニートケ:交響曲第1~4番 ロジデーストヴェンスキイ/ソヴィエト国立文化省SO他 (Venezia CDVE04261)
  • 映画『チェリョームシキ』 (Decca 074 3138 [DVD])
5月上旬にHMVへ注文した品物が届いた。生誕100年の昨年、少なくない数のリリースがあったため、まともに新譜を追うことができず、ウィッシュリストも100枚を越えて久しい。嬉しい悲鳴…ではあるのだが、話題盤を先に買うか、それとも入手困難になりそうな雰囲気のものを優先してコレクションを整えるか、非常に悩ましい。今回のオーダーも、こうした悩みをそのまま反映したものになった。

コンスタントに貴重な音源をリリースし続けているBBC Legendsシリーズから、今回はケンペのアルバムを購入。これも昨年のリリースだったと記憶している。極めて優れた演奏内容に、今まで買いそびれていたことを後悔。引き締まった造形美を漂わせつつも、味わいの濃い歌をしっかりと聴かせてくれる。華やかな金管楽器の響きは、まさにドイツ流儀だが、ハイドンはもちろんのこと、ブリテンやショスタコーヴィチにおいても楽曲から浮き上がることなく意味深い響きとなっていることに感心する。本アルバムのベストはハイドンだが、ショスタコーヴィチもそれに劣らぬ秀演である。

注目株の若手ヴァイオリニスト、S. ハチャトゥリャーンによるショスタコーヴィチの協奏曲は、昨年、D. コーガンのアルバムと同時期にリリースされた記憶がある。達者な技術に基づいたやや粘り気のある深い音色は、なかなかに魅力的。瞑想的な雰囲気を色濃く打ち出した第1番の第1楽章が、独特ではあるが訴求力の強い音楽に仕上がっている。第3楽章でも、仄暗さを湛えつつもしなやかに流れるオーケストラが特徴的なことから、この解釈はマズアがリードしているのかもしれない。とはいえ、表現が上滑りすることはなく、充実した手応えのある佳演といえるだろう。これに比べると、第2番は独奏、オーケストラ共にやや平凡。落ち着いた音楽の運びは貫禄十分だが、もう一歩踏み込んだ狂気を求めたいところ。ただ、第2楽章で聴かせる弱音の美しさはとても印象的。

交響曲第15番の2台ピアノ用編曲は、今年上半期にリリースされた中でも特に注目を集めた盤といえるだろう。ショスタコーヴィチ自身による編曲は、おそらくDSCH社の新全集第30巻(未刊行)に所収されるものだと思われる。技術的な不満はなく、丁寧な音楽作りにも好感が持てる演奏である。しかし、第4番や第10番などとは異なり、線的な絡みが大部分を占めるこの作品に関しては、2台ピアノではむしろ楽曲の骨格が見え辛くなってしまう。また、打楽器をはじめとする独特の色彩感が欠落することも、この曲においては特にマイナスだろう。併録のコンチェルティーノは、際立った特徴はないものの、きびきびとした音楽の運びが心地好い。

ゲルハルトのショスタコーヴィチ&シニートケ集は、収録曲が面白かったのでオーダーしてみたもの。残念ながらショスタコーヴィチのソナタは、鼻のつまったような音色、あまり自然ではないフレージング(ボウイングの癖なのかもしれない)、瞬間湯沸器的な盛り上げ方など、いずれも僕の好みとは異なった演奏。第3楽章の終結部などは、緊張感を持った弱奏が美しいのだが、全体的な印象はあまり良くない。一方、シニートケの3曲ではこの弱奏が効果的で、作品の持つ響きの美しさが十分に引き出されている。最後に収録されている「8つの小品」は、1991年にМузыка社から出版されたチェロ用の編曲集をそのまま演奏したものと思われる。いずれも旋律線のきれいな楽曲ばかりなので、もう少し伸びやかな歌心が欲しいところではあるが、密やかな美しさの表現は優れている。

シニートケの交響曲集が安価で出ていたので、第1、2、5番以外は未聴であることもあって購入。第1番は昔面白がって聴いた記憶があるが、今回改めて聴いてみると、特に第2番のしっかりと作り込まれた響きの完成度に心惹かれた。第4番もなかなか良い。第3番も魅力的な作品だとは思うが、現段階では好き…というほどではないかな。大変な多作家であるだけに、シニートケの全作品を制覇しようとまでは思わないが、巷の評判を参考に色々と聴いてみたいところ。興味の赴くままに手を広げると、収拾がつかなくなるのは分かっているのですけどね…(^^;

ショスタコーヴィチ唯一のオペレッタである「モスクワよ、チェリョームシキよ」の映画版が、ついにDVD化された。リリースは2007年にずれ込んだとはいえ、生誕100年ゆえの企画と言える。ショスタコーヴィチの書いた音楽が全て使用されているわけではないが(ラビノヴィチ指揮のレニングラードPOによる演奏は、ロシアン・テイストに満ちた雰囲気豊かなもの)、舞台版の台本とそう大きな相違はない。筋書きは陳腐というよりはむしろ、駄作の部類に入れても構わないようなもので、映画として楽しむには不満が残る。このDVDの見どころは、当時のソ連の若者の風俗と、チェリョームシキ地区の実際の姿を映像で観られることに尽きる。したがって、コアなショスタコーヴィチ・ファン、あるいはソ連音楽ファン向けのコレクターズ・アイテムということになるだろう。おそらくは日本語字幕版がリリースされることもないだろうし(この程度であれば英語字幕でほとんど不自由は感じない)、少しでも興味があるならば、早めに確保しておくべきでしょう。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Schnittke,A.G.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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